あらすじ
第1巻
高校1年生の美内朱音、鈴村ゆかり、千歳みどりの三人は、それぞれに特徴的な魅力を持つ少女達だった。だが、自身の持つ魅力に無頓着で、むしろそれを忌み嫌うところすらあり、朱音は巨乳を、ゆかりはロリ体型を、みどりは男のようなスレンダー体型をそれぞれに愚痴り合う。一方、モブ男子たちはそんな彼女達の話を聞くともなしに聞いて、エッチな妄想を展開させるという不健全な毎日を送っていた。そんなある日、朱音達三人は自分達以外の友達がいない事に気づく。(第1話。ほか、8エピソード収録)
第2巻
休学空けでひさびさに登校した2年生の竹宮かぐやは、校内の男子達の注目を集める存在が、自分ではなく美内朱音になっている事に不快感を覚えていた。そこでかぐやは、下駄箱に不幸の手紙を入れるという手段で朱音に嫌がらせをしようと試みる。だが、1年生の下駄箱をうろうろしているところを、さっそく朱音や鈴村ゆかり、千歳みどりに見つかってしまう。その場を取り繕うため、かぐやは友人の寺内早苗の助言を受け、朱音達と友達になりに来たと告げる。その言葉を聞いた朱音ら三人は感動のあまり涙を流し、かぐやに迫るのだった。異様な雰囲気にかぐやはあわててその場を逃げ出すが、朱音達はかぐやに正式に友達になってもらうため、物騒な作戦を立て始める。(第10話。ほか、8エピソード収録)
登場人物・キャラクター
美内 朱音 (みうち あかね)
高校1年生の女子。鈴村ゆかりと千歳みどりのクラスメイト。身長164センチ。美形なうえにGカップの巨乳の持ち主で、性格は明るくマイペースで家庭的。少々天然気味なところがあるドジっ子で、なにかとセクシーなハプニングを起こす事が多く、男子から非常に人気が高い。一方、それに反感を持つ女子達からはぶりっ子と見なされ嫌われており、友達はゆかりとみどりしかいない。ただし、趣味・趣向はごくふつうの女の子的で、ゆかりやみどりとは合わない。巨乳である事に強いコンプレックスを抱いているが、美内朱音自身が持つ色気には無自覚で無頓着。また常識にうとく、少々金銭感覚がおかしい。
鈴村 ゆかり (すずむら ゆかり)
高校1年生の女子。美内朱音と千歳みどりのクラスメイト。言葉尻に「です」を付けてしゃべる癖がある。身長138センチと極端に小柄でかわいらしいが、男はロリコン趣味の変態、女はマスコット扱いする相手しか近寄って来ない。また、非常に口が悪い事もあり、友達は朱音とみどりしかいない。ただし、入学式の時に新入生代表を務めたほど学力が優秀で論理的な思考を好むため、バカな朱音やみどりとは趣味・趣向は合わない。また料理の腕は壊滅的で、中学時代にはその料理により「第二中 恐怖のバイオハザード」「鈴村ゆかり殺人事件」と呼ばれる惨劇を引き起こした事がある。低身長で幼児体型な事に、強いコンプレックスを抱いている。
千歳 みどり (ちとせ みどり)
高校1年生の女子で、美内朱音と鈴村ゆかりのクラスメイト。キリッとした美人で空手の使い手。175センチの高身長に極端にスレンダーな体型、さらに口調もぶっきらぼうで、男と間違われる事が多い。女子からの人気が非常に高いが、それは「あこがれ」のレベルになっており、同時に男子からは恐れられているため、友達は朱音とゆかりしかいない。ただし、「強い者が正義」という価値観の武闘派で、朱音やゆかりとは趣味・趣向が合わない。所作が男っぽく、なにかとパンツを晒しやすいため、制服のスカートの下にスパッツを履く事をゆかりに義務付けられている。数学のテストで0点を取るほどのバカだが、実は料理上手という家庭的なところもある。なかなか女性として見てもらえない事に、コンプレックスを抱いている。
