概要・あらすじ
昭和36年頃が舞台。貸本漫画家である主人公の青年は、家賃の滞納のためアパートを追い出され、2年間同棲した国子と別居することになる。しばらくしたある日、青年は国子の浮気と妊娠を告げられる。ショックを受けた青年は、酒と大量のブロバリンを飲み、自殺を図る。つげ義春の実体験を元に描かれたフィクションで、自伝的要素を含んだ作品。
登場人物・キャラクター
青年 (せいねん)
売れない貸本漫画家。家賃を滞納したため、アパートを追い出され、2年間同棲した国子と別居する。自閉的で人前に出るのが苦手。また、猜疑心が強い。国子の浮気と妊娠を知り、ショックから自殺を図る。
国子 (くにこ)
ショートカットの女性。青年の内縁の妻。家賃滞納を理由にアパートを追い出され、青年と別居する。知人の紹介で、ある会社寮の賄婦として働く。青年のことを好きだが、あまりの不甲斐なさに過ちを犯し、妊娠する。
木本 (きもと)
主人公である青年の友人。レタリングの仕事をしている。青年が以前住んでいた下宿におり、住むところがない青年を誘い、一緒に住む。自殺を図り、大いびきをかいて寝ていた青年の異常に気付き、大家と一緒に病院に担ぎ込む。
コジロー
国子が昔片思いをしていた男。アパートを追い出された国子の就職の世話をした人物。主人公である青年に、国子の浮気相手だと疑われる。