概要・あらすじ
何か面白いことが起こることを期待し、夏休みにテレビ局でアルバイトを始めた好奇心が旺盛な女子高生の奥田友貴。そこで依頼を遂行するため潜入していた探偵の平野道雄と木崎渚に出会った友貴は、成り行きから一時的に彼らの仕事の手伝うことになる。無事に仕事を成し遂げて一度は探偵と別れるも、彼らを忘れられなかった友貴はその探偵社へのアルバイトを志願して、意気揚々と乗り込むのだった。
登場人物・キャラクター
奥田 友貴 (おくだ ゆき)
高校1年生の女の子。好奇心が旺盛な性格で常に面白いことを探し求めており、良いことも悪いことも、とにかく行動してみなければ分からないという確固たる信念を持っている。考えるより先に身体が動いてしまうタイプで、そのぶん失敗することも多い。夏休みに親戚のコネを使い、テレビ局でアルバイトをしている時に乙姫探偵社の平野道雄と木崎渚に出会い、何か面白そうという理由だけで自ら手伝いを申し出た。
木崎 渚 (きざき なぎさ)
乙姫探偵社の調査員で21歳大学生の男性。正義感が強く、社交的で人懐っこいため女性からの人気が高い。その反面、すぐ感情が顔に出てしまううえに沸点が低く、妙に子供じみた面もある。実は百貨店を営む社長の息子だが、母親が苦労の末に早死にしたことと、姉が無理やり11歳も年上の男性に嫁がされたことが許せなかったために家を出て、探偵業で稼いだ金で自活している。 趣味はバイクで、愛車のバイクをとても大切にしている。
平野 道雄 (ひらの みちお)
乙姫探偵社の調査員を務める端正な顔立ちをした25歳の男性。歳よりも落ち着いて見えるが、普段はポーカーフェイスで怖い人に見られがち。そのせいか、ふいに彼がみせる笑顔にはたいていの人が驚く。木崎渚によく「おじさん」と呼ばれているが、実は4つしか歳は変わらない。前職は刑事だったが上司と大喧嘩した末に辞職し、現在の探偵社へと就職した。 胃潰瘍が完治していないうえ、肝臓も患っているためお酒もコーヒーも断っている。
社長 (しゃちょう)
乙姫探偵社の社長。身長170cmの長身でスタイルも抜群の派手な女性。社員の面接も一手に引き受けており、自分の審美眼にかなう人間でなければ決して雇わない。女性の採用は99%NGという方針だったが、奥田友貴を気に入りアルバイトとして雇い入れた。めったに会社には顔を出さないが、稀に大口の客を連れてくることもある。
トシさん
乙姫探偵社の社員で本名は不明。いつもスーツを着用している人が好さそうな長身の中年男性。仕事中は眼鏡をかけている。いつも小さい仕事ばかり請け負ってしまうため、社長から大口の客を捕まえてくるよう怒られている。
林くん (はやしくん)
乙姫探偵社の事務員でフルネームは不明。字を書くのが下手で、請求書や報告書などを綺麗に書かないと客からバカにされると、いつも社長に怒られている。歳より若く見えるため、社長からは「林少年」と呼ばれているが、車の運転はできる年齢。
マスター
バー「NICOLE」のマスター。本名は不明。物静かで優しげな長髪の男性だが、若い頃は裏の権力者として君臨しており、悪事にも手を染めていた。その時期に刑事だった平野道雄と出会って世話になっており、道雄の男気に惚れ込んでファンを公言している。乙姫探偵社の打ち上げなどで店を貸し切りにするなど、現在も交流がある。
水野 かおり (みずの かおり)
トップアイドルの女性。俳優の樋口功介と付き合っていることが事務所にバレてしまい、スキャンダルを恐れた事務所関係者によって功介と引き離されてしまった。その後、功介に他の女優との噂が流れたため、裏切られたと思い込んでいる。
樋口 功介 (ひぐち こうすけ)
有名俳優の男性。アイドルの水野かおりと秘密裏に付き合っていたが、それがかおりの事務所にバレたことで彼女と連絡がつかなくなり、乙姫探偵社へかおりに手紙を渡して欲しいと依頼してきた。作中の登場シーンは1カットのみ。
石塚 健一 (いしづか けんいち)
インディーズのロックバンドでギタリストを担当している青年。両親から大好きな音楽を続けることを反対されたため家出している。長髪でブリーチをしている派手な見た目だが、クリーニング店で真面目にアルバイトをしながら本気で音楽に取り込んでいる。
石塚健一の両親 (いしづかけんいちのりょうしん)
乙姫探偵社に家出した息子、石塚健一を探すよう依頼してきた夫婦。健一に家業を継いでもらうつもりだったが、ロックバンドの活動に傾倒し髪を染めて家出までした息子に手を焼いていた。気位が高く、周囲の目を気にしているように見えるが、健一を心の底から心配している。
木崎渚の姉 (きざきなぎさのあね)
木崎渚の姉で本名は不明。南部百貨店の社長である木崎秀一の長女で、11歳年上の男性のもとに嫁いでいる。家を出て行ってしまった渚を心配しており、渚のためにマンションを用意したが、そのマンションはほとんど使われていない。父親である木崎秀一の体調がよくないため、渚に家に帰ってくるよう説得するも断られてしまう。
木下 (きのした)
紫組の組長の男性。優しく心の強い人物で、組員から父や兄のように慕われていた。平野道雄が刑事だった時期に、とあることをきっかけに仲良くなり、当時道雄が追っていた暴力団の調査に協力した。それが原因で暴力団の組員に報復されてしまった。
添田 一郎 (そえだ いちろう)
社長が連れてきた大口の客で、添田法律事務所の弁護士である中年男性。現在は、ZK土地開発事業グループの会長である橘進之介の顧問弁護士を請け負っている。橘会長から遺産を相続するにあたり、悪い噂が絶えない末娘の橘時子と夫の橘昭についての調査を乙姫探偵社に依頼した。
橘 時子 (たちばな ときこ)
ZK土地開発事業グループの会長である橘進之介の末娘で35歳。高級住宅街に建つ大邸宅に住んでおり、子供はいないが使用人を大勢雇っている。いろいろと良くない噂が絶えず、男性関係も派手で、今は巨額のカネが動くギャンブルに手を出していると噂されている。そのせいで父親である橘進之介から身辺調査をされてしまう。
橘 昭 (たちばな あきら)
橘時子の婿養子で年下の30歳。高級住宅街に建つ大邸宅に時子と大勢の使用人と暮らしている。女性関係が派手で、手帳には女性と過ごすためのスケジュールがびっしり書かれているうえ、夜な夜なパーティーにも出かけている。そのため義父である橘進之介から身辺調査をされてしまう。
集団・組織
紫組 (ゆかりぐみ)
小規模なヤクザの集団。組長の木下を含め全員の仲が良く、まるでひとつの家族のような組だったが、木下が撃たれたことで解散した。だが、木下が報復されたきっかけを作った平野道雄に復讐するべく再び集結する。