概要・あらすじ
アパートで一人暮らしをする青年のもとに、ある日スタイル抜群の美女が訪れる。「ラブリー・エンジェル」と名乗るその美女は、なんと出張高級ソープ嬢だった。高額なサービス料を提示された青年は、迷いながらも結局彼女の魅惑に負けてサービスを受けてしまう。その翌日、ラブリー・エンジェルは青年から受け取った大金を福祉団体に寄付し、青年は彼女の超能力「しあわせ効果」によって病気が完治する。
その後もラブリー・エンジェルは、さまざまな場所に現れては、人々の人生を大きく変えていく。
登場人物・キャラクター
ラブリー・エンジェル (らぶりーえんじぇる)
出張高級ソープでのサービスを生業とする正体不明の謎の美女。スタイル抜群で超セクシーな下着に長いマントを羽織っただけ、という大胆な姿をしている。給湯式簡易バスタブを収納した大型のトランクを転がして目的の場所に現れる。どんな男でも満足させるセックスのテクニックと、人々を幸福にする「しあわせ効果」の超能力を持つ。
ブラックエンジェル
出張高級ソープでのサービスを生業とする正体不明の謎の美女。職業、そしてスタイル抜群な肢体で相手を魅了する点はラブリー・エンジェルと同様だが、顔は悪女的なメークで、衣裳は過激なボンデージファッションという違いがある。悪人を懲らしめるハードなSMプレイを得意とする。
青年 (せいねん)
アパートで一人暮らしをしている独身青年。父親に買ってもらった車を乗り回し、貯金額も100万円以上ある道楽息子。女遊びの度が過ぎて現在は性病の治療中。セックスはままならず、仕方なく自室でエロ本をネタにオナニーにふける、わびしい生活を送っている。
山田 (やまだ)
アパートで一人暮らしをしている独身サラリーマンの男性。学生時代から極度のあがり症。社会人になっても治らず、風俗街に足を運んでは店に入る勇気を出せず、いつもUターンしている童貞男。本物の女性の身体を見てみたい、という欲望を強く持っている。
社長 (しゃちょう)
58歳の会社経営者の男性。馬車馬のように働いて、いくつもの会社を成功させてきた。せっかく波に乗りかけていた会社が、不動産投機の失敗で倒産寸前の状態にある。妻子に自分の生命保険を遺すため、ビル屋上から飛び降り自殺を図る。
ドロボー2人組 (どろぼーににんぐみ)
深夜に金持ちの家に忍び込んで大金を盗む泥棒。リーゼントに革ジャン姿のアニキと、ニキビ面で四角い顔の弟分の2人組。警察に届けられない賄賂を自宅に隠している代議士宅をターゲットに、億単位の現金を盗み出す計画を立てる。
おじいちゃん
歳を取って身体が弱り、寝たきり状態となっている老人。昔から大の女好きで、病床に臥している今も、介護する嫁の胸や尻を触ったり、スカートの中に手を入れたりと、あまりの手のかかりように、息子夫婦を困らせている。
藤沢 (ふじさわ)
大手銀行のエリート青年社員。将来の幹部候補と期待されており、役員からは取引先の大企業の令嬢と政略結婚のためのお見合いを、無理に勧められている。実はロリコン趣味で、自分の部屋に幼女の写真集をたくさんコレクションしている。
ヤクザ
繁華街の風俗エリアを任されている暴力団の組員の男性。大柄で、リーゼント頭にド派手なスーツ姿で街を闊歩している。凶暴な性格で腕力が強く、凄みを利かせて相手を威嚇する悪党。女好きで、真珠を埋め込んだ大きなイチモツが自慢。
檜山 三夫 (ひやま みつお)
若手の男子プロゴルファー。飛距離とパッティングの上手さには定評があるが、肝心の試合ではトップを独走しながらも、いつも最終日に大崩れして優勝を逃している。そんな気の弱さからくる凡プレーが、ギャラリーやテレビ解説者などから嘲笑の的となっている。
デウス マキーナ
中南米最大の麻薬王と噂される暗黒街のボス。「カリブの帝王」「エルドランドの影の大統領」とも目されている。鋭い眼光で辺りを威圧する初老の大男で、自身を「パパ」と呼ぶ若い男たちを、愛人として引き連れている。
