概要・あらすじ
ウォーカー家の長女、ピアが欲しがった血統書付きの犬と抱き合わせで買い取られた不細工な大型犬ソロモン。望まれて飼われたわけではないソロモンはピアや周囲の子供たちのいたずらの的になってしまい、いじけた性格ながら、逆境に強いタフな成犬へと成長する。しかし、末っ子のルーが誕生し、ルーがソロモンを愛することで、ソロモンはウォーカー家に居場所と役割を見つける。
物語は常にピアの言動がきっかけに始まり、ソロモンはそれによって引き起こされる様々な小さな事件に巻き込まれる。その状況や周囲の人間像を主人公である犬、ソロモン自身の視点を中心に描く。
登場人物・キャラクター
ソロモン・ウォーカー
両親ともに血統書付きの犬であるが、その失敗作として生まれた不細工な大型犬。ピアに選ばれた血統書付きの小型犬ジーンと抱き合わせで、ひよこ1匹の捨て値でウォーカー家に買われてきた。子供たちのいたずらの的となっていたため、いじけた性格ながら逆境に強くタフ。 ルーと仲がよく、ピアには無理難題を押し付けられがち。
ルシール・ウォーカー
ウォーカー家の末っ子。赤ん坊のころからソロモンと共に育ち、仲がよいが、ソロモンに対する子供らしい独占欲も持つ。ソロモンは男の子だと思っていたが、実は女の子。素直で明るく、やんちゃな性格。
ピア・ウォーカー
すべての物語は彼女の言動から始まる。ウォーカー家の長女。おしゃれ好きで勝手でわがままで負けず嫌いな性格。ソロモンに無理難題を押しつけることが多いが、簡単に犬を捨てる叔母に譲られそうになったソロモンを機転を利かせ、家に残らせるなど優しい一面もある。イーノのことが好き。
メアリー・ウォーカー (めありーうぉーかー)
ピアとルーの母。時々ヒステリーを起こすこともあるが、ウォーカー家をきりもりし、ふたりの面倒を見る良き母親である。
ジョン・ウォーカー (じょんうぉーかー)
ピアとルーの父。計測器メーカーで働いている。クリスマスの日は友人と飲み歩く悪癖がある。パイプでタバコを嗜む。
イーノ
ピアのボーイフレンド。背が高く、運動神経もよい、理想の王子様然とした男子。道ばたで買ったひよこが成長した鶏を10羽飼い続けている。優しく正しい性格だが、その正しさ故に「慈善的で偽善的」であると受け取られることもある。
ドロシー・ハサウェイ
一代で財を成した事とスキャンダルの多さで有名な富豪ハサウェイの一人娘。赤毛の少女。ドロシーの飼い犬シーザーとソロモンが似ていたため、シーザーの代役のアルバイトとしてソロモンがに貸し出されたことで知り合いとなる。両親に放置されているせいか、性格はわがまま。 後にピアの友人となる。
シンシア
シンシアをピアと間違えて襲いかけたソロモンにも優しく接してくれる、動物好きな少女。ナタリーという名前の犬を飼っている。ソロモンは彼女に恋をしている。
カレン・ジェファーソン
ウォーカー家の隣人。シンシアを襲いかけた神経質でソロモンのことを嫌っている。ウォーカー一家との折り合いも悪く、口げんかが絶えない。
スチュアート
イーノと同じバスケットボールチームに所属する一軍の選手で、勝負には勝たなければ意味がないと思っているため、下手なチームメイトには容赦がない。そのため、イーノと口論になる。
トマシーノ
修行中の魔法使いの男の子。魔女である祖母と共にソロモンの元を訪れ、3つのお願いを聞いてくれるというが、修行中のため失敗ばかりでろくなことがおきない。ルーのことが好き。
ジーン
『ルーとソロモン』に登場する犬。ソロモンと共にウォーカー家に飼われてきた小型犬。長く垂れた耳と長毛がスパニエル系の犬を思わせる。耳の部分だけ体毛の色が違う。
ナタリー
『ルーとソロモン』に登場する犬。シンシアが飼っている小型犬。長く垂れた耳と長毛がスパニエル系の犬を思わせる。体毛はバイカラー、飾り尾風の尾を持つ。
ドギー
『ルーとソロモン』に登場する犬。イーノの祖母が飼っている大型犬。長い毛の生えた垂れ耳と、顔が隠れるほどの長毛がオールド・イングリッシュ・シープッドックを思わせる。性格はおっとりとしており、何事にも動じない風に見えるが、イーノの祖母以外に心を開いておらず、気持ちを揺らされることを嫌う。
書誌情報
ル-とソロモン 3巻 白泉社〈花とゆめコミックス〉
第1巻
(1979-06-20発行、 978-4592110347)
第2巻
(1980-05-20発行、 978-4592110354)
第3巻
(1981-07-20発行、 978-4592110361)