会長島耕作

会長島耕作

大手総合電機メーカーの会長職にまで上り詰めた島耕作は、経済団体に所属し、国益のために多様な社会問題に取り組むと同時に、農業や漁業問題にも目を向けていく。国内外を飛び回って世界を相手に活躍する島の姿を描いたビジネス漫画。本作『会長島耕作』では、過去のシリーズに登場した、懐かしい顔ぶれとの再会シーンも多い。また、コミックスには、アジアの気鋭の実業家の姿を描いた「島耕作のアジア立志伝」も同時収録されている。「モーニング」2013年39号から連載の作品。「島耕作」シリーズは、課長から始まって企業戦士として上り詰めていく姿を描いたストーリーと、時代を遡る形で過去の島の姿を描いたストーリーの2つのシリーズで構成されており、本作は前者のうち『社長島耕作』の続編にあたる7作目となっている。

正式名称
会長島耕作
作者
ジャンル
サラリーマン
関連商品
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あらすじ

経済連入会(第1巻)

島耕作は総合電機メーカー「テコット」の会長に就任した。そして前会長である万亀のあとを引き継ぎ、「経済連」へ入会する。経済連の会長、多治見六郎からは嫌味を言われ、事務総長の花田敏光には下位のポストからスタートするよう勧められる。また、次期会長候補の戸部謙介が主催する「飛べ会」の誘いを断ったので、耕作は戸部からも睨まれる。その頃、次期会長ポストの打診を次々に断られていた多治見は、戸部に会長を打診せざるを得なくなる。そんな中、耕作は財界活動の補佐を行う専任秘書に、ゲイだと公言する三代稔彦を採用。恋多き三代は、早速そば屋のイケメン店長、結城伸介に恋をするのだった。

総裁選(第2巻)

島耕作と親交のある真鍋和仁が民自党の次期総裁と目される中、「経済連」の会長になった戸部謙介は、耕作が気に入らず、「経済連」で総裁選に向け所沢をプッシュする運動を仲間内で開始。そんな戸部に対し、耕作は「経済連」が政治的に統一見解を出すのは前代未聞だと批難する。ほどなくして、真鍋が内閣総理大臣に指名され、経済団体からの寄付金は一切受け付けないと「経済連」で宣言。戸部ら旧態依然とした考え方を持つ財界人は動揺する。

オランダ農業視察(第2巻~第3巻)

農業の工場生産システムを学ぶために、島耕作と部下の万亀萌三代稔彦はオランダへと向う。そこで耕作達は、先端技術を取り入れたコンピューター制御のもとで生産される農業のあり方や、ハイテク技術を目の当たりにする。そんな中、三代はゲイバーで友人となったスティーブに、「ソラー電機」の社長、後藤進次郎が手痛くふられる場面を目撃。さらに「ソラー電機」はいち早くオランダの技術に目をつけ、石巻市に広大な土地を購入していることが判明する。そんな中、巨大な花市場を見学に来た耕作達は、後藤社長と遭遇する。耕作達と共に行動していたスティーブを見た後藤は、耕作が自分にスパイを差し向けたと勘違いするのだった。

テコット上海(第3巻)

ある日、「テコット上海」の山根和正董事長が、デモ隊に襲われて意識不明になる。報告を受けた島耕作は、日本で陳民生の息子がいじめにあっていると聞き、陳に「テコット上海」の董事長を託す好機だと判断する。一方、山根は意識不明のまま日本に戻されるが、彼の「延命治療はしない」という意思表示は家族に伝わっていなかった。こうして耕作は、山根の兄が山根の妻と娘を説得する場所に、いっしょに立ち会うこととなる。

経済交友会(第3巻)

島耕作は、経営者個人が参加する「経済交友会」の活動にも目を向けていた。そして、代表幹事を務める渡部晋太郎に招かれた神宮外苑花火大会で、共に食料自給率の実態に関し、再考すべきだと議論を一致させる。その後耕作は、「経済交友会」の高知での秋季セミナーにも参加。そこで耕作は、「今後の原子力発電」について意見交換のあと、土佐のお座敷遊びで泥酔した田尻美佐子を部屋に運び入れてしまう。そこで、参加メンバー達に田尻との男女の関係を疑われることになる。

水産資源(第4巻)

