都市伝説と悲劇的な過去
都市伝説として知られる「妖館」には、一貫性のある噂が存在する。それは、妖館に入って壁に誰かの名前を書くとその人物は死ぬが、名前を書いた者は代償として大切なものを失うというもの。道成の幼なじみである佐藤欣也は、妖館で暴力的な実父の名前を書いたため、代償に大切に思っていた義母を亡くしてしまう。この事件をきっかけに、道成の幼なじみグループは親たちによって引き離され、成人するまで再会することはなかった。
変遷する「妖館」の謎
当初、「妖館」は道成たちが住んでいた街の八津の森にあると噂されていた。そのため都市伝説に興味を持った人々が森に押し寄せ、一時は人気のスポットとなるが、ある事件をきっかけに森全体が焼失してしまう。妖館もその時に消失したと思われていたが、のちに前川辰己が妖館に入ったことが明らかになる。実は妖館には管理人が存在し、入館資格を持つ者の前に現れるが、その資格対象者は不明確であり、妖館を探し求める人々を翻弄している。
「妖館」調査の進展と新たな障害
道成たちは「妖館」についての調査を進める中で、管理人の似顔絵を手に入れ、聞き込みを開始する。その結果、八津の森でトレッキングを広めた人物の友人であるローガン・テイラーという男性が、管理人に酷似していることが判明し、焼失した洋館に住んでいたことが明らかになる。道成たちは洋館の跡地を調査しようとするが、霊能者の佐々木によって土地ごと買収され、調査を行うことすらできない状況に追い込まれてしまう。
登場人物・キャラクター
高田 道成 (たかだ みちなり)
かつて八津の森の近くに住んでいた男性。友人たちと共に森の中に秘密基地を作っていたが、ある日、秘密基地に侵入した男性が「妖館を見つけた。ざまあみろ」と言い残し、絶命するのを目撃する。また、幼なじみの一人である欣也が妖館の壁に実父の名前を書いたことが原因で佐藤家が崩壊し、それ以来、道成は幼なじみたちと引き離されてしまう。その後、道成は友人を作ることができず、15年のあいだ一人で八津の森を訪れ、妖館を探し続けている。福沢清美をはじめとする幼なじみたちと再び楽しい時間を過ごすことを目指し、妖館の謎にせまっている。妖館探索のために霊能者の千護篝に頼るなど、手段を選ばない一面もあるが、同じ霊能者の佐々木には底知れない恐怖を感じ、強く警戒している。清美たちからは「ミッチー」と呼ばれている。
福沢 清美 (ふくざわ きよみ)
かつて八津の森の近くに住んでいた女性。道成の幼なじみの一人。友人たちと共に森の中に秘密基地を作っていたが、ある日、秘密基地に侵入した男性が「妖館を見つけた。ざまあみろ」と言い残し、絶命するのを目撃する。また、幼なじみの一人である欣也が妖館の壁に実父の名前を書いたことが原因で佐藤家が崩壊し、それ以来、清美は幼なじみたちと引き離されてしまう。道成たちには派遣社員として働いていると話していたが、実際にはパパ活で生計を立てており、借金も抱えている。妖館を強く憎んでいる「健やか荘」の老人たちにパパ活を公表すると脅されて情報収集役にされたり、霊能者の佐々木に八津の森の案内人にされたりと、何かと搾取の対象になりやすいところがある。道成たちからは「キヨ」と呼ばれている。
クレジット
- 原作
書誌情報
ラクガキ~呪いの館~ 8巻 日本文芸社〈ニチブンコミクス〉
第1巻
(2022-09-20発行、 978-4537145472)
第2巻
(2022-12-19発行、 978-4537145823)
第3巻
(2023-03-17発行、 978-4537146219)
第4巻
(2023-06-19発行、 978-4537146578)
第5巻
(2023-09-19発行、 978-4537146950)
第6巻
(2023-12-19発行、 978-4537147391)
第7巻
(2024-03-18発行、 978-4537147896)
第8巻
(2024-04-18発行、 978-4537148046)