あらすじ
第1巻
中学3年生の園田未知は、中学最後の大会を機に小学6年生から続けていた柔道をやめようと考えていた。しかし、人生最後のつもりで挑んだ氷浦永遠との試合で、最後に一本勝ちをしたいという夢を叶えられないまま、未知は敗北してしまう。こうして未知は柔道人生を終え、友人の滝川早苗、南雲安奈と共に埼玉県立青葉西高校に進学。しかし、入学直後のある日、未知と早苗が安奈に誘われて武道場の見学に行くと、そこには永遠がいた。永遠は高校でも柔道を続けようとしていたが、柔道部はすでに廃部になっていた。だが、それでもあきらめきれずに部員を探していたところ、偶然未知たちがやって来たのである。未知は永遠に柔道部に入ってほしいと頼まれるものの断るが、うっかり永遠を投げ飛ばしてしまう。これによって柔道の楽しさを思い出した未知は、早苗からも説得されたことにより、もう一度柔道をしようと決意。未知、早苗、永遠の1年生三人と、以前顧問を務めていた夏目紫乃も加わり、柔道部を再設立する。
第2巻
園田未知、滝川早苗、氷浦永遠の三人は、ゴールデンウイーク返上でトレーニングに励んでいた。そんな部活動の帰り、三人は永遠のかつての仲間である天音恵梨佳をはじめとする、霞ヶ丘高校の面々と出会う。しかし恵梨佳の態度は冷たく、未知と早苗は恵梨佳にいったい何があったのだろうかと心配になるのだった。だが、二人はあえて詳しく聞くことはせず、そのままインターハイ県予選の日を迎える。こうして団体戦が始まり、未知たち青葉西高校は初戦をなんなく突破するが、二回戦の相手は霞ヶ丘高校だった。霞ヶ丘高校は、かつて男子の強さが際立っていたが、恵梨佳の入学後は女子も強くなったと評判の学校だった。しかし肝心の恵梨佳は、今でも中学3年生の頃の行いを悔いていた。当時、永遠と恵梨佳は非常に仲がよかったが、二人はとある大会の団体戦の選手選考がきっかけで疎遠になってしまい、以来、恵梨佳は永遠につい冷たくしてしまうことを悔やんでいたのである。一方の永遠もまた、当時団体戦の選手に選ばれたにもかかわらず、満足な結果を残せなかったことを申し訳なく思い続けていた。そんな二人は、中堅として対戦することになる。
第3巻
氷浦永遠と天音恵梨佳の試合は、永遠の勝利となった。これをきっかけに二人の関係は以前より少しよくなり、青葉西高校と霞ヶ丘高校の勝負の行方は、大将の園田未知と白石亜実にゆだねられる。しかし、亜実は目立たないが組手がうまく、未知は油断したことで負けてしまう。こうして団体戦は霞ヶ丘高校の勝利となり、その後の個人戦で未知はベスト8入りしたものの、インターハイには進めずに終わる。一方の南雲安奈は、剣道部としてインターハイ出場を果たしたものの、自分はこのままでいいのだろうかと悩んでいた。安奈は以前から未知の人柄に強く惹かれており、いっしょに部活動をしたいと願っていた。しかし未知は柔道部、安奈は剣道部である以上それは叶わず、安奈は柔道部への転部を考え始めていたのだった。それを知った永遠は安奈に声を掛け、直後に未知からも励まされたことで転部を決意し、両親を説得して柔道部員となるのだった。これで柔道部は四人となるが、夏の大会「金鷲旗(きんしゅうき)」に出場するには、選手があと一人必要だった。そこで夏目紫乃は、すでに退部した3年生の姫野紬をもう一度誘うことにする。
第4巻
姫野紬は「金鷲旗(きんしゅうき)」の五人目の選手として誘われ、同時期に白石亜実からも連絡がきたことで、復帰するかどうか悩んでいた。今から柔道部に再入部しても、1か月ほどしか活動できないうえに、すでに自分はアルバイトを始めていたからである。しかし、紬は練習風景を見に行き、園田未知たちの楽しそうな姿を見たことで再入部を決意。こうして五人となった青葉西高校柔道部は、夏休みを迎えて金鷲旗が開催される福岡県に遠征する。初めての地で道に迷った未知たちは、福岡県立博多南高校の柔道選手、湊幸に助けられる。未知と幸はすっかり仲よくなるが、その後の開会式でお互いが初戦の対戦相手であることを知る。その夜、未知たちは対博多南高校の作戦を練るが、博多南高校は10年以上前にインターハイに出場したことがあるものの、最近のデータはなく、現在の戦力はまったく読めない。そこで未知たちは、話し合いの結果、勝ち抜き戦である今回は、勢いのある未知を先鋒、責任感の強い滝川早苗を次鋒、安定した実力の紬を中堅、エースの氷浦永遠を副将、そして初心者でまだ試合経験のない南雲安奈は不戦敗として大将に置くオーダーに決める。