島耕作は近大マグロの養殖を見学するため、和歌山県串本を訪ねた。そこで耕作は、マグロがデリケートな魚であり、養殖には大きな労を要することを知る。人工で孵化させた稚魚をヨコワまで育てる中間育成会社を設立した「トヨサン通商」によると、事業が軌道に乗れば、市場より断然安い価格でマグロを提供できるという。耕作は、これからの漁業は工業製品だと実感。同時に日本の漁業規制が甘いせいで、水産資源が減っていることを学び、漁業の分野にも取り組む必要性を痛感する。そんな中、耕作は同期で、かつてフィリピンで銃弾に倒れた樫村の息子、樫村翔太と再会。彼は偶然にも「ウナギの資源回復」に取り組んでいたのだった。

高齢化問題(第4巻~第5巻)

年が明け、「トヨサン自動車」会長の伊良湖操が「経済連」を辞めると聞いた島耕作は、自身も「経済連」の退会を決意。その後、部長時代に滞在した福岡に出向いた耕作は、三郎丸千鶴の自宅を訪ねる。そこで千鶴の息子のサッカーの試合を観戦した耕作は、「初芝バンザイ」と叫ぶ老人を見て驚愕する。彼はかつて「初芝販売センター」の社長を務めていた今野輝常だった。今野はその時も様子がおかしく、耕作が家を訪ねた数日後、首吊り自殺を図り、昏睡状態に陥ってしまう。そんな彼の姿に、耕作は日本が背負う独居老人の問題に意気消沈する。その後の「経済交友会」での勉強会で、耕作は今後、終末医療を共有する家族に「看取りの知識」が不可欠になっていくことを学ぶ。

産業スパイ(第5巻~第6巻)

孫鋭と一緒にいるという馬場典子の連絡を受けた島耕作は、共に銀座のクラブで飲むことになる。席についた中国人のホステス、胡雪路は「経済連」会長、戸部謙介のお気に入りだった。しかし孫は、雪路が「貞松製作所」の情報を得るためのスパイなのではないかと疑っていた。彼の言葉を受けて、「テコット」社長の国分圭太郎は、小暮探偵事務所に身辺調査を依頼し、雪路が戸部の秘書と通じていた証拠を押さえる。そして国分は、戸部に己のうかつさを思い知らせるべく証拠を叩きつけるのだった。 ほどなく、上海に赴いた耕作は、女子プロゴルファーの呂桑鈴と久々に再会。その夜、中央政府の国立研究所が、「テコット上海」の人工光合成と同じ変換効率を達成したとのニュースが流れる。翌日、桑鈴は麻薬密売人の傍らに、昨晩「テコット上海」のテーブルに同席していた黄大清と思しき人物を見かける。桑鈴からその話を聞き、また麻薬から解放されたいとの相談を受けた陳民生は、彼女を極秘入院させたうえで、スパイをあぶり出すべく、破壊ウイルス入りのデータを黄に渡す。結果、陳の目論み通り、破壊ウイルス入りのデータで、国立研究所が被害を受ける。その報告を受けた曽烈生は、黄の始末を部下に命じる。

ミラノ国際博覧会(第6巻)

島耕作は、「経済交友会」で食をテーマにしたミラノ国際博覧会を視察するツアーに参加した。耕作は幹事の田尻美佐子からの大胆な誘いをかわしながら、各国のパビリオンを視察。そんな中、赤いドレスの女性から「サンマルコ広場で会いませんか」というミステリアスなメッセージを受け取る。危険を覚悟で会いに行った耕作は、そこでかつて耕作がフィリピンに赴任した時の部下で、現在はインドネシアの副大統領夫人となったローラと再会する。

テコファーム(第7巻)

ある日、島耕作は、「テコット」が農業事業に進出する足掛かりとして発足した「テコファーム」に、ドローンによる薬物散布を発案した浜崎伝助というユニークな社員がいるという話を聞く。偶然、浜崎と話をする機会を得た耕作は、後日「テコファーム」の後任社長の座を浜崎に打診するが、「人の上に立つのは苦手」と断られてしまう。

ミャンマー視察(第7巻~第8巻)

