凍鶴

凍鶴

昭和初期を舞台に、新潟から売られて芸者の世界に身を置いた少女つると、彼女が出会った人々の姿を描いた人間ドラマ。1話完結の読みきり形式の全14話。前半7話は13歳の仕込っ子時代、後半7話は芸者として売れっ子になった時代が舞台となっている。

概要

新潟から30円と米一俵で東京の置屋「松乃家」に売られてきた少女つるは、仕込っ子として一人前の芸妓になるための修業と雑用に追われていた。ある日、三年前に松乃家から贔屓客に身請けされた芸妓、小鈴の頼みで、彼女が松乃家に置き忘れた着物を届けに彼女が住まう屋敷を訪ねたつるは、小鈴の弟で、病気で寝たきりの少年ヒロシと出会う。

登場人物・キャラクター

主人公

新潟から東京の置屋「松乃家」に30円と米一俵で売られてきた少女。仕込っ子時代は、一日でも早く立派な芸者となって故郷の家族にマシな暮らしをさせたいと願い、懸命に雑用や稽古に励んでいた。故郷で子守の際に足... 関連ページ:つる

東京の置屋「松乃家」の女将。小太りで迫力のある中年女性。幾人もの芸妓を育ててきたが、鶴菊は特に名妓となったという誇りを持つ。落語の鶴蔵師匠を贔屓にしている。 関連ページ:女将さん

三年前まで「松乃家」で働いていた芸妓。病気で寝たきりの弟ヒロシの面倒も見ると言った金持ちの老人に身請けされた。本当は別に好きな男性がいた模様。 関連ページ:小鈴

小鈴の弟。生まれつき病弱で、寝たきりの少年。自分のために姉が金持ちの老人の慰み者となっていることに憤りともどかしさを覚えている。屋敷を訪ねてきたつるに貯めてあった金を渡し、裸を見せてほしいと頼む。 関連ページ:ヒロシ

「松乃家」で働く芸妓。松乃家の中でも最も器量がよいと評判で、財界の大物・竹内に愛人として身請けされることが決まっていた。身請けの日まで処女であることがその条件のひとつだったが、前日に脱走し、お互いに淡... 関連ページ:花千代

元深川の芸者。相撲取りの大介とは同郷の幼馴染で、いじめっ子に乱暴されそうになったのを助けてくれた彼のことをずっと慕っていた。大介が軍人のお座敷に呼ばれるようになったという話を聞いて、軍人がよく遊びにく... 関連ページ:桃千代

相撲取りの青年。四股名の通り、真っ直ぐにぶつかることしかしないため、白星が少ない幕下力士。だが四股名のおかげで軍人に気に入られ、余興として座敷に呼ばれることが多い。桃千代とは同郷の幼馴染。 関連ページ:鉄砲丸

「松乃家」に新しく移籍してきた芸妓。芸者衆の間でも軽蔑されている、誰とでも寝る「不見転(みずてん)」を自ら二つ名として名乗る変わった性格。つると同じく、故郷で子守をやっていたため、足をもう一方の足に乗... 関連ページ:鶴千代

年配の噺家。名人として名高い。「松乃家」の女将さんが贔屓にしている。今度初高座を務めることが決まっている弟子の小鶴をことさらに厳しく指導するが、それは愛情ゆえのもの。親子の名乗りはしていないが、小鶴は... 関連ページ:鶴蔵

鶴蔵師匠の弟子で、今度高座にあがることが決まっている噺家の卵。実は、鶴蔵の隠し子であるのだが、本人はそれを知らされていない。似た境遇にある仕込っ子のつるに共感を抱く。 関連ページ:小鶴

軍需工場を経営する中年男性。「松乃家」の女将さんが鶴菊の「旦那」として選んだ。やや風変わりではあるが、退職する職工にとんかつを奢るなど、気前のいい人物。 関連ページ:熊谷 玄次郎

「松乃家」の仕込っ子。鶴菊の世話係となる。明るいちゃっかり者。熊谷玄次郎に鮨を分けてもらったことから、彼に恩義を感じて鶴菊の浮気を玄次郎に注進した。父親は酒乱の刺青師で、お春の股間には父が彫った緋牡丹... 関連ページ:お春

鶴菊とお春に三味線を教えた師匠。小太りでめがねをかけた中年女性。芸者時代、ある大学の先生と恋をし、結婚できなくても良いからと梅太郎を生み、独りで育てている。その先生とはいまだ鶴菊を通して文のやりとりを... 関連ページ:三味線の師匠

三味線の師匠の息子。大学生。苦労して大学に入学したものの、ギターを弾くようになり、音楽の道へ進もうかと考えている。鶴菊にやや強迫観念に近い気持ちで、思いを寄せている。 関連ページ:梅太郎

場所

松乃家

東京にある芸妓の置屋。財界の大物や軍人などから座敷のお呼びがよくかかる。周囲からの女将さんへの信頼は高い。寒村から売られてきたつるが仕込っ子として働き、一人前の芸妓となった店。 関連ページ:松乃家

その他キーワード

仕込っ子

置屋にいる芸妓見習いの少女。朝から昼までは雑用や使い走りに追われ、夜は芸妓の三味線や荷物などを持つ世話係をする。 関連ページ:仕込っ子

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