第5巻
青葉西高校と博多南高校の試合は、園田未知が三人抜きを果たし、その時点で青葉西高校の勝利が確定した。次の山口県錦山高校との対決でも、未知は二人抜きを達成し、部に大きく貢献するのだった。しかし、錦山高校の三人目の選手、中堅の堂本恵は78キロ超級と体が大きく、2年連続県大会2位の実力者だった。次鋒の滝川早苗は恵に圧倒されるが、得意の寝技を使って、恵の体力を削りながら反撃のチャンスをうかがう。最終的に試合は恵の勝利となるが、この粘り強さを見ていた姫野紬は、一人で活動していた頃は得ることのできなかった、仲間のために勝ちたいという思いを強めるのだった。こうして紬と恵の戦いが始まり、紬はこれまで培った経験と、事前に南雲安奈が集めてくれていた恵の情報を駆使して勝利。次の副将の里山には引き分けて、氷浦永遠につなげるのだった。これで副将の永遠が戦うのは錦山高校の大将の小出寧々のみとなり、永遠はみごと勝利をおさめ、青葉西高校は三回戦に進出する。しかしその相手は、優勝候補の東京都立川学園高校だった。
テレビアニメ
2023年テレビアニメ化。1月8日よりテレビ東京他にて放送。制作はタツノコプロのレーベルBAKKEN RECORD。キャストは、主人公の園田未知を伊藤彩沙、滝川早苗を安齋由香里、氷浦永遠を三浦千幸、南雲安奈を稗田寧々、姫野紬を永瀬アンナが演じる。
登場人物・キャラクター
園田 未知 (そのだ みち)
埼玉県立青葉西高校1年3組に在籍する女子。出席番号は8番。柔道部に所属しており、階級は48キロ級。青景中学校出身で、滝川早苗とは当時から親しかった。前髪を目の上で切り、あごの高さまである焦げ茶色のボブヘアにしている。たれ目たれ眉で、体型はやや小柄。早苗と氷浦永遠からは「みちみち」と呼ばれ、妹尾緑子には、緑子が注文したパフェを誤って食べてしまったことから、しばらく「パフェ泥棒」と呼ばれていた。湊幸には「みっちゃん」と呼ばれている。明るく元気な性格で、ややお調子者で空気が読めないところもあるが、周囲の雰囲気を明るく前向きにする不思議な力がある。柔道は兄も柔道をしているという理由で、小学6年生の時から始めた。その後、中学入学時に出会った早苗を誘って柔道部に入部する。しかし部員は自分たちだけで、顧問教師も頻繁に変わり、選手としても今一つ強くなれないままに中学校最後の大会を機に引退を決意。だが、最後の試合で対戦した永遠には惨敗してしまい、最後に一本勝ちしたいという夢は叶わずに終わってしまう。これを残念に思いつつ、進学先の青葉西高校で永遠に再会し、これをきっかけにもう一度柔道を始める。南雲安奈とは幼なじみで、いつも剣道部に誘われているが断っている。妄想癖があり、頻繁に素敵な男性と恋愛する妄想をしており、ゲーム「イケないスクールデイズ」のファンでもある。学力は今一つで、青葉西高校には補欠合格で入学した。
滝川 早苗 (たきかわ さなえ)
埼玉県立青葉西高校1年3組に在籍する女子。出席番号は9番。柔道部のキャプテンを務めており、階級は57キロ級。青景中学校出身で、園田未知と南雲安奈とは当時から親しい。前髪を目の上で切って右寄りの位置で分け、胸の高さまである黒のロングヘアを二本の三つ編みにしてまとめている。たれ目たれ眉で、眼鏡を掛けている。責任感の強い性格で、まじめで心優しい。また成績は非常によく、学年トップ。柔道は中学生になってから、未知に誘われて始めた。しかしなかなか強くなれず、部活動中に骨折をしてしまったこともあったり、両親から高校では勉強に集中してほしいと言われたりしていたため、中学最後の大会で引退した。しかし青葉西高校入学直後、自分だけではなく、未知もまた柔道に未練があるらしいことを知り、今度は自分から未知を誘い、両親を説得して柔道を再開した。選手としては特別強いというわけではないが、粘り強く、真摯に取り組んでいる。特に寝技が得意。誕生日は7月8日。
