四海鏡

四海鏡

藤子・F・不二雄によるSF短編の一作で、未来のカメラ販売員・ヨドバの登場するシリーズ。あらゆる場所を覗き見ることのできるカメラ・四海鏡が登場し、人間の醜い側面が端的に描かれたSFドラマ。

正式名称
四海鏡
ふりがな
しかいきょう
作者
ジャンル
その他SF・ファンタジー
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概要・あらすじ

未来のカメラ販売員ヨドバは、あらゆる場所を覗き見ることのできるカメラ・四海鏡を、数人の金持ちにセールス。愛人の行動を疑う社長と、ライバル社の秘密を知りたい社長を互いに争わせ、今回はカメラを高額で売ることに成功したかに見えた。しかし、したたかな男たちは、談合の末に10万円での共同購入を提示。汚い大人の手口に辟易したヨドバは、世界旅行に憧れる足の不自由な少年に、10円でカメラを譲渡してしまう。

登場人物・キャラクター

ヨドバ

未来から現代にやってきたカメラの販売員。『タイムカメラ』で初登場以来、しばしば藤子・F・不二雄のSF短編に登場。現代の科学技術では実現不可能な機能を持つカメラを売って糊口をしのいでいる。本作では、社会的地位のある男たちに四海鏡をセールス。互いの欲望を煽り、高額で売りつけることを画策する。

沙羅木ローンの社長

金融会社・沙羅木ローンの社長。作中に名前は登場しない。愛人の紅子が他の男と寝ているのではないかと疑い、探偵を雇って身辺調査をさせている。ヨドバに四海鏡の購入を持ちかけられ、愛人の監視や仕事での利用だけでなく「息抜きに都内女湯めぐりでも」とのセールストークにニヤけるなど、強欲で俗物であることがうかがえる人物。

建設会社の社長 (けんせつがいしゃのしゃちょう)

作中に名前は登場しない。関西弁が特徴の建設会社社長で、ヨドバに四海鏡の購入を持ちかけられた金持ちの一人。競合相手の入札価格など、業務上知りたい秘密を暴けるカメラの性能を認め、沙羅木ローンの社長と一度は激しく競り合う。

紅子

金融会社・沙羅木ローンの社長が囲う愛人。他の男と寝ていることを強く疑われているが、社長を相手にシラを切り通し、自らを調査する探偵を籠絡するしたたかさを見せる。

探偵 (たんてい)

作中に名前は登場しない。金融会社・沙羅木ローンの社長が愛人の身辺調査をするために雇われている探偵。しかし、その調査対象である紅子に誘われ、浮気相手となっている張本人でもある。

車いすの少年 (くるまいすのしょうねん)

作中に名前は登場しない。足が不自由で、世界旅行に強い憧れを持つ少年。汚い手段を講じる大人たちに絶望したヨドバから、わずか10円で四海鏡を譲り受ける。

その他キーワード

四海鏡 (しかいきょう)

未来世界のカメラのひとつで、乱反射を利用して光の届く場所ならどこでも見ることが可能という性能を持つ。

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