ボディガード牙

ボディガード牙

ケンカ空手の達人・牙直人が、プロのボディーガードとして依頼者を守っていく活躍を、一話完結で描いた格闘バトルアクション。単行本によって異称があり、『続・カラテ地獄変』とも呼ばれる。関連作品として、主人公・牙直人の生い立ちを描いた『カラテ地獄変・牙』(『新・ボディガード牙』、『カラテ地獄変』の異称あり)、直人の師匠・大東徹源の若き日の活躍を描く『新・カラテ地獄変』がある。原作・梶原一騎、作画・中城健。

正式名称
ボディガード牙
ふりがな
ぼでぃがーどきば
原作
作画
ジャンル
アクション
 
空手
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概要・あらすじ

ゴッドハンドの異名を持つ空手家・大東徹源は、超人的な強さが仇となり、邪道空手の烙印を押されていた。そのため、大東徹源率いる徹心会は、警察や学校、自衛隊などの師範の仕事につくこともできず、組織運営は楽ではなかった。そこで考えたのがプロのボディガード稼業。神の手機関という名の企業を設立し、愛弟子・牙直人を試験的にボディカードに仕立てた。

報酬は最低1000万円。法に触れないようにあくまで素手で依頼者を守るのが掟。牙直人は身を挺して依頼者の命を守り、その背後に隠された謎を解いていく。

登場人物・キャラクター

牙 直人 (きば なおと)

日本空手道徹心会空手六段。ゴッド・ハンドと呼ばれる超人・大東徹源の愛弟子であり後継者と目されている人物。大東徹源が設立した神の手機関のテストケースとしてプロのボディーガードとなる。数々の依頼をこなすうちに、再三窮地に立たされるが、鍛え抜かれた肉体と正確な判断力で切り抜ける。 筋の通らないことを嫌う正義漢。徹心会の必殺技、三角跳びや空中三段蹴りをマスターしている。

大東 徹源

日本空手道徹心会総帥で、牙直人の師匠。空手八段の超人。若いころ、寸止め空手を批判し、ケンカ空手・実戦空手を標榜。これにより空手界から孤立。新天地を求めアメリカで数多くの異種格闘技戦を行い、ゴッド・ハンドの称号を得る。また、牛と戦い、これを素手で葬り去ったことから「ウシ殺し」とも呼ばれる。 帰国後、徹心会を設立するも邪道空手のレッテルから逃れられず、組織運営に支障をきたしたため、プロのボディガード事業を発案。テストケースとして愛弟子・牙直人を神の手機関所属のボディガードに任命する。実在の空手家・大山倍達がモデルと思われる。

春日マキ (かすがまき)

徹心会の会長秘書で大東空手二段の美女。主人公・牙直人の恋人。神の手機関の業務を手伝うことがあり、しばしば危険な目に合う。

美輪 令子 (みわ れいこ)

神の手機関顧客第一号。イタリー系アメリカ人の億万長者と結婚した元スチュワーデス。マダム・レイの名でマスコミに華やかな生活を報じられる有名人。夫がマフィアの大物であることを知らずに。その留守中に浮気を繰り返したため、命を狙われ、神の手機関に救いを求める。 300万ドルのエメラルドを隠し持っていたり、ゴシップ誌を利用して悲劇のヒロインを演じるなど、一筋縄ではいかないしたたかな女性。

青山 ふみ子 (あおやま ふみこ)

24歳独身の美人評論家。処女エッセイ「おこりんぼマドモアゼル」がベストセラーとなり、以来「なんでも評論家」として活躍する。何に対しても、とりあえず怒るのが芸風。テレビ番組の企画で、スケバン・紅グループと対決、相手と大喧嘩になり、グループのリーダー・紅バラお悠の怒りを買う。 番組終了後、紅グループに追い回され、そのバックにいる暴力団朱紋組に金銭を強請られて神の手機関を訪ねる。

紅バラお悠 (べにばらおゆう)

スケバン・紅グループの大番長。ミッション系の名門学園に転向後、その美貌とカリスマ性で紅グループを結成。さらに暴力団朱紋組の幹部の情婦となり新宿を中心に勢力を拡大したスケバン。テレビ番組企画で青山ふみ子に罵られたことを根に持ち、見せしめに危害を加えようとする。