氷浦 永遠 (ひうら とわ)
埼玉県立青葉西高校1年1組に在籍する女子。出席番号は16番。柔道部に所属しており、階級は52キロ級。川北中学校出身で、天音恵梨佳の後輩でもある。前髪を眉の上で切りそろえ、腰まである黒のストレートロングヘアを、頭の高い位置でポニーテールにしてまとめている。一見クールで近寄りがたい雰囲気を漂わせているが、実際は物静かで引っ込み思案な性格をしている。さらに極度のあがり症で、口下手。そのためふだんは非常におとなしいが、柔道着を身につけると勇気が出て、少し積極的になれる。成績は非常によく、平均評定4.8を誇る。中学2年生の時に川北中学校に転校し、どの部活動に入るか悩んでいたところ、部活中の恵梨佳を見てあこがれたことをきっかけに柔道を始めた。その後はめきめきと実力をつけ、52キロ級で全国大会に出場した経験もある。しかし中学2年生のある日、恵梨佳を差し置いて団体戦の選手に選ばれたものの、いい結果を残せなかったことを今も申し訳なく思っている。園田未知とは、中学3年生の時に、対戦相手として出会う。しかし、その対戦で未知を失神させてしまい、その動画がインターネットに投稿されてしまったことで、未知に恥をかかせたと感じ、あやまりたいと思っていた。また同時に、未知といっしょに柔道ができたらどんなに素敵だろうと考えるようになる。そこで進路を変えて未知が受験した青葉西高校に進学。未知をもう一度柔道に誘い、以来いっしょに活動するようになる。文字が極端に小さい。
南雲 安奈 (なぐも あんな)
埼玉県立青葉西高校に通う1年生の女子。剣道部に所属していたが、高校1年生の夏に柔道部に転部する。青景中学校出身で、滝川早苗とはこの頃から親しい。前髪を目の上で切り、あごの高さまである亜麻色のボブヘアにしている。色素が薄いために髪の毛を染めていると誤解されがちだが、地毛である。剣道部の友人と姫野紬には「ナグ」と呼ばれている。明るく気が強い性格の自信家。剣道は幼い頃に始め、小学4年生の頃には全国大会にも出場した。また基礎的な運動能力が高いため、剣道以外のスポーツも得意で成績も非常によく、中学時代は生徒会長も務めていた。園田未知とは幼なじみで、小学4年生のある日、未知の体の高い柔軟性を知り、ぜひいっしょに剣道をしたいと考えるようになる。以来、何かにつけて剣道部に入れと未知を勧誘し続け、高校入学直後も誘ったが、未知は結局柔道を続けることにしたのを寂しく思っていた。それでも友人として未知たちを応援していたが、高校1年生の夏、インターハイの県予選を機に、高校3年間は未知といっしょに部活動をしてみたいと考え、剣道部退部を決意。両親を説得して転部し、柔道部部員となった。しかし初心者であるために安全面を考慮して、夏の大会は見送って、秋から本格的に活動することになった。父親は警察官を務めている。
姫野 紬 (ひめの つむぎ)
埼玉県立青葉西高校に通う3年生の女子。部活動は高校2年生まで柔道部に所属していたが、先輩が卒業して部員が自分だけになってしまったあと、しばらくして退部した。しかし高校3年生の夏、夏目紫乃に誘われて復帰する。前髪を目の上で切って左寄りの位置で斜めに分け、肩につくほどまで伸ばして巻いたセミロングヘアにしている。背が高く、非常にスタイルがいい。髪の毛を染めるのは校則違反だが、厳しく生活指導する権藤の行動パターンを把握することで、処罰されないように逃げ回っている。明るく面倒見のいい性格をしている。柔道をやめてからはコンビニエンスストアでアルバイトしていたが、高校3年生の夏、紫乃に「金鷲旗(きんしゅうき)」に出場しないかと誘われる。一度は断ったものの、武道場に見学に行った際に園田未知たちの楽しそうな姿を見て考えを改め、復帰した。その後はブランクがありつつも、未知たちのよき先輩としていっしょに活動していくことになる。選手としては安定した実力を誇り、以前紫乃とさまざまな高校の柔道部に出向いて得た経験を生かして戦う。白石亜実とは友人で、柔道をやめてからも連絡を取っていた。
