あらすじ
第1巻
都心から少し離れた、緑の多い街の小高い丘の上にある私立青葉学院大学でイギリス文学を教えている教授の雨宮誠は、イギリスの文学とお菓子を愛し、毎日午後3時にはイギリス文学に登場するお菓子を作ってはお茶を楽しんでいる。ある日、学生と『ナルニア国物語』について話していた雨宮は、その作中に登場するイギリス菓子のマーマレードロールが食べたくなる。スマホで姪のベイカー沙綾からレシピを教えてもらうと材料を買って帰り、自宅でマーマレードロールを焼き上げる。そこへ沙綾も訪ねてきて、二人で語らいながら午後のお茶を楽しむのだった。(第1話「ジャムローリーポーリー。ほか、5エピソード収録)
登場人物・キャラクター
雨宮 誠 (あめみや まこと)
私立青葉学院大学でイギリス文学を教えている教授の男性。年齢は48歳。穏やかな性格で、誰に対しても敬語で話す。一軒家で黒猫のクロといっしょに暮らしている。イギリスの文学とお菓子をこよなく愛し、午後3時には自分で作ったお菓子でお茶を楽しんでいる。レシピに関しては、イギリスで暮らしていた妹や、姪のベイカー沙綾にSNSを使って教えてもらっている。
ベイカー沙綾 (べいかーさや)
雨宮誠の姪。12歳の少女。日本人の母親とイギリス人の父親を持ち、イギリスで暮らしていたが、この春から日本の雨宮家の近所へ越してきて、日本の小学校へ通っている。日本語は話せるものの、日本の小学校にはまだ馴染めていない。祖母に教えてもらったためお菓子作りには詳しく、雨宮にイギリス菓子の作り方をレクチャーしている。
沙綾の母 (さやのはは)
雨宮誠の妹で、ベイカー沙綾の母親。イギリスで暮らしていたが、夫のダニエルを残して一足先に沙綾を連れて日本へ戻ってきた。沙綾とは日本語で会話するが、英語で会話することもある。日本ではまだ友達ができず、学校に溶け込めていない沙綾のことを少し心配している。