あらすじ
第1巻
日本最大の財閥である安田財閥では、当主となる男性にはあるしきたりがあった。それは18歳になると、自身の妻となる女性を見つけ、そして安田一族全員の承認を得るというものだった。安田財閥の跡取りとして育てられた安田一平もまた、そのしきたりに従い、日本を放浪して自身の生涯の伴侶となる女性を探す旅に出る。まずは学生時代の恩師から女性の体について教授された一平は、幼なじみの女性に挨拶をしたあと、東京へと渡る。そこで一平はとある町の土建屋で働き始める。そんな中、一平は飯場で働く女性のあきと懇意になったが、あきはその町を牛耳る名士の息子によって強姦されてしまう。一平は怒りに燃え、その名士の家に乗り込んでいく。
第2巻
あきを強姦した男の家へ乗り込んだ安田一平は、その男の家が町の名士であり、逆らったらこの町では生きていけないほどの権力を持っている事を知る。しかし、一平は日本最大の財閥である安田財閥の跡取りであり、その力の前には町の名士など物の数ではなかった。あきの名誉を取り戻した一平は改めてあきに交際を申し込むが、彼女はこの町で生きていく事を一平に告げる。その頃、安田家では一平の祖父が危篤の末に死亡する。この機に乗じて、一平のいとこ、安田統一郎は自分も安田財閥を継ぐ資格があると言い出し、一平よりも優れた女性を連れて来る事を宣言。そして、次期総理と目される人物の娘、良子と婚約し、一平を牽制する。これに対し、統一郎の勝負を受けた一平は良子に接触する。
第3巻
安田一平は、安田統一郎と婚約している良子に接触し、統一郎との婚約が、互いに打算によるものである事を知る。その後、良子が一平と一夜を共にした事を知った統一郎は激怒し、良子との婚約を破棄。次に統一郎が婚約者として狙ったのは、アメリカの大富豪の娘だった。統一郎は、彼女を金で雇った不良外国人に拉致させ、それを救出する事で結婚を認めさせるというシナリオを描くが、不良外国人はさらなる金額の上乗せを要求して来た事で進退窮まってしまう。そんな中、一平はこの問題を見事に収め、統一郎との格の違いを見せつける。統一郎の妹の聖子はそんな一平に接近し、酒に酔わせたうえで、乱暴されたとでっち上げて無理やり結婚を迫る。聖子は一平に対しては好意はまったくなく、完全に安田財閥の財産が目当てだった。一平は自身の不覚を認め、聖子との結婚に応じるが、再び旅に出る。その先で出会った謎の青年と一平は意気投合するが、その青年とは安田財閥と並ぶ財力を持った武尊コンツェルンの御曹司、武尊善行だった。
第4巻
武尊善行は、安田一平と同じように生涯の伴侶を探すために全国を放浪していた。そんな善行が狙うのは、日本全国の裏社会を牛耳るという「東北の老人」の孫娘だった。だが善行は、その孫娘の名前も顔も知らなかった。そしてそれは、一平もまた同じだった。一平は知らないあいだに「東北の老人」の孫娘の婿候補として噂になっており、それは一平を陥れた聖子の知るところとなった。聖子は一平と同じ血液型の男と一夜を共にして妊娠、その子供を一平の子供として既成事実を作り上げようとしていた。聖子の陰謀を知らない一平は、自身が旅に出てから1年が経過していた事に気づく。旅の果てに東大への受験に臨んだ一平は、その会場で善行と再会。善行が連れていたのは、かつて安田家で女中として働いていた沢田文江だった。
第5巻
「東北の老人」の孫娘と結婚する事を目指す武尊善行は、その女性こそが沢田文江であると考えて彼女と関係を持つ。しかし、そこへ善行と同じく文江の事を好きになった安田一平が追いかけて来る。文江をめぐり、一平と善行は激しくぶつかり合うが、文江はそんな二人の前から逃げ出し、崖底へと転落してしまう。奇跡的に一命を取り留めた文江だったが、彼女は「東北の老人」の孫娘ではなかった。さらに文江には甲斐清巳という婚約者がいた事を知った一平は傷心のまま家へと戻る。そんな一平に対し、一平の父親は聖子の陰謀を暴き、聖子との結婚は白紙になった事を告げる。さらに一平に対して、「東北の老人」の孫娘である御前一十三と結婚するように伝えるが、一平は文江の事を忘れられずにいた。悩んだ末に一平は一十三と面会する。そして彼女の美しさに驚くものの、一平は一十三に対し愛情を抱く事ができなかった。
