千年の雪

千年の雪

心臓病で余命わずかな女子高校生の松岡千雪と千年の寿命をもつ吸血鬼の少年、叶冬哉の切ないラブストーリー。主人公の千雪は明るい性格で、ちょっとした笑いの要素も散りばめられている。

正式名称
千年の雪
ふりがな
せんねんのゆき
作者
ジャンル
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その他ホラー・オカルト
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概要・あらすじ

心臓病で余命わずかな女子高校生の松岡千雪は、吸血鬼の叶冬哉と出会う。吸血鬼は成人するとパートナーとなる人間から血を吸い、パートナーとともに約1000年の時間を過ごすという。だが冬哉は長過ぎる寿命に絶望し、パートナーも持たず、血への渇望にも耐えていた。事情を理解した上で、千雪は自分の血を吸うように勧める。

だが冬哉にとって誰かに長過ぎる寿命を与えることは重すぎる決断だった。

登場人物・キャラクター

松岡 千雪 (まつおか ちゆき)

生まれたときから心臓に持病を持ち、入退院を繰り返していた17歳の女子高校生。ロングヘアで細身の少女。叶冬哉に出会い、彼の血をもらったおかげで少しだけ寿命が延び、学校にも通えるようになった。死を間近に感じながら生きてきたため、冬哉に恋心を抱いているが、彼のパートナーは自分ではなくてもいいとも思っている。 人間の儚さに絶望している冬哉に、「人間の強さ」を知り、未来に希望を持ってほしいと願っている。

叶 冬哉 (かのう とうや)

1000年の寿命を持つ吸血鬼で現在18歳の少年。短い黒髪で華奢な体型。身長は175cmで、少し背が低いことを気にしている。生まれつきの吸血鬼だが、人の血を吸うことに強い嫌悪感を持っている。とはいえ血を摂取しないと体力を維持できないため、血のかわりに大量の食糧を数時間ごとに摂取している。食糧はお供の闇丸が確保している。 太陽や十字架は平気だが、ニンニクは苦手。松岡千雪にほのかな恋心を抱いているが、幼い頃に家族との死別を経験したため、人間との関わりを持ちたがらない。未来に希望を見いだせず、かなりのネガティブ思考の持ち主に育っている。千雪の策略にハマり、同じ高校に通うようになった。同級生で狼男の有吉砂月からはキバ男と呼ばれている。 生き物の血を見ると、反射的に口元から吸血用の牙が出てしまう。

闇丸 (やみまる)

叶冬哉の召使いで、普段はコウモリの姿をしている。1日に4-5時間程度だが人間の姿に変身することもでき、大人の男性の姿になると、冬哉より背が高い。子供の姿にも変身できる。なぜか時代劇のような口調でしゃべり、口数の少ない冬哉に代わり、いつも周りの人々に事情を説明している。絶えず冬哉を見守り、彼がエネルギー不足で倒れそうになるとすぐ食物を届けに飛んで来る。 冬哉に常に雑な扱いを受けているが、彼の冬哉への忠誠心は決してゆるがない。自分のことを「あっし」、冬哉を「若」、千雪を「嬢ちゃん」、有吉砂月を「犬殿」と呼んでいる。

有吉 砂月 (ありよし さつき)

狼男である正体をかくしつつ、なるべく人間と同じような行動をとることを心がけている男子高校生の少年。松岡千雪と同じ高校に通っている。ショートヘアの長身で、耳にピアスをしている。捨て子だったが、雑貨屋を営むおばあさんに育てられている。身長は185cm。高すぎる身体能力を持ち、普段は自制しているが、時折調節が効かずに大きい力が出てしまう。 また、直視しなければ平気だが、ふいに満月を見ると狼に変身してしまう。目立たないようにするため、普段は親しみやすく軽薄な性格の少年を装っている。松岡千雪にほのかな恋心を抱いている。育ててくれたおばあさんを大切に思っている。