夏目 紫乃 (なつめ しの)
埼玉県立青葉西高校で体育教師と、柔道部の顧問を務める若い女性。東京都の立川学園高校出身で、犬威凛架の高校時代の先輩でもある。柔道は初段。前髪を目の上で切ったショートカットにしている。まじめで落ち着いた性格で、指導は非常に厳しいがとても生徒思い。特に安全面には気を付けており、初心者である南雲安奈には、ケガの危険性が高いという理由で、夏のあいだは試合に出さないようにしている。これは高校時代、部活動中にふざけていた仲間がケガをし、完治後も部活でいい結果を残せなくなってしまったことから。高校時代は、女性でありながら立川学園高校のミスターコンテストで3年連続優勝を果たし、女子から非常に人気があった。凛架とはこの頃に出会い、凛架に勧められて柔道を始めた。そのため、凛架には今でもアイドル視されている。
権藤 (ごんどう)
埼玉県立青葉西高校で体育教師を務める中年男性。スキンヘッドで眉毛がなく、口ひげを生やしている。体型は背が高く筋肉質で、非常にがっしりしている。まじめな性格で、校則違反には厳しい。また教師としての熱意が高いものの、熱くなると指導が理不尽に厳しくなってしまう。そのため、生徒たちからは怖い先生だと認識されている。しかし、話が通じないというわけではなく、自分がまちがっていると気づけばすぐに謝罪できる潔さがある。髪の毛がないことを気にしており、髪の毛に関する話題には過敏である。
天音 恵梨佳 (あまね えりか)
埼玉県にある霞ヶ丘高校に通う2年生の女子。柔道部に所属しており、階級は52キロ級。川北中学校出身で、氷浦永遠の先輩でもある。前髪を顎の下まで伸ばして真ん中で分けて額を見せ、胸の高さまで伸ばしたストレートロングヘアを、耳の上の高さでツインテールにしている。妹尾緑子からは「天ねーさん」と呼ばれているが、人前でこの呼び方をされるのは嫌がる。まじめで気の強い性格で、クールでとっつきにくい印象を与えるために誤解されやすいが、実際は非常に面倒見がいい仲間思いである。中学3年生のある日、自分の活動を隠れて見学していた永遠の存在に気づき、柔道部に誘う。以来、初心者の永遠を熱心に指導するが、中学最後の団体戦の選手選考で永遠に負け、補欠となってしまう。また、この時から永遠に見下されたと思い込み、冷たい態度を取るようになるが、自分の実力不足が原因で選手に選ばれなかったことは理解していた。そのまま卒業して霞ヶ丘高校に入学するが、高校2年生になっても永遠と仲直りはできず、後悔していた。しかし、高校2年生のインターハイ県予選で対戦したことがきっかけで、ようやく関係が修復された。
妹尾 緑子 (せのお みどりこ)
埼玉県にある霞ヶ丘高校に通う1年生の女子。柔道部に所属しており、階級は48キロ級。前髪を目の上で切り、あごの高さまで伸ばした癖のあるボブヘアを、耳の上の高さでツインテールにしている。体型は非常に小柄。あだ名は「セノちゃん」「せのちん」。気が強く生意気な性格ながら、小柄な体型を生かした戦い方を研究する勉強熱心な一面がある。園田未知たち青葉西高校の面々とは、高校1年生の5月にファミリーレストランで出会った。その時に自分が注文したパフェが店側の手違いで未知に届き、そのまま食べられてしまったことから、未知のことはしばらく「パフェ泥棒」と呼んでいた。その後、インターハイの県予選で天音恵梨佳と氷浦永遠との関係が修復されてからは、未知たちとはいっしょに練習したり、大会で応援し合ったりする関係となった。未知ともなんだかんだで仲がよく、自分の研究の成果を教えてからは、未知に時々「師匠」と呼ばれるようになる。恵梨佳のことを、姉のように慕っている。
白石 亜実 (しらいし あみ)
