事情を知らない転校生がグイグイくる。

事情を知らない転校生がグイグイくる。

小学5年生の西村茜は、目つきが悪いという理由でクラスメートから距離を取られ、意味もなく笑われる日々を送っていた。しかしある日、そんなクラスの事情などまったく知らない転校生の高田太陽がやって来る。どんな言葉でもポジティブに受け取る彼の純粋で真っすぐな思いが、下を向きがちな茜や周囲の空気を変えていく。小学5年生という多感な時期、どんなことにも真剣に向き合おうとする子供たちの姿を、コミカルに描いたハートフルストーリー。「月刊ガンガンJOKER」2018年6月号から掲載の作品で、コミックス各巻には、それぞれ描き下ろしエピソードが収録されている。2023年4月テレビアニメ化。

正式名称
事情を知らない転校生がグイグイくる。
ふりがな
じじょうをしらないてんこうせいがぐいぐいくる
作者
ジャンル
いじめ
 
友情
レーベル
ガンガンコミックスJOKER(スクウェア・エニックス)
巻数
既刊16巻
関連商品
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あらすじ

第1巻

小学5年生の一学期に高田太陽は、転校してきた学校で気になる女の子を見つける。その女の子の名前は西村茜で、クラスメートたちから「死神」と呼ばれ、目つきの悪さと暗い雰囲気から執拗ないじめを受けていた。しかし、そんな事情を知る由もない転校生の太陽は、死神と呼ばれる茜に対して、なんてカッコイイあだ名なんだと感動。そして、そんなクールな存在の茜とぜひ友達になりたいと、積極的にアピールを開始する。始めこそ、それを本気にせずに受け流す茜だったが、クラスメートの誰に対しても、裏表なく同じスタンスで臨み、茜となかよくなりたい気持ちを前面に押し出す太陽の思いは、茜の心に真っすぐに届く。クラスメートたちは、そんな太陽を茜と共にからかい、面白がって笑いものにしようとするが、太陽はまったく動じることはなかった。無知だが、純粋で素直な太陽の行動は、冷え切った茜の心に小さな火を灯す。

第2巻

小学5年生の夏休みが始まった。西村茜にとって、夏休みはいつも予定がまったくない退屈な期間でしかなかったが、今年は違っていた。それは、友達の高田太陽と遊ぶ約束で予定がいっぱいになっているからだった。新調したかわいい水着を着てプールに行ったり、花火をしたりと、茜は夏休みを満喫する。時には久しぶりに顔を合わせるクラスメートたちからひどい言葉をかけられることもあったが、太陽がいっしょにいてくれれば、茜は何も気にならなかった。そんなある日、太陽は前の学校の友達に会いに行き、茜はお父さんといっしょにおばあちゃんに会いに行くことになっていたため、珍しく二人は別行動となってしまう。茜は久しぶりに大好きなおばあちゃんに会い、嬉しい気持ちの反面、静かなおばあちゃんの家で、太陽のいない時間を少し持て余していた。あらためて、太陽の存在の大きさを実感しつつ、おばあちゃんに新しい友達を紹介する約束をした茜だったが、ふと気づくと、いっしょに連れてきたはずの猫のクロの姿が見えない。するとその時、玄関の方から人の声がし、そこにはなぜかクロを抱いた太陽の姿があった。

第3巻

小学5年生の2学期が始まった。クラスメートたちは相変わらず西村茜をからかっていたが、高田太陽のおかげで、茜は毎日が楽しく、パワーをもらっていた。そんなある日、茜に話し掛けてきたのは、クラスメートの安達海美だった。日野大地に思いを寄せている海美は、いつも男子と平気で話をしている茜に、もうすぐ誕生日を迎える大地に渡すプレゼントについて相談してきたのだ。これがきっかけで茜と海美はなかよくなり、友達としていい関係を築き始める。そんな中、学校では遠足が行われることとなる。茜は、太陽といっしょに行く初めての遠足に心がうきうきしていた。しかし、バスの席決めでは笠原の陰謀によって、太陽と離れ離れにされてしまい、茜はなかなか太陽と行動を共にすることができない。それでも、茜は海美という友達ができたことで、孤独になることはなかった。その後、バスでは思いがけずに太陽が車酔いによってダウン。そして、太陽の介抱を学級委員の茜が担い、付き添うことになる。これにより、太陽と茜はようやく二人いっしょの時間を過ごすことになり、その時間を満喫したのちに遅ればせながらクラスメートたちと合流。大地と海美も交えて、楽しいお弁当の時間を過ごす。そして茜はここでお父さんの手作り弁当の中の、大きな愛に気づく。

