あらすじ
第1巻
高校生の神城卓は、自身が思いを寄せる幼なじみの花園魅香に明日告白しようと決意していた。だがその夜、卓は自宅の近所で暴漢が女性を襲っている現場に遭遇する。意を決して暴漢に注意をした卓だったが、逆に暴漢に襲われてしまう。次に気づいた時、卓は自室のベッドで朝を迎えていた。何事もなかったかのように学校へ向かった卓だったが、魅香を見つけるなり彼女に対して強烈な殺意を抱いてる事に気づく。自分でも制御ができないほどに彼女を殺したいと思うようになった卓は、屋上で彼を待つ魅香を襲ってしまう。辛うじて思い留まった卓は、自身が人間離れした力を手に入れている事を知り、落ち着くまでしばらく学校を休む事にする。そんな卓を心配する魅香だったが、卓達の担任教師である厚見幸樹によって拉致されてしまう。実は厚見もまた、卓と同じく殺意の衝動に「感染」しており、魅香を殺そうとしていたのだ。それを知った卓は、魅香を助けるために彼らのあとを追う。
第2巻
神城卓は、教師の厚見幸樹に拉致された花園魅香を助ける事に成功したが、その厚見が何者かに惨殺された。だが、厚見は「事故死」という扱いになっており、卓が不審に思っていたところ、ネイブという男性が現れる。ネイブは、卓の悩みを理解し共有すると告げるが、卓は逆にそんなネイブに不気味なものを感じ取るのだった。それからしばらく経ったある日、魅香は卓を誘って子供の頃によく遊んだ遊園地へと連れて行く事になった。しかしそこで突如として、遊園地のアトラクションが次々と制御不能に陥り、多くの人達がパニックになる中、卓は魅香とはぐれてしまう。懸命に魅香を探す卓は、遊園地の片隅にある倉庫にたどり着くが、そこで彼を待っていたのは遊園地のアトラクションを監修したデザイナーのhitamiだった。hitamiもまた殺意の衝動に感染していた事を知った卓は、魅香を守るためにhitamiを食い止める。だが事態は少しずつ悪化していた。折しも卓達の通う高校で学園祭が始まる。卓は魅香への殺意を抑えようとするが、彼と同じく魅香への殺意を抱く者が増えていた。魅香の親友である園葉もまた、そんな一人だった。
第3巻
学園祭の日、花園魅香への殺意の衝動にかられた園葉は彼女に襲い掛かるが、そこへ神城卓が現れる。卓の事を魅香の周囲につねにいる男として邪魔だと思っていた園葉は卓を攻撃するが、卓は魅香を守りながら辛うじて園葉を撃退する事に成功する。だがその直後、魅香は何者かに連れ去られてしまう。魅香がいなくなった事に焦り、行方を探す卓は、体育館の舞台で魅香が囚われている事を知る。校内の人気者だった魅香は、彼女に思いを寄せる者の多くは、みんな彼女への殺意の衝動にかられていた。さらに魅香は、その中の一人である篠宮に屋上へと連れ去られてしまう。篠宮のあとを追った卓は、篠宮と対決し、なんとか魅香を守る事に成功するが、多くの生徒達に包囲される。追い込まれた卓は、その場に現れたネイブに助けられ、彼が「本拠地」と呼ぶ某国の領事館へと連れて行かれる。領事館で魅香が無事である事を知って安堵する卓だったが、魅香もまた卓に対する殺意の衝動に感染してしまっていた。
第4巻
花園魅香は、神城卓を襲ったあとにどこかへと姿を消す。ネイブによって殺意の衝動の正体がIDという名前の一種の病気である事を聞かされた卓は、ネイブ達が「ルーディメント」という組織を結成し、IDに感染しながらも、強い意思でその殺意を制御している者達を保護・治療している事を知る。ネイブ達と行動を共にすれば魅香を探す事にもつながると考えた卓は、「ルーディメント」と敵対する組織「CiD」のメンバーである林優奈と遭遇する。撤退した優奈は、卓の持つ能力に興味を覚えるが、「CiD」の上層部は優奈に余計な情報を与えようとしない。その後、別の事件で再び卓を見た優奈は、卓が殺意の衝動にかられながらもその力を完全に制御している事に驚き、もっと彼の事を知りたいと思うようになる。優奈は「CiD」の情報屋である水島建三と接触し、卓の所属する「ルーディメント」という組織についての情報を得ようとする。その頃、卓は「ルーディメント」のメンバー達と共に、次のターゲットである尾上隆のもとへと向かっていた。