埼玉県にある霞ヶ丘高校に通う3年生の女子。柔道部に所属しており、階級は57キロ級。前髪を目の上で切ったショートカットにしている。姫野紬からは「アーミン」と呼ばれている。穏やかで心優しい性格のため、気が強い天音恵梨佳や妹尾緑子を諫めてまとめる姉的な存在でもある。また組手がうまく、丁寧な試合運びで特に返し技を得意としている。高校1年生の時、霞ヶ丘高校の柔道部に入部したものの、部は男子中心で女子は顧問にも放って置かれがちなことを残念に思っていた。しかし高校2年生の時に恵梨佳が入部し、恵梨佳のおかげで女子の士気が上がり、部全体が強くなったことに感謝している。高校3年生のインターハイで引退するつもりでいたが、園田未知と対戦して柔道の楽しさを思い出し、もう少し活動を続ける決意をした。未知たち青葉西高校の面々とは、高校1年生の5月にファミリーレストランで出会った。その後、インターハイで恵梨佳と氷浦永遠との関係が修復されてからは、いっしょに練習したり、大会で応援し合ったりする関係となった。紬とは柔道を通じて知り合った友人で、紬が柔道をやめてしまってからも連絡を取っていた。そのため、紬が「金鷲旗(きんしゅうき)」で復帰した際は喜んでいた。
湊 幸 (みなと さち)
福岡県立博多南高校に通う1年生の女子。柔道部に所属しており、階級は70キロ級。千代原中学校出身で、梅原夏とはその頃からの付き合い。前髪を目の上で切った癖のあるショートカットで、たれ目でまつげが長い。穏やかでおおらかな性格で、博多弁を話す。人懐っこく誰とでもなかよくなることができ、園田未知とは高校1年生の夏、「金鷲旗(きんしゅうき)」のために福岡県にやって来た時に道案内をしたことで出会い、親しくなった。夏が高校でも柔道を続けてくれたことに非常に感謝している。
梅原 夏 (うめはら なつ)
福岡県立博多南高校に通う女子。柔道部に所属し、キャプテンを務めている。千代原中学校出身で、湊幸とはその頃からの付き合い。前髪を目の上で切りそろえ、耳の高さで切りそろえたボブヘアにしている。まじめな性格で、博多弁を話す。柔道は中学校から始め、当初は小柄な自分では勝つのは難しいのではないだろうかと不安を感じていた。しかし、高校1年生のある日、顧問の言葉からヒントを得て、自分なりの戦い方を身につけた。柔道マニアで、周囲の選手に異名をつけるのが得意。立川学園高校の生徒たちの異名は、すべて梅原夏が考えたものである。
乃木坂 琴子 (のぎざか ことこ)
福岡県立博多南高校に通う1年生の女子で、柔道部に所属している。前髪を目の下まで伸ばして真ん中で分けて額を見せ、胸の高さまで伸ばした癖のあるロングヘアを、頭の付け根の高さで二つに結んでいる。目が細くたれ眉で、いつも目を閉じているように見える。あだ名は「こっちゃん」。マイペースな性格で、一見何を考えているかわからないところがある。しかし周囲によく目を配っており、高校1年生の夏の「金鷲旗(きんしゅうき)」では、OBたちの過剰な応援で緊張する梅原夏に気づき、応援を控えてほしいと頼んだ。食べるペースが非常に遅い。
堂本 恵 (どうもと めぐみ)
山口県の錦山高校に通う3年生の女子。柔道部に所属しており、階級は78キロ超級。前髪を目の上で切り、ロングヘアを頭頂部の左右で二つのお団子にしてまとめている。あだ名は「メグ」。2年連続山口県大会で2位の成績を残した実力派で、チームのポイントゲッターとして知られている。運動量が非常に多く、対戦相手を振り回して疲れさせる戦略を得意とする。自信家で、試合を始める前から自分が勝ったような発言をすることが多い。
小出 寧々 (こいで ねね)
山口県の錦山高校に通う2年生の女子で、柔道部に所属している。前髪を眉の上で切りそろえて、ストレートロングヘアを頭の高い位置でポニーテールにしてまとめている。ふだんは非常におとなしいが、試合開始の「はじめ」の合図で豹変する。選手としては非常に優秀で、インターハイ山口県予選の団体戦において、チームで唯一、全試合一本勝ちをした。スピードを生かした戦いを得意とする。
富士森 蘭 (ふじもり らん)
