概要・あらすじ
小学校教師を務める主人公エイドリアン・クレイは幼い頃のトラウマが原因で夜な夜な男娼の少年たちを殺害する殺人犯だった。ある日、犯行の一部始終を男娼の少年ローレンス・ヒルに目撃されてしまいエイドリアン・クレイとローレンス・ヒルは親密な関係を築いていくことになる。
登場人物・キャラクター
エイドリアン・クレイ
27歳の白人男性。ペットにイグアナのウォルフィを飼っている。昼間は小学校教師を務めているが、その真の姿は夜な夜な男娼を買っては殺す連続殺人犯ブラインドマンだった。幼い頃、母親に移動遊園地に捨てられたことがあり自力で帰宅したもののその際、自宅で死にかけていた母親にとどめを刺した。そのことがトラウマとなり殺害した遺体に目隠しをしていた。 ある日ローレンス・ヒルに犯行を目撃され証拠を捕まれたことを盾に関係を持ってしまうが、次第に母親のトラウマを癒され恋人関係になる。その後ダラス・ヒルに命じられて自分の元へ来たローレンス・ヒルにトラウマを刺激されローレンス・ヒルを殺してしまう。それ以来気が触れてしまうが逮捕から2年後、ローレンス・ヒルの幻影を見て刑務所の屋上から飛び降りて自殺した。
ローレンス・ヒル
14歳の白人の少年。兄のダラス・ヒルを追ってロサンゼルスにやってくるも堕落した兄のダラス・ヒルが牛耳る麻薬組織に所属し男娼をしている。トカゲの刺青を入れさせられている。エイドリアン・クレイの犯行を一部始終目撃し、証拠を手にする。その証拠を餌に以前から兄の面影を感じていたエイドリアン・クレイに近づく。 エイドリアン・クレイと関係を持つにつれ過去の兄ダラス・ヒルの幻影を追っていることに気づかされ恋人関係になる。兄のダラス・ヒルにその関係を暴かれ、エイドリアン・クレイの犯行の証拠を奪われそうになるが身を挺して証拠を守り麻薬漬けにされてしまう。その後、兄ダラス・ヒルにエイドリアン・クレイを殺すように命じられるものの嘘をつき逆に自らエイドリアン・クレイに殺されるよう仕向け、最終的に殺されてしまう。
ヴィクトリア
エイドリアン・クレイの教え子であり、養護施設から今の両親に引き取られてきた孤児。小学生くらいの女の子。捨て子であることをからかわれても手がでるほど乱暴。ショートカットで男勝り、万引きを働くなどという一面もあるが、徐々に里親に心を開いており優しい一面もある。教師であるエイドリアン・クレイとローリング・ヒルの同性同士の恋人関係にも気づく勘の良さがあり、理解もある。 エイドリアン・クレイの死後、ペットのウォルフィを引き取っている。
ウォルフィ
エイドリアン・クレイが飼っているペットのオオトカゲ。エイドリアン・クレイが男娼の少年を殺害する際にウォルフィの迷子札つきの首輪を落としてしまい、それをローレンス・ヒルに犯罪の証拠として拾われてしまう。エイドリアン・クレイ亡き後はヴィクトリアに飼われている。
ダラス・ヒル
ローレンス・ヒルの兄。ローレンス・ヒルとは年が離れている。5年前は優しく、勉強もでき、フットボールで両親に期待されていた好青年だった。しかし、身体を壊してしまった途端、両親からのプレッシャーに耐えられず家を出た。今では男娼や麻薬を斡旋する組織のボスになっている。自分を追ってロサンゼルスにやってきた弟のローレンス・ヒルにも負い目を感じている。 実の弟のローレンス・ヒルですら男娼として働かせ、自分に歯向かえば薬漬けにしてしまうほど非道であり支配的な人間。胸にトカゲの刺青をしている。
ロクサーヌ
エイドリアン・クレイの母親。16歳の時、移動遊園地のピエロをやっていた男に襲われてエイドリアン・クレイを身篭り、出産。そのためエイドリアン・クレイに対して暴力をはたらくということは無かったが、無関心でその存在を否定していた。周囲にはエイドリアン・クレイのことを身寄りのない甥だと説明していた。 情緒不安定で自宅で売春をしていた。ある日、珍しく幼いエイドリアン・クレイを移動遊園地に連れて行ったがそのまま置き去りにした。置き去りにしたエイドリアン・クレイが2日かけてなんとか自宅にたどり着くとロクサーヌはその時連れ込んでいた男と争っており、その男に刺されているところだった。瀕死のロクサーヌはエイドリアン・クレイに助けを求めるも、逆にとどめを刺されてしまう。 死ぬ間際に見開かれた目が恐ろしかったためエイドリアン・クレイによって遺体を目隠しされ、そのまま5日間発見されなかった。
場所
ロサンゼルス
『少年残像』に登場する都市名。実際のアメリカ合衆国カリフォルニア州にある都市がモデル。エイドリアン・クレイやローレンス・ヒル、ダラス・ヒルがすむ都市。エイドリアン・クレイによる男娼少年の連続殺人事件が起こっていた。