第4巻

秋の運動会がせまるある日、高田太陽西村茜は、校庭の遊具にのぼって町を見下ろしていた。太陽は、転校してきて初めての運動会を迎えるワクワク感から、茜といっしょにがんばりたいと意気込みを語る。そこに安達海美日野大地が下校しようと呼びに来たため、太陽と茜が遊具から降りようとした瞬間、強風でバランスを崩した茜は遊具から落下。そして茜を助けようと手を伸ばした太陽もいっしょに遊具から落下し、茜をかばったことで右腕を骨折してしまう。太陽が病院に運ばれたあと、事の重大さに責任を感じた茜は、駆けつけた太陽のお母さんに泣いて謝罪。しかし、太陽のお母さんは茜を責めることはなく、むしろ太陽のために泣いてくれてありがとうと言葉を掛ける。一方の太陽は、きき腕の骨折でギプス装着になったにもかかわらず、持ち前の無邪気さでギプスがカッコイイと大はしゃぎで、ほかの男子からも羨望の的となり、ご満悦の様子。しかし、運動会に出られないかもしれない状況にしてしまった責任感から、茜は必死に太陽をフォローし、はたから見るとそんな二人の姿はまるで夫婦のようだった。そして茜は、いっしょにがんばりたいと言ってくれた太陽のために、自分もがんばらねばと奮起し、放課後にこっそり走る練習を始める。

第5巻

秋も深まってきた頃、西村茜は学校から帰宅後、日も暮れた時間になってからバタバタと大掃除を始めていた。仕事から帰って来たお父さんが不思議に思って聞くと、茜は明日、家に友達が遊びに来ると告げる。実は学校で、茜が飼っている猫のクロの話題になり、安達海美の猫を見たいという発言がきっかけとなって、高田太陽日野大地の三人が、茜の家に遊びに来ることになったのだ。自宅に友達を呼ぶのが初めての茜は、わくわくそわそわしながら掃除を終えると、今度はお気に入りのぬいぐるみのレイアウトを変えてみたり、明日着るためのおしゃれな服を着てみたりと落ち着かない。その後、茜が思いついたのは、明日みんなに出すお菓子のことだった。お父さんにお願いして、駅前のケーキ屋さんまで買い物に出た茜は、友達を迎える準備をばっちり整えて、眠りにつく。一方の太陽は、茜の家に遊びに行くのが楽しみ過ぎて、朝からテンションマックス状態。しかしそこに茜が熱を出したため、今日の予定は中止という残念な連絡が入る。茜は、みんなががっかりしているのではないかと、落胆のあまりベッドの中で静かに涙を流す。そして、前日に買った四人分のケーキを食べてしまわないと、とつぶやいた瞬間、「だったら僕が手伝うよ」と太陽の声が聞こえる。茜が目を開けると、そこには心配して見舞いに訪れた太陽と大地、海美の姿があった。

テレビアニメ

2023年テレビアニメ化。4月9日よりTOKYO MXほかにて放送。監督は影山楙倫、制作はスタジオサインポスト。キャストは高田太陽を石上静香、西村茜を小原好美が演じる。

登場人物・キャラクター

高田 太陽 (たかだ たいよう)

園辺野小学校に通う5年生の男の子。転校生としてやって来て、同じクラスの西村茜が、クラスメートたちから「死神」と呼ばれていることを知り、クールなあだ名だと絶賛。友達になりたいと、茜に積極的にアピールを開始する。魔法や呪い、死神といったファンタジーに関するものが大好き。茜の「死神」というあだ名をかっこいいと言ったり、大人になったらキスしよう、僕のとなりでたくさん笑ってほしいと伝えたりするなど、単純に茜が大好きで仕方がないと言わんばかりの言葉を連発する。一方で、茜に対しての感情が恋なのかどうかは自覚していない。人を疑うことを知らない真っすぐな性格で、無知ながら純粋な心を持っている。またマイペースで少々天然気味なことから、周囲の空気に流されることはない。素直さ故になんでも言葉にしてしまうところがあるが、基本的にポジティブな姿勢を崩さない。また、クラスメートが茜に発するネガティブな発言も、瞬時にポジティブな方向へと変換し、いいようにしか受け取らない。実はもともと住んでいた所は、茜のおばあちゃんの家の近所で、おばあちゃんとも面識がある。転校前の学校は全校生徒が30人という少人数で、全員となかよしだった。運動神経抜群で、50メートル走のタイムは7秒3と学校内で一番速い。クラスメートの日野大地からは、「タカーダ」と呼ばれている。

西村 茜 (にしむら あかね)