第6巻
会ってはみたものの、御前一十三の事をどうしても愛する事ができない安田一平は、再び旅に出る。それは、一十三以上の女性を必ず見つけてみせるという一平の意思表示でもあった。一平のライバルである武尊善行は、一十三に目をつけ、彼女の前へ姿を見せるが、一十三の心は既に一平にのみ向けられていた。そして一十三は、一平のあとを追って旅に出る。一方の一平は高知県におり、ストリップ劇場での付き人や荒海での漁師といった仕事を経て、男としてさらなる成長を遂げていた。そんな一平を追って高知県へとやって来た一十三は、一平を心から愛していると告げ、一平もまたそんな一十三に心惹かれ始める。それでも一平は、一十三への愛情を認めようとせず、再び彼女から離れてアメリカへの旅立ちを決意。そんな一平に対して一十三は、今度は追う事はせずに待ち続けると告げるのだった。
第7巻
安田一平は、日本と比べて何もかもスケールが大きいアメリカという国に圧倒されていた。そんな中、ヒッチハイクの末に出会った女性と共に訪れた街で資金を巻き上げられた一平は、徒歩で次の街へと向かう事となる。一平はその街のカジノで偶然にも大金を手にするが、そんな彼の前に一人の女性が現れる。彼女の父親はそのカジノのオーナーによって騙された事がもとで命を落とし、彼女は復讐のチャンスをうかがっていたのである。一平は彼女の復讐に協力すべく、カジノでの大勝負に臨む。まる一昼夜をかけて一平は勝負に出るが、資金は少しずつ減っていく。それでも負ける事をまったく考えていない一平の行動に、カジノのオーナーは不気味なものを感じ始める。
第8巻
カジノでの大勝負の末、安田一平はその財力のすべてを用いて大勝利を収める。だが、次第にそれが本当の自分の実力なのかどうかを疑い始めていた。一方で、一平の活躍はアメリカ全土に噂となって一気に広まっていく。そんな一平のもとに、アメリカはおろか世界中を掌握する経済団体「レッド・スコーピョン」の使者が接触して来る。「レッド・スコーピョン」のメンバーになるという事は、名実共に世界の大富豪の仲間入りを果たす事であり、最高のステータスでもあった。そして、その中には一平のライバル、武尊善行もまたメンバー入りを推薦されていた。だが一平は「レッド・スコーピョン」のメンバーに入る事を断り、一人太平洋の海に出る。アメリカを離れて南の島へと向かった一平は、その途上で遭難した女性を救出する。だがその女性は、人生に絶望しており、一平に死なせてほしいと懇願する。
第9巻
太平洋の洋上で一人の女性を救出した安田一平は、彼女の婚約者であるマフィアの男性から、礼としてある島を訪れるように提案される。そこは彼の息のかかった島であり、多くの女性が暮らしていた。島にいるあいだはその女性達を好きにしていいと言われた一平だったが、すぐさまその島から抜け出し、再び太平洋を巡る旅に出る。しかし、その直後に一平は嵐に巻き込まれ消息を絶ってしまう。それから2年。一平の婚約者である御前一十三は一平を待ち続けていたが、彼以外の男性と結婚する事を決意する。一平のライバルである武尊善行をはじめ、政財界の御曹司達が彼女と結婚する候補者として集められる。そして、その中にはもう一人、行方不明になっていた一平の姿があった。しかし一十三は、かつての婚約者である一平もまた候補者の一人にすぎないと断じ、この中から自身が最も気に入ったプレゼントを贈ってくれた男性と結婚すると宣言する。
登場人物・キャラクター
安田 一平 (やすだ いっぺい)
安田コンツェルンの総帥安田清十郎の一人息子で、安田家の掟に従い親族一党が認める花嫁を見つけるために全国を旅する。しかし、実は旅に出る前から花嫁は御前一十三に決まっており、それを知った一平は己の空を見失ってアメリカに旅立つ。そこでさまざまな事件を乗り越えたのち、南太平洋で遭難中のヨットを救助した縁でアラブのサムシン王子と義兄弟の契りを結ぶ。 そのまま日本には戻らないつもりだったが、東北のご老人の葬儀に出席するために一時帰国し、あらためて一十三と婚約する。すべてが終わったのち、全財産を手放した一十三と共に日本を去る。
