東京アリスgirly

東京アリスgirly

稚野鳥子の『東京アリス』の続編。前作の主人公、有栖川ふう(奥薗ふう)が結婚してから10数年後、成長した娘の奥薗里糸が、学園生活の中で初めての恋に心揺れ動く姿を描いた、ハートフルラブストーリー。前作に登場したふうの友人たちも結婚し、それぞれの子供たちも成長した姿で登場する。講談社「Kiss」で2017年10月号から2020年10月号まで不定期連載。

正式名称
東京アリスgirly
ふりがな
とうきょうありすがーりー
作者
ジャンル
家族
 
片思い
関連商品
Amazon 楽天

あらすじ

キアーラ女学院恒例のライラック祭が近づく中、演劇部に所属する奥薗里糸東雲すうリシャール志帆翡山杏樹は毎日練習に明け暮れていた。ある日、母親の奥薗ふうとけんかをした里糸は怒って家を飛び出してしまう。そして里糸が公園で悲しみにくれていると、一人の男の子が近づいて来る。男の子と話すうちに、少しずつ心が軽くなっていくのを感じた里糸はなんとか元気を取り戻す。里糸は、まるで漫画のような出会いに胸がきゅんとなり、その後も公園で男の子と会話するようになる。どこの誰なのかも知らない男の子ながら、里糸は彼のことが気になってしょうがなくなる。そして里糸は唐突に「自分は未来から来た」と彼から告げられるのだった。やがてライラック祭が始まり、ずっと練習を続けてきた演劇「不思議の国のアリス」をみんなの前で披露することになった里糸をはじめとした演劇部の面々。舞台の袖で、里糸は東雲すうからライラック祭が終わったら転校すると言われ、ショックを受ける。両親の離婚問題に揺れるすうだったが、本心では同じ学校でずっと里糸といっしょに過ごしたいと思っていた。そんな中、里糸は演劇を見に来ていた公園の男の子とばったり出会い、彼の正体を知ることになる。その一方で、志帆は実の父親だと名乗る泉温斗の存在に心を突き動かされていた。志帆は母親のリシャールみずほが知らないところで温斗との距離を縮めていたが、温斗がどんな人物なのか知るすべもなかった。

登場人物・キャラクター

奥薗 里糸 (おくぞの りい)

中高一貫のキアーラ女学院中等部に通う1年生の女子。年齢は13歳。演劇部に所属しているが、絵を描くのが好きでひそかに漫画を描いている。家事が苦手な母親の奥薗ふうとは違ってしっかり者で、料理や整理整頓が得意。しかし、大人びた一面の中にも幼さは残っており、アニメに胸をときめかせたり漫画のような素敵な恋にあこがれたりしている。好きなものはソフトクリームやブランコ、誕生日に父親の奥薗慎二からプレゼントされたうさぎのぬいぐるみ、昔から好きだったキャラクター本。反抗期のためか、ふうに対して何かと不満を持つことが多い。演劇部では絵の実力を認められ、舞台の照明を中心に大道具も任されている。東雲凛と出会ってから生まれて初めての恋愛の切なさを知り、両親や東雲すうとの絆をさらに深めていく。犬のシシーを飼っている。

奥薗 ふう (おくぞの ふう)

奥薗里糸の母親。旧姓は「有栖川」。自分の勤務先の上司だった奥薗慎二と大恋愛の末に結婚し、現在は実家が営む有栖川葬儀社で働きながら、里糸を育てている。結婚してからもう何年も経過しているが、いまだに慎二にベタ惚れしている。幸せな家庭を築いているものの家事全般は苦手で、里糸にいつも呆れられている。独身の頃から買い物好きだったが、結婚した今も買い物癖は治っていない。ついデリカシーのない発言をしては里糸を怒らせてしまうが、里糸を思う気持ちは非常に強い。東雲理央、リシャールみずほ、翡山さゆりとは学生時代からの付き合いで、かつては代官山の一軒家でいっしょに暮らしていた。

奥薗 慎二 (おくぞの しんじ)

奥薗里糸の父親。勤務先の部下だった奥薗ふうとすったもんだを繰り返し、遠距離恋愛を経て結婚した。クールな性格で物事にはあまり動じないタイプ。ふうが家事が苦手であることをよく理解しているため、夕食の用意ができていなくても、家の中がどんなに散らかっていても決して文句を言うことはない。里糸とふうをとても大切に思っており、二人のことだけを考えてひたすらまじめに働いている。里糸に対して寛大な態度を見せているが、里糸の帰りが少しでも遅くなるとすぐに落ち着きのない様子を見せる。最近、年齢よりも若干老けて見えることを気にしている。

東雲 すう (しののめ すう)