第5巻
IDに感染している可能性がある尾上隆のもとへ向かった神城卓ら「ルーディメント」のメンバー達は、そこで待ち受けていた「CiD」のメンバーと交戦する。尾上の待つ部屋へたどり着いた卓は、自分が行方を探している花園魅香の手がかりを尋ねるが、尾上は彼女の行方を知らなかった。しかし尾上は卓と同じ高校の生徒の中に、その手がかりを握る存在がいる事を示唆する。だがその説明をする前に、尾上はそこに現れた林優奈に襲われてしまう。優奈は初めて会った時から、卓という存在に興味を持ちさらに彼の事を知りたいと思うようになっていた。優奈と交戦した卓は、彼女の持つ身体能力の高さに苦戦する。さらに、「ルーディメント」のメンバーであるネイブ、西橋明人、江藤遼子も「CiD」の送り込んだ相手を前に苦境に立たされていた。戦いの末に卓を追い込んだ優奈は、彼に自分の恋人になるように提案する。
第6巻
林優奈に自分の恋人になるように提案された神城卓は、彼女が他人に興味や関心を持てず、さらには人間らしい感情すらも持っていない事を知る。優奈の提案に応えあぐねる卓だったが、そこへネイブが現れて、自身が投降する代わりに卓達を見逃してほしいと告げる。ネイブが投降する事を認めた優奈は卓を解放し、西橋明人らの「ルーディメント」のメンバー達も脱出に成功するが、彼らは自分達の弱さを痛感していた。今のままでは「CiD」に勝てない事を知った卓は、花園魅香を探そうとするが、そんな卓に優奈から連絡が入る。優奈は卓を遊園地でのデートに誘い、魅香の手がかりが得られると思った卓はそれに応じる。しかし、卓の期待に反して優奈はなにも情報を持っておらず、ただ卓とデートがしたいだけだった。優奈と別れた卓は、偶然にも魅香と再会して彼女が同じ高校に通う樽茄ケイトと行動を共にしており、一連の事件はすべて樽茄が関係している事を知る。魅香は「もう自分を探さないでほしい」と卓に告げて再び彼の前から姿を消すが、一人になった魅香は卓の事を忘れたくないと泣き崩れるのだった。
第7巻
「CiD」に投降したネイブが移送されるという情報を摑んだ神城卓は、西橋明人や江藤遼子と共にネイブの救出に臨む。だが卓の前に、ぷんきゅーと名乗る「CiD」の幹部が立ちはだかる。人間離れした身体能力を持つぷんきゅー相手に苦戦を強いられる卓だが、花園魅香への思いを力に変える事で形勢を逆転、ぷんきゅーを圧倒する。辛うじてネイブの救出に成功した卓だったが、ネイブは腕を失う重傷を負ってしまう。「CiD」が新興宗教団体である「えぐま教」とつながっている事を知った卓は、「えぐま教」の本拠地へと潜入するが、そこで待ち受けていた教祖のえぐま翔平はクリスマスの日に蜂起し、多くの人をその手にかける事を宣言する。卓は「CiD」と「えぐま教」という二つの組織を前にクリスマスの事件を阻止する事を決意するが、そのクリスマスを前に「CiD」の林優奈もまた動き始めていた。
第8巻
クリスマスの夜に「えぐま教」は、人工島で行われるイベントに大量の「ID」感染者を送り込み、暴動を起こす。事前にそれを察知した神城卓は、西橋明人や江藤遼子と共に人工島に入り「えぐま教」の信者達と対決する。人工島へと渡る三つの橋のうち二つを破壊した「えぐま教」は次々と増える「ID」の感染者に一般人を襲撃させ、さらに被害は拡大していく。卓は感染者が拡大している背景に、「ID」の感染者である家崎敏弘が関係している事に気づく。家崎は付近にいる人物に、自分の感情を同調させる事ができる能力の持ち主であり、その能力によって周囲の人物に「ID」を感染させていた。卓は感染の拡大を防ぐために家崎と対峙する。その頃、残された橋のもとへとやって来た明人は、そこで「CiD」のぷんきゅーと遭遇する。
第9巻
