危ノーマル系女子

危ノーマル系女子

主人公の少年・秕シンヤと、それぞれに異なるアブノーマルな個性を持った7人の少女たちの交流を、サイコサスペンス調に描く。カトウハルアキが「真田ジューイチ」名義で描いた作品で、WEBコミック配信サイト「COMIC メテオ」に連載された。

正式名称
危ノーマル系女子
ふりがな
あぶのーまるけいじょし
作者
ジャンル
サスペンス
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概要・あらすじ

如月市の八日館高校に通う秕シンヤは、女性を「ロクでもない存在」と考える冷めた少年だった。なぜなら彼の周囲には、さまざまな属性のアブノーマルな女性ばかりが集まっていたから。ストーカー、殺人鬼、妄想電波女、マゾヒスト、吸血鬼、ヤンデレ妹、そして眠り姫。シンヤはそんな「危ノーマル系女子」たちに振り回される日常を過ごしていた。

そんなある日、ヤンデレ妹である御種迷の身に、ある危険が迫っていた。その事実を知ったシンヤは妹を守るため、周囲の「危ノーマル系女子」たちの協力を得て行動を開始する。

登場人物・キャラクター

秕 シンヤ (しいな しんや)

八日館高校に通う男子生徒。普段から冷めた表情を浮かべ、性格も周囲と比べて極端に冷めている。身近な女性たちが全員どこかアブノーマルであるため、女性を「ロクでもない存在」と考えている。しかし一方で彼女たちを突き放すことなくうまく付き合っている他、互いに敵対する万壌夜子と奥居赤鐘のけんかを仲裁するなど、面倒見の良い一面もある。

翼 十華 (つばさ とおか)

八日館高校に通う女子生徒で、秕シンヤの友人。ふんわりとしたロングヘアの後頭部に付けた大きなリボンと、垂れ目が特徴。穏やかな雰囲気で、シンヤの男友達からは「可愛い」と評されている。しかし、その正体はシンヤのストーカーであり、日課は盗撮によって手に入れた「シンヤ君画像」のコレクション整理。シンヤの自宅を盗撮・盗聴するのはもちろん、彼の私物なども勝手に「借りて」きてしまうほどの異常なストーキング行為を日常的に繰り返している。 ちなみに翼十華本人にはストーカーだという自覚はない。ストーカー行為で培った情報収集能力に長けている。

万壌 夜子 (ばんじょう よるこ)

八日館高校に通う女子生徒で、「前世より秕シンヤを守る騎士」であったことを自称する妄想電波女。前髪を真っすぐに切りそろえた黒髪ロングヘアに、鋭い目つきが特徴。その立場から、シンヤの周囲にいる「危ノーマル系女子」たちを敵視している節がある。シンヤを陰ながら守るための高い護衛能力を持つ他、シンヤの居場所を把握する能力にかけては、情報収集に長けた翼十華をも上回る。

奥居 赤鐘 (おくい あかね)

八日館高校に通うツインテールが特徴的な女子生徒で、秕シンヤからは「吸血鬼」と呼ばれている。日の光に弱い体質、死人のように真っ白な肌、夜目が利く赤みがかった瞳、そして「人の生き血を吸う」衝動があることが「吸血鬼」と称される大きな理由である。シンヤの血を気に入っており、たびたび飲ませてもらっている。「人を喰っている者」の匂いを嗅ぎ分けることが可能で、シンヤの妹の御種迷が、殺人鬼の鈴木朝人に狙われていることを見抜く。

御種 迷 (みたね めい)

城下女子高等学校に通う女子生徒で、苗字は違うが秕シンヤの妹。黒髪のショートカットに猫目が特徴的な少女で、兄であるシンヤに兄妹の枠を超えるほどの愛情を抱いている。シンヤが異性の友人を作ることを許さないほどに依存心が強く、シンヤに恋人ができたと勘違いした際には、異常な様子で取り乱した。死に対する倫理観に乏しく、それをきっかけに殺人鬼の鈴木朝人に執着されることとなる。

威刈 さつき (いかり さつき)

八日館高校に通う女子生徒で、秕シンヤとは幼なじみ。前髪をかきあげて頭の上で止めた「ちょんまげ頭」とろれつの回らない口調が特徴。制服、普段着に関わらずジャージを愛用している。シンヤとは幼い頃に遠方への引っ越しで一度別れており、10年の月日を経て再会した。実は殺人鬼であり、連続通り魔殺人事件の犯人。殺人に動機はなく、殺す相手も明確な意図を持って選んでいるわけではない。 ただし、5人目の被害者を殺害した時のみ、相手に対して明確な殺意と目的を持っていた。

色村 雅美 (しきむら まさみ)

