乙女椿は笑わない

乙女椿は笑わない

愛想のない菅野椿は、ひょんな事から葛城斗真と知り合う。二人は少しずつ親睦を深めていくが、実は斗真は椿と父親を捨てた母親、葛城百合子の養子だった。突然現れた義兄弟、そして親子の絆を描いたヒューマンドラマ。「ココハナ」2018年12月号から連載の作品。

正式名称
乙女椿は笑わない
ふりがな
おとめつばきはわらわない
作者
ジャンル
ヒューマンドラマ
レーベル
マーガレットコミックス(集英社)
巻数
既刊11巻
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あらすじ

第1巻

菅野椿は過去のトラウマからうまく笑う事ができないが、職場の上司からはその働きぶりと人柄を評価されていた。そんな中、帰宅途中の椿は眼鏡を壊してしまい、通りかかった葛城斗真に実家まで送ってもらう事になる。この出来事をきっかけに、二人は少しずつ親しくなっていく。しかし、不自然に自分との距離を詰めてこようとする斗真に対して、椿は違和感を覚える。さらに椿は職場の三宅から、斗真は椿と親しくなる前から、職場で椿を探していた事実を知ってしまう。不信感を強める椿に対して斗真は、自分は葛城百合子から「成長した椿に笑顔がなかったら、笑わせてほしい」と依頼をされた事を打ち明ける。椿は、自分と父親の菅野佐助を捨てた百合子を恨んでいるために激高するが、時を同じくして佐助は突然の病に倒れて入院してしまう。そして、百合子は椿と再会し、家族を捨てなくてはいけなかった複雑な事情があったと、事情をすべて打ち明ける。一方、斗真は百合子と佐助を再会させるための計画を立てる。

登場人物・キャラクター

菅野 椿 (かんの つばき)

百貨店の文房具売り場にて働く女性で、年齢は25歳。現在は独立して一人暮らしをしているが、父子家庭に育った。離れて暮らす父親の菅野佐助が居酒屋を経営している事もあり、時々店を手伝っている。高校生の頃に付き合っていた男性から笑顔が気持ち悪いと指摘され、それ以降笑う事ができなくなり、愛想が非常に悪い。接客業でありながら、上司からは笑わないキャラクターだと認識されており、在庫管理や商品知識などで非常に頼られている。また、客からも笑顔はないが誠実な対応をすると評価が高い。母親の葛城百合子が恋人をつくって出て行った過去を持つ。そのため、葛城斗真が急接近してきたのが百合子に依頼されたためである事を知った際には、彼に対して警戒心をあらわにしていた。しかし、百合子が家族を捨てた理由を知り、同時に斗真の誠実な人柄に触れた事から、次第に二人に心を許すようになっていく。

葛城 斗真 (かつらぎ とうま)

ホテル経営などさまざまな分野で君臨する「葛城グループ」の代表取締役を務める男性。年齢は25歳。弟は葛城湊、葛城匠海。葛城百合子は義母にあたる。百合子から菅野椿の存在を打ち明けられ、「成長した椿に笑顔がなかったら、笑わせてほしい」と依頼される。最初はさりげなく椿に接近したものの詰めが甘く、椿から警戒されるようになってしまう。のちに椿に対して百合子の依頼である事を打ち明け、百合子と菅野佐助の再会のきっかけをつくる。

葛城 湊 (かつらぎ みなと)

ホテル経営などさまざまな分野で君臨する「葛城グループ」を統括する家に生まれた次男。兄に葛城斗真、弟に葛城匠海がいる。葛城百合子は義母にあたる。葛城グループの代表取締役は長男の匠海が務めているが、別に不満を抱いているわけではない。三兄弟の中では最も親しみやすい軽い性格をしている。三兄弟の中では一番百合子を慕っており、一部の身内からは恋仲にあるのではないかと噂されている。

葛城 匠海 (かつらぎ たくみ)

ホテル経営などさまざまな分野で君臨する「葛城グループ」を統括する家に生まれた三男。葛城斗真、葛城湊の弟。葛城百合子は義母にあたる。非常におとなしく繊細な性格で、自室に引きこもる事が多い。

葛城 百合子 (かつらぎ ゆりこ)

菅野椿の実母で、葛城斗真、葛城湊、葛城匠海の義母。斗真たちとは血のつながりはいっさいないが、子供として愛情を注いでおり、特に湊から懐かれている。ホテル経営などさまざまな分野で君臨する「葛城グループ」の一人娘で、若くして政略結婚をさせられそうになった。しかし結婚式の最中に逃走し、途中で出会った菅野佐助と結婚。すぐに椿を出産する。親子三人で幸せに暮らしていたが、葛城グループの人間に見つかり、椿を取り上げられないために「恋人ができた」とウソをつき、佐助と離婚した。実家へ戻ったあとは結局政略結婚をさせられ、斗真たちの義母となった。現在は体調を崩して療養中で、一日のほとんどをベッドの上で過ごしている。別れたあとも佐助と椿の事を気に掛けており、斗真に対して「成長した椿に笑顔がなかったら、笑わせてほしい」と依頼をする。

菅野 佐助 (かんの さすけ)

菅野椿の父親で、居酒屋を経営している。優しい性格の穏やかな男性ではあるが、元プロレスラーのために腕っぷしは非常に強い。現在は椿が独立した事もあり、一人暮らしをしている。妻の葛城百合子とは、百合子が恋人をつくった事で離婚しており、以降は椿を男手一つで育ててきた。椿には、百合子とは死別したとウソをついていたものの、椿が高校生の時に真実を知られてしまう。これが発端となり、椿が笑わなくなった事に責任を感じている。しかし椿からは恨まれる事はなく、手が空いている時には居酒屋を手伝うなど慕われている。のちにこれまでの心労がたたり、倒れて入院してしまう。

三宅 (みやけ)

菅野椿が勤務する百貨店の文房具売り場で、アルバイトを始めたばかりの女子大学生。明るく朗らかな性格で、椿から仕事を教わっている。不愛想な椿に対し、出会った頃は威圧感を感じていたが、時間の経過とともにお昼ご飯をいっしょに食べるなど、打ち解けるようになった。

書誌情報

乙女椿は笑わない 11巻 集英社〈マーガレットコミックス〉

第8巻

(2022-07-25発行、 978-4088446288)

第9巻

(2022-11-25発行、 978-4088446820)

第10巻

(2023-07-25発行、 978-4088447902)

第11巻

(2024-07-25発行、 978-4088448251)

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