作品の概要
基本情報
『史上最強の弟子ケンイチ』『トキワ来たれり!!』などで知られる松江名俊の連載作品。
要旨と舞台設定
現代日本を舞台に、スパイ養成学校「国立中野高等学校」に入学した少年、明石エイトの成長を描く物語である。高校受験に失敗したエイト宛に、受験した覚えのない高校から合格通知が届くことから物語が始まる。入学後、その学校が諜報員(エージェント)養成学校であること、また自分の父親も諜報員であったことを知ったエイトは、父の死の真相を知るため諜報員になることを決意する。
ストーリー展開
エイトが同級生たちとともに諜報員としての訓練を受け、様々なミッションに挑戦する中で成長していく過程を描く。世界的テロ組織「ドグラ・マグラ」との対立に巻き込まれる中、父の死に関わる真相、仲間たちとの絆、そして正義と冷酷さの間で揺れ動く諜報員としての生き方が描かれる。特に「中間考査」と呼ばれる過酷な試験での強敵との戦いや、「諜報員としての冷酷さ」と「父が選んだ正義の道」の間で決断を迫られる場面は物語の転換点となる。
ジャンル的特徴と位置づけ
本作は、諜報活動、潜入任務、組織間の抗争を描いたスパイアクション。学園生活とスパイ活動を融合させた設定が特徴となっている。
世界観の構築と設定
作中には、表向きは普通の高校だが、実際は諜報員養成機関である国立中野高等学校や、中野高等学校の宿敵で国際的テロ組織、ドグラ・マグラが存在する。また、遺伝子調整された人間の存在や、「刀気」と呼ばれる精神力を物理的な力に変換する特殊能力など、独自の設定も物語に組み込まれている。
連載状況
小学館「週刊少年サンデー」2018年13号から2024年22・23合併号まで連載。
あらすじ
受験した高校がすべて不合格になり、落ち込んでいる少年、明石エイトのもとに、受けた覚えのない高校から特待生扱いの合格通知が届く。他に選択肢のなかったエイトは、高校生活でのまだ見ぬ友人達との出会いや、恋愛への期待に胸を膨らませながら、その高校の入学式へと向かう。しかし、彼が入学した高校は、世界でも有数の諜報員(エージェント)養成学校である中野高校だった。
さらに、エイトは校長のアララギから、すでに他界した自分の父親が、かつて超一流の諜報員だった事や、受けてもいない中野高校に合格したのは、学校側の裏工作によるものだということを教えられる。一時は進学を断ろうとしたエイトだったが、尊敬する父親が見た世界を知りたいという思いから、結局中野高校に通うことに。
諜報員としては何の訓練も受けず、ふつうに育ったエイトは、次々と仕組まれる厳しいテストや、強者揃いの同級生達のなかで、父親譲りの勇気だけを武器に奮闘していくのだった。
登場人物・キャラクター
明石 エイト (あかし えいと)
中野高校に入学した高校1年生の男子。左目の下にナイフによる傷がある。正義感が強く、友人思いの性格。すでに他界した父親は、かつて何度も第三次世界大戦の勃発を食い止めたとも言われる凄腕の諜報員。そのため、学校側の裏工作により、特待生扱いで中野高校に進学する事になる。しかし、入学するまでは、父親の諜報員としての活動についてはなにも知らされていなかった。 そのため、諜報員としてはとくになんの訓練も受けておらず、能力的には至ってふつうの少年。しかし、機転が利く一面があり、周囲が思いもよらぬ方法でピンチを切り抜ける事も多い。
城戸 あやめ (きど あやめ)
中野高校1年生の女子。幼い頃から、ある組織のもとで諜報員としての訓練を受けて育ち、すでにエージェントの資格を持つ。中野高校には、すべての受験科目をトップクラスの成績で合格。刀を始めとする武器の扱いに長ける。クールな性格で、自分の身を顧みずに他人のことを助けようとする明石エイトの事を「エージェントとしてはお人好しすぎる性格」だと思っている。 しかし、そんな彼の姿勢に影響され始めているのか、エイトがピンチになったときはたびたび手助けしてしまい、自分でもその事を不思議に思っている。常にシマフクロウのような、かわった鳥「コタン」を連れている。
上月 大河 (かみづき たいが)
中野高校1年生の男子。明石エイトとは、寮では同室。剣術に長け、常に日本刀を背中に隠して持ち歩いている。戦国時代からの700年間、諜報員として活動してきた忍の一族「上月流」の末裔。上月流では、特に優秀な子供を中野高校に進学させるという伝統があり、自分が落第すれば一族の威信も失墜すると考えている。そのため、中野高校に進学した事は自分の宿命のように感じており、コネで合格したエイトの事を敵視している。
野原 英雄 (のはら ひでお)
中野高校1年生の男子。寮では明石エイトと同室。メカニックや鍵の解錠が得意で、メガネをかけている。かつてはいじめられっ子で、引きこもり気味の少年だったが、インターネットで謎の難問クイズサイトを見つけ、問題に解答しているうちに中野高校の受験資格を得た。体力的にはほかの生徒たちに劣っており、テストなどで手こずる場面も多い。 入学式の日に、校舎入り口の地雷原が突破できず、リタイアしそうになっていたところを明石エイトに助けられて以来、エイトと友人になる。
アララギ
中野高校の校長を務める男性。超一流の諜報員。明石エイトの父親とはかつての同僚であり、死後息子のことを頼まれていた。そのため、エイトが受験した高校に手を回し、すべて不合格にするという裏工作を行い、エイトを中野高校に入学させる。
書誌情報
君は008 33巻 小学館〈少年サンデーコミックス〉
第1巻
(2018-05-18発行、978-4091282903)
第2巻
(2018-08-17発行、978-4091283870)
第3巻
(2018-11-16発行、978-4091285805)
第4巻
(2019-02-18発行、978-4091287892)
第5巻
(2019-05-17発行、978-4091291493)
第6巻
(2019-08-16発行、978-4091293169)
第7巻
(2019-11-18発行、978-4091294371)
第8巻
(2020-02-18発行、978-4091295514)
第9巻
(2020-05-18発行、978-4098500697)
第10巻
(2020-08-18発行、978-4098501700)
第11巻
(2020-11-18発行、978-4098502783)
第12巻
(2021-02-18発行、978-4098503902)
第13巻
(2021-05-18発行、978-4098505234)
第14巻
(2021-06-17発行、978-4098506071)
第15巻
(2021-09-17発行、978-4098506507)
第16巻
(2021-10-18発行、978-4098507368)
第17巻
(2022-01-18発行、978-4098508655)
第18巻
(2022-02-18発行、978-4098510405)
第19巻
(2022-05-18発行、978-4098511280)
第20巻
(2022-06-17発行、978-4098511457)
第21巻
(2022-09-15発行、978-4098512584)
第22巻
(2022-10-18発行、978-4098513864)
第23巻
(2023-01-18発行、978-4098514755)
第24巻
(2023-02-16発行、978-4098516063)
第25巻
(2023-05-18発行、978-4098520558)
第26巻
(2023-06-16発行、978-4098521210)
第27巻
(2023-09-15発行、978-4098527823)
第28巻
(2023-10-18発行、978-4098528523)
第29巻
(2024-01-18発行、978-4098530755)
第30巻
(2024-03-18発行、978-4098531752)
第31巻
(2024-05-17発行、978-4098532926)
第32巻
(2024-06-18発行、978-4098533756)
第33巻
(2024-07-18発行、978-4098534333)







