創世のタイガ

創世のタイガ

ホモ・サピエンスとネアンデールタール人が対立していた原始時代の地球にタイムスリップした、タイガら七人の日本人大学生のサバイバル生活を描く。巻末には原始時代に関するトピックが掲載されている。「イブニング」2017年8月号から連載の作品。

正式名称
創世のタイガ
ふりがな
そうせいのたいが
作者
ジャンル
サバイバル
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あらすじ

第1巻

日本のとある大学で人類学ゼミに所属しているタイガとその友人六人は、オーストラリアを旅行中、偶然見つけた洞窟の中で落盤に巻き込まれる。タイガや友人たちにケガはなかったが、洞窟から出ると世界は一変していた。明らかに現代の生き物ではない野生動物を発見し、古生物学の知識のあるリクは、それがカリコテリウムという太古の絶滅種であることに驚愕する。さらに、小高い丘の上からマンモスの姿が見え、一同はここが原始時代の地球であることを確信する。やがて夜になり、一同は崖の洞の中で夜を明かすが、みんなほとんど一睡もできなかった。数日のサバイバル生活ののち、アラタは今いる時代が数万年前の地球で、場所はアフリカ北部から中東もしくは南ヨーロッパあたりの地域ではないかと推測する。そんな中、一同はネアンデルタール人とホモ・サピエンスが殺し合いをしている光景を目撃し、偶然から現地の石器の槍を入手する。その作りは精巧で、旧石器時代後期のものだと判明する。

第2巻

タイガたち七人は、入手した槍を模して自分たちの石器を作り始めるが、なかなかうまくいかない。しかし、ネアンデルタール人がホモ・サピエンスをためらいなく殺害しているのを目撃してしまった以上、防衛のための武装は不可欠であった。一方、石器によって狩りをすることができるようになり、食糧事情は飛躍的によくなった。狩りにおいて、一同の中でもっとも卓越した能力を持っているのはタイガで、そんな彼に対し、ユカは好意を寄せるようになる。ところがある日、タイガが住居から離れているあいだに、ほかの仲間たちがネアンデルタール人の集団に襲われてしまう。タイガは仲間を助けるために、自分を囮にしてネアンデルタール人を引き寄せてその場を離れ、一人仲間からはぐれてしまう。自分のいる場所もわからなくなって迷うこと数日、近くで女性の悲鳴を聞いたタイガは仲間だと思って駆けつけるが、それは仲間ではなく現地のホモ・サピエンスの女性、ティアリであった。結局、成り行きでタイガはネアンデルタール人からティアリを助けることになる。

第3巻

タイガは、身振り手振りでどうにかティアリとコミュニケーションが取れるようになり、土地勘のあるティアリに仲間たちとの住居のあった場所まで送ってもらうことになった。ティアリの部族は簡易住居で移動しながら生活しているため、キャンプの設営など、この世界で暮らすためのさまざまな知識を持っており、タイガはその情報を貪欲に吸収していく。二人は、ネアンデルタール人の勢力圏を迂回しつつ元いた場所に向かっていたが、その途中でネアンデルタール人の集団から追撃を受けてしまう。タイガはオオカミを利用して、その集団を撃退することに成功しただけでなく、オオカミの子供を手に入れ、「ウルフ」と名付けた。そして、無事に仲間たちの住居に辿り着くもののそこはもぬけの殻で、六人はティアリの部族の集落に監禁されていることが判明する。タイガはティアリの部族に認められるため、自分が戦士であることを証明しようと、ティアリの兄で部族の戦士であるナクムとの素手での決闘に臨む。

第4巻

ナクムタイガよりも遥かに体格が大きく、膂力(りょりょく)だけなら圧倒的だったが、タイガは低空タックルからの裸締めでナクムを締め落とすことに成功する。ナクムが殺害されたと思った部族とタイガらのあいだには不穏な空気が漂うが、タイガは気絶していたナクムを目覚めさせ、部族の人々を驚かせる。こうしてタイガは部族の長であるムジャンジャに戦士として認められ、仲間たち共々彼らに客人として迎えられることとなった。以降、タイガたちはナクムやティアリと共に狩りに参加できるようになり、日々の暮らしも格段に安全なものとなる。そんなある日、リクアラタは木材と石器を使って簡単な手押し車を作成して部族にプレゼントし、友好関係はさらに深まる。そんなある日、部族の集落にネアンデルタール人の夜襲があり、それをいち早く察知したタイガは危機を知らせ、自ら槍を取って戦いに参加する。

第5巻

タイガの奮闘もあって、ホモ・サピエンスの部族はネアンデルタール人の夜襲を退けることに成功する。これをきっかけに、タイガたち七人は正式に部族の村の境界の中に居を構えることを許される。しかし、森を食い荒らすマンモスの群れが縄張りの近くにやって来たことから、部族はもう一つの縄張りに居を移すことになる。しかしそこにもマンモスがやって来て、部族は行き場所を失ってしまう。この時代のホモ・サピエンスの人々は、マンモスとの戦い方を知らなかったが、多少の知識を持っていたタイガたちはマンモスの群れを狩ることを主張し、ムジャンジャの承諾を得る。こうして、リクが作成したチョッキ銛と、部族の女たちが作った長いロープを使って、マンモスを捕殺する作戦が進められる。