東京都の立川学園高校に通う3年生の女子で、柔道部に所属している。階級は78キロ超級。前髪を眉の上で切ったベリーショートヘアにしている。体型は太めで、梅原夏には「柔戦車」の異名を付けられている。高校2年生の時のインターハイで78キロ超級を制覇し、全日本の強化指定選手に選ばれるほどの実力で、チームの大黒柱。
榊原 真帆 (さかきばら まほ)
東京都の立川学園高校に通う3年生の女子。柔道部に所属しており、キャプテンを務めている。階級は63キロ級。前髪を目の上で切り、肩につくほどの長さの癖のあるセミロングヘアにしている。以前、高校選手権の63キロ級の決勝で、骨折しても延長戦まで戦い抜いたことから、梅原夏には「畳の鬼」の異名を付けられている。
真島 光 (まじま ひかる)
東京都の立川学園高校に通う2年生の女子で、柔道部に所属している。前髪を眉の上で切り、癖のあるロングヘアを頭の高い位置でポニーテールにしてまとめている。体型は小柄。どんな体勢からでも技を出すことができ、豊富な技のレパートリーを持つことから、梅原夏には「技のジャングル」の異名を付けられている。
葉月 優里 (はづき ゆうり)
東京都の立川学園高校に通う2年生の女子で、柔道部に所属している。前髪をあごの下まで伸ばして真ん中で分けた、癖のあるショートヘアにしている。立川学園高校の女子選手史上No.1といわれる寝技のテクニックを持ち、対戦相手を簡単に極(き)めて絞め上げることから、梅原夏には「武道場のアナコンダ」の異名を付けられている。
小田桐 華 (おだぎり はな)
東京都の立川学園高校に通う1年生の女子で、柔道部に所属している。前髪をあごの下まで伸ばして真ん中で分け、あごの高さまであるボブヘアにしている。実力者ながら情報が少ないため、梅原夏にはまだ異名を付けられていない。妄想癖があり、素敵な恋人との恋愛をよく妄想している。
犬威 凛架 (いぬい りんか)
東京都の立川学園高校で、柔道部の監督を務める若い女性。年齢は夏目紫乃の1歳年下で、紫乃の高校時代の後輩でもある。前髪を目の下まで伸ばして真ん中で分けて、額を見せた短髪にしている。生徒たちからは「イヌ先生」と呼ばれている。名将として知られ、非常に熱心に指導するため、犬威凛架の就任以降にスカウトされた選手は、みな結果を残していると評判である。しかし高校時代から紫乃の熱烈なファンで、紫乃の前では別人のようになる。
その他キーワード
イケないスクールデイズ
スマートフォン用の女性向け恋愛シミュレーションゲーム。略称は「イケスク」。主人公は女子生徒で、美形の男性教師たちと禁じられた恋愛をするという内容になっている。女性に非常に人気があり、園田未知、滝川早苗、湊幸もプレイしている。特に早苗は、化学教師の「如月理」というキャラクターがお気に入り。
書誌情報
もういっぽん! 全30巻 秋田書店〈少年チャンピオン・コミックス〉
第9巻
(2020-09-08発行、 978-4253228459)
第13巻
(2021-07-08発行、 978-4253217125)
第16巻
(2021-12-08発行、 978-4253218689)
第19巻
(2022-07-07発行、 978-4253218719)
第20巻
(2022-10-06発行、 978-4253218900)
第21巻
(2023-01-06発行、 978-4253283069)
第22巻
(2023-02-08発行、 978-4253283076)
第23巻
(2023-04-07発行、 978-4253283083)
第24巻
(2023-07-06発行、 978-4253283090)
第25巻
(2023-09-07発行、 978-4253283106)
第26巻
(2023-12-07発行、 978-4253283113)
第27巻
(2024-02-07発行、 978-4253283120)
第28巻
(2024-04-08発行、 978-4253283137)
第29巻
(2024-07-08発行、 978-4253283144)
第30巻
(2024-08-07発行、 978-4253283151)