あらすじ
第1巻
東京は丸の内に勤務する26歳のOLである里村優子は、富山の田舎からやっとの思いであこがれの東京に上京した。しかし、あれだけ願っていた都心でのオシャレなカフェランチも、見栄えばかりで量が少なく、がっつり食べたい優子にとって、満足感はかなり低かった。上京してからというもの、おいしそうなものは山ほどあるのに人目を気にして思い切って食べることができず、優子は不満ばかりが溜まる日々を過ごしていた。そんなある日、会社からの帰り道に、居酒屋や立ち飲みをはじめとするさまざまな誘惑に駆られれながら歩いていた優子は、分厚いハムカツにかぶりつくサラリーマンの姿を目撃。おしゃれな東京シティガールとしてのプライドを胸に、お店に入りたい気持ちをぐっと抑える優子だったが、ハムカツの誘惑に抗えなくなり、自宅で作って食べようと決意する。その足でスーパーに立ち寄った優子は材料を買いそろえ、これ以上ないガッツリめしを、人目を気にすることなく心ゆくまま堪能する。(DAY1「ハムカツの日」。ほか、13エピソード収録)
登場人物・キャラクター
里村 優子 (さとむら ゆうこ)
東京丸の内に勤務するOLで、年齢は26歳。ランチは同僚と会社近くのカフェで済ますことが多いが、実はがっつり系の食事が好きな大食漢。実家の富山からやっとの思いであこがれの東京に出てきたが、何かと人目を気にして、見栄え重視で量の少ないオシャレランチばかりの日々に不満を募らせている。そのため、中学高校時代に花嫁修業と称して所属していた料理部で磨いた腕を生かし、自宅では食べたい物を食べたいだけ作っている。先輩社員の間宮に思いを寄せており、特に彼の目を気にすると欲望に正直になることができない。実家を離れていることもあり、両親が年を取ったことを実感したり、子供の頃の思い出がよみがえったりと、何かと寂しさを感じている。東京の自宅では、猫の太郎丸といっしょに暮らしている。
間宮 (まみや)
東京丸の内に勤務している男性社員で、里村優子の先輩にあたる。人当たりがよく、知らない人にも親切に接する。「ジロー系」のがっつりラーメンに並ぶこともあり、食べることが大好き。また、女性ががっつり食べることに対してもまったく抵抗はない。
優子の父 (ゆうこのちち)
里村優子の父親で、富山の自宅に住んでいる。娘の優子が上京してしまったために寂しさを感じており、突然優子が帰宅した際には、お酒を用意して大歓迎した。しかし、優子がいっしょにお酒を飲んでくれないため、がっかりしていた。優子には東京から富山に帰ってきてほしいと思っている。最近、物忘れが激しくなっている。
優子の母 (ゆうこのはは)
里村優子の母親で、富山の自宅に住んでいる。眼鏡を掛けたぽっちゃり体型の心の温かい女性で、突然東京から帰宅した娘の優子を懐かしい料理でもてなして歓迎した。東京での生活を続けることに対し、娘の心がゆらいでいることを察してエールを送り、東京で自分の人生をがんばるようにと応援した。
優子の姉 (ゆうこのあね)
里村優子の姉。富山から千葉郊外の町に嫁いでいるが、夫が仕事で時間ができると、優子の住む家に突然遊びにやって来る。その際は優子に息子の海斗を預け、買い物に行ってしまうこともある。大のコロッケ好きで、子供の頃から優子の母へのリクエストはコロッケばかりだった。日常的に惣菜のコロッケを食べており、優子へのお土産も惣菜のコロッケだった。
海斗 (かいと)
優子の姉の息子で、年齢は6歳。ある日、母親と共に叔母にあたる里村優子の家に遊びに来たが、母親が買い物に出かけたために、優子と二人だけで過ごすことになった。ご飯といえば、いつも惣菜のコロッケばかりを食べさせられてきたためにコロッケに飽きていたが、優子がコロッケを使ったアレンジ料理を食べさせると大喜びし、母親にも教えてあげてほしいと懇願した。実は日々忙しい母親が、自分のことを嫌いなのではないかと思い悩んでいる。
同僚 (どうりょう)
里村優子と同じ会社に勤める同僚の女性二人組。日常的に、ランチタイムは優子と三人で会社近くのカフェに訪れることが多く、終業後には飲み会を開いたり、いっしょに食事に行ったりすることもある。しかし基本的にはオシャレ重視で、あまりがっつりと食べるタイプではない。