人工島で起こった「えぐま教」の暴動を阻止するために戦う神城卓は、大量に「ID」の感染者を引き起こす能力を持った家崎敏弘と戦うが、家崎によって感染させられた「ID」の感染者に追い込まれる。しかし卓は家崎と同様に、自身の意思を感染させる事で逆転に成功し、家崎を追い詰めるが、そこへ人間と名乗る「CiD」の幹部が現れる。人間と交戦する卓だったが、全身武器を内蔵した人間の前に苦戦を強いられ、さらに卓の仲間のはずの川村達哉からも、ネイブを傷つけた責任を問われて執拗な攻撃を受ける。達哉が「ID」によって殺意に呑まれている事を知った卓は、敢えて達哉の攻撃を受けて正気に戻し、人間を倒すために達哉と共闘する。
第10巻
神城卓と川村達哉によって人間は倒されるが、そのあいだに「えぐま教」の教祖のえぐま翔平は現在の人工島の状況を中継し、日本中に向けて「ID」という病気が蔓延している事実を告げる。それでも希望を捨てない卓は、翔平を追いつめるが、そんな卓の前に花園魅香と樽茄ケイトが現れる。魅香の殺意は、手を触れずに周囲の建物を破壊できるほどに肥大化しており、ついに人外の存在へと覚醒を遂げる。自分達にとっての「恋敵」である魅香を止めるために林優奈と江藤遼子も駆けつけるが、卓は魅香を連れて自ら命を断つ事を選ぶ。
登場人物・キャラクター
神城 卓 (かみしろ たく)
輝葉高校に通う男子高校生。幼なじみの花園魅香に思いを寄せており、ついに告白を決意するが、その前日にふとした事から「ID」に感染してしまう。「ID」に感染したあとは魅香に対する殺意を懸命に抑えながら、自分と同じように「ID」に感染してしまった相手から魅香を守る事を決意する。やがて自分と同じ「ID」の感染者でありながら自身の殺意と戦う組織「ルーディメント」と出会い、「ID」の謎と治療に挑む。「ID」に感染する以前は掃除が趣味であり、ヒマがあれば校内の美化に努めていた。「ID」に感染した事によって「観察眼」が高まり、周囲の気配などを察知する事ができる。
花園 魅香 (はなぞの みか)
神城卓と同じ輝葉高校に通う女子高校生。高校では男女を問わず注目を集める存在であり、彼女に思いを寄せる者も多い。卓の事は幼い頃から恋愛感情を抱いていたが、恋心が殺意に変わる病気である「ID」に感染したために卓から距離を置こうとする。自分を必死に守ってくれる卓に対して感謝の気持ちもあるものの、自ら卓の前から姿を消し、その後は樽茄ケイトと行動を共にする。
樽茄 ケイト (たるか けいと)
神城卓と同じ輝葉高校に通う男子高校生。人懐っこい性格で、卓とも仲がよかったが、新聞などのマスコミが報道しないさまざまな情報に精通しており、謎が多い人物だった。「ID」を利用しようとする組織「CiD」とも何らかのつながりがあり、高校から姿を消した花園魅香と行動を共にしており、「CiD」の情報を卓に流すなど行動には相変わらず謎が多い。
林 優奈 (はやし ゆうな)
「CiD」に所属する女性。他人に対する興味や関心がなく、恐怖などの感情が欠落している。恋愛感情が殺意に変わってしまう「ID」にも、感情そのものがないために感染する事がなく、そのために、「ID」の感染者を相手にしても互角以上に渡り合える戦闘力を持っている。神城卓と出会い、これまで他人に興味を抱く事ができなかった自分の中に、理解不能な感情が芽生えている事に気づく。卓の事をもっと知りたい、理解したいと思うようになり、彼に恋人になってもらうよう提案する。
ネイブ
「ルーディメント」に所属する男性。神城卓の通う輝葉高校の学生食堂に勤務しており、卓が「ID」に感染した事から卓を監視していた。その結果、卓が「ID」による殺意を制御できる精神力を持っている事を知り、治療と研究のために「ルーディメント」に参加するように呼びかける。ネイブ自身も「ID」に感染しており、手で触れただけで感染者を殺す事ができる能力を持っているため、主に後方支援に回る事が多い。
原口 紗千 (はらぐち さち)
「ルーディメント」に所属する女性。「ルーディメント」の中では数少ない医療関係者で、「ID」が他人を媒介として感染する「病気」である事から、治療のために尽力している。専門は内科だが外科など医療全般に通じており、化学・薬学にも精通しているために「ルーディメント」内部では重宝されている。
西橋 明人 (にしばし あきと)
