概要・あらすじ
撮影した相手を傷つけるという、恐ろしい能力を持つ丑の刻禍冥羅。それゆえ、販売員のヨドバは売る相手を慎重に選び、気の弱い会社員の針山にセールスを試みる。当初はいくら憎い相手でもそんな物は使えないと丑の刻禍冥羅を投げ捨てる針山だったが、少しだけ懲らしめるつもりで試しに使ったことから大きな不幸へと繋がってしまう。
登場人物・キャラクター
針山 (はりやま)
安アパートに住む平凡な会社員。気が弱く、学生の頃より先輩の堂力に虐げられる。そして社会人となってから久しぶりに再会した堂力に彼女を強引に奪われ、その後も金を無心され続けている。ヨドバに勧められた丑の刻禍冥羅も、気の弱さゆえに当初は使用をためらっていたが、少しだけ堂力を懲らしめるために試したところ、効果はてきめん。 さらに元は自分の彼女であった堂力の妻も苦しめられていることを知り、さらに大きな罰を与えようとするが、逆にカメラの存在を知られることになってしまう。
ヨドバ
未来から現代にやってきたカメラの販売員。本作中に名前は登場しないが、『タイムカメラ』で初登場以来、しばしば藤子・F・不二雄のSF短編に登場。現代の科学技術では実現不可能な機能を持つカメラを売って糊口をしのいでいる。本作では、ある男に長年虐げられている気の弱い会社員に、復讐の手段として丑の刻禍冥羅をセールス。 しかし、不幸しか生まないカメラはやはり売るべきではないと考え、返品された商品を粗大ごみとして処分する。
堂力 (どうりき)
学生時代から後輩の針山を支配し続ける男。丑の刻禍冥羅を手にした針山の復讐のターゲットにされ、捻挫ややけどといった小さな事故が続いていたが、偶然にカメラの存在を知り、逆襲を企てる。しかし丑の刻禍冥羅といっしょに強奪した自身の写真がダンプカーに轢かれてズタズタになったことにより、無残な姿で死亡してしまう。
その他キーワード
丑の刻禍冥羅 (うしのこくかめら)
オカルトを科学的に解明した結果、発明された未来世界のカメラ。午前2時頃に写真を傷つけると、被写体となっている人物に相応のダメージを与えることができる。