園辺野小学校に通う5年生の女の子。前髪長めのセミロングヘアで、いつもカチューシャをしている。黒っぽい服を多く身につけているため、外見の印象はかなり暗め。目がギョロっとしていて、死んだ魚に似ているということから、クラスメートたちに「死神」と呼ばれている。彼女の運んだ給食はまずくなるとか、彼女の使った物に触れたりすると呪いをかけられるとか、クラスメートからは謂れのない嫌がらせやいじめを受けている。そんな事情をまったく知らない転校生の高田太陽が、フレンドリーになかよくなりたいと話し掛けてくることにとまどい、当初はかなり困惑する。しかし、真っすぐな太陽に信頼を寄せるようになり、太陽の存在がかけがえのないものになっていく。いじめを受けることや友達がいないことを、自分では気にしていないつもりでいたが、家族に心配をかけないようにウソをついたり、自分のせいで太陽が傷ついたりすることに心を痛めている。自分が生まれてすぐに母親を亡くしたため、現在はお父さんと二人暮らし。一年に一度、夏休みにおばあちゃんに会いに行き、母親のお墓参りをするのが決まりとなっている。捨て猫を「クロ」と名付けていっしょに暮らしている。クラスメートの安達海美に、日野大地の相談を受けたことがきっかけとなり、なかよくなった。

北川 (きたがわ)

園辺野小学校に通う5年生の男の子で、坊主頭のいじめっ子。高田太陽、西村茜のクラスメートで、いつも決まった男子を引き連れている。茜を「死神」と呼び、触ったりすると呪いがうつると騒ぎ、執拗ないじめを先導して行っている。転校してきたばかりの太陽を自分たちのグループに誘おうとするが、茜との関係を理由に断られて失敗。それ以降は茜といっしょにいる太陽もいじめのターゲットにしようとするが、太陽がなんでもポジティブにとらえ、思いもよらない反応をするため、毎回うまくいかないでいる。運動神経抜群で足が速いが、意外にも気が小さいところがあり、本番前に緊張してお腹が痛くなることがある。

日野 大地 (ひの だいち)

園辺野小学校に通う5年生の男の子。いがぐり頭で、明るい性格をしている。高田太陽、西村茜のクラスメートだが、茜のいじめには加担していない。クラスでは太陽の次に足が速く、運動神経も抜群。太陽とはすぐに親友の関係となり、そのつながりで茜ともなかよくなった。いつもタンクトップ姿で、オカルトとタンクトップに関しては造詣が深い。クラスメートの安達海美とは、小さい頃から家が近所の幼なじみで、低学年の頃まではよくいっしょに遊んでいた。最近はあまりいっしょに遊ぶことがなくなったが、太陽や茜と共に再び海美といっしょにいる機会が多くなった。両親は「ラーメン日野」を営んでおり、日野大地は湯きりの修業中。将来自分が店を継ぐかどうかはまだ決めていないが、実家のラーメンの味には誇りを持っている。将来に不安を感じていた海美に、自分たちの関係は「俺と海美が大人になっても変わらない」と温かい言葉を掛けた。

高田 雪子 (たかだ ゆきこ)

高田太陽の姉で、中学1年生。姉弟仲はよく、自宅に初めて西村茜を連れてきた時には、初々しい二人の様子を楽しんでいた。弟から茜とのケンカ後の仲直りについて相談を受けたり、日常的に茜のことを嬉々として話したりする弟の姿を微笑ましく見守っている。のちに帰宅途中で偶然出会った茜を自宅に誘ったり、自分の服のお下がりをあげたりと、姉妹の様に茜をかわいがっている。同じ学年のかすみは、自宅に遊びに来るくらい仲がいい。

笠原 (かさはら)

園辺野小学校に通う5年生の女の子。ポニーテールの髪型で、眼鏡を掛けている。俊足のために「疾風の笠原」の異名を持つが、その名前で呼ばれることを嫌がっている。高田太陽、西村茜のクラスメートで、茜を死神と呼んで執拗ないじめを繰り返している。ふだんは着ない白い服を着てきた茜に対し、「どれだけかわいい服を着ても中身は死神」と聞こえよがしに言葉を投げつけた。実は太陽に思いを寄せており、なかよくなりたがっているが、なかなかうまくいかない。二学期の学級委員を決める際、茜がクラスメートから押し付けられるかたちで推薦され、それに伴って太陽が手を挙げたため、ここがチャンスとばかりに自分も立候補するが、三人での話し合いの結果、なぜか茜と二人で学級委員を務めることになってしまう。一生懸命にがんばるということを、恥ずかしいことと認識している。気の強い性格で人当たりもキツいが、素直になれないだけで、実際は照れ屋でかわいいところもある、いわゆるツンデレ。当初は茜に意地悪ばかり言っていたが、太陽を介して接するうちに次第に茜を受け入れるようになり、なかよくなる。無類の猫好きながら、自宅がペット禁止のマンションのために飼うことができないでいる。