御前 一十三 (みさき ひとみ)
日本の政財界を牛耳る東北のご老人の孫娘で、その命に従って安田一平の婚約者となる。一平が南太平洋で消息を絶ってからも帰りを待ち続けたが、祖父の死とその遺言によって婚約は解消され、新たに七人の若者の中から伴侶を選ぶことになる。プロポーズを受ける条件は、一十三が気にいるプレゼントをくれること。 全員のプレゼントを受け取った一十三は、自分ひとりの力で全日本剣道選手権のタイトルを贈ってくれた一平を選び、他の候補者には、いざという時に一平のもとで一致団結することを条件に、御前グループの全ての資産を分割譲渡した。
安田 清十郎 (やすだ せいじゅうろう)
安田コンツェルンの総帥で、一平の父。冷静沈着な性格で、何があっても動じない。若い頃、源次郎の命令でつや子と結婚して一平をもうけるも、学生時代から愛し合っていた女性が他におり、そのためつや子は乳飲み子の一平をつれて自ら安田家を出た。のちに愛し合っていた女性と正式に結婚するも、その女性は安田の跡取りを一平にするため誰にも内緒で子供を産めない体に手術した。
安田 源次郎 (やすだ げんじろう)
安田コンツェルンの会長で、現総帥の清十郎の父。若い頃に北海道の炭鉱で働いていたことがあり、その時に命を救われた恩人の娘つや子を無理やり清十郎の嫁にして安田家に迎える。二人の間に産まれた孫の一平を心から可愛がっており、安田コンツェルンの次期総帥に就かせることを望んでいる。
沢田先生 (さわだせんせい)
私立聖心学院の女教師で、成績優秀な一平に魅力を感じている。同僚の教師と婚約しているが、一平に請われ最後の授業として女の体を教える。のちに一平と再会したときは、全てを捨てて一平と同棲することを夢見るが、女子生徒たちの嫉妬をかって関係が発覚し、一平の将来を考えて自ら身を引く。
稲垣 美奈子 (いながきみなこ)
一平が母と二人で貧しい暮らしをしていた頃の幼馴染。不良グループに輪姦されそうになったところを、たまたま居合わせた一平に助けられる。男嫌いで傲慢な態度を取っていたが、一平との再会で少しずつ考え方が変わり、のちに女性の地位向上を目指して勉学にいそしむ。
つや子 (つやこ)
安田源次郎を炭鉱の落盤事故から救った恩人の娘で、生活に困って玉の井の遊郭で娼婦をしていた。のちに源次郎の意向で清十郎の嫁として安田家に迎えられ、二人の間に長男の一平が誕生する。しかし、清十郎に学生時代から愛し合っていた女性がいたことを知り、乳飲み子の一平をつれて行き先も告げずに安田家から身を引いた。
安田 聖子 (やすだ せいこ)
清十郎の実弟の長女で、一平の従姉妹にあたる。一平のことを妾腹とさげすみ軽蔑しているが、兄の統一郎が一平から安田コンツェルン次期総帥の奪おうとして失敗したため、一平に睡眠薬を盛って意識を奪い、自分が強姦された芝居を打って優位に立とうとする。さらに、別の男性との間にできた子供を一平の子と偽って結婚を迫るが、統一郎が親族の前で真実を告げたため失敗する。
安田 統一郎 (やすだ とういちろう)
清十郎の実弟の長男で、一平の従兄弟にあたる。安田コンツェルンの総帥になるため山本良子と結婚しようとするも、良子が一平を気に入って一夜を共にしたため破談となる。その後、ハワード財閥の当主が娘を連れて安田家に遊びに来た際に、その娘を花嫁にしようと不良アメリカ人を雇って狂言誘拐を企むが、本物の誘拐事件に発展してしまう。 その不始末を一平が尻拭いしたことで改心し、以後は一平を支援するようになる。
黒崎 亜矢 (くろさき あや)
津軽のヤクザ黒崎一家の親分の一人娘で、旭会の代貸野城金次との政略結婚が決まっている。不良に絡まれていたところを一平に助けられ、意気投合して一緒に酒を飲みに行き、酔った一平とホテルで一夜を共にする。命をかけて責任を取ろうとする一平に惚れて結婚を夢見るも、野城金次に安田コンツェルンの跡取りだと知らされ諦める。
