同じ月を見ている

ドンこと水代元ら3人の幼なじみ。高校時代の放火事件を機に、彼らの人生が狂ってしまうが、ドンが人々との出会いを通じて癒していくさまを描いた青春漫画。

正式名称
同じ月を見ている
作者
ジャンル
青春
レーベル
ヤングサンデーコミックス(小学館)
巻数
全7巻
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概要・あらすじ

アル中で生活保護の父親と暮らす水代元(通称ドン)、大使の娘で病弱なエミ・コールドマン、転校生の熊川鉄矢。3人は幼い頃から友情を育み、エミは不思議な絵の才能があるドンに惹かれていた。やがて高校時代に鉄矢が山火事を起こしてエミの父親が死亡。ドンは放火の濡れ衣を着せられるが、何も弁明せず少年院に入った。

鉄矢は医大に進んでエミと将来を約束し合うが、罪をかぶったドンの復讐に怯えて精神が錯乱していく。いっぽうドンは少年院を出た後、ヤクザの金子優作に拾われる。朴訥だが欲心や迷いがないドンの不思議な人柄に、感化されていく優作。だがカタギになった直後、尾魏組の殺し屋・大西に狙われて死んでしまう。

さらに大西ドンのことをも付け狙うように。ドンと金子の経緯を知った鉄矢は、真実を告白してやり直すためその後を追う。ドンは鉄矢の言葉を笑顔で受け止めた後、自分の命を犠牲にして死に瀕した大西を救った。

登場人物・キャラクター

水代 元

軽井沢出身。母親が他界したのち、暴力を振るうアル中の父親と廃屋のような家で暮らしていた。子供時代の仇名はドンちゃん。相手が思っていることを絵にする不思議な力がある。口べたで言葉数が少なく、周囲を顧みず馬鹿正直に行動する。誰もがその真意を掴みかねるが、本人はただ無心に他人を救おうとしているだけ。 高校時代、熊川鉄矢が起こした山火事の放火犯として少年院へ。だが小2の時にエミ・コールドマンと誕生日に毎年肖像画を贈る約束をしており、その約束を果たすため脱走した。その後すすんで少年院に戻った後、20歳で出所。東京でヤクザの金子優作らと過ごし、身代わりに撃たれて片肺摘出するほどの重傷を負う。 金子がカタギになると姿を消し、福島県へ。死後の臓器移植に応じるドナーカードを持ち歩くようになる。山中で尾魏組の殺し屋で金子の死にも関与した大西が鉄砲水に流されたのを見て、後を追って飛び込んだ。

熊川 鉄矢

ドン、エミ・コールドマンの幼なじみ。小学校低学年の頃に東京から軽井沢に引っ越してきて、ドン、エミと出会った。父親は薬局を営む。幼い頃からエミに恋心を抱く。だがエミがドンに惹かれているのを知り、密かに苛立っていた。高校時代にエミの父親が死ぬきっかけとなった山火事を起こすが、ドンが身代わりに少年院へ入れられてしまう。 真相を言えないまま故郷を離れ、エミの持病を治すため志望した東京の医大へ進んだ。やがてエミと婚約するが、ドンの陰に怯えて正気を失っていく。だがドンとの出会いを経てカタギになった金子優作の存在を知り、自分も過去に戻ってやり直すことを決意。 ドンの死後アメリカの医大に留学し、貧困国の医師を志す。

エミ・コールドマン

某国の駐日大使・スティーブ・コールドマンの娘で、母親は日本人。幼い頃から心臓に病があり、軽井沢の別荘で育つ。父親が地元の子供の友だちを作ろうと考え、近所で遊んでいたドンと熊川鉄矢を引き合わせた。ドンとの関わりの中で、彼に思いを寄せるように。高校卒業後に心臓の手術を受けて快復、東京の大学に通う。 自分を愛する鉄矢のプロポーズを受け入れるが、心のなかではドンを思い続けていた。ドンの死後、過去と向かい合って立ち直った鉄矢の愛を改めて受け入れる。

先生 (センセイ)

殺し屋・大西と姓が同じだが関係はない。ドン、熊川鉄矢らが通った高校の教師。ドンが少年院に入ってすぐ定年退職した。ドンのことを気にかけており、少年院を出た後に保護者を名乗り出る。自宅に引き取ろうととも考えたが、同居の息子夫婦に反対された。ドンに命を救われた後に死刑囚となった殺し屋・大西の面会に通うように。