島耕作と秘書の三代稔彦は、中国の半導体工場移転の件で、視察のためミャンマーを訪れていた。そして、ミャンマーへの投資を目的とした企業向けのパーティの会場で、耕作は中国の裏社会を牛耳るフィクサー、曽烈生の姿を目撃する。さらに、耕作のホテルの部屋に盗聴器が仕掛けられていることが発覚。急遽、ミャンマー現地社員のカレンチャウッカ宅に滞在することになった耕作は、「五井物産」の寺嶋会長と、高速鉄道受注の件に絡む曽を陥れるべく、寺嶋の部屋にも仕掛けられていた盗聴器を利用するよう画策。だがそんな中、カレンの靴に仕掛けられた発信機により、耕作は居場所を突き止められ、曽の部下に拉致されてしまう。こうして耕作と曽の、非公式な「話し合い」が始まるのだった。

ミャンマーの酒(第8巻)

帰国した島耕作は、山口県の「桜沼酒造」を訪れる。そこで耕作は、酒の原材料である米の山田錦が不足していると嘆く沼田に、東南アジアで米を作ってはどうかと提案する。そして耕作は三代稔彦を連れ、沼田と共に、再びミャンマーを訪れる。そこで出会ったファイナンス会社の武部秀治は、三代を積極的に誘惑し、三代は武部に夢中になってしまう。しかし、ミャンマーでの日本酒製造がとんとん拍子に決まる中、ある日突然、三代は武部に一方的に別れを切り出される。実は武部は男装した女性であり、三代に近づいたのも、ただ子供が欲しいがためであった。

ゲノム編集(第8巻)

平瀬健一は、遺伝子をピンポイントで書き換える「ゲノム編集」に着目。彼から投資のオファーを受けた耕作は、投資する価値はあるとして、本場アメリカでの調査を決定する。

登場人物・キャラクター

島 耕作 (シマ コウサク)

総合電機メーカー「テコット」の会長を務める男性。入社から43年で会長の座まで上り詰めた。妻は島久美子。「マグロ体質」と言われるほど、60代後半に突入しても忙しく働き続ける仕事人間で、国内外を飛び回っている。飄々として摑みどころがない人物と評されることも多い。現在は社業30パーセント、財界活動70パーセントのスタンスで、日本経済の発展のため、財界活動に尽力している。 「経済連」と「経済交友会」に入会するが、「経済連」が政治献金を餌に政治に関与する圧力団体に成り下がっていると感じて、のちに退会。個人加入である「経済交友会」の活動に専念する。かつて盛んだった女性関係は沈静化しており、妻とたまに食事に出かけるだけで、ほどよい夫婦関係を維持している。

島 久美子 (シマ クミコ)

島耕作の妻。40代後半の美女。正月には着物姿で耕作に迫るなど大胆なところもあるが、たまに夫と外食をするのを楽しみに、仲睦まじく暮らしている。ホームレスの家で雑炊をご馳走になるなど肝の座った性格だが、おみくじで「凶」を引いただけでナーバスになる繊細な一面もある。

万亀 萌 (マンガメ モエ)

島耕作の会長秘書を務める女性。総合電機メーカー「テコット」の前会長である万亀健太郎の妻で、万亀には「萠縁」と呼ばれている。ドテッとした体型のふてぶてしい見た目で、いつも落ち着きはらっており、観察眼が鋭い。食欲旺盛にして大酒飲みで、酔っ払うとビールジョッキを指でグルングルンと回す癖がある。食に関しても目利きで、接待に使うための良い店を探すのが得意。 アラン・ドロンの大ファン。

三代 稔彦 (ミシロ トシヒコ)

島耕作の財界活動を補佐する専任秘書に採用された40代の男性。大学時代はラグビー部のスタンドオフとして活躍していた。農水省時代にハーバード大学でMBAを取得、その後も米国上院議員政策秘書など、さまざまな分野で活躍をしてきたエリート。得意分野はエネルギー関係と農業経営。ゲイを公言しており、かなりの恋愛体質の持ち主。ミャンマーでは武部秀治と恋に落ちるが、想像を絶する理由でふられてしまう。

結城 伸介 (ユウキ シンスケ)

島耕作の行きつけの立ち食いそば屋の店長。切れ長の目をした20代後半のイケメンで、三代稔彦に一目惚れされる。上から目線な物言いをするところがあるが、フレンドリーな性格で、三代と万亀萌とはよく飲みに行く仲になる。芸能プロダクションに所属していた過去がある。綺麗な女性が苦手で、「自分で気づいていないだけでゲイかも」と萌に指摘される。