野城 金次 (のしろ きんじ)
旭会の代貸で、黒崎一家の一人娘亜矢と政略結婚が決まっている。婚約者を寝取られた恥をそそぐため、大雨の中、一平に日本刀を用いた真剣勝負を挑む。おりしも堤防が決壊し、最後まで逃げずに濁流に飲まれた一平を本物の男と認め、すべてのわだかまりを水に流した。のちに、ハワード財団の令嬢誘拐事件の際は、一平からの協力要請に快く手を貸している。
あき
建築現場の炊事場で働いている女性で、濁流に流されてきた一平を献身的に介抱した。交通事故が原因で失語症になっており、シンデレラにあこがれている自分の夢を筆談で一平に語る。のちに建築施主の息子にレイプされて自殺未遂を図るも救助され、強く生きようと決心して新築祝いのパーティーに出席する。 そこに正装した一平が現れてダンスに誘い、小さい頃からあこがれてきたシンデレラの夢を叶える。
山本 良子 (やまもとりょうこ)
次期総理大臣の第一候補である山本通産大臣の長女。安田コンツェルンの後継者の座を狙う統一郎にプロポーズされ、結婚したのちも遊ぶことを条件にプロポーズを受ける。テニス勝負に負けたら一夜を共にするという一平との約束をはぐらかす目的で、店内で日本語を使えない高級フランス料理店に一平を誘うが、一平がその場で店を買い取ったため降参する。 一平との約束を守った結果、統一郎との婚約は破談となる。
沢田 文江 (さわだ ふみえ)
行儀見習いとして安田家で住み込みで働いている女性で、当初は東北のご老人の孫娘と思われていた。一平に思いを寄せるも聖子の狂言で引き裂かれ、傷心の状況で武尊にプロポーズされて思わず身を任せてしまう。しかし、東北のご老人の孫ではないとわかると武尊に捨てられ、自暴自棄になった末に車で崖に突っ込んで転落する。 一命をとりとめたのち、幼馴染の甲斐清巳と結婚する。
東北のご老人 (とうほくのごろうじん)
政財界を牛耳っている陰の実力者で、その影響力はヤクザの世界にまで及んでいる。孫娘の一十三を一平の婚約者にしたのは安田コンツェルンを乗っ取るためだと噂されたが、実際には一平をたった一人でも世界に通用する唯一の日本人にするのが目的だった。
武尊 善行 (ぶそん よしゆき)
武尊グループの御曹司だが、いつもラフな格好でハーレーを乗り回している。東北のご老人の権力を我が物にしようと孫娘の一十三をレイプするも、逆に強姦罪で告訴されて海外に逃亡する。のちにレッド・スコーピョンの正式メンバーとなって日本に帰国し、東北のご老人の遺言により指名された七人の若者と共に、一十三の花婿候補に名乗りをあげる。 しかし、最後は一平に敗れ、もはや自分の敵う相手ではないことを悟る。
甲斐 清巳 (かい きよみ)
丸菱グループを率いる甲斐家の長男で、文江とは仲の良い幼馴染。東京大学の入学試験で一平と知り合い、文江が死んだと思われた時は本気で一平を殺そうとするが、転落中に車から放り出されて命が助かったことを知って思いとどまる。のちに文江と結婚して甲斐家を家督する。
ユキ
少年院に特別任務で潜入していた婦人警官で、院生に拉致されセックスを強いられた一平の復讐を幇助する。男性に興味のないレズビアンだが、一平に抱かれて男を知り、劣等感を感じて涙する。
お京 (おきょう)
関西から高知に向かうフェリーで一平が知り合ったストリッパーで、花札の勝負に負けた一平を自分の付き人にする。警察のガサ入れでストリップ一座が崩壊したのち、気まぐれで一平に声をかけたことを詫びて去っていく。
サチ
高知で一平が知り合った女漁師で、父から遺された漁船でカツオ漁に出ようとする。幼馴染で網元の武田千太郎を本心では愛しているが、シケで千太郎が父を見殺しにしたと思い込んで素直になれずにいる。のちに真実を知って千太郎と結婚する。
武田 千太郎 (たけだ せんたろう)
