ワンコそばにいる

ワンコそばにいる

ひょんなことから子犬と融合してしまった大学生のスミタが、独身OLの咲山のアパートで奇妙な同棲生活を送る姿を描いた、ちょっとユニークでロマンチックなラブコメディ。「コミックDAYS」で2019年11月から2020年6月にかけて配信された作品。

正式名称
ワンコそばにいる
ふりがな
わんこそばにいる
作者
ジャンル
同棲
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あらすじ

第1巻

独身OLの咲山が仕事を終えてアパートに帰宅すると、犬のような仕草をする不審な青年が部屋に入り込んでいた。想定外の事態に混乱し、警察に連絡しようとする咲山だったが、青年の犬っぽい仕草が昔実家で飼っていた犬の「シロ」に似ていため、ついつい面倒を見てしまい、さらに彼を自宅に泊めてしまう。翌日、青年を警察に連れて行こうとした咲山だったが、犬にしか見えない若者と行動を共にしたことで決心が鈍り、結局家まで連れ帰ってしまう。しかしその夜、睡眠中に目覚めた青年は、突如として人間の意識を取り戻すのだった。(第1話「ワンコ家にいる」。ほか、7エピソード収録)

第2巻

成り行きでスミタと同棲することになった咲山は、スミタから思いがけぬ告白を受けたことで、スミタの半分は人間、半分は子犬のシロさんである現実が心に重くのしかかり、動揺を隠せなくなってしまう。気まずい雰囲気を察したスミタも、隣人の瀬野から咲山がこの現状を悩んでいたことを聞かされ、より思い悩んでしまう。仕事から帰宅した咲山は、シロさんの状態に戻っていたスミタにお出迎えされたものの、人間時のスミタの姿が脳裏に浮かんでしまい、前のようにシロさんとじゃれ合うことができなくなってしまう。(第9話「シロさんがいるし」。ほか、8エピソード収録)

第3巻

スミタは勇気を奮い立たせ、咲山を真剣に愛していることを改めて彼女に伝える。しかし、シロさんになったスミタを受け入れてくれる人であるという理由で、スミタが自分に告白してきたと誤解した咲山は、答えをはぐらかしてしまう。ショックを受けたスミタは、大学の友人である曽根に失恋のしたことを相談するものの、曽根からはストレートに咲山のアパートを出ていくことを勧められ、大いに悩んでしまう。その夜、シロさんになったスミタとじゃれ合っていた咲山のもとに、曽根が訪ねて来るのだった。(第18話「私じゃなくても」。ほか、9エピソード収録)

登場人物・キャラクター

咲山 (さきやま)

独身のOL。年齢は28歳。ややおとなしい性格で、マイペースなところもあるが、仕事はそつなくこなしている。彼氏はおらず、友人も少ない。休日は自宅で過ごすことが多く、外出時もほとんど一人でいる。ずっと一人でいることに漠然とした不安を感じ始めており、ここ最近は夜ごと心細い思いをしていた。そんな折、事故で子犬と融合してしまい、寝るたびに子犬と人間の人格が入れ替わる特異体質となってしまった大学生のスミタと自宅アパートで出会い、紆余曲折の末に彼と同棲することになる。スミタが子犬になった際の姿や仕草に、かつて実家で飼っていた犬「シロ」の面影を感じ取り、子犬時のスミタに「シロさん」と名づけ、本当の犬のように接してかわいがり、癒しを得ていた。男性と話すのが得意ではないため、人間時のスミタとはいまひとつ距離を縮めきれずにいた。しかし、いっしょに暮しているうちに、徐々にスミタにも心を許していくようになる。のちにスミタから告白されるが、シロさんの面倒を見てもらうためにスミタが告白したと誤解し、答えをはぐらかしてしまう。隣人の瀬野とは、スミタの扱いを通して友人同士になった。

スミタ

大学生の青年。明るく穏やかな性格だが、お調子者で計画性に乏しく、いい加減なところがあり、アパートの家賃を払えずに追い出された過去を持つ。現在は特定の住居を持たず、友人の家を転々としながら適当に大学に通っている。散歩中に川でおぼれていた子犬を助けた時に、子犬といっしょに川に流され、その際に体が子犬と融合してしまった。それ以来、見た目はごくふつうの人間だが、寝るたびに子犬と人間の人格が入れ替わる特異体質になってしまい、成り行きから自分を拾ってくれた独身OLの咲山と同棲するようになる。当初は自分の体が二つの人格を宿したことに気づいておらず、咲山から話を聞かされた時も、もう一つの人格のシロさんが子犬であることは知らなかった。また、二つの人格は記憶を共有していないため、スミタ自身は子犬の人格活動時に自分が何をしたのかをいっさい覚えておらず、それがスミタをさらに困惑させる原因となっていた。どこの馬の骨ともつかない自分を拾ってくれた咲山に大いに感謝しており、いっしょに暮らすうちに彼女に思いを寄せるようになる。一方の咲山からは恋愛対象としては見られておらず、告白後もみごとに振られてしまう。

シロさん

スミタの体に宿っている子犬の人格。散歩中のスミタが川でおぼれていた子犬を救った際に、事故によってスミタの体と融合してしまい、子犬の人格がスミタの体に入り込んだ。名前はなかったが、仕草や性格が咲山が過去に飼っていた犬「シロ」を彷彿(ほうふつ)させたため、咲山に「シロさん」と命名された。スミタが寝るたびに、シロさんの人格とスミタの人格が交互に入れ替わるようになっている。子犬らしくアクティブで無邪気な性格をしており、かわいがってくれる咲山によく懐いている。シロさんとスミタで記憶は共有していないが、スミタの精神状態がシロさんに反映されることもあった。

瀬野 (せの)

在宅ワーカーの青年。咲山のアパートのとなりの部屋に住んでいる。落ち着き払った性格ながら、おかしなことにはツッコまずにはいられないツッコミ気質。咲山とはアパートで会った時に挨拶する顔見知りだったが、スミタの出現で情緒を乱された咲山から相談を受けるようになり、親睦を深めるようになる。勘がよく、咲山自身が気づいていないスミタとの関係についてアドバイスをすることもあった。仕事柄、夜明け前に就寝することが多く、スミタと咲山のドタバタの騒音で、睡眠を妨害されている。当初はスミタのことを咲山のヒモだと勘違いしていた。

鈴木 (すずき)

大学生の青年。スミタと曽根の友人。気弱な性格で、眼鏡をかけている。スミタからシロさんの人格が宿ったことについて相談を受けるが、最初はまるで信じていなかった。それが真実であると知ってからは、事態の収束にそれなりに協力的になるが、特に役立つことはなかった。他者からの圧に弱く、曽根がスミタにまくし立てていると、自分が怒られているわけでもないのについ謝ってしまう。

曽根 (そね)

大学生の女性。スミタと鈴木の友人。気が強く、ドライな性格をしている。その一方で世話好きなところがあり、シロさんの人格が宿ったスミタのことを気にかけており、なし崩し的に同棲をしている咲山に文句を言うため、彼女のアパートを訪れたこともあった。自分の思ったことをはっきり言うタイプで、感情のままにまくしたてることが多いため、他者と衝突することもある。不真面目ながら、おおらかな性格のスミタのことを憎からず思っている。

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