神奈川 恵子 (カナガワ ケイコ)

総合電機メーカー「テコット」秘書室の若い女性社員。あっけらかんとした性格で、言葉遣いが男っぽい。三代稔彦が一目惚れした結城伸介を飲みに誘うという重要な役を担うため、万亀萌に抜擢された。

国分 圭太郎 (コクブン ケイタロウ)

総合電機メーカー「テコット」の代表取締役社長を務める男性。会長となった島耕作を全面的にサポートしている。何かと押しが強く、特に「経済連」会長の戸部謙介には強気な態度で接する。博学で、中国語にも堪能。のちに退会した耕作に代わり、「テコット」代表として「経済連」に入会する。

加治 一明 (カジ カズアキ)

防衛副大臣を務める、民自党所属の男性議員。シャープな雰囲気を漂わせた二世議員ながら、庶民的な考え方を持つ腰の低い人物。かつて、総合電機メーカー「テコット」の社員が中国政府に不当逮捕された際に尽力し、この時に島耕作と親しくなった。「経済交友会」で集団的自衛権の勉強会の講師を務め、熱弁を振るう。

山野辺 勝夫 (ヤマノベ カツオ)

日本の総理大臣で、民自党所属の男性議員。日本のメーカーの工場が海外に流出していることを懸念している。加治一明を通して島耕作を料亭に呼び出し、日本で雇用を生み出す新しい分野の産業を、民間から生み出してほしいと相談を持ち掛ける。実は進行性のガンに冒されており、耕作と親しい真鍋和仁総務大臣を、自分の後継者にと考えている。

戸部 謙介 (トベ ケンスケ)

建設機械生産で世界進出している「貞松製作所」の会長を務める男性。功名心が強く、「経済連」の会長職を喉から手が出るほどに欲している。人気者の島耕作の存在を疎んでおり、多治見六郎からは「人品骨柄が卑しい」と評されている。のちに「経済連」会長に就任。「飛べ会」という仲よしグループを作っている。

花田 敏光 (ハナダ トシミツ)

「経済連」の事務総長を務める男性。多方面に顔が広く、経済連の事務局職員として優秀だが、慇懃無礼を絵に描いたような人物である。会長の多治見六郎からの信頼は厚く、「君が副会長になって経済連の影の会長となれ」と言われている。

多治見 六郎 (タジミ ロクロウ)

「経済連」の会長を務める男性。次期会長に誰を選ぶかに頭を悩ませている。「ジャパン流通グループ」会長の河村専太郎に白羽の矢を立てたものの、けんもほろろに断られ、その後「トヨサン自動車」会長、伊良湖操にも断られてしまったため、最終的に、「人品骨柄が卑しい」と陰で毛嫌いしている戸部謙介に打診せざるを得なくなる。 事務総長の花田敏光に多大な信頼を寄せている。

真鍋 和仁 (マナベ カズヒト)

総務大臣を務める、民自党の男性議員。課長時代の島耕作が政経研究所の講師をしていた時の生徒であり、耕作に強い信頼を寄せている。のちに総理大臣、山野辺勝夫の後継者として、40代で総理大臣の座に就く。その際、自身が総理を務める期間中は、経済団体から民自党へ寄付金の類は一切受け付けないと宣言するなど、クリーンな考え方を持つ政治家。

伊良湖 操 (イラコ ミサオ)

「トヨサン自動車」の会長を務める男性。人望が厚く、多治見六郎から「経済連」次期会長の打診を受けたが、辞退した。島耕作とは二人で食事に行くほど親しい仲。「経済連」の圧力団体的な現在のあり方を嫌っており、のちに退会する。流行りの店を積極的に訪れたり、花見では率先して場所取りをするなど、己の立場を誇示しない柔軟な考え方の持ち主。

後藤 進次郎 (ゴトウ シンジロウ)

電機メーカー「ソラー電機」の社長を務める男性。島耕作たちがオランダへ農業視察に行った際、ゲイバーでスティーブを口説く姿を三代稔彦に目撃される。その後、自分の早とちりで耕作に敵意を燃やすようになり、せこい嫌がらせをする女々しいところがある。しかし、ミャンマーから帰国した耕作と新宿のゲイバーで再会した際、耕作をゲイだと勘違いし、一転して親し気な態度をとるようになる。