昇悦上人 (しょうえつじょうにん)
「昇天寺」という仏教寺院の若い住職の男性。数名の弟子とともに寺を運営している。お香に媚薬を仕込み、信者の女性にセックスの快楽を与えて、お布施を集めているエロ坊主。アメリカのポルノを読みふけり、金と女に執着する煩悩の塊のような極悪破戒僧。
村田 正道 (むらた まさみち)
凄腕で知られるプロの麻雀師。やせた身体に鋭い眼光のニヒルな男性。暴力団との付き合いがあり、暴力団同士の麻雀対決で代打ちを務めることがある。大金がかかった勝負の前日には、必ず「女断ち」することを自分に課している。
村西 (むらにし)
風俗を専門とするフリーライターの男性。優れた文章力を持ちながら、女性にモテる才能があるため、趣味と実益を兼ねてあえて低俗なエロライターに徹している。ラブリー・エンジェルの存在を知り、尾行して彼女の正体を暴こうとする。
久野 春夫 (ひさの はるお)
17歳の天才少年。たった1人でゲームソフトを開発。1本1000円という低価格でインターネット販売し、世界中で販売数2000万本、売上額200億円という大ヒットを起こした。そのおこぼれに預かろうと、さまざまな業者が自宅に日参して行列を作っている。
村中 (むらなか)
ホームレスの中年男姓。公園の一角にしつらえた段ボールハウスをねぐらとする。仕事一途だったせいで、かつて妻に裏切られ、天涯孤独な身となって自暴自棄な生活を送っている。繁華街の通路で暮らす仲間の「山さん」が唯一の友人。
大田原 洋輔 (おおたわら ようすけ)
個人スタジオを経営する売れっ子の男性カメラマン。鬼才とも評されるやり手で、得意分野は女性タレントのヘアヌード写真集。彼の手掛けた写真集は、発売直後に100万部を突破するほどの人気を誇っている。撮影しながらモデルに手をつけているのではないか、という悪い噂がある。
雷王 (らいおう)
大相撲の迅雷部屋に所属する力士。番付は東十両八枚目。史上初めて高校生でアマ相撲日本一となり、数千万円もの支度金を手にしてプロ入りした逸材。しかしプロ入り後は女遊びにうつつを抜かし、腰を痛めて伸び悩んでいる。
ノーラ・ジーン (のーらじーん)
「世界の歌姫」として知られる白人女性歌手。最新アルバムが全世界で3000万枚も売れたほどの大スター。金色の短髪に、スレンダーながら抜群のプロポーションの持ち主である。過激なボンデージファッションを身にまとって歌い踊るステージには、開演の数時間前から行列ができるほど。しかし、私生活ではある秘密を持ち、周囲を振り回すわがままな性格。
ダニエル・スペンサー (だにえるすぺんさー)
アメリカの上院議員で独身の白人青年。経験なカトリック信者。「ミスター・パーフェクト」との異名をとるほどの完璧主義者で、妥協を許さない冷徹な性格。日本との貿易交渉で来日するが、日本側のアンフェアさに憤ると同時に、日本人を見下している。
鳥居 (とりい)
外資系商社の総務部に務める独身の若いサラリーマン男性。大人しい性格で、女性上司のオズボーン部長に、いつも仕事上のミスを叱責されている。生身の女性を苦手としており、一人暮らしの自宅で待つ「ピンキーちゃん」と名付けたラブドールが話し相手。
北斗 翔 (ほくと しょう)
売れっ子の男性シンガーソングライター。自分が歌う歌はもちろん、他の歌手のために手がけた楽曲もすべて大ヒットするため、「ミスター・ミリオンセラー」と呼ばれている。プレイボーイで、ガールハントを目的とした豪華なクルーザーを所有している。
大竹 (おおたけ)
中学生対象の学習塾「青雲学園」の講師。若い独身男性で、うぶな性格のため、いつも女生徒たちにからかわれている。地方の温泉ホテルで開催される夏休みの強化合宿で、女生徒たちの監督を担当する羽目になり、妄想に悩まされる。
諸積 (もろずみ)
