ミラクルジャイアンツ童夢くん

ミラクルジャイアンツ童夢くん

1988年の東京ドーム完成に合わせて、プロ野球人気を低年齢層に喚起することを目的に企画されたTVアニメーションの原作作品。プロ野球選手となるための年齢制限が緩和された世界で、主人公童夢くんとそのライバルとなる才能ある子供たちが球界で活躍する様を描く。掲載媒体が学年誌(学研『学習』各誌)であり、各学年ごとに別の作家が作画を行っていたため、原作者である石ノ森章太郎以外に4人(中島昌利、石川森彦、つはらよしあき、桜多吾作)の作者が存在している。基本設定や登場人物の多くは共通しているが、作者によって物語の細部に違いがある(本稿では石ノ森章太郎版の描写を中心に記述)。

正式名称
ミラクルジャイアンツ童夢くん
ふりがな
みらくるじゃいあんつどうむくん
作者
ジャンル
野球
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概要・あらすじ

夭折した天才投手新城夢人を父に持つ少年童夢くんは、まだ小学生ながら、父と共に作り上げた魔球を武器に、読売ジャイアンツのピッチャーとして大活躍を続けていた。他の各球団も、才能ある少年選手たちを戦線に投入し、打倒童夢くん、打倒巨人軍を目指す。次々に現れる強力なライバルたちと童夢くんとの熱い勝負は日本中の野球ファンを沸かせていくのだった。

登場人物・キャラクター

童夢くん (どうむくん)

読売ジャイアンツでピッチャーを務める男の子(小学生だが石ノ森章太郎版では学年は明示されない)。背番号は1/2。亡き父との特訓で生み出した魔球「童夢スペシャル」を武器に、並み居る強打者たちをきりきり舞いさせる。性格は闘志こそあるものの気分屋で、カッとしたり落ち込んだりと上下が激しい。 その一方、発想力に優れており、ささいなきっかけから新たな魔球のヒントを得ることも多い。母と姉がおり、よく球場に姿を見せるが、石ノ森章太郎版では家庭生活はほとんど描かれていない。

新城 夢人 (しんじょう ゆめと)

童夢くんの父親。故人であり、主に童夢くんの記憶の中に登場する。かつては読売ジャイアンツのピッチャーとして完全試合を成し遂げている。

かおり

童夢くんのガールフレンドで、童夢くんの母や姉と共にスタンド席から応援していることが多い。メロディにデレデレする童夢くんを見てやきもちを焼くような描写もあった。アニメ版などでは麻生かおりという名前だが、石ノ森章太郎版ではフルネームで呼ばれることはなかった。

江川 卓 (えがわ すぐる)

元・読売ジャイアンツのエースで、作中では解説者として実況室から試合を見ていることが多い。TVアニメ版などでは、童夢くんの才能を見抜き、巨人軍入団を勧めた人物だが、石ノ森章太郎版は童夢くんが入団した年の夏から物語が始まるため、その描写はない。実在する同名の野球選手がモデル。

藤田 元司 (ふじた もとし)

読売ジャイアンツ監督で、童夢くんを子ども扱いせず、ひとりのプロ野球人として厳しく指導する。終盤では、魔球に頼りすぎる童夢くんの考えを正すため、ストレートのみの投球を命じることもあった。実在する同名の野球選手・監督がモデル。

五味 為衛門 (ごみ ためえもん)

東京ドーム以外の球場では魔球が投げられないと悩む童夢くんの前に現れた全身黒ずくめの忍者。実は童夢くんの亡き父の先輩であり、童夢くんに新たな魔球を身に着けさせるための修行を施す。

藤谷 学 (ふじたに まなぶ)

幼い頃に童夢くんの父親によって交通事故から救われた少年。二軍落ちした童夢くんの前に現れ、以後は女房役として童夢くんのキャッチャーを務めた。後に大洋ホエールズへと移籍し打者として童夢くんの前に立ちはだかる。

通天閣 虎雄 (つうてんかく とらお)

阪神タイガース所属の少年選手で童夢くんの最初のライバル。コンピュータを自在に操り、緻密なデータ分析を得意とする。背番号は007。石ノ森章太郎版では非常に出番が少なく、ほんの数コマしか登場しない。

メロディ

日米野球でロスアンジェルス・ドジャースの一員として来日した選手。11歳の女の子だが、童夢くんもライバルとして認めるほどの才能を持ち、投打両面で活躍する。初来日の翌シーズンには中日ドラゴンズに招聘され童夢くんと対決。一度は童夢くんの魔球「ブーメランボール」を打ち砕くが、新たな魔球の前に敗れている。 さらに自身の魔球「メロディボール」を童夢くんに打ち込まれたことで、「野球をやりきった」と満足し、プロピアニストになるためにアメリカへと帰っていった。

紅 跳馬 (くれない ちょうま)

広島東洋カープに所属する少年。予知、テレパシー、念力などの超能力を持つ。予知能力で得た投球コースをテレパシーで自軍の打者に伝えることで童夢くん攻略を狙った。テレパシーでの指示に的確に反応できるドードとコンビを組むが、自身は常にベンチの中におり、選手として出場することはなかった。

ドード

横綱になることを目指して来日したトンガ出身の巨漢少年。すでに相撲部屋に所属していたが、紅跳馬のパートナーとして、広島東洋カープにも入団。力士とプロ野球選手、二足の草鞋を履くことになる(場所中は相撲優先)。卓越した打撃センスを持ち、左手一本で川口(広島東洋カープのピッチャー)の投げる球を場外まで飛ばしている。

パンチマン

童夢くん打倒のためにヤクルトスワローズに招聘された黒人男性で、ボクシングの元ヘビー級チャンピオン。200km/hオーバーのゴルフボールの芯を捕らえ、300m以上弾き飛ばすほどの動体視力と腕力を誇る。一度は童夢くんを完膚なきまでに打ち崩したものの新たな魔球「コズミックサイコボール」の前に敗れ去った。

集団・組織

読売ジャイアンツ (よみうりじゃいあんつ)

『ミラクルジャイアンツ童夢くん』で童夢くんが所属するプロ野球球団。1988年~1990年の現実の読売巨人軍のメンバー編成がほぼそのまま反映されており、監督である藤田元司を始め、原辰徳、中畑清などが童夢くんのチームメイトとして登場する。なお、セ・リーグ他球団についてもこれは同様で、各球団のスター選手が実名で登場している。

その他キーワード

魔球 (まきゅう)

『ミラクルジャイアンツ童夢くん』で、童夢くんが操る特殊な変化球。作者によっては登場しない魔球や、登場順が異なる魔球もある。物語初期には東京ドームの空調特性を利用した変化球が数種類存在したため、童夢くんの登板も東京ドームでの試合に限定されていたが、中盤以降はドームとは無関係のものに変化していった。 また、登場順に「童夢スペシャル○号」と呼称されることもあったが、石ノ森章太郎版ではほとんど用いられることがなかった。

アニメ

ミラクル・ジャイアンツ童夢くん

プロ野球選手となるための年齢制限が撤廃され、各球団は優秀な才能を持つ子供達の発掘に乗り出した。読売ジャイアンツも、かつて同球団に所属した天才投手・新城夢人の息子である新城童夢をスカウトする。 父がジャ... 関連ページ:ミラクル・ジャイアンツ童夢くん

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