中高一貫のキアーラ女学院中等部に通う1年生の女子。年齢は13歳。奥薗里糸の親友。里糸と同じ演劇部に所属している。東雲理央の娘。一見おとなしそうに見えるが、しっかりした性格で必要な時にはリーダーシップを発揮する。両親の離婚問題を真摯に受け止めようとしているが、内心はどうしたらいいのかわからずに悩んでいる。しかし、そのことがきっかけで奥薗里糸との友情がさらに深まっていく。里糸から「東ちゃん」と呼ばれている。

東雲 凛 (しののめ りん)

中学2年生の男子。東雲すうの兄。ひょんなことから奥薗里糸と出会い、里糸に強烈な印象を残すことになる。IQ192の天才児ながら、相手の気持ちを理解するのは苦手。もともとアメリカのプリンストン大学に合格していたが、その入学権利を放棄して日本の大学へ進むと決めていた。母親の東雲理央に医学の道を進むように勧められているが、東雲凛自身は宇宙に興味があり、海外の大学と企業が出資する移住計画の候補生になることを望んでいる。日本で出会った里糸となんとかつながりを持とうと試みている。

東雲 理央 (しののめ りお)

東雲凛と東雲すうの母親。旧姓は「桜川」。複数いたセックスフレンドの一人「東雲ケン」と結婚したものの、現在は夫婦仲がうまくいっておらず、離婚問題を抱えている。診療内科医として働きながら凛とすうを育てている。常人離れした頭脳を持つ凛の意志をなるべく尊重するようにしている。周囲に相談せずになんでも自分で決めてしまうため、誰かに頼られると放っておけないタイプ。奥薗ふう、リシャールみずほ、翡山さゆりとは学生時代からの付き合いで、かつては代官山の一軒家でいっしょに暮らしていた。

リシャール 志帆 (りしゃーる しほ)

中高一貫のキアーラ女学院中等部に通う2年生の女子。演劇部の副部長を務めている。リシャールみずほと泉温斗とのあいだに生まれたが、訳あってみずほは温斗と別れてベルギー人の男性と結婚したため、いつも疎外感を感じて家庭の中で自分だけが浮いているような気がしており、ひそかに本当の父親の温斗に会いたいと思っている。義理の弟のニコルとは非常に仲がいい。ある日、リシャール志帆自身を待ち伏せしていた温斗から声をかけられ、みずほに隠れてつながりを持ってしまう。

リシャール みずほ

リシャール志帆とニコルの母親。旧姓は「羽田」。友達の東雲理央が勤める病院で働いていた看護師の泉温斗に運命を感じて付き合っていたが、温斗の攻撃的な性格に悩まされて破局する。別れてから志帆を身ごもっていることを知るが、最終的にベルギー人の男性と結婚した。志帆が自分たちに対して違和感を感じていることに気づいているが、なんとかごまかしてやり過ごしている。奥薗ふう、理央、翡山さゆりとは学生時代からの付き合いで、かつては代官山の一軒家でいっしょに暮らしていた。

泉 温斗 (いずみ はると)

かつてリシャールみずほと付き合っていた男性。東雲理央が勤める病院で看護師として働いていた。みずほと付き合っていたが、だんだん攻撃的な態度を見せるようになり、うまくいかずに別れてしまう。リシャール志帆が自分の娘であることを偶然知り、キアーラ女学院の前で待ち伏せをして、みずほには内緒で志帆に接近を試みる。

翡山 杏樹 (ひやま あんじゅ)

中高一貫のキアーラ女学院中等部に通う1年生の女子。年齢は13歳で、翡山さゆりの娘。演劇部に所属している。学校でも注目を浴びるほどの美少女で、学校恒例のライラック祭では演劇部の舞台で主役を務める。性に開放的な母親の円城寺さゆりから教育を受けていることもあってか、年齢の割に達観した考えの持ち主でつねに落ち着いており、学校まで送迎してくれる大学生の彼氏がいる。

翡山 さゆり (ひやま さゆり)

翡山杏樹の母親。旧姓は「円城寺」。お嬢様育ちで親から勧められた結婚を余儀なくされていたが、セックスで自分をリードしてくれる相手をずっと探していた。そんな中、奥薗慎二の友人の翡山に惹かれるようになり、翡山と結婚したという経緯がある。杏樹には教育熱心に接しているが性教育に関しては非常に開放的で、杏樹の奔放な異性交遊も公認している。奥薗ふう、東雲理央、リシャールみずほとは学生時代からの付き合いで、かつては代官山の一軒家でいっしょに暮らしていた。

前作

東京アリス (とうきょうありす)

稚野鳥子の代表作「東京アリス」シリーズの第1作。現代の東京を舞台に、デザイン制作会社に勤めるOLの有栖川ふうと三人のアラサー同級生との交流やショッピングを中心に、四人の恋模様を描いた独身生活ドラマ。性... 関連ページ:東京アリス

SHARE
EC
Amazon
logo