友よ尾をふれ!

友よ尾をふれ!

布施犬太郎は、資産家の息子でスポーツ万能、容姿端麗と恵まれた少年だったが、ある時目が覚めると彼は犬になっていた。事態を打開するために犬として奔走する犬太郎とその周囲の人々を描くラブ・コメディ。

正式名称
友よ尾をふれ!
ふりがな
ともよおをふれ
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概要・あらすじ

布施犬太郎は目覚めると犬になっていた。元々はすべてにおいて恵まれた生活をしていたはずなのに、資産家の両親が負債を抱え、犬太郎を道連れに無理心中したというのがその原因だった。自分が人間だと解ってもらうため、幼なじみの保地安則や好きだった友尾きよみに助けを求める犬太郎だったが、ライバルの立神辰広、彼の身体を狙うK共和国工作員も現れ、事態は混乱を極めていく。

登場人物・キャラクター

布施 犬太郎 (ふせ けんたろう)

青十字学園高等部に通う1年生で、成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗、さらには毎年世界一周旅行をするような実業家夫妻の一人息子。両親が負債数十億を抱え家族で無理心中した結果、目が覚めたら犬になっていた。幼い頃は臆病で甘ったれで保地安則を頼っていたが、いつしか傲慢な人間になっていた。保地の飼い犬になってからは「保地ケンタロウ」、立神辰広に拾われた時は「立神ケンタウロス」と名前を付けられた。 普段の呼び名は「ケン」である。雪見大福が好物。

保地 安則 (ほち やすのり)

青十字学園高等部に通う1年生で、布施犬太郎とは小等部から一緒の幼なじみ。派手な犬太郎にずっと奴隷扱いされてきた、地味で大人しいタイプの少年。幼い頃の臆病で甘ったれで、自分を頼ってくれていた犬太郎にいつか戻ってくれるのではないかとずっと待っていた。犬になった犬太郎が保地広則の雪見大福を奪おうとしたことや、その寝相の悪さから中身が犬太郎であると確信する。

友尾 きよみ (とものお きよみ)

青十字学園高等部に通う1年生で、学園のマドンナ。生前の布施犬太郎に惚れられていたが気の強い性格で、バレンタインにチョコレートを要求されても断っていた。犬好きで、家は「友尾動物病院」を営んでいる。実は犬太郎のことを好きだったが、あんなに性格の悪い奴を好きになってはいけないと自制していた。

ドナ

友尾きよみの飼っている小型犬。外見は非常に可愛らしいが、人間を下に見ており狂暴な性格。きよみにしか抱っこされないが、そのきよみですら「自分の女」とみており、彼女の頭より高い位置で抱っこさせる。権勢症候群と診断され、布施犬太郎と一緒に犬の再訓練施設に入れられる。

工作員 (こうさくいん)

布施犬太郎の周りを常にウロウロしている黒ずくめの男たち。その正体は軍事産業で大儲けしているK共和国の工作員である。博士が手術で成功させた布施犬太郎の脳の入った犬と、犬の脳が入った犬太郎の人間の身体も奪おうとしている。保地安則は度々現れる彼らを「ナゾの外国人」と呼んで警戒していた。バッジを落としたことで保地安則の父親に正体を見破られてしまう。

博士 (はかせ)

天才で、事故にあった布施犬太郎の脳と犬の脳を入れ替える手術を行った。その天才的な医療技術を目当てに、K共和国の工作員は自分の国に亡命させようとしている。日本では彼の天才ぶりもただの狂気でしかないと助手に言われている。

立神 辰広 (たてがみ たつひろ)

ワイルドな長髪(たてがみ)が自慢で、布施犬太郎の自他共に認めるライバル。武道の誉れ高い赤ノ山学園(せきのやまがくえん)の総番で頭(ヘッド)。犬太郎と一戦を交え、勝った方が友尾きよみを手に入れるという約束をしていた。大臣の孫で金持ち、さらに日向ヶ丘市長の息子という立場にあり、何をしても許されてきた。

立神辰広の父親 (たてがみたつひろのちちおや)

日向ヶ丘市長で、立神辰広の父親。最近、市の施設として莫大な費用をかけて立派なイベントホールを建てたのに、何もやる行事がなく悩んでいる。息子の辰広に甘く、馬が欲しいと言われて息子にダービー馬を買い与えたが、友尾きよみの気を引きたい辰広に今度は犬を無心される。しかしそれに着想を得て、市制30周年記念祭でイベントホールを使いドッグショーを開くことにした。

保地 広則 (ほち ひろのり)

保地安則の弟で、まだ幼児。おやつの雪見大福を犬になった布施犬太郎に奪われたり、おもちゃを取られたりするが、犬太郎の背中に乗って遊んだりと仲がいい。まだ小さい保地広則を心配した母親が庭に犬小屋を作り、犬太郎を外に出したため犬太郎に家出されてしまう。

保地安則の父親 (ほちやすのりのちちおや)

保地安則の父親。布施犬太郎は海外放浪している貧乏物書きと認識していたが、実際は年中海外に取材に行っている国際ジャーナリスト。普段は優しい父親で犬太郎の犬小屋も作った。工作員の落としたバッジを見て、K共和国のものだとすぐに気づいた。

友尾きよみの父親 (ともおのきよみのちちおや)

「友尾動物病院」の獣医で、犬になった布施犬太郎のことも何度か診察するが、人間だとは気づかない。それどころか犬太郎を権勢症候群だと決めつけ、犬の訓練施設に入れてしまう。

保地 健太郎、保地 健次郎 (ほち けんたろう、ほち けんじろう)

保地安則と友尾きよみの子供で、兄が保地健太郎、弟が保地健次郎。犬のケンタロウを可愛がっている。ケンタロウがあまりにも賢いので、その孫にあたる子犬にも人間の言葉が解るはず、などと過剰な期待をするが、保地安則にそれは無理だとたしなめられる。

場所

K共和国

軍事大国で日本の博士の天才的頭脳に目を付け、亡命させようと工作員を送り込んでいる。しかし莫大な軍事費のもとで耐乏生活を強いられている国民の不満により、クーデターが起こる。それにより独裁していた大統領は亡命してしまう。

友尾動物病院 (ともおのどうぶつびょういん)

友尾きよみの父親が経営する動物病院。犬になった布施犬太郎も何度か世話になる。研究所を失った博士がここで犬太郎を人間に戻す手術もすることになった。保地安則ときよみが結婚してからは夫婦で経営する「友尾保地動物病院」になった。

日向ヶ丘市 (ひなたがおかし)

立神辰広の父親が市長を務め、市制30周年を迎える。布施犬太郎、保地安則、友尾きよみ、立神辰広なども日向ヶ丘市の住人であり、物語の舞台となる。

その他キーワード

権勢症候群 (あるふぁしんどろーむ)

甘やかしすぎたり人間と同等に扱うことで、犬としての自覚がなく飼い主をリーダーと思えず、自分が上だと思う状態のこと。犬の自覚がないことは犬にとって不幸なことであり、これを治すために犬の訓練施設に入れることもある。ドナと犬になった布施犬太郎がこの症状だと思われ、訓練施設に入れられることとなった。

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