「ルーディメント」に所属する男性。「ID」に感染する事によって得た能力は「嗅覚」で、他人の精神状態までも嗅ぎ分ける事ができる。「ID」に感染する以前は素行不良な生徒であり、学校や教師からも見放された存在だったが、唯一自分の味方をしてくれた女性に恋愛感情を抱いていた。「ルーディメント」に参加してからは、チームのムードメーカーとして活躍する。
江藤 遼子 (えとう りょうこ)
「ルーディメント」に所属する女性。「ID」に感染する事によって得た能力は「腕力」で、素手で壁を破壊したり、片手で人間を投げ飛ばす事ができる。実家は空手の道場であり、江藤遼子自身も幼い頃から空手を習っていた。自身の腕力を認めてくれた男性に恋愛感情を抱くが、「ID」に感染したためにその相手に重傷を負わせてしまう。「ルーディメント」では、高い戦闘力を駆使して前線で戦う事が多い。本人は気づいていなかったが、林優奈によって神城卓に恋愛感情を抱いている事を指摘される。
川村 達哉 (かわむら たつや)
「ルーディメント」に所属する男性。「ID」に感染する事によって得た能力は「電撃」で、自在に手から電撃を発する事ができる。ふだんは絶縁体の手袋をはめており、ネイブと共に後方支援に回る事が多い。自身の事を認めてくれたネイブに対して恋愛感情を抱いており、ネイブを傷つける相手に対しては敵味方を問わず、川村達哉自身の感情を制御する事ができなくなる。
ぷんきゅー
「CiD」に所属する女性。人間離れした身体能力の持ち主で、格闘ゲームのコマンドを口にしながら攻撃を繰り出す事ができる。林優奈と同じく感情が欠落しており、他人に対する興味や関心がなかったが、神城卓と戦い、彼によって重傷を負わされた事で彼の事が気になり始める。「ぷんきゅー」はあくまでもプレイヤーネームであり、本名は不明。
人間 (にんげん)
「CiD」に所属する男性。林優奈と同じく感情に乏しく、他人に本名を名乗る事も面倒に感じているため、自身を「人間」と名乗る。幼い頃から「実験」と称してさまざまな機関によって改造されており、体内に複数の武器を内蔵している。人間自身のルーチンワークを重視しており、戦闘中であっても、決められた日課を必ずこなすほど徹底している。
水島 建三 (みずしま けんぞう)
「CiD」に所属する男性。医師として「CiD」メンバー達の健康診断や病気、ケガなどの治療を行っている。一方で情報屋としても活動しており、「CiD」の内外を問わずさまざまな情報を持っている。神城卓と出会った林優奈が人間らしい感情を持ち始めている事に興味を抱き、優奈に必要な情報を提供する取引を交わしている。
えぐま 翔平 (えぐま しょうへい)
新興宗教団体「えぐま教」の教祖を務める男性。教祖として優れたカリスマ性を持ち、信者に死を強要する事も厭わない。その反面、美しくないものに対しては嫌悪感を持ち、特に恋愛感情そのものを否定するなど人格が大きく破綻している。恋愛感情は人間を堕落させる負の感情であると断じ、恋愛感情が殺意に変わる「ID」の感染者を利用して世界の浄化を図る。
豪戸 紀代 (ごうと きだい)
「CiD」のリーダーを務める男性。頭をスキンヘッドにしている。性格は冷酷非情で、過去にネイブとも何らかの因縁があり、互いに顔見知り。「CiD」の目的の多くはリーダーである豪戸紀代の指示によって遂行されており、「ID」の感染者を利用するという方針も豪戸の考えによるものである。
厚見 幸樹 (あつみ こうき)
神城卓達の通う高校で教師を務める男性。面倒見のいい性格のため、生徒達からの人気も高く、生徒達から悩み相談を受ける事も多い。実は「ID」の感染者であり、教え子の一人である花園魅香に対して恋愛感情を抱いていたために、魅香への殺意を抱くようになる。「ID」に感染する事で得た能力は不明だが、洞察力が非常に優れている。
hitami (ひたみ)
デザイナーの女性。神城卓と花園魅香が訪れた遊園地でアトラクションの監修を行っていた。モデルのような容姿で男性ファンも多いが、実は「ID」の感染者であり、自身の髪の毛を褒めてくれたスタイリストに恋愛感情を抱いていた。「ID」に感染する事で得た能力は「髪の毛を自由にあやつる」事で、自分が恋愛感情を抱いている相手を殺すために多くの一般人を巻き添えにした。