お父さん (おとうさん)

西村茜の父親。優しい性格で、眼鏡を掛けている。茜に学校や友達のことをよく質問するが、いじめを受けていたり、友達がいないのにいるとウソをついていたりした事実は知らない。茜が生まれてきたことで母親を死なせてしまったとは思ってほしくないという、強い考えを持っている。茜が小さい頃から、生まれてきてくれたことに感謝する気持ちを伝え続けている。小さい頃の茜の性格を知っているため、友達を作るのが苦手だとわかってあり、自分がやってやれることは限られていると、遠足のお弁当にはいつも味玉を入れていた。これはいっしょにお弁当を食べた友達と、物珍しさから会話のきっかけが生まれるのを期待してのことだった。

おばあちゃん

西村茜の母方の祖母。一年に一度、娘の墓参りのためにやって来る孫の茜に会えることを楽しみにしている。夏休みになり、久しぶりに会った茜の成長を感じ、茜に友達ができたことを素直に喜んでいた。実は、高田太陽が現在の家に引っ越す前は近所に住んでいたため、彼のことをよく知っている。

安達 海美 (あだち うみ)

園辺野小学校に通う5年生の女の子。三つ編みの髪型で、眼鏡を掛けている。友達思いの優しい性格の持ち主。高田太陽、西村茜のクラスメートだが、いじめには加担していない。日野大地とは小さい頃から家が近所の幼なじみで、低学年の頃までは、何も気にせずいっしょに遊んでいた。しかし、学年が上がるにつれて疎遠になったのをきっかけに、自分が大地に恋心を抱いていることに気づいた。二学期になって、茜に声を掛けて大地の誕生日に何をあげたらいいか相談に乗ってもらったことで、茜と友達になって互いを名前で呼び合う関係へと進展する。小さい頃から生き物が大好きで、女の子の中には苦手な子も多いヘビやトカゲも平気で触れる。将来は学者になりたいという夢を持っており、夏休みの自由研究「都会のトカゲ」がコンクールで金賞を受賞した。これをきっかけに、以前から両親に勧められていた私立中学受験の話が本格化。しかし、みんなと違う道へ進むことで大好きな大地と離れ離れになり、関係が壊れてしまうのではないかと危惧する。だが、大地の「俺と海美が大人になっても変わらない」という言葉に励まされ、将来の夢に向かって受験することを決意する。

お母さん (おかあさん)

高田太陽、高田雪子の母親。明るくさっぱりした性格で、その若い見た目が自慢。あっけらかんとしており、能天気なところは親子でよく似ている。太陽が学校の遊具から落下し、病院に運ばれたことを知って駆けつけた際、西村茜とお父さんに対面した。太陽のケガが自分のせいだと泣いてあやまる茜に、きちんとあやまることができる素直さを褒め、太陽のために泣いてくれてありがとうと感謝の言葉を伝えた。太陽からいつも茜の話を聞いていることや、太陽のケガが心配ないことを話し、「迷惑かけて謝って仲直りできたら百点満点」と茜を励ました。

かすみ

中学1年生の女の子で、高田雪子の友達。ロングヘアを腰まで伸ばし、右目尻にホクロがある。雪子の家によく遊びに行くため、雪子の弟の高田太陽もよく知っており、仲がいい。クリスマスイブには図書委員で知り合った先輩と、クリスマスデートに出かけた。その時、クリスマスパーティーの買い出しに来ていた太陽と西村茜に、先輩とのキスシーンを見られてしまう。

書誌情報

事情を知らない転校生がグイグイくる。 16巻 スクウェア・エニックス〈ガンガンコミックスJOKER〉

第1巻

(2018-10-22発行、 978-4757558557)

第2巻

(2019-02-22発行、 978-4757560253)

第3巻

(2019-06-22発行、 978-4757561670)

第4巻

(2019-10-21発行、 978-4757563520)

第5巻

(2020-02-22発行、 978-4757565296)

第6巻

(2020-06-22発行、 978-4757567085)

第7巻

(2020-11-21発行、 978-4757569485)

第8巻

(2021-03-22発行、 978-4757571624)

第9巻

(2021-07-20発行、 978-4757573758)

第10巻

(2021-11-22発行、 978-4757575769)

第11巻

(2022-03-22発行、 978-4757578258)

第12巻

(2022-07-22発行、 978-4757580350)

第13巻

(2022-11-22発行、 978-4757582637)

第14巻

(2023-03-22発行、 978-4757584761)

第15巻

(2023-07-22発行、 978-4757586727)

第16巻

(2023-11-21発行、 978-4757589056)

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