登場人物・キャラクター

タイガ

日本のとある大学に通う男子。人類学ゼミに所属している。趣味で格闘技を学んでおり、関節技や絞め技を得意としている。原始時代にタイムスリップしてからは、石器の槍を使っての戦闘もすぐに上達し、ホモ・サピエンスのティアリからも有能な戦士と認められるようになる。相手がネアンデルタール人とはいえ、殺人を犯すことに罪悪感や葛藤を抱えているが、生き延びるという目標のもとそれを封印し、今ではその生活に慣れつつある。さらに、現地の人々を導いてネアンデルタール人やマンモスを倒すことが自分の使命だと考え始めるようになる。名前を伸ばした「タイガー」と呼ばれることを嫌っている。

リク

日本のとある大学に通う男子。タイガと同じ人類学ゼミに所属している。古生物学に造詣が深い。またアウトドアを趣味にしているため、若干のスキルと方位磁石などの道具を持っている。落ち着いた性格なこともあり、原始時代にタイムスリップしてからは、ゼミメンバーのリーダー的な存在となる。

レン

日本のとある大学に通う男子。タイガと同じ人類学ゼミに所属している。あまり特徴のない、ごくふつうの青年で、ゼミメンバーの中ではタイムスリップ先の世界にもっとも馴染めていない。特にネアンデルタール人とホモ・サピエンスの戦争に巻き込まれるようになってからは、そのことに非常に強い抵抗感を抱いている。

アラタ

日本のとある大学に通う男子。タイガと同じ人類学ゼミに所属している。考古学を専攻しており、古代に関する知識が豊富。冷静沈着な性格のインテリで、原始時代にタイムスリップしてからも意外としっかり適応しており、このままこの世界で生きていく覚悟を固め始める。

ユカ

日本のとある大学に通う女子。タイガと同じ人類学ゼミに所属している。原始時代にタイムスリップしてから、格段に頼れる存在となったタイガに恋愛感情を抱くようになる。タイガと正式に付き合っているわけではないが、なにかにつけて距離を縮めようとしている。

リカコ

日本のとある大学に通う女子。タイガと同じ人類学ゼミに所属している。人類学を専攻しており、ネアンデルタール人に関するさまざまな知識や、原始時代のホモ・サピエンスの事情についても詳しい。女友達からは「リッちゃん」と呼ばれている。

チヒロ

日本のとある大学に通う女子。タイガと同じ人類学ゼミに所属している。生き物が大好きで、動物に関する知識は豊富。昔カメを飼っていたことがある。タイガがカメを捕獲して食糧にした時は号泣していたが、肉がおいしかったことで考えを改めた。

ウルフ

幼い頃にタイガに拾われ、狩猟用のパートナーとして飼われるようになったオオカミ。まだ子供だが、大型種のオオカミで成長スピードが速い。この時代のホモ・サピエンスにはまだ家畜を飼う文化がないため、非常に野性味が強い。

ティアリ

原始時代のホモ・サピエンスの少女。タイガが原始時代で初めて出会った。女性ながらも勇敢な戦士にして狩人であり、生存能力が非常に高い。タイガを指導者のムジャンジャら部族の仲間に紹介して友好の橋渡しをし、ティアリ自身も少しずつだが日本語を習得していく。交流を深めるうちに、タイガに恋愛感情を抱くようになる。

ナクム

原始時代のホモ・サピエンスの青年。ティアリの兄。屈強な体格を誇る勇敢な戦士で、ティアリが初めて部族にタイガを紹介した時、タイガに戦士であることを証明させるため、素手による一対一の勝負を引き受けた。

ムジャンジャ

ティアリやナクムが属しているホモ・サピエンスの集団の指導者を務める老人。自分たちの部族の縄張りがマンモスの群れに荒らされたために窮地に陥るが、マンモスを倒そうとするタイガの主張を受け入れ、協力したい者は協力せよと仲間に命じた。ティアリからは「賢者」と呼ばれている。

その他キーワード

ネアンデルタール人

赤毛で茶髪のホモ・サピエンスとは別の人類。原始時代にヨーロッパで繁栄していたが、アフリカで発祥し北上して来たホモ・サピエンスと対立し、日常的に殺し合いを行っている。ホモ・サピエンスが靴を履くのに対し、ネアンデルタール人は裸足で歩いている。

マンモス

地上最大の動物。「ケナガマンモス」と呼ばれるアフリカゾウほどのサイズの種が有名だが、最大のマンモスはユーラシア大陸にいる「松花江マンモス」という種で、体重20トン、最大体高5メートルにもなる巨体を誇る。群れで行動し、ティアリたちホモ・サピエンスは「ドゥブワナ」と呼んで恐れている。

チョッキ銛 (ちょっきもり)

古代からクジラ漁などに用いられている漁具。銛の一種であり、獲物に刺さると柄から銛先が抜けて、さらに銛に括り付けてあるロープを引くと、銛先が回転して獲物にフックするという構造になっている。これを応用すれば、マンモスなどの獲物をロープで捕えることもできる。

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