噂の彼と、恋のヒミツ。

噂の彼と、恋のヒミツ。

平凡と平和を愛するごくふつうの少女である佐知こももと、生まれながらに「誰かがつぶやいた独り言が、まるでメモ紙のようにその場に落ちて見える」という特殊能力を持つ少年である小戸森識の、一風変わった青春ラブストーリー。二人の恋愛を軸に、身の回りで起こった事件を解決しようと奮闘する親友たちの姿も描かれている。「プチプリンセス」2018年Vol.14から不定期連載の作品。

正式名称
噂の彼と、恋のヒミツ。
ふりがな
うわさのかれとこいのひみつ
作者
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あらすじ

第1巻

ある日の昼休み、佐知こももはいつもいっしょにお弁当を食べている逢沢ユカが、やって来ないことを不審に思う。するとユカから「何があっても自分を探さないでほしい」というメッセージが届き、こももはユカが事件に巻き込まれたのではないかと心配する。焦るこももに対して小戸森識は、自分も協力をしたいと名乗り出るだけでなく、自らの「誰かがつぶやいた独り言が、まるでメモ紙のようにその場に落ちて見える」という特殊能力を披露する。識のサポートもあり、こももはみごとユカを見つけ出す。一方、ユカはこの一連の出来事は、こももと識を接近させるための茶番だったと打ち明ける。そして、識はずっと片思いをしていたこももに告白し、二人は交際をスタートさせる。その後、三人はいじめを受けている村田を救おうとしたり、セクシャルハラスメントで悩む北見に手を貸したりと、身近で起こった事件を次々と解決していく。そんな正義感の強いこももを、クラスの中心人物で黒幕的な存在の住吉は、おもしろくない存在だと感じ始める。

登場人物・キャラクター

佐知 こもも (さち こもも)

高校2年生の女子で、親しい友達からは「サチコ」と呼ばれている。平凡と平和をこよなく愛しており、日常から小さな楽しみを見つけることが得意。独り言が多く、その内容ものんびりとしたものばかり。「誰かがつぶやいた独り言が、まるでメモ紙のようにその場に落ちて見える」という特殊能力を持つ小戸森識が、佐知こもも自身の個性的な独り言を見かけたことがきっかけでアプローチを受け、交際をスタートさせる。基本的に控えめで穏やかな性格ながら、困っている人を見かけると強い正義感を発揮し、大胆な行動に出る。逢沢ユカとは親友で、なんでも話せる間柄。しかし、ユカと識の仲のよさに嫉妬することもあり、そのたびに自己嫌悪に陥っている。

小戸森 識 (こともり しき)

高校2年生の男子で、逢沢ユカのクラスメート。ユカとは中学時代からの付き合いで、部活動もユカと同じ書道部に所属している。生まれながらに「誰かがつぶやいた独り言が、まるでメモ紙のようにその場に落ちて見える」という特殊能力を持つ。また、文字はつぶやいた言葉のニュアンスに合わせて悲しそうなフォントであったり、嬉しそうなフォントであったりする。文字が読めるようになってから、部屋に落ちている識の母の愚痴を読み上げてしまい、それ以降は気味が悪い子供だとネグレクトを受けて育つ。さらに両親が離婚したことから、高校生ながら一人暮らしで、家事能力にも長けている。学校でもつい落ちている独り言を読み上げてしまい、周囲からは人の心が読める気持ちの悪い奴だと距離を置かれている。佐知こももに思いを寄せ、ユカの力を借りて告白をしたことで、みごと交際をスタートさせる。

逢沢 ユカ (あいざわ ゆか)

高校2年生の女子で、佐知こももの親友。クラスは別だが、お昼休みをいっしょに過ごすことが多い。小戸森識とは中学時代から親しく、部活動も同じ書道部に所属している。識の「誰かがつぶやいた独り言が、まるでメモ紙のようにその場に落ちて見える」という能力も知っているが、気持ち悪いと否定するでもなく、ふつうの友達として付き合っている。その態度に識からは、何かと相談を受けることが多い。識がこももに片思いをしていると知った時には応援し、実際に交際をスタートしたあとも二人を温かく見守っている。

