あらすじ
収納法の本を読んでいたちはるを見た順平は、以前も彼女が同様の本を読んでいたにもかかわらず、部屋が散らかったままでまったく片付けられていないことを思い出していた。そんな順平に対してちはるは、部屋を片付けるためにこの本を読んでいるわけではないと、よくわからないことを言い出す。そしてちはるは、「このとおりにやれば簡単にできる」という保証、すなわち未来に対する安心を得るために読んでいるのだと語り、こういった本は自分にとって「癒し本」なのだと力説する。話を聞いてあることに思い至った順平は、ちはるに対し、ダイエット本も癒し本の一種なのかと純粋な疑問をぶつけてみる。(エピソード「読書」)
メディア化
テレビドラマ
2022年、本作『僕の姉ちゃん』のテレビドラマ版『僕の姉ちゃん』が、テレビ東京ほかで放送。Amazon Prime Videoで2021年9月から先行配信されている。監督・脚本は吉田善子、脚本は吉田善子、清水匡、高田亮が務めている。キャストは、ちはる(テレビドラマ版では「白井ちはる」)役を黒木華、順平(テレビドラマ版では「白井順平」)役を杉野遥亮が演じている。
登場人物・キャラクター
ちはる
順平の姉。順平と二人暮らしをしている。社会人生活は長いが、未だに独身。周囲からはよく気がつくしっかり者と見られており、それは両親であっても変わらない。だがその思考は独特で、心の中では斜に構えて周囲の人を見下し、言動も基本的にはいかに自分をよく見せるかという計算ずくによるものである。順平の前でだけはその本性を包み隠さず、女性の隠された本当の姿を順平に説明し、彼の夢を壊しては鬱陶しがられている。順平に対しては、「女をまったくわかっていない」と手厳しく評しているが、彼の平凡で毒のないところを好ましくも思っている。
順平
ちはるの弟。ちはると二人暮らしをしている。社会人だが、会社ではまだ若手の部類に入る。ごくふつうの青年で、女性に対しては同年代の男性と同様に、夢も希望も抱いている。基本的に常識人ではあるものの逆にいうと平凡で、ちはるには「どこまでも月並み」と評されている。ちはるとの会話においては、女性の表面的な部分しか見れていないことに手厳しくダメ出しをされることが多いが、基本的に周囲に本性を現さないちはるのことに関しては、その言動や思考をある程度は把握している。そのため、ちはるをとおして女性が計算高く自らを偽ることを学んでおり、軽く恐怖心を抱いているところもある。