スティーブ (スティーブ)

若いアメリカ人男性。三代稔彦がオランダのゲイバーで知り合った。同じバーで仲よくなった後藤進次郎をワーヘニンゲン大学へ案内するなどフレンドリーな性格。後藤につきまとわれ、手ひどくふったので、後日、島耕作達に同行している時に偶然出会った後藤から、総合電機メーカー「テコット」のスパイだったのかと誤解される。

娼婦 (ショウフ)

アムステルダムの娼婦。外見がアラン・ドロンに似ている。そのため、アラン・ドロンが好きな万亀萌が親しく声をかけ、仲よくなった。束縛されず自由に仕事ができ、そこそこ稼げるからと、娼婦を職業として選んだ経緯がある。萌を初めて心を開いて話せる相手だと感じ、萌の名刺を宝石箱に入れて日本に行こうと楽しみにしていた。 しかし、島耕作達がオランダ滞在中に薬物使用により亡くなった。

陳 民生 (チン ミンセイ)

総合電機メーカー「テコット」の理事。アジア・中国戦略室長を務める中国人の男性。島耕作とは10年以上の仲であり、強い信頼を寄せられている。日本に来て2年近くなるが、息子がいじめに遭って悩んでいたため、日本人スタッフがいない海外法人「テコット上海」の董事長を託された。のちに女子プロゴルファーの呂桑鈴に麻薬と手を切らせたり、スパイ容疑のある黄大清を追い詰めたりと、上海で大いに活躍する。

山根 和正 (ヤマネ カズマサ)

中国の「テコット上海」の董事長を務めていた男性。デモ隊に襲われて負傷し、意識不明となった。その後は日本に搬送されたが、4か月も意識がない状態が続いている。実は総合電機メーカー「テコット」の人事の個人ファイルでは、「延命治療はしない」という意思表示をしていたが、家族には伝わっていなかった。最終的に山根和正の兄が山根の妻と娘を説得し、延命治療を断った。

田尻 美佐子 (タジリ ミサコ)

「東京生命」で専務取締役を務める女性。「経済交友会」の秋季セミナーで世話人を務めた。セミナー終了後の宴会で酔っ払い、島耕作に自室まで運んでもらった場面を、「経済交友会」のメンバーに目撃され、耕作と男女の関係があると疑われる。食欲と性欲が旺盛だと自称するあっけらかんとした女傑で、いっそ本当に男女の関係になろうと耕作に誘いをかけるが、いつもはぐらかされている。

樫村 翔太 (カシムラ ショウタ)

「丸商交易」で東南アジア総括部長を務める男性。「経済交友会」のメンバーで、「ウナギの資源回復」について報告した。ウナギの買付けの仕事に携わるようになって以来、週に1回はウナギを食べている勉強家。島耕作と同期であった樫村健三の息子。耕作と共に樫村翔太の母を見舞いに行った際、自分の父親がゲイであり耕作を愛していたこと、また母親も耕作に好意を持っていた事実を知る。 自身も耕作に好感を持っている、と屈託なく笑う、楽観的な性格をしている。

樫村翔太の母 (カシムラショウタノハハ)

樫村翔太の母親で、今は亡き樫村建三の妻。62歳の時に、施設に入所した。進行が速い若年性アルツハイマーを患っている。最近では息子である翔太の顔もわからなくなってきているが、島耕作のことを話す時だけは目に生気が戻る。耕作と翔太が施設を訪問した時に地震が起こり、フィリピンで大地震の遭遇した時に、耕作に抱きついて告白した場面がフラッシュバックする。

三郎丸 千鶴 (サブロウマル チヅル)

島耕作が部長時代に秘書をしていた女性。「丸石電器」の社長を務める三郎丸の妻。もともとぽっちゃりした体格だったが、さらにぽっちゃり度が増し、90キロの大台を目指していると笑う豪快な人物。現在は博多に住んでおり、耕太という息子がいる。耕作に頼まれて今野輝常のマンションを訪ねた際、首を吊っている今野を発見し、咄嗟に人工呼吸するなど冷静な判断力を持つ。

