概要・あらすじ
何不自由のない裕福な家庭だった尾崎家に、ある日、パイロットである父親が、フライト先の外国で行方不明になったという報せが入る。家長を失い破産状態となった尾崎家の長女尾崎リナは、家族と共にどん底の貧乏生活に突き落とされる。さらにリナの母が病気となり、窮地に立たされたリナの身に、次々に災難が降りかかる。しかし、たび重なる不幸にもめげず、リナはいつか最愛の父親と再会し、また幸福な家庭がよみがえることを信じて、懸命に生きる決心をするのだった。
登場人物・キャラクター
尾崎 リナ (おざき りな)
尾崎家の長女で末っ子の小学生5年生の女の子。いつも元気なお転婆娘で、ちょっとおっちょこちょいな性格。児童劇団に所属しており、放課後には演劇の練習に身を入れている。実家が破産してもめげずに、新聞配達や子守などのアルバイトをしながら明るく生きる頑張り屋。
尾崎 稔 (おざき みのる)
尾崎家の長男で尾崎リナの兄の中学3年生。クラス委員を務める勉学優秀な男の子。リナとはいつも口喧嘩ばかりしているが、時にはリナに勉強を教えてやる優しさを持つ。いつか父親と再会することを信じ、牛乳配達をしながら、リナと励まし合って暮らす利発な少年。
尾崎 信太郎 (おざき しんたろう)
尾崎家の家長で尾崎リナの父親。ハイライト航空の国際線旅客機パイロット。海外へのフライトが多いため、たまに自宅に帰ると、家族に優しく接して良きパパ振りを発揮する。しかし、ある日フライト先のサンフランシスコ上空で事故が起き、行方不明となってしまう。
リナの母 (りなのはは)
海外出張が多い夫の不在時に、尾崎家を支える良妻賢母の鑑のような女性。夫が行方不明となり、収入が途絶えた一家のために、花屋を開店しようと奔走する。しかし、信頼していた親類に裏切られて破産し、追い込まれたうえに病に倒れてしまう。
お浜 (おはま)
尾崎家に仕えるばあや。よく働く白髪の老母で、いつも着物に割烹着を着てリナの母を助け、家事一切を取り仕切る。尾崎家が破産し、リナの母親が入院した後も、尾崎稔と尾崎リナの兄妹を励まし、徹夜で内職しながら家計を支える人格者。
R・タランテラ
尾崎家に現れ、尾崎リナの父親に黒いトランクを預ける謎の外国人男性。いつも黒いソフト帽にトレンチコート姿をしており、片言の日本語を話す、長身の不気味な中年男。リナの父親が行方不明になった後でも、リナに付きまとい、リナを不安に陥れる。
神戸 好太郎 (かんべ こうたろう)
関東テレビ局のプロデューサー。偶然に尾崎リナと知り合った白髪頭の中年男性。彼女の才能を見出し、テレビ番組のオーディションを勧める。リナの進言に従い、山本民子をテレビに出演させる。
山本 民子 (やまもと たみこ)
尾崎リナのクラスメイトの女の子。尾崎一家が引っ越してきた長屋に住む。幼い頃に母親を亡くし、病気がちの父親と弟のチーぼうと3人暮しをしている。貧乏ゆえに学校は欠席がちで、クズ鉄や空き缶拾いなどのアルバイトで生計を立てている。最初はリナに冷たくあたっていたが、あることがきっかけで仲良くなる。
チーぼう
山本民子の弟。貧しい生い立ちながら、いつも明るさを失わない元気な小学生の男の子。夕食のおかずに、川でダボハゼ釣りをするのが日課。長屋に引っ越してきた尾崎リナとすぐに仲良くなる。
山崎先生 (やまざきせんせい)
尾崎リナが通う小学校の5年2組のクラス担任教師。長身で禿げ上がった頭に鼻ヒゲ、という容貌の中年男性。生徒にはいつも厳しく接しており、怒鳴ってばかりいるが、実は匿名で善行する人情深い性格。
エリ
遊園地で迷子になっていた赤ん坊。金髪で混血の女の子。事情があって手元で育てることができない、とタランテラ夫人に頼まれ、尾崎リナが周囲の反対を押し切って、自宅で育てることになる。可愛いしぐさで尾崎家の人気者となる。
タランテラ夫人 (たらんてらふじん)
葉山の別荘で暮らす外国人の美女。ある事情で、娘のエリを手元に置くことができなくなり、尾崎リナに大金を渡して、しばらくエリを預かって欲しいと依頼する。素性は謎に包まれており、ある事件の鍵を握る人物でもある。
キリサク
葉山の別荘でタランテラ夫人に仕える召使。禿頭に白い顎ヒゲという容貌の老人。夫人のことをいつも気にかけている。隠された彼女の秘密を知る唯一の人物。
クレジット
- 原案
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八木基克