刑法史を専門とする中年の学者。大学の助教授を務めるが講義では難解な内容をボソボソとしゃべるだけで、学生には人気がない。講義の出席が少ない学生は容赦なく落とすことで知られ、単位の取得を懇願する女学生に対してアカハラをする変態男。
紅林 (べにばやし)
プロ野球団「帝都タイタンズ」のエースピッチャーの男性。大学を出てプロデビューした年に、いきなり20勝を挙げる大活躍を見せた。周りからチヤホヤされて天狗になっており、毎晩夜遊びして酒と女に溺れる堕落した生活を続けている。
ゲンちゃん
長距離トラックの運転手。派手な装飾を施した車を運転している。イガグリ頭で無精ヒゲを生やし、腹の突き出た体型をした、粗野で単純な性格の中年男性。行きつけの大衆食堂で休憩する際にビールを飲み、そのまま飲酒運転をすることが習慣となっている。
一也 (かずや)
高級ホストクラブのNo.1ホスト。髪にパーマをかけた長身のキザなイケメン男性。女性を落とすのは簡単と豪語する野心家。世の中のすべての女性をメスブタと軽蔑しており、真面目な仕事は馬鹿らしいと考えている。
城山 丈 (しろやま じょう)
アメリカのスペースシャトル「トライアンフ」の乗組員。日本人として初めて船外活動をした宇宙飛行士の男性。宇宙船のリーダーとして宇宙ステーションの組立作業をしている際に事故に遭い、宇宙空間に放り出されてしまう。
哲夫 (てつお)
孤独な独身青年。コンビニ弁当を食べながら、アダルトビデオを見まくることを趣味にしている。顔が不細工なため女性にモテず、1人のAV女優を自分の恋人と妄想している熱狂的なファン。妄想が行き過ぎて、過激な行為に走ってしまう。
亜希子 (あきこ)
父親の借金のカタにヤクザの親分の情婦となった薄幸の美女。親分の弟分である陽平と恋仲になって逃走し、親分とその手下たちに追われている。親分から虐待を受け続けたために性不感症となった悩みを抱えている。
勝呂寺 (すぐろじ)
商店などに金を貸す個人経営の金融業者の老人。情け容赦のない厳しい取り立てをすることから「オニ」と呼ばれている。自身が住む豪邸内には巨大な金庫があり、そこに集めた金塊や札束の山を眺めて喜ぶのが日課。
パパ
地方に単身赴任中の中年のサラリーマン男性。東京の自宅に残して来た妻と、男女2人の幼い子供を想うマイホームパパ。正月休みも帰省せず、会社の社員寮のアパートで、コタツに入ってテレビを見ながら寂しく過ごしている。
一樹 (かずき)
がっしりとした体つきとは裏腹に、スポーツがからきし苦手な青年。大学時代にはスキー部のキャプテンだったと噓をついて射止めた婚約者とともに、雪女伝説が残る峠のスキー場を訪れた。スキー場のホテルで、婚約者にこれまでの噓を告白するが、険悪な状態に陥ってしまう。
院長 (いんちょう)
「聖十字病院」の院長をしている初老の男性医師。外見はおだやかな性格の老紳士だが、その内実は、診察と称して有名女優や女性タレントの陰部を撮影し、その写真を大物政治家に高値で売りさばく、という犯罪に手を染めている悪徳医師。
タイガー坂本 (たいがーさかもと)
プロボクサーの青年。将来の夢は世界チャンピオンとなって大金を稼ぎ、南国の別荘で優雅な暮らしをすること。日本ジュニアライト級チャンピオンのタイトルマッチへの挑戦者として試合を目前に控えているが、減量がうまくいかず苦しんでいる。
吉原 (よしはら)
考古学を専門とする大学教授。小太りでヒゲを生やした中年男性。数名の助手とともにエジプトに渡り、現地でピラミッドの発掘調査をしている。帰国を間近にしたある日、ピラミッドの地下に未知の部屋を発見し、単身で探検をする。
優 (まさる)
オートバイ好きの男子高校生。ある日、街でラブリー・エンジェルを見かけ、彼女を追いかけようと、バイクで走っていたところでトラックに衝突し、意識不明の重体となる。生死をさまよい、現世と霊界のはざまでラブリー・エンジェルと運命の出逢いをする。
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