モブ男子たち
美内朱音や鈴村ゆかり、千歳みどりのクラスメイトの男子達。髪をセンター分けにして眼鏡をかけた神崎、ウルフカットの後藤、黒髪ショートの佐々木などがいる。朱音らに惹かれており、彼女らの魅力について妄想を発展させてハイテンションに語り合い、彼女達になにかと接触を試みるが、基本的には空回りして大騒ぎするだけで、なにか事態が進展する事はない。下ネタの暴走が過ぎた際には、みどりの鉄拳制裁を受ける。ちなみに朱音達は、彼らの名前こそ覚えているものの、見分けはついていない。
杉田 (すぎた)
美内朱音や鈴村ゆかり、千歳みどりのクラスメイトの男子。ワイルドなイケメンで、かわいい彼女がいる事もあり、朱音達の魅力にも特に興味を持っていない。思考も常識的かつ男らしく、なにかと暴走しがちなモブ男子たちに突っ込みを入れる役割を担う。
渚 (なぎさ)
小学4年生の男子。鈴村ゆかりのいとこ。千歳みどりに匹敵する高身長だが、中身はあくまで小学生男子で、デリカシーは皆無。子供らしく、胸が大きいという理由で美内朱音にあこがれるが、それを明言した事で朱音に嫌われてしまう。低身長をからかったりと、なにかとちょっかいをかけながらも、実は密かにゆかりに思いを寄せており、朱音やみどりには勘付かれている一方で、当のゆかりにはまったく気づかれていない。
朱音の母親 (あかねのははおや)
美内朱音の母親。おっとりとした妖艶な美女で、娘と同じく巨乳の持ち主。大物芸能人や各国首脳との交流をうかがわせ、SNSを更新するとわずか数秒で2万もの「いいね」が付く。ほかにも県知事に電話連絡しただけで温泉旅館をリムジン送迎付きでタダで借りたり、その際には県知事から旅館サイドに「失敗したら命はない」と厳命されるなど、謎のすさまじい人脈を持つ。
かなめ
美内朱音達が、朱音の母親の手配で訪れた旅館の娘。褐色に焼けた肌のおとなしく純朴な少女で、田舎ゆえにまわりに同年代の子供がいない事を寂しく思っている。そのピュアさで朱音達の癒しの存在となり、中でも自分より小柄な鈴村ゆかりをちゃんと年上扱いした事で、彼女の心の琴線に触れた。年上の朱音達をギブアップさせるほど怪談話が得意。
竹宮 かぐや (たけみや かぐや)
美内朱音達と同じ高校に通う2年生の女子。容姿端麗なお嬢様で、校内の男子人気が非常に高かったが、しばらく休学しているあいだにその地位を朱音に奪われてしまった。それをうらんで朱音にちょっかいを出そうとするが、育ちのよさからあくどい手段はまったく念頭になく、その手段は稚拙なものばかり。そのため、友人の寺内早苗からはなにかと「闇がない」と突っ込まれている。ちなみに早苗にはいいようにコントロールされがちだが、竹宮かぐや自身はそれに気づいておらず、早苗の事を自分の言う事を聞く奴隷だと考えている。朱音に嫌がらせをしようとした際、その場しのぎで「友達になりたい」と言った事から、朱音に執拗に付きまとわれるようになる。
寺内 早苗 (てらうち さなえ)
美内朱音達と同じ高校に通う2年生の女子。関西弁でしゃべる。「竹宮かぐやの友人という事以外、特徴がないふつうの女子高校生」を自称しているが、実際はかなりの腹黒で、言葉で他人をコントロールするのがうまい。外面がいいためほかにも友達はいるが、寺内早苗自身は基本的にかぐやにしか興味はない。ちなみにかぐやの事は、よく鳴くおもちゃだと考えている。