概要・あらすじ
隣同士でケンカばかりの西山家と内藤家。その両家の末っ子西山四郎と内藤都は同じ大学に入学し、やがてお互いを意識するようになる(Part1)。痴漢恐怖症の竹内のりえは母の再婚のため新小岩に引っ越すことに。顔合わせに遅れて現れた母の再婚相手の次男は、よりによって生まれてはじめてあった痴漢だった(Part2)。
銭湯竹の湯の婿養子・竹中晋助の葬式に、かくし子・花村まさきが汚い身なりで現れた。女アレルギーの次男竹中杉作は花村まさきを男と思い風呂に連れて行くが、実は女の子だった(Part3)。
登場人物・キャラクター
内藤 都 (ないとう みやこ)
新小岩に住む内藤家四人姉妹の末っ子。内藤家と家同士のケンカが絶えない隣家西山家の四男西山四郎と同じW大学で、四郎が所属する山岳部と部室・活動を共にするワンゲル部に所属。四郎とは三歳くらいからずっとケンカを繰り返し、部活動でも張り合い続けている。
竹内 のりえ (たけうち のりえ)
10年前に父親を亡くして母竹内美智子と姉竹内はるみとの女3人暮らしの上、小学校から女子ばっかりの学校で男に免疫がなく、痴漢にあったことがあり痴漢恐怖症。母が新小岩で寿司屋を営む富岡義一と再婚することになり、家族3人で富岡家に引っ越す。また、富岡家の次男でありのりえが生まれてはじめてあった痴漢である富岡義竜と同じ高校に編入する。
竹中 杉作 (たけなか すぎさく)
新小岩3丁目にある銭湯竹の湯の家つき娘竹中竹子と婿養子竹中晋助の次男。女アレルギーで、女性の裸を見たり接近するとじんましんが出て倒れてしまう。ただし肉親であればアレルギーは起こらない。父晋助の葬式の日に現れた父の隠し子花村まさきが女であると知った時は、じんましんを出して倒れたが、兄竹中松吉に妹だと指摘を受けて肉親であることに気付き、まさきに対してはアレルギーが起こらなくなった。 以降、まさきの面倒を熱心に見ている。
西山 四郎 (にしやま しろう)
新小岩に住む西山家四人兄弟の末っ子。西山家と家同士のケンカが絶えない隣家内藤家の四女内藤都と同じW大学で、都が所属するワンゲル部と部室・活動を共にする山岳部に所属。都とは三歳くらいからずっとケンカを繰り返し、部活動でも張り合い続けている。
池上 サチ子 (いけがみ さちこ)
内藤都と同じW大学ワンゲル部に所属する都の親友。ワンゲル部に入部した理由はワンダーホーゲルが好きという以上に、西山四郎のことを好きなため。都にキューピッド役を頼み、映画やディスコに誘って四郎に接近する。
富岡 義竜 (とみおか よしたつ)
新小岩で寿司屋を営む富岡義一の次男。高校生でボクシング部のキャプテン。朝早くから試合に向けて練習をしており、電車で眠り込みのびをして女性のスカートをめくりあげてしまい、痴漢の誤解を受けることがある。以前、父の再婚相手の次女竹内のりえのスカートをまくってしまったことがあり、のりえにも痴漢だと思いこまれていた。
竹内 美智子 (たけうち みちこ)
竹内はるみと竹内のりえの母。10年前に夫を交通事故で亡くし、保険外交員として働いている。保険の外交で入ったお店・寿司富で富岡義一と出会い、親身に話を聞いてもらったことで彼に惹かれ、伴侶を亡くした者同士での再婚を決意する。
竹内 はるみ (たけうち はるみ)
竹内のりえの姉。母の再婚により新小岩に引っ越すことになるが、電車の窓から荒川の表面より新小岩の地面のほうが低いのを見て、のりえと共に再婚と引っ越しに反対する。しかし、メンクイであるはるみは母の再婚相手の長男富岡義昭が現れると、のりえを裏切って母の再婚に賛成する。
今村 としこ (いまむら としこ)
竹内のりえが編入する高校でのクラスメート。富岡義竜のことが好き。最初は義竜に頼まれ、義竜の妹になる予定ののりえの面倒を見るが、義竜とのりえの間にあった誤解が解け二人が仲良くなったのを見て、二人を離れさせようと画策するようになる。
花村 まさき (はなむら まさき)
新小岩3丁目にある銭湯竹の湯の婿養子竹中晋助の隠し子。晋助の葬式に、性別も分からないほどボロボロの汚い身なりで現れる。晋助の次男竹中杉作が風呂に入れようとしたが、服を脱いだ時に女の子であることが発覚する。母親が入院していた10年間は施設に入っていたが、母親の死を機に半年働いてお金を貯め、父晋助を頼って竹の湯を訪れた。 髪はボサボサ、言葉遣いも女らしくなく、料理もしたことがなかったが、無教養・無作法のまま追い出すわけにはいかないという竹の湯の人々の世話になり、身なりも言葉も女性らしくなっていく。
竹中 竹子 (たけなか たけこ)
新小岩3丁目にある銭湯竹の湯の家つき娘であり、竹中松吉と竹中杉作の母。家事はまるでダメで全てを婿養子の夫竹中晋助に任せ、自分は毎日徹夜で麻雀をしていた。晋助の葬式で「隠し子がいる」という遺言状が読まれると共に、実際にその隠し子花村まさきが現れ、晋助の甲斐性に惚れ直し、まさきを引き取ることにする。
竹中 晋助 (たけなか しんすけ)
新小岩3丁目にある銭湯竹の湯の婿養子であり、竹中松吉と竹中杉作の父。家事が一切できないかかあ天下の妻竹中竹子に毎日こきつかわれ、いきなりポックリと亡くなった。生前、遺言状を坊主に託しており、そこには愛人と隠し子の存在、そして隠し子花村まさきの名前が書かれていた。 遺言状は実は二通あり、もう一通は四十九日法要に読んでもらうよう、坊主に依頼している。
集団・組織
内藤家 (ないとうけ)
『嗚呼 花の新小岩3丁目』Part1に登場する家族。大学助教授の父、母、全員大卒で教職の姉妹内藤市子、内藤町子、内藤村子、そしてW大学に通う四女内藤都の6人家族。隣家西山家とは親同士・子同士・おない歳同士で10数年あまりケンカを続けており、新小岩名物となっている。
西山家 (にしやまけ)
『嗚呼 花の新小岩3丁目』Part1に登場する家族。尋常小学校卒の大工の父西山宇太郎、母、全員中卒の兄弟であるやくざの西山一郎、警察官の西山二郎、ダンプの運転手の西山三郎、そしてW大学に通う西山四郎の6人家族。クロという名の黒猫もいる。隣家内藤家とは親同士・子同士・おない歳同士で10数年あまりケンカを続けており、新小岩名物となっている。