怖いほど素敵な奥さんとの結婚生活
職場恋愛の末に結ばれた清水幸助と夏菜は、みごとなまでに対照的な性格の持ち主。幸助は、努力家で周囲に気遣いのできる好青年だが、自己肯定感が非常に低い。一方の夏菜は敏腕編集者で優秀すぎるため、同僚や上司から頼られつつも遠慮されがちで、夏菜もなかなか本音を口に出せずに、周囲から怖いと思われることが多い。結婚生活では二人はお互いを尊重し、長所を活かしつつ短所を補い合う。しっかり者の夏菜に時おり威圧感を感じつつも、幸助は彼女の愛情を感じることで日々確かな充実感を覚えている。
新婚旅行で絆(きずな)を深める
幸助と夏菜は、職場結婚ということもあり、社内の混乱を避けるために新婚旅行を行わずにいた。そんな中、幸助は編集部の仲間たちから、実際は夏菜が新婚旅行をしたいのに我慢している可能性を示唆され、幸助は有休を取って彼女を旅行に誘うことを決める。幸助はさっそく夏菜を旅行に誘うが、夏菜は彼が無理をしていると考え、一度は誘いを断る。しかし、幸助は夏菜の笑顔があれば仕事を頑張ることができると説得し、二人は山形の米沢に二泊三日の旅行へ赴くことになる。
夏菜の父親の不器用な愛情
夏菜の父親は、旧態依然とした価値観の持ち主。夏菜と幸助が結婚のあいさつに訪れた時も、開口一番「家庭に入って夫を精一杯助けること」と説き、夏菜から反感を抱かれてしまう。その後も何かと父親と意見が対立し、幸助は二人の仲を取り持つことに苦労する。しかし、夏菜の父親は決して娘を束縛するつもりはなく、家庭に入るよう言い聞かせているのも、彼女が幼い頃にあこがれていた母親のような素敵なお嫁さんになって欲しいとの考えからだと判明する。夏菜の父親の不器用な愛情を知り、彼と夏菜がいい意味で似た者同士であることを確信した幸助は、お互いを思いやる気持ちに素直になるようにうながし、家族の絆をより一層深めることに成功する。
登場人物・キャラクター
清水 幸助 (しみず こうすけ)
ファッション雑誌「Glorieux」の編集を務める青年。編集者としての力量はまだまだ半人前。清水夏菜とは職場恋愛の末に結婚したが、彼女からは現在も「清水くん」と呼ばれている。自分に自信が持てないことから、自己肯定感が低く、夏菜と自分は釣り合っていないのではないかと、つねに悩んでいる。夢中になると少々周りが見えなくなる悪癖があり、大好きなカードゲームを夏菜に勧めすぎて微妙な空気を作ってしまったこともある。しかし、人の長所を見抜く才能に長(た)けており、人当たりもいいことから、夏菜から愛されているのはもちろん、同僚からの評価も決して低くない。また、夏菜の父親とも仲がよく、いまいち話の合わなかった夏菜親子の関係が改善するきっかけを作る。夏菜のことをたびたび「怖い」と表現するが、これは清水幸助なりの褒め言葉であり、「怖いくらい素敵」という意味合いが強い。
清水 夏菜 (しみず なつな)
清水幸助の妻。かつてファッション雑誌「Glorieux」の敏腕編集者として知られ、ヒット企画を次々と放っていた。職場でいっしょに働いていた頃は、幸助のことは頼りないと思いつつも、一生懸命に仕事に励む姿に好感を抱いていた。彼の告白を受け入れるとあっさり退職し、現在は専業主婦となって家庭を支えている。幸助からは「先輩」、かつての同僚たちからは旧姓の「白浜さん」と呼ばれている。自分にも他人にも厳しい性格ながら人望も厚く、誰に対しても分け隔てなく接する。つねに的確なアドバイスで、他者の才能を伸ばすことに秀でている。また、編集部の同僚や取材相手のモデルなど、女性から強いあこがれを抱かれがち。幸助との夫婦生活は円満ながら、家事は仕事ほど完璧にこなすことができず、幸助に甘えてしまうことも多い。
書誌情報
僕の奥さんはちょっと怖い 11巻 講談社〈モーニング KC〉
第1巻
(2021-10-21発行、 978-4065248683)
第2巻
(2022-01-12発行、 978-4065264515)
第3巻
(2022-04-13発行、 978-4065273975)
第4巻
(2022-08-09発行、 978-4065292372)
第5巻
(2022-11-25発行、 978-4065296974)
第6巻
(2023-03-23発行、 978-4065312438)
第7巻
(2023-08-08発行、 978-4065325377)
第8巻
(2023-11-22発行、 978-4065336991)
第9巻
(2024-03-13発行、 978-4065349496)
第10巻
(2024-07-10発行、 978-4065357033)
第11巻
(2024-11-13発行、 978-4065374559)