マッチングアプリを使った喧嘩大戦が勃発
本作は、特別なマッチングアプリ「マッチトゥマッチ」を使った喧嘩に焦点を当てている。この「マッチトゥマッチ」は、3年前から流行し始めた18歳以下限定のマッチングアプリで、課金した金額が賞金として設定され、喧嘩に勝利すると、自分が課金した金額を賞金に加算できるシステムになっている。さらに、喧嘩の様子を配信して投げ銭を得たり、有名になって動画配信者として収入を得たりすることも可能。強ければ強いほど多額の報酬を獲得できるため、腕に自信のある不良たちがこぞって参加している。中でも最上位のランカーは「The King」と呼ばれ、その賞金額は1億円を超え、参加者たちのあこがれの存在となっている。
全財産23円からの宣戦布告
高校にも通わず遊び歩いていたまひろは、全財産がわずか23円という窮地に立たされていた。そんな彼の前に都倉ミキオが現れ、金を稼ぐ手段として「マッチトゥマッチ」への参加を持ちかける。まひろはミキオの提案に怪しさを感じて一度は断るが、彼が何者かに追われていることに気づく。ミキオとその仲間が不良チーム「チームマヨネーズ」に脅されていると知ったまひろは、彼らのアジトに乗り込み、懲らしめる。その後も「マッチトゥマッチ」への参加に消極的だったまひろだったが、ある日、愛知からやってきた上位ランカーの二階堂舞瑠から挑戦を受け、激闘の末に勝利を収める。この戦いを通じて、まひろは「マッチトゥマッチ」が抱える危険性を痛感し、動画配信を通じて「マッチトゥマッチ」そのものに宣戦布告をするのだった。
まひろの前に現れる個性的なランカーたち
「マッチトゥマッチ」への宣戦布告は、賞金がほとんどないにもかかわらず、全国の上位ランカーたちの注目を集め、まひろは一躍有名人となった。その結果、日本の現状に停滞感を抱き革命を志す三島豊成や、承認欲求を満たすために数々の非道を働くココラン、そして「プリンス」の異名を持つ岐阜出身の上位ランカー、道谷累など、さまざまな参加者たちが次々とまひろの前に現れる。まひろは彼らと時に争い、時に協力しながら、状況の打開を目指し、やがて「The King」の有力候補としてさらなる注目を浴びるようになる。
登場人物・キャラクター
籠目 まひろ (かごめ まひろ)
「マッチトゥマッチ」に参加する少年。年齢は18歳。ひょうきんな性格のお調子者で、無意味な争いを嫌い、喧嘩を売られても上手くあしらうことが多い。しかし、実際には並の不良をはるかに凌ぐ身体能力と格闘センスを誇り、自分よりはるかに大柄な相手も難なく倒すことができる。長年の極貧生活に苦しみ、ようやく応募したアルバイトにも採用されず途方に暮れていたところ、知り合ったミキオから紹介された「マッチトゥマッチ」の喧嘩に巻き込まれる。その過程で、まひろは「マッチトゥマッチ」が社会に及ぼす歪(ひず)みを目の当たりにし、自らの手でそれを終わらせる決意を固める。なお、かつて「マッチトゥマッチ」で一世を風靡(ふうび)した最強のランカー「無銭の王」と同一人物ではないかと噂されているが、まひろ本人はそれを肯定も否定もしていない。
都倉 ミキオ (とくら みきお)
高校2年生の男子。気弱で冴えない雰囲気を漂わせている。目先の利益に飛びついて危険な目に遭うこともあるが、一方で受けた恩は必ず返す義理堅い性格の持ち主。仲間を守るためなら、自分の身の危険を顧みず、到底かなわない相手に話をつけに行くなど、人一倍の度胸も持ち合わせており、まひろからも一目置かれている。友人たちと面白半分で「マッチトゥマッチ」に参加しようとした際、不良グループ「チームマヨネーズ」のメンバーに脅されるが、まひろに助けられた。まひろが「マッチトゥマッチ」への参加を表明して以来、彼が戦う相手の情報収集や、まひろと彼の幼なじみである逢川すず菜の連絡係を務めるなど、精力的にサポートを続けている。
書誌情報
マッチモンド 4巻 少年画報社〈YKコミックス〉
第1巻
(2022-12-26発行、978-4785972974)
第2巻
(2023-05-08発行、978-4785973919)
第3巻
(2023-09-25発行、978-4785974879)
第4巻
(2024-01-22発行、978-4785975937)