ロロ・ベロニカ

マリリン・モンローの再来といわれる映画女優。新作映画のキャンペーンのために来日。何者かに命を狙われており、神の手機関にボディガードを依頼する。じつはナチスの残党、カール・フォン・シュミットの娘で、そのためにユダヤ系財閥の手先に狙われていた。

カール・フォン・シュミット

ロロ・ベロニカの父。元ナチス。ユダヤ人大量虐殺の責任者、アイヒマンの腹心であり、大量虐殺の直接の実行者。ドイツ敗戦を予見しており、ヒトラーが自殺した頃には資金を持って南米に潜伏。秘境の中に家を建て、そこで生まれた娘・ベロニカと二人暮らしをしていたが、ユダヤ人大量虐殺の記録を見て家出した娘を探してジャングルを出る。 ベロニカが自分のために命を狙われていることを知り、後顧の憂いを絶つために、娘の前で拳銃自殺をする。

グレート・ライオン南波 (ぐれーと・らいおんみなみ)

日本キック界の獅子王と呼ばれる人気キックボクサーで東洋ウエルター級チャンピオン。徹心会空手出身で牙直人の後輩。

伊沢会長 (いざわかいちょう)

グレート・ライオン南波が所属するキックボクシングジムの会長。二流、三流のキックボクサーをタイから呼び寄せ、南波をチャンピオンに仕立て上げる。これに怒ったタイのウエルター級チャンピオン、ホワイト・コブラの襲撃に備え、神の手機関に南波のボディガードを依頼する。

ホワイト・コブラ

額にコブラの彫物をしたキックボクサーで、タイのウエルター級チャンピオン。実力もないのにチャンピオンを名乗るグレート・ライオン南波に腹を立て、挑戦状を送るが相手にされず、仕方なく公衆の面前で南波を襲う。牙直人と互角に渡り合うほどの実力者。

ザ・ハープムーン

三日月がトレードマークの覆面レスラー。その正体はエドワード・ハリスという強豪プロレスラーで大東徹源の知人。約束を守らず、真剣試合でチャンピオンをKOしたことから、アメリカのプロモーター連中に命を狙われる。事情を知った徹源が牙直人にボディガードを命じるが、憤慨してこれを断る。

ザ・エクシキューター

元地下プロレスの不敗の帝王。全身傷だらけで、体に地図が描かれているように見えるため、ザ・マップマンとも呼ばれる。ザ・ハープマン抹殺のために来日し、金網デス・マッチを闘う。

塔ノ沢 秋子 (とうのさわ あきこ)

女性専門の徹心会ニューヨーク支部道場の師範代。大東空手五段。アジア系の空手や拳法の道場破りを行うブラック・ジャケット一派に襲われる。黒人空手家に敗れて、裸にされた際、舌を噛み切ろうとするほど高潔。

(ちん)

少林拳の達人。アメリカで大きな中国拳法の道場を開く老人。大東徹源と知り合いで、アメリカのアジア系道場を荒らすブラック・ジャケット一派打倒を、神の手機関に依頼する。

集団・組織

神の手機関 (ごっど・はんどきかん)

『ボディガード牙』に登場する組織。ボディガードを引き受ける企業で、徹心会総帥・大東徹源の発案。テストケースとして主人公・牙直人一人が所属する。依頼を引き受けるには二つの条件がある。一つは「顧客が法律的、心情的に被害者として脅かされていること」。もう一つは報酬面で「最低1000万円からで、一律に500万円を先払いすること」である。 また、依頼者に迷惑がかからないように、どんな場合でも素手で戦わなければならないという鉄則がある。

ブラック・ジャケット一派 (ぶらっく・じゃけっといっぱ)

『ボディガード牙』の一編「空手戦争」に登場する組織。黒い道着に身を包んだガタイの良い黒人や白人の空手家たち。アメリカにあるアジア系の空手や拳法道場に道場破りを仕掛ける。また、逃走した牛を素手で倒すなどの活躍を見せ、アジア系流派の弟子を横取りする。

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