住吉 (すみよし)

高校2年生の男子で、佐知こもものクラスメート。明るい性格でクラスの中心的な存在ながら、裏では村田をゆすって金品を巻き上げるなど、悪質ないじめを繰り返している。しかも頭の回転が速く、いじめの証拠を残していないために、なんのお咎めなしの状態が続いている。村田の件でしつこく問いただしてくる担任の河合に対して、「河合がクラスを統率する神だと発言した」「河合が北見にセクシャルハラスメントをして、北見はショックで登校拒否をしている」と偽りの噂を流すなど嫌がらせをする。また、自分に何かと介入してくる正義感の強いこももの存在を、面白くないと感じている。

村田 (むらた)

高校2年生の男子で、佐知こもものクラスメート。おとなしくまじめな性格で、眼鏡を掛けている。住吉から自分に従わないとクラスから排除してやると脅されており、金品を巻き上げられている。ついには住吉に渡すお金のためにクラスメートの財布に手をつけてしまい、周囲から責め立てられ、自殺をしようとした。こももと小戸森識の助けによって未遂に終わるが、加害者の住吉に逆らいきれず、学校に居づらくなって転校する。

北見 (きたみ)

高校2年生の女子で、佐知こもものクラスメート。おとなしく引っ込み思案な性格の持ち主。三浦からセクシャルハラスメントを受けており、恐怖から登校拒否に陥っている。家でも三浦から一方的に連絡を受け続けているが、周囲に自分が被害者だと明らかになることを恐れ、我慢し続けている。学校では住吉の企みにより、三浦ではなく河合からセクシャルハラスメントの被害を受けていると噂されていることは知らない。親しい友達からは「キタミー」と呼ばれている。

河合 (かわい)

高校教師の若い男性で、佐知こももが在籍するクラスを担任している。生徒思いの熱血漢だが、住吉の村田に対するいじめを問題にしようとしたところ、頭の回転の速い住吉に丸め込まれてしまう。さらに住吉から敵対視されたことで、「河合はクラスを統率する神だと発言した」「河合が北見にセクシャルハラスメントをして、北見を登校拒否にさせた」などと、偽りの噂を流されてしまう。

三浦 (みうら)

佐知こももたちが通う高校の男性教師。3年生の担任で、書道部の顧問をしている。おとなしい性格の北見に目をつけ、セクシャルハラスメントを繰り返している。表向きは明るく爽やかな好青年だが、北見のほかにも多数の余罪を持つ。

田島 果音 (たじま かのん)

小戸森識と逢沢ユカの中学時代のクラスメート。大人びた雰囲気を漂わせた美少女で、中学2年生の時に担任からセクシャルハラスメントを受けて悩んでいた。友達に知られたくなかったが、識の「誰かがつぶやいた独り言が、まるでメモ紙のようにその場に落ちて見える」という能力によって、自分の意思と反対に問題が明るみに出ることとなった。よけいなことをしたと識を激しく憎み、ついには殺傷事件を起こしてしまう。事件のあとに転校するが、ユカとは変わらず友情が続いており、識に対して逆恨みをしてしまったことを心から後悔している。

識の母 (しきのはは)

小戸森識の母親。夫とは、識が小さな頃からうまくいっておらず、そのことを独り言として日常的につぶやいていた。ある日、それを「誰かがつぶやいた独り言が、まるでメモ紙のようにその場に落ちて見える」という特殊能力を持つ幼い識に読み上げられ、識に対して気持ち悪さを覚える。以降、識をネグレストしており、離婚が成立したことから一人暮らしをさせている。識の能力を知るまでは、文字の読み書きを丁寧に教えるなど、ごくふつうの子供を愛する母親だった。

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