君と僕のホールシェア

君と僕のホールシェア

日々のストレスに押しつぶされそうになっていたまじめで気弱な会社員の林円と、アパートの隣人で壁に穴を開けてしまうほどの激情女子である木村環という、一見すると水と油な二人のキラキラした触れ合いを描いた恋愛ストーリー。「サイコミ」で2018年4月から12月にかけて配信された作品。

正式名称
君と僕のホールシェア
ふりがな
きみとぼくのほーるしぇあ
作者
ジャンル
恋愛
レーベル
サイコミ(Cygames)
巻数
既刊2巻
関連商品
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あらすじ

気弱で生まじめな性格の会社員である林円は、日々の忙しさの中でストレスを溜め続け、すっかり疲弊していた。そんなある日、自宅のアパートで一人会社の愚痴をこぼしていた円は、隣人の女性が壁を殴って大穴を開けてしまう衝撃の場面を目撃する。啞然とする円をよそに、穴の向こうからあっけらかんとした態度で自らの行為を謝罪した隣人の木村環は、強引に円の部屋にやって来て、円に手作りのカレーを振る舞うのだった。最初は困惑気味の円だったが、環が悪い人ではないことを理解して徐々に彼女と打ち解けていく。会話中、円の趣味である羊毛フェルトをバカにすることなく素直に認めてくれた環に対して好感を抱いた円は、女らしくする方法がわからないという環の髪をきれいにまとめ、環から手先の器用さを褒められる。その日以来、部屋に出入りするようになった環と会話するようになった円は、徐々に気の置けない友人として環との距離を縮めていく。そんなある日、円がブライダルヘアメイクアーティストになる夢を抱いていたことを知った環は、女心を知る円の繊細さを見込み、男っぽい自分を女らしくしてもらおうとする。その願いを聞き入れた円は、ファッションをはじめとしたコーディネートで環を女らしく変えていく。その過程で夢への思いが再燃した円は、会社を辞めてブライダルヘアメイクアーティストとしての道を歩むことを考えるが、円の母親が言い放った「もういい大人なんだから」という言葉にショックを受け、すっかり意気消沈してしまう。円が自虐的な思考に陥って悩み続け、周囲に八つ当たりをする姿を見かねた環は、それ以降円の部屋に遊びに行くのをやめてしまうのだった。その後、環の友人で美容師の丸山要から叱責とともに励まされ、反省した円は環に対して謝罪。再び気の置けない友人として付き合うようになる。しかし、いつしか環に思いを寄せている自分に気づいた円は、意を決して環に告白する。しかし、円の態度と言葉が曖昧だったせいで環は大いに困惑し、返事をするかどうかを決めかねる。その後、要に背中を押された環は、自分の正直な気持ちを円に伝えるのだった。

登場人物・キャラクター

林 円 (はやし まどか)

大手企業に勤めている会社員で、眼鏡を掛けた好青年。優しく生まじめながら、人一倍気弱な性格をしている。趣味は羊毛フェルト。手先が器用で、小さい頃はブライダルヘアメイクアーティストになることを夢見ていた。他人の依頼を断るのが苦手で、上司から仕事を押し付けられたりと、何かと損をすることが多い。そのため、日々の生活に強いストレスを感じている。また、主体性がないことを自覚しており、時折激しい自己嫌悪に陥ってしまう。アパートで一人仕事の愚痴をこぼしていた際に、隣人の木村環に部屋の壁をブチ破られ、それが縁となって彼女と知り合いになる。そして林円の女性的な趣味に偏見を持たず、サバサバした性格の環に好感を抱き、彼女の「女性っぽくなる」という願いを手伝う過程で、徐々に環に惹かれていく。環にヘアメイクのセンスを褒められたことで夢への熱意が再燃し、ブライダルヘアメイクアーティストへの道へ進むことを決意する。

木村 環 (きむら たまき)

金髪の大学生で、スタイル抜群のスレンダーな女性。男勝りな性格で、態度や口調もぶっきらぼう。その反面、他人に気遣いができる繊細さも持ち併せている。男兄弟の中で育ったため、自分が男っぽいことには特に疑問を抱かず、日々を楽しく過ごしていた。ある日、兄と電話口で喧嘩になり、そのイライラを自室の壁にぶつけて壁に大穴を開けてしまう。それが縁となってとなりの部屋に住んでいた林円と知り合いになる。円の部屋に出入りして遊ぶようになり、彼がもともとはブライダルヘアメイクアーティスト志望だったことを知り、自分を女性っぽく変えるための手伝いを依頼する。それ以来、木村環自身の女性っぽい変身ぶりを楽しむようになり、その過程で徐々に円に惹かれていく。将来の夢は別段持っていなかったが、夢に向かってがんばる円に触発され、教職を目指すようになる。自分が男っぽいことで、高校時代に好きな男子にふられたことがあり、今も心に引っかかっている。

丸山 要 (まるやま かなめ)

美容院を経営する美容師の男性。妻子持ちだが、オネエのような口調でしゃべるのが特徴。木村環の友人で、彼女のよき理解者でもある。環からは「マル」というあだ名で呼ばれている。街中で偶然に環と会い、いっしょにいた林円と意気投合する。人を見る目に優れており、円が自覚していない環への思いにも、すぐに気づいていた。のちに環と気まずくなった円に厳しくも優しいアドバイスを送り、二人の仲を取り持った。

円の母親 (まどかのははおや)

林円の母親で、実家で暮らしている。実家を離れて大企業に勤める円のことを応援している。その一方で、昔から円の行動を束縛するところがあり、円が主体性に欠ける性格になった要因にもなっている。円が会社を辞め、ブライダルヘアメイクアーティストを目指すことを知り、現実を見るように諭した。

丸山 聡 (まるやま さとし)

丸山要の息子で、小学生の男子。元気一杯で明るい性格をしている。偶然、要といっしょに街に出掛けた際に林円と知り合い、それからは優しい円に懐くようになる。仕事で忙しく、あまり遊んでくれない要に少し不満を抱きつつも、そのぶん円と遊ぼうとしている。

書誌情報

君と僕のホールシェア 2巻 Cygames〈サイコミ〉

第1巻

(2019-02-01発行、978-4065150993)

第2巻

(2019-02-01発行、978-4065150986)

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