今野 輝常 (コンノ キツネ)

かつて「福岡HSC(初芝販売センター)」の社長を務めた男性。現在は70代半ばで、妻とは離婚している。子供の頃から嫌われ者で、人と深く付き合うことを避けてきた。老人性鬱になっており、心配した島耕作がマンションを訪ねた際には、家はゴミ屋敷と化していた。首吊り自殺を図ったところ、三郎丸千鶴に発見されて一命を取りとめたが、ほどなくして亡くなる。

平瀬 健一 (ヒラセ ケンイチ)

「はつらつ介護システム」の社長を務める男性。かつて「初芝電器産業」で働いており、島耕作とは同期の70年入社組。現在、「はつらつ介護システム」は一部上場も果たし、毎年業績が上がっているので、週の半分以上は銀座に通っている。バツ2で、離婚したフランス人元妻との間に娘が二人いる。少々デリケートな性格で、上の娘に10年ぶりに会う際には、偶然再会した耕作に付き添いを頼んだ。

馬場 典子 (ババ ノリコ)

銀座のクラブでママをしていた女性。島耕作とは旧知の仲。12年前に中国に渡ったが、日本の寿司が食べたくなり、孫鋭の日本出張について来た。胡雪路が働くクラブ「紅い花」のママ、柘植和貴子とは昔からの知り合い。

孫 鋭 (ソン エイ)

「出発集団」のCEOの男性。島耕作とは旧知の仲。鋭い洞察力を持つ、やり手の実業家で、馬場典子と共に中国から日本へ出張に来ている。スパイ活動を中央政府絡みで操っている中国の地下組織について詳しく、クラブ「紅い花」のホステスである胡雪路が、戸部謙介にハニートラップを仕掛けているのでは、という疑惑を抱く。

胡 雪路 (フー シュエロー)

銀座のクラブ「紅い花」に勤めるホステスの中国人女性。上海出身と偽って、1年前に日本にやって来た留学生。孫鋭に上海出身だという噓を見破られ、国分圭太郎に戸部謙介の会社の機密を狙う産業スパイであると暴かれる。のちに闇の組織のドン、曽烈生に命を奪われてしまう。ホステスの源氏名は日本語読みで「雪路(ゆきじ)」。

呂 桑鈴 (ロ ソウレイ)

中国人の女子プロゴルファー。「テコット女子オープン」の優勝者。日本ツアーを経て現在はアメリカLPGAツアーに参加しているが、調子を落として上海に滞在している。肘の調子が悪いと言ってサポーターを巻いているが、実は麻薬常習者で、サポーターは注射痕を隠すためのもの。「もう一度ゴルフがしたい」と陳民生に助けを求め、麻薬の密売人に会った際に、黄大清を見かけたと打ち明ける。

黄 大清 (コウ タイセイ)

「テコット上海」の「次世代技術研究所」に所属する技官の男性。人工光合成の開発チームのチーフを務めている。実は麻薬の密売所で呂桑鈴に目撃され、産業スパイとして自社の情報を横流しした人物ではという疑惑が浮上する。

曽 烈生 (ソ レッセイ)

中国の闇の帝王として君臨している男性。以前、孫鋭の会社「出発集団」にいたが、麻薬取引にかかわっていたことが発覚し、解雇された。その後は地下に潜り、風貌を変え、「奚錦梅」と名乗って政商として暗躍。中国政府と結託して地下経済を牛耳っている。島耕作に対して強い対抗心と警戒心を持ち、ミャンマーで耕作を拉致する。

ローラ (ローラ)

インドネシアの副大統領夫人。島耕作が過去にフィリピンに赴任した時の直属の部下だった女性。ミラノ国際博覧会でのジャパンデーの招待客であり、レセプション会場で耕作を見かける。SPに囲まれて不自由な生活を送っており、耕作に会いたいがため手紙を受付嬢に託す。頭がよく勉強家であり、インドネシアはもとより国内外の事情に精通している。

浜崎 伝助 (ハマザキ デンスケ)

