僕らの食卓

僕らの食卓

他人と食事をするのが苦手なサラーリーマンの穂積豊は、いつものように一人で昼食を食べていた公園で、上田種と上田穣の兄弟と知り合う。ひょんなことから二人におにぎりの作り方を教えて以来、いっしょに食事をする機会が増え、豊はいつしか誰かと食事をする幸せを知る。豊の心情の変化や周囲との交流を描いた、家族と食卓をテーマにしたホームドラマ。「ルチル」2016年1月号から2017年3月号にかけて掲載された作品。

正式名称
僕らの食卓
ふりがな
ぼくらのしょくたく
作者
ジャンル
友情
レーベル
バーズコミックス ルチルコレクション(幻冬舎コミックス)
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あらすじ

誰かといっしょに食事をするのが苦手な会社員の穂積豊は、公園のベンチで一人昼食を摂(と)っていた。自作のおにぎりを食べていると、目の前におなかをすかせた上田種が現れ、豊は種におにぎりをあげる。そして種がおにぎりを食べていると、種を探していた上田穣も現れ、豊にお礼を言って種を抱きかかえて去っていく。後日、豊がいつもの公園へ行くと穣と種が待っており、二人からおにぎりの作り方を教えて欲しいと頼まれる。その申し出をなぜか承諾した豊は、週末に上田家を訪れて米の炊き方からおにぎりの具材などを伝授し、さらに出来上がったおにぎりを三人で食べる。穣と種の仲睦(なかむつ)まじさや穣の気づかいに触れた豊は、食卓を囲む苦手意識を忘れてふつうに食事できたことを不思議に思い、定期的に上田家で食事をするようになる。

登場人物・キャラクター

穂積 豊 (ほづみ ゆたか)

設計事務所に勤務する男性。ナチュラルヘアに眼鏡をかけている。年齢は23歳。物静かな性格で落ち着いた雰囲気を漂わせているため、実年齢より年上に見られることが多い。4歳の時に両親が他界して祖父母に育てられ、8歳の時に親戚の養子に迎えられる。親戚の実子から嫌われ、食事中に「豊がいるとメシがマズくなる」と嫌味を言われ続けられたことで、誰かといっしょに食事をするのが苦手となった。大人になってもそんな苦手意識は克服できておらず、会社の飲み会などはすべて断り、昼食も公園で一人で食べている。ある日、いつもの公園でおなかをすかせて近づいて来た上田種に自作のおにぎりをあげたことで、種や種の兄、上田穣と交流を持つようになる。上田兄弟に料理を教えたり共に食事をしていくうちに、誰かと食事をする幸せを感じ始めている。

上田 穣 (うえだ ゆずる)

上田種の兄。年齢は23歳。一昨年に母親が他界しており、現在は陶芸教室を開いている父親と弟の三人暮らし。大学生だが休学中で、種の面倒を見ながらラーメン屋でアルバイトをしている。見た目は怖いが家族思いの優しい性格の持ち主。料理はあまり得意ではないため、種がおいしいと絶賛するおにぎりの作り方を教えて欲しいと穂積豊に頼んだ。母親が亡くなったことで心の隙間はなかなか埋まらなかったが、豊がおいしそうに食事をする姿に安らぎを覚え、豊に惹(ひ)かれるようになる。

上田 種 (うえだ たね)

上田穣の弟。年齢は4歳。一昨年に母親が他界しており、現在は陶芸教室を開いている父親と兄の三人暮らし。元気いっぱいの食いしん坊で、おいしいおにぎりをくれた穂積豊に懐いている。お絵描きが大好きで、家にいる時はいつも何かを描いている。

書誌情報

僕らの食卓 幻冬舎コミックス〈バーズコミックス ルチルコレクション〉

(2024-04-24発行、 978-4344854048)

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