イザベル

ウェーブのかかったロングヘアの小柄な少女で、1780年にすでに死んでいる。松岡千雪、叶冬哉、闇丸、有吉砂月が旅行でスイスを訪れた時に、迷い込んだ洋館で出会った。心臓病で亡くなった後も、生まれ育った洋館で幽霊としてこの世にとどまっている。

車谷 圭吾 (くるまたに けいご)

短髪で眼鏡をかけた26歳の男性で松岡千雪の従兄弟。身長168cm。現在アメリカに語学留学中。心臓の弱かった千雪を思うあまりかなりのシスコンに成長した。千雪に近づく叶冬哉を目の敵にしている。千雪の病気を治すために研究者を志している。

仁藤 (にとう)

松岡千雪たちの通う高校の保健の先生。黒髪でロングヘアの美女だが、生徒たちに皮肉の利いた忠告や指導をするので、雪女と呼ばれている。表情に変化が少ないので、冷徹な性格の女性に見られがちだが、生徒たちのことをよく考え、手厚く指導やケアをしている。

宮嶋 かえで (みやじま かえで)

松岡千雪と同じ高校に通う女子高校生。おかっぱで小柄な童顔の少女。趣味は読書で全国模試の成績はとても優秀。なぜか学校でいじめのターゲットになってしまっていた。弱っていたコトヌシという妖怪を見つけ、街の高台でひそかに世話していた。千雪の友人の中では一番の理論派。おっとりとしていて優しい性格の持ち主。

コトヌシ

『千年の雪』に登場する妖怪。人の言葉を糧とし、いい言葉で育つと優しい獣に、悪い言葉で育つと危険な獣になる。見た目は狐に良く似ている。弱っているところを宮嶋かえでが見つけ、彼女が人知れず世話していた。

吸魂鳥 (はーぴー)

『千年の雪』に登場する妖怪。人間の心の隙間に入り込み、その人間を操って次々とまわりの人間を喰らう鳥の姿をした怪物。大きさはオウムぐらい。小学生の男の子をだまして闇丸を捕らえさせ、叶冬哉を喰らって自分の能力を伸ばそうと企んでいた。

叶 宗治 (かのう そうじ)

叶冬哉の祖父で、認知症を発症し、現在は介護施設「うみどり園」に入所中。冬哉が10歳になるまで一緒に暮らしていた。8年前に冬哉は宗治の娘(冬哉の母親の妹)から宗治は死んだと告げられていて、冬哉は彼が生きていることも知らなかった。冬哉と二人で暮らしていた頃はまだまだ元気で、時計の修理を生業としていた。 趣味は植木の手入れ。冬哉にとっては、しつけには厳しいが、物知りで優しいおじいさんだった。

(あきら)

叶冬哉の従兄弟で冬哉の母親の妹の息子。冬哉と同じぐらいの身長で短髪の少年。冬哉は5歳まで彼の家で兄弟のように育てられた。冬哉に吸血鬼の性質が現れてきた頃、冬哉の血に対する反応に驚いてしまい、そのことで彼を傷つけ、家から追い出してしまったのではと後悔している。

ヨハン

1000年の寿命を終えようとしている吸血鬼。金髪のロングヘアで長身の男性。1000年間、ヨーロッパ各地を転々としながら暮らしていたため、多くの名前を持っている。かつて人間の女性リディアーヌと暮らしていたが、彼女を人間に殺され、人間に深い恨みを抱いている。生きる希望を抱き始めた叶冬哉の前に現れ、自らの経験を語り、自分と同じくらい深い絶望を冬哉に植え付けようとしていた。

リディアーヌ

800年前に他界している。ヨハンのパートナーになった人間の女性。ヨハンを愛し、ともに約200年間ヨーロッパ各地を点々としながら夫婦として暮らしていた。ヨハンは現在連れている鴉をリディアーヌと名付けている。

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