八日館高校に通う女子生徒。やや毛先に癖のあるショートカットで、眼鏡をかけている。秕シンヤとは中学から続く友人関係だが、学校ではお互いに他人であるかのように振る舞っている。優等生として知られており、シンヤの男友達からは「怖い」と評されていた。そんなイメージに反して、実際はどれだけぞんざいな扱いを受けようともそれを心から喜べるほどのマゾヒストであり、シンヤに頼んではサディストとして相手をしてもらっている。 詳しい事情を聞かずにシンヤに10万円を工面するなど、経済状況には恵まれている。

内田 夢路 (うちだ ゆめじ)

八日館高校に通う女子生徒。長い黒髪と豊満な胸が特徴。長く起きていることができない体質の持ち主で、1日の大半を寝て過ごしている。学校には通っているものの、秕シンヤによれば「保健室から出たことがない」というほどで、学校では「眠り姫」のあだ名が付いている。起きている時間が短いためできることが少なく、唯一の趣味が新聞を読んで世の中に起こった出来事を知ること。 中でも連続通り魔殺人事件に興味を示しており、シンヤが保健室を訪れた際には「推理ごっこ」をしている。記憶力に優れるうえ、事件の真相と犯人を知るシンヤの失言を見逃さないなど、勘も鋭い。

鈴木 朝人 (すずき ともひと)

城下女子高等学校に勤めている男性教諭。「情熱的になり過ぎず、踏み込み過ぎず、かといって突き放し過ぎず。付かず、離れず、そこはかとなく程ほどに、というスタンスで仕事も趣味も大抵のことは上手くこなせる」という持論を有する。そのお陰か生徒からは好かれており、職場環境も良好。しかし、その正体は女性を殺すことに性的興奮を覚える快楽殺人者。 次の獲物として御種迷を狙っていたことをきっかけに、秕シンヤに目をつけられてしまう。

蓮墨 賽子 (はすみ さいこ)

「はすみメンタルクリニック」に勤める精神科医の女性。秕シンヤとは担当医としての付き合いがあり、「患者の近況を知りたい」という理由からシンヤをたびたび呼びつけては世間話をしている。宝物としていた刀を盗まれており、その行方を捜している。とある理由から刀を「狐」と呼ばれる人物が持っていると聞きつけ、「狐」なる人物についてシンヤに尋ねていた。 約15年前に発生していた東京都辻斬り連続殺人事件の犯人だが、その時の目的はあくまで「世直し」のためであった。当時、大学が忙しくなったことを理由に人斬りを止めたのだが、再び人斬りを行っていることが女狐黒へにより明かされる。

女狐 黒へ (めぎつね くろへ)

「マンションクローエ」の大家。ポニーテールの髪型で眼鏡をかけた女性。秕シンヤが「御種家」より持ち出した刀「霞のうた」を売った相手。死体愛好者であり、いわくつきの遺品に対して異常な執着をみせる。シンヤから買った「霞のうた」が東京都辻斬り連続殺人事件に使用されたものだと予想し、シンヤにその正体を尋ねた。威刈さつきとも遠からぬ縁があるようで、「さつきを守る」という目的を持っている。 「狐」というあだ名を持っており、「この街で良くないモノを手に入れたければ狐を辿れ」と噂されている。

場所

如月市 (きさらぎし)

秕シンヤたちの住む市で、威刈さつきによれば「田舎」。連続通り魔殺人事件の影響で世間から注目を集めており、マスコミが多く訪れている。

イベント・出来事

連続通り魔殺人事件 (れんぞくとおりまさつじんじけん)

物語開始時点の半年前から世間を賑わせている連続殺人事件。コミックス第3巻時点では約1年が経過し、合計で6人もの犠牲者を出している。被害者6人に共通しているのは凶暴すぎる殺害方法のみで、それ以外には年齢・性別・職業なども一致していない。事件に関しては証拠が極めて少なく、動機も見つけられていないとマスコミが報道している。犯人の正体は威刈さつきで、真相を知るのは秕シンヤの他、彼と接点のある人物数人だけである。

東京都辻斬り連続殺人事件 (とうきょうとつじぎりれんぞくさつじんじけん)

約15年前に発生した連続殺人事件。その被害者は「強欲政治家」「薬を売りさばいていた似非芸能人」「危険思想を持つ宗教団体の幹部」といずれも悪人で、それを理由に世間からは「天誅」であるといわれていた。その後、事件は解決することなく犯人は姿を消した。実は蓮墨賽子がこの事件の犯人である。

その他キーワード

霞のうた (かすみのうた)

秕シンヤが女狐黒へに売った刀。もともとは「御種家」より持ち出されたもの。シンヤによれば、シンヤと御種迷の母親の命を奪った刀であるという。

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