概要・あらすじ
バブル崩壊後の1997年、フィリピン。会社を休職し、海外青年支援団として活動する紺野啓太郎は、日本大使館主催のパーティーで桐宮凛と出会う。彼女は開発コンサルタント会社「RED SUN Inc.」の社長であった。桐宮の甘い言葉に誘われた紺野は、二人でプレジデンシャルスイートへと向かう。しかし、それは桐宮によるハニートラップであった。紺野は、「RED SUN Inc.」の社員たちに拘束され、恥ずかしい写真を取られてしまう。桐宮に弱みを握られた紺野は、彼女に協力せざるを得なくなった。翌日、紺野はある村の案内人として、桐宮たちに同行する。桐宮の仕事は、高速道路開発の事業説明と立ち退き交渉であった。大枚をばらまいて、順調に住民たちの立ち退きを成功させる桐宮だったが、ゲームセンターを経営する村の女傑は首を縦に振らなかった。桐宮が日本にいる孫のことで脅しにかかると女傑は逆上。彼女の家族たちは、桐宮に向けて銃を構えた。しかし次の瞬間、桐宮の合図で外にいた「RED SUN Inc.」の社員たちが突入。女傑の家族を皆殺しにする。子供まで殺してしまうやり方に抗議する紺野に、桐宮は「正当防衛である」「慈善事業をしているわけではない」ことを主張した。そしてこの開発計画が、実は「高速道路にも改修可能な軍用規格滑走路」であることを明かす。そして、軍用滑走路で、転落する未来から日本を救うという。手段を選ばない桐宮のやり方に反感を抱く紺野だったが、彼女の高邁(こうまい)な理想と妖しい魅力に、いつのまにか惹(ひ)かれていくのであった。
登場人物・キャラクター
紺野 啓太郎 (こんの けいたろう)
海外青年支援団として活動していた青年。センター分けの髪型が特徴。慈悲深い性格だがスケベ。大学卒業後、大手ハンバーガーショップの本社IS部に勤務。2年の勤務後、休職し、海外青年支援団に参加。途上国の児童のパソコン教育を担当していた。フィリピン滞在中、「RED SUN Inc.」の社長、桐宮凛と出会う。桐宮の罠(わな)に落ち、恥ずかしい写真を取られ、彼女に協力することになる。桐宮と同行するうち、次第に彼女の危険な魅力に惹かれ、「RED SUN Inc.」の一員となる。桐宮には「先生」と呼ばれる。
桐宮 凛 (きりみや りん)
開発コンサルタント会社「RED SUN Inc.」の若く美しい女性の社長。両耳のピアス、チョーカーが特徴。香水はプラダのキャンディグロス。目的のためなら手段を選ばない、冷酷無比な性格。惨殺の後に恍惚(こうこつ)とした表情を見せる一方、自分の計画が崩される屈辱的な場面にも快感を覚える。慈悲深い性格と卑俗な根性を併せ持つ紺野啓太郎を気に入っている。紺野のことは「先生」と呼ぶが、敬意はなく下に見ている。
宇田川 登 (うだがわ のぼる)
開発コンサルタント会社「RED SUN Inc.」の男性社員。メガネと若干薄めな頭部が特徴の中年で、普段はスーツを着ている。メイン・ウェポンは、コルトの9mmSMG、M1911。元陸上自衛隊空挺部隊所属。湾岸戦争の砂漠の嵐作戦に参加し、スカッドミサイル狩りをするSASと行動していたことがある。
仁平 (にへい)
開発コンサルタント会社「RED SUN Inc.」の女性社員。ショートカットと褐色の肌が特徴。かつては、日本の警察の特殊部隊に所属していたエリートで、函館のハイジャック事件で活躍した。その後の非正規活動に従事した際、上司を殺害するが不問になったという過去を持つ。
相良 浩輝 (さがら こうき)
開発コンサルタント会社「RED SUN Inc.」の男性社員。相良尚輝とは双子で、長髪とヘアバンドが特徴。尚輝と二人だけで、西日本のヤクザ組織を、一つ壊滅させた過去を持つ。
相良 尚輝 (さがら なおき)
開発コンサルタント会社「RED SUN Inc.」の男性社員。相良浩輝とは双子で、浩輝とたった二人で西日本のヤクザ組織を一つ壊滅させたことがある。
書誌情報
レッドサン・インク 4巻 小学館〈サンデーGXコミックス〉
第1巻
(2021-08-19発行、 978-4091576491)
第2巻
(2022-02-18発行、 978-4091576729)
第3巻
(2022-10-19発行、 978-4091576934)
第4巻
(2023-03-17発行、 978-4091577481)