総合電機メーカー「テコット」の農業進出に伴い発足した「テコファーム」の男性社員。八ヶ岳では島耕作が「テコット」の会長と知らず、釣った魚を気前よくプレゼントした。アイディアマンで実行力もある優秀な社員ながら、マイペースなため、社長の山咲健一からの評価は低い。浜崎伝助本人にも出世欲はなく、耕作から「テコファーム」の社長就任の話を受けるが、窮屈な思いはしたくないと断ってしまう。

山咲 健一 (ヤマサキ ケンイチ)

総合電機メーカー「テコット」の農業進出に伴って発足した「テコファーム」で社長を務める男性。後任に適任者がおらず、人事本部から適材を回してほしいと島耕作に要請する。浜崎伝助の態度にはイライラさせられることが多く、彼を無能な男と評価している。

安東 南男 (アンドウ ミナオ)

「テコットシンガポール」のミャンマー駐在所で所長を務める男性。島耕作の案内役を担当した。人当たりがよく、穏やかな性格の持ち主。耕作のホテルの部屋が盗聴されていると聞き、カレンチャウッカの部屋に案内するなど、機転が利く。

カレンチャウッカ (カレンチャウッカ)

「テコットシンガポール」のミャンマー駐在所で営業をしている若い女性。日本の大学に留学していたため日本語に堪能。かつて父親と一緒に住んでいたので部屋が空いており、曽烈生に盗聴されている島耕作と三代稔彦を自宅に泊めた。「ラウェイ」という格闘技の選手で、チャンピオンの経験もあるバリバリな武闘派。

沼田 清伍 (ヌマタ セイゴ)

酒造メーカー「桜沼酒造」の社長を務める男性。黒ぶちのメガネをかけた、実直そうな人物。しかし、意外にチャレンジャー気質で、仕事に対して強い情熱を持つ。島耕作からミャンマーでの酒造を持ちかけられて乗り気になり、共に視察に出かける。

武部 秀治 (タケベ シュウジ)

ファイナンス会社「M.A.Iファイナンス」の若い男性。村人の自立支援を優先的に考えた、貧困層向けの金融ビジネスを手掛けている。ゲイの三代稔彦と恋人関係になるが、実は女性で、三代に近づいたのも、子種を授かりたいためという策略家。本名は「武部秀子」で、実際はミャンマー人の恋人がいるレズビアンである。

中骨 (ナカボネ)

明るく行動的な男性。酒店を営んでいる。自身の店に来たミャンマー人が日本酒に感激し、ミャンマーでも日本酒を作ってみたいと言われた。そこで、京都にある酒造メーカー「京徳酒造」に、ミャンマーのインディカ米で酒を作らないかと持ちかけた。「京徳酒造」に話を聞きに来た万亀萌と意気投合し、朝まで飲み明かす。

集団・組織

経済連 (ケイザイレン)

正式名称は「日本経済連合会」。戦時中に力をつけた新興グループが、終戦の翌年の1946年に作った組織。その後「日経連」を吸収し、現在1300社が参加する日本の大企業の集まりとなった。設立当初は「経済界全体の利益を調整して力を結集し、経済を発展させて国益にも寄与する」という理念があったものの、現在では政治献金を餌に、政治に関与する圧力団体に成り下がっている。 島耕作が入会した時の会長は多治見六郎で、ほどなく会長職は戸部謙介に引き継がれた。事務総長は花田敏光。のちに耕作は「トヨサン自動車」会長の伊良湖操が退会すると聞き、自らもこの会を見放して同時期に退会する。

経済交友会 (ケイザイコウユウカイ)

1946年に若手経営者の集まりとして結成された組織。企業参加でなく経営者個人が加盟する。代表幹事は渡部晋太郎が務めている。最近では、政府の経済関連の委員会にも「経済連」を上回る数のメンバーを送り込んでいる。「経済連」を退会した島耕作は、「経済交友会」の勉強会や視察に積極的に参加するようになる。

場所

テコット (テコット)

島耕作が会長を務める大手電器メーカー。旧社名は「初芝電器産業」だが、世界で通じるよう、耕作が社長時代に改称した。現在の社長は国分圭太郎が務めている。社名に「ECO」が含まれており、「テコット」の理念の一つとして「エコロジー」を掲げており、エコにつながる農業や漁業の養殖などに、積極的に乗り出そうとしている。 のちに「テコット上海」を山根和正董事長の後任として陳民生に託し、日本人ゼロの海外法人を実現する。

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