概要・あらすじ
神話時代の日本。国を創ったイザナギの息子、スサノオは、度々人間界で暴れていた。そんなスサノオを懲らしめ、いつも人間を助けていたのは、最高神であるアマテラスだった。そのため、人々はスサノオを恐れ、アマテラスに感謝していた。しかし、スサノオが女や子供をさらうのは、女子供の大切さを認識してもらうため。物を破壊するのは、修復作業により、技術の向上と文明の発展をうながすためだった。スサノオとアマテラスは、父のイザナギが作る「日本創世台本」のとおりに、悪役とヒーローを演じ、人間たちを導いていたのだ。ある日の天界。スサノオは自分の部屋で、一つ目の変な生き物、ヒルコを見つける。部屋から逃げ、イザナギの部屋に入っていくヒルコを見たスサノオは、慌ててあとを追いかけた。天界では、目下の神が目上の神の占有領域(なわばり)に入ってはいけないという、暗黙のルールがある。ましてや神ではないものが侵入すれば、まちがいなく命はないだろう。ヒルコを助けてやろうと、イザナギの部屋に入ったスサノオは、そこで異形の大木を目にする。それは、母のイザナミが変化したものだった。神は死ぬと木になるのだ。幼い頃に見た、小さかった母の木が、巨木に成長していることに疑問を感じたスサノオは、木の根元を掘り始める。するとそこには、大量の人間の死体が埋められていた。状況から考えて、父であるイザナギの仕業に違いなかったが、下界管理をしているアマテラスも、気づいていないはずはない。疑問を抱いたスサノオは、アマテラスのもとへと急ぐのであった。
登場人物・キャラクター
スサノオ
世界を創生した神イザナギの息子で、最高神アマテラスの弟。赤い髪のおさげと大きなリボン状の髪留めが特徴。女子供をさらい、物を破壊する悪神だが、実は人間の成長をうながすために、イザナギの「日本創世台本」に従って悪役を演じているだけである。「核(コア)」が破壊されない限り、首を切られても死ぬことはなく、新しい胴体を購入して同期すれば元どおりになる。
アマテラス
世界を創生した神イザナギの息子で、スサノオの兄。父の指名を受けて最高神を務めるが、世界創生を成す自信を持てず、何事にも興味を失っている。父のイザナギが作る「日本創世台本」に従い、悪役を務める弟のスサノオを懲らしめるヒーロー役を演じる。
ツクヨミ
世界を創生した神イザナギの娘。スサノオの姉であり、アマテラスの妹にあたる。スサノオの数倍もの巨体が特徴。アマテラスと二交代制で下界を管理しており、ツクヨミは夜の担当。アマテラスのことが大好きで、部屋はアマテラスグッズであふれている。
書誌情報
古事記(中辛) 3巻 小学館〈ビッグ コミックス〉
第1巻
(2021-03-12発行、 978-4098608614)
第2巻
(2022-01-12発行、 978-4098612185)
第3巻
(2022-11-10発行、 978-4098614622)