概要・あらすじ
主人公竜は、天性の強運を持ち、鳴き麻雀を得意とすることから通称を哭きの竜と呼ばれている。竜と共に麻雀を打っている間は、竜の強運を得ることができるという。このため、竜は桜道会若頭であり、甲斐組組長甲斐正三に見いだされた後、様々な極道からその腕を求められる。
竜の麻雀と、周囲に現れるヤクザたちが繰り広げる抗争を描いた極道もの麻雀マンガ。
登場人物・キャラクター
竜 (りゅう)
鳴き麻雀を得意とすることから、哭きの竜と呼ばれている。本名、年齢ともに不明。強運の持ち主で、その運は共に麻雀を打っている面子や、雇い主にも及ぶと思われている。鳴きを入れる度、閃光を放ち、牌に命を刻むという。表情は冷たく、口数も少ないため、対戦相手から「しんきくさい」と言われる事が多い。 相手が誰であろうとも、態度を変える事はない。
甲斐 正三 (かい しょうぞう)
桜道会若頭、桜道会系甲斐組組長。桜田道造、室田栄と共に竜と麻雀を打ったさい、強くその運にひかれ、手に入れたいと強く願うようになる。美好一家との抗争中に撃たれ、車いす生活となるも、復活。竜と美好との対戦中に乱入し、復讐を果たす。 桜田道造を強く慕っており、桜田を日本一の親分にするために活動している。
石川 喬 (いしかわ たかし)
甲斐正三死亡後、二代目甲斐組を襲名する。元々、桜田道造から直接杯を受けていなかったが、二代目襲名後、桜田の妻、和子の許しがあり、杯を受けて直系の子分となる。甲斐から高い評価を受けており、石川に欠けているのは運だけであり、将来は桜道会を背負っていける男になり得ると言われていた。 時に暴挙と見られる行動も起こすが、実際はすべて計算しつくされており、冷酷な決断力で実行される。己に欠けていると言われた運を手に入れるべく、竜を求める。桜田道造の死後、桜道会若頭に抜擢。背中一面に夜叉の入れ墨がある。
桜田 道造 (さくらだ みちぞう)
桜道会の会長を務める親分。室田栄から竜の話を聞いたことから興味を持ち、共に麻雀を打つために、室田たちに連れてこさせる。以降、甲斐正三に竜のことを任せている。甲斐、丸子、竜と共に麻雀を打っている際、美好一家の残党に撃たれた傷が元で、死亡。 糖尿病を患っていた。
川地 幸一 (かわち こういち)
桜道会系川地組組長。眼鏡と口ひげがトレードマーク。桜道会きっての穏健派と言われていたが、桜田道造死亡後、石川喬の暗殺を企てる。これは、失敗に終わり、一旦、姿をくらましたものの、桜道会を脱会し、幸友会を結成。桜道会、特に甲斐組と抗争状態に入る。 妻は糖尿病を患っている。車は運転手つきの白のセンチュリー。
室田 栄 (むろた さかえ)
桜道会系川地組若頭。川地幸一の腹心。甲斐正三、桜田道造と共に竜と卓を囲んだひとり。竜と再度卓を囲む事を望み、果たされるが、この勝負でも再び敗北。石川喬の命によって暗殺される。
外田 裕二 (そとだ ゆうじ)
石川喬が組長を務める二代目甲斐組の若頭。川地幸一暗殺計画実行中、石川喬北村と共に竜と麻雀を打った他、新宿や他の機会でも卓を共にするなど、最も多く勝負している。策士とよばれ、石川喬が死亡した際、三上信也を影武者とした。
北村 (きたむら)
石川喬が組長を務める二代目甲斐組のヒットマン。川地幸一の暗殺計画実行中、石川喬、外田裕二と共に竜と麻雀を打つ。川地幸一の暗殺が成功した後、自らの配下に納まることをよしとせず、勝ち続ける竜を殺そうとした石川を、自らの命を持って止める。
海東 武 (かいとう たけし)
関西共和会を率い、日本の首領とも呼ばれる男。眼鏡をかけた初老の男性。京都に居を構える。極道社会において名を知らぬ者はないと言われるほどの名声と力を誇る。石川喬が桜道会二代目会長となるさい、後見人となるよう願われるが、やんわりとこれを断り、関東への進出を図る。 このとき、竜と卓を囲んでいる。
本宮 春樹 (もとみや はるき)
桜道会において最も過激武闘集団と言われている。本宮組組長。ふたつ名は「東海の暴れん坊」。33歳。横浜生まれだが、生まれついた時から両親はおらず、14歳の夏、背中に入れ墨を入れ、25歳で一家を構える。石川喬とは甲斐正三の門下生として同じ釜のメシを食った仲だが、どうしてもトップを取りたいという自身の願いと、海東武の甘言がマッチし、石川と敵対関係となる。 フリーの雀荘で竜と卓を囲んだことがある。かもめが好き。双子の弟に本宮秋生がいる。
本宮 秋生 (もとみや あきお)
本宮春樹の双子の弟。春樹とは生まれついたときから離ればなれに育てられていたが、春樹を慕って、15歳の時に横浜へとやってくる。その7年後、甲斐正三に誘われ、東京へ進出。新宿で一家を構える。兄を見殺しにした恨みから、配下の人間に石川喬を暗殺させる。これにより、桜道会から全国有力組織に本宮秋生破門状が配られることとなる。 竜とは、桜道会元会長桜田道造の妻、和子と共に新宿で一度、美濃部茂男の関東に出てくる際、共に卓を囲んでいる。
美濃部 茂男 (みのべ しげお)
関西共和会の幹事長を勤める男。海東武の腹心で、海東の日本制覇を助けるべく、命を受け、関東へ上陸する。このさい、石川喬の生死を確認するため、見舞いに現れる。
三上 信也 (みかみ しんや)
元々は本宮秋生の舎弟として、弟のように育てられていたが、石川喬の死亡を隠そうとした外田裕二の計画により、石川の影武者となる。ここで大きな力を得た三上は、後に桜道会二代目会長となる。
雨宮 賢 (あめみや けん)
雨宮秋生に雇われ、代打ちをしていた裏雀士。代打ちのたびに顔を変えて場に出ていたため、本宮秋生と三上信也以外、彼の正体を知る者はない。秋生が残した遺書の竜を倒せという遺言に従って、竜と麻雀で勝負をする。鳴きは邪道、麻雀は面前で打つものという持論に従い、決して鳴くことはない。 蛍返しという技を持つ。
テツ
竜の弟分のような青年。竜のことをアニキと呼ぶ。なじみの雀荘で相手が悪く負けが込んだ場合、竜に助けてもらうことがある。竜に憧れている。若者らしく、明るく無邪気な性格。