30人を束ねるカツオ漁師の網元で、サチと夫婦になる約束を幼い頃に交わしていた。シケで漁船を失い、サチと結婚して彼女の漁船を手に入れようとする。本心ではサチを愛しており、サチと一夜を共にした一平と決闘するも、戦いの最中にサチの父を殺したクジラが現れ、すべての真実を知ったサチと結婚する。
フローラ
『俺の空』の登場人物。ギャンブルで騙し取られた父の財産を取り返すため、一平と共にカジノで勝負する。イカサマに対抗するため徹底的にカードを勉強し、一平の役に立とうとするが、ダンカンの卓越したカードさばきだけは残念ながら見破れなかった。普段は埃にまみれた粗末な格好をしているが、ドレスアップした姿は誰もが見とれるほどに美しい。
フィリップ・ダンカン (ふぃりっぷだんかん)
カードのイカサマを得意とするギャンブラーで、フローラの父に巧みにカードを覚えさせて全財産を巻き上げた。その資金をもとにカジノホテルを建てて支配人となる。復讐に燃えるフローラのパートナーとなった一平と、カジノホテルの権利を賭けた一度きりのブラックジャックの大勝負を行う。
マリア・クラッツァーノ (まりあくらっつぁーの)
ラスベガス一番の大カジノマウンテンの総支配人で、その天才的なギャンブルの才能からラスベガスの女王と呼ばれている。カードのイカサマを見破る達人でもあり、武尊の依頼により一平とダンカンの大勝負の見届け人となる。
ジミー・ブロックマン (じみーぶろっくまん)
世界経済を牛耳るレッド・スコーピョンのオーナーで、一平に興味を抱いてパーティーに招待するが辞退される。のちに武尊をレッド・スコーピョンの正式メンバーに加え、通貨の操作を行って日本経済を我が物にしようとする。
サムシン王子 (さむしんおうじ)
ヨットで航海中に嵐に巻き込まれ遭難するが、同じ海域を航海していた一平に救助される。危険を顧みず救助に来た一平のことを気に入り、恩義に報いるために義兄弟の契りを交わした。その正体はアラブの次期指導者と目される実力者で、極東における石油に関する全ての権限を一平に委任している。
集団・組織
安田コンツェルン (やすだこんつぇるん)
『俺の空』に登場する財閥。安田一族の総帥となるには親族一党が認める花嫁を娶るという絶対条件があり、親族の誰か一人でも認めなければ後継失格となって指導者の権限を失う。ただし、この掟は親族の中の造反者を特定するのが真の目的であり、次期総帥が選んだ花嫁を認めなかった親族は容赦なく処分される。安田家はあくまで正統が継ぎ、親族はそれにつらなる一族なのだ。
武尊グループ (ぶそんぐるーぷ)
『俺の空』に登場する財閥。もともとは農業を生業としていたが、あるとき地所から温泉が湧いたことで成功して大財閥となった。いわゆる成金ではあるが、安田コンツェルンにとって最大のライバル企業でもある。
御前グループ (みさきぐるーぷ)
『俺の空』に登場する財閥。東北のご老人の一族が経営するグループ企業で、安田コンツェルンに並ぶ財力を持っている。また、ヤクザの世界にも大きな影響力を持つが、東北のご老人が高齢のため孫の一十三の花婿選びが早急の課題となっている。
レッド・スコーピョン (れっどすこーぴょん)
『俺の空』に登場する組織。世界経済を牛耳る巨大な組織で、そのメンバーには全米のエリートが名を連ねている。毎年、5人の若者が将来のメンバー候補としてパーティーに招かれるが、一平はオーナー直々の指名であるにもかかわらず、その招待を辞退した。
続編
俺の空 刑事編 (おれのそら けいじへん)
本宮ひろ志の長編漫画『俺の空』シリーズ2作目。主人公・安田一平が安田グループ次期総帥の地位はそのままに、警察学校を経て刑事となることからはじまる物語。 関連ページ:俺の空 刑事編
関連
俺の空 三四郎編 (おれのそら さんしろうへん)
本宮ひろ志の長編漫画『俺の空』シリーズ3作目。これまでのシリーズの主人公だった安田一平の甥、安田三四郎の活躍を軸に、日本国内の構造改革、世界のみならず地球規模の環境の変化と、それにあらがう人間の姿を描... 関連ページ:俺の空 三四郎編