園葉 (そのは)
神城卓と同じ輝葉高校に通う女子高校生。内向的な性格で、趣味は読書という地味な少女だったが、実は「ID」の感染者で、つねに自分を認めてくれていた花園魅香に対して恋愛感情を抱いていた。「ID」に感染する事で得た能力は「毒」で、園葉自身の血液を毒として相手に送る事ができる。
篠宮 (しのみや)
神城卓と同じ輝葉高校に通う男子高校生。高校ではサッカー部のキャプテンを務め、自他共に認めるイケメンである事から女性人気が高い。実は「ID」の感染者であり、高校の中でも自分に並ぶ人気者である花園魅香に対して恋愛感情を抱いていた。「ID」に感染する事で得た能力は「脚力」で、スピードと破壊力を合わせた強力なキックを放つ事ができる。
尾上 隆 (おがみ たかし)
神城卓と同じ輝葉高校に通う男子高校生。大企業の御曹司であり、何百坪もの広大な土地と豪華な邸宅に住んでいる。実は「ID」の感染者であり、「ID」に感染して得た能力は「女性を惹き付ける事」で、彼を慕う女性の多くを虜にし、尾上隆自身を守る盾として利用していた。樽茄ケイトや「CiD」とも少しかかわりがあり、花園魅香の行方を追う卓と対峙する。
家崎 敏弘 (いえざき としひろ)
「CiD」に所属する男性。高校を中退し、ニートとして定職にも就かずに生きて来た。実は「ID」の感染者であり、「ID」に感染して得た能力は「集団感染」で、家崎敏弘自身の意識を対象に共有させる事で「ID」の感染を拡大させる事ができる。激しい承認欲求の持ち主で、自身を認めてくれる相手には力を尽くすが、認めてくれない相手には激しい憎悪を抱く。
集団・組織
ルーディメント
「ID」に感染した人を保護し、その治療にあたる組織。表向きは某国の領事館を本拠地としている。組織を構成する人員は決して多くはないが、医療や国家機関と連携し、「ID」の謎の解明に挑んでいる。
CiD (しど)
「ID」に感染した人を利用しようとする組織。「ルーディメント」と敵対している。「ルーディメント」と異なり「ID」の感染者の保護や治療が目的ではなく、あくまでも利用が主な目的となっており、中枢を構成する人員も非感染者で占められている。対感染者用に林優奈ら感情の欠落した人間を揃えている。
えぐま教 (えぐまきょう)
えぐま翔平を教祖とする新興宗教団体。教祖の翔平を神と崇めている。教団の信者は全員教祖と同じ顔に整形しており、教祖の指示なら自ら死を選ぶ事も厭わない。教義を実現するため、人体実験などを行う過激な教団として警察からもマークされている。
その他キーワード
ID (あいでぃー)
恋心が殺意に変換される病気。この病気に感染した者は、恋愛感情を抱いていた相手に対して激しい殺意を抱くようになる。その原因や感染源などは不明だが、感染した者はそれぞれ体力や精神力の中から一部の機能が向上し、人間離れした能力を発揮できるようになる。
クレジット
- 原作
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要 マジュロ
書誌情報
今夜は月が綺麗ですが、とりあえず死ね 10巻 講談社〈講談社コミックス月刊マガジン〉
第1巻
(2015-10-16発行、 978-4063714937)
第2巻
(2016-04-15発行、 978-4063925197)
第3巻
(2016-10-17発行、 978-4063925487)
第4巻
(2017-03-17発行、 978-4063925753)
第5巻
(2017-07-14発行、 978-4063925968)
第6巻
(2017-11-16発行、 978-4065104514)
第7巻
(2018-03-16発行、 978-4065111857)
第8巻
(2018-07-17発行、 978-4065118894)
第9巻
(2018-11-16発行、 978-4065134610)
第10巻
(2019-03-15発行、 978-4065149256)