金子 優作

暴力団・一ツ橋組に属する30歳前後のヤクザ。児童養護施設から少年院を経て、松田正次の舎弟としてヤクザに。正次が死んだ後、新宿のぼったくりバーと賭場の取り立てで糊口をしのいでいた。少年院を出たものの身寄りのないドンを、しばらく自宅に置いてやる。 オジキである坂崎に組長暗殺を命じられるが、土壇場で坂崎を裏切り組長を助けた。その際にドンが優作の身代わりに撃たれ、瀕死の重傷を負う。ドンと過ごすうちにカタギを志すようになり、組を離れて植木屋を始めた。だが組長暗殺を妨害したことで尾魏組の恨みを買い、路上で刺されて死ぬ。

松田 正次

一ツ橋組のヤクザ。5年前、命を取りに行った相手に撃たれて死んだ。松田雪恵の兄、金子優作と杯を交わした兄貴分。死の直前、妹のために足を洗って正業に就こうとしていた。

松田 雪恵

松田正次の妹で15歳。金子優作は正次が死んだことを松田雪恵に知らせず、毎月生活費と代筆した手紙を渡していた。だが雪恵は兄がいないことを知っており、優作のことを慕っている。

坂崎

一ツ橋組のヤクザで金子優作のオジキにあたる。金子優作に組長の暗殺を指示した。だが優作が土壇場で坂崎を殺そうとし、計画は失敗。そのため尾魏組に拉致され、殺し屋・大西の指示で優作を刺殺する。だがその直後、自分も大西に殺された。

一ツ橋剛郎

一ツ橋組の若頭で、組長の息子。古くさい任侠道に固執する父親を排除するため、関西の尾魏組と共謀する。坂崎らを使って組長の暗殺を企てた。だが金子優作の造反で失敗、その場で父親の組長に射殺される。

組長

一ツ橋組の組長で、昔気質の任侠ヤクザ。水墨画に魅せられている。息子の一ツ橋剛郎、坂崎らに命を狙われるが、金子優作の造反で九死に一生を得た。偶然目にしたドンの絵に感銘を受け、その希有な人間性を見抜く。

大西

尾魏組の殺し屋。一ツ橋組組長の暗殺を妨害した金子優作とドンの殺害を指示され、関西から東京へ向かう。尾魏組に拉致されていた坂崎を使って、優作を刺殺させた。坂崎を殺した後、ドンも始末すべく福島県へ。そこでドンを探している熊川鉄矢を見つけ、その後をつけて山中に入る。 山中でドンとともに鉄砲水に流されたが、ドンから死後の臓器提供を受けて一命を取り留めた。その後逮捕され、死刑判決を受けて服役。刑務所で金属加工を学んで作ったレリーフを、元教師の大西昌吉を介して鉄矢に送り届ける。その絵柄は大西が知るはずのないドンの絵と同じだった。

杉 龍太郎

エミ・コールドマンと同じ大学でジェンダーについて学ぶ42歳の新聞奨学生。かつて暴走族だったが、変転を経て新宿2丁目のオカマになる。金子優作とは古い友だち同士。熊川鉄矢にドンが優作の部屋にいることを教えた。

知花 スマ

沖縄県出身でダンサー志望の18歳。女性だが。短髪で男性に見える。アメリカ行きを目指して道路工事のバイトをしていた。少年院を脱走していたドンが自分に自由の女神の絵を描いて見せたことから興味を持ち、アパートに招いて服と食事を与える。

東谷先生

高齢の女流日本画家。福島県のたんやお温泉で偶然ドンと出会い、絵の才能に興味を持つ。逗留中の旅館に招いて日本画を描かせた。

書誌情報

同じ月を見ている 全7巻 小学館〈ヤングサンデーコミックス〉 完結

第1巻

(1998年11月発行、 978-4091523112)

第2巻

(1999年2月発行、 978-4091523129)

第3巻

(1999年4月発行、 978-4091523136)

第4巻

(1999年7月発行、 978-4091523143)

第5巻

(1999年11月発行、 978-4091523150)

第6巻

(2000年2月発行、 978-4091523167)

第7巻

(2000年4月発行、 978-4091523174)

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