BLEACH

BLEACH

長期連載となった久保帯人の代表作。人間たちに襲いかかる悪霊、虚と斬魄刀という刀を用いる死神たちとの戦いを描いた青春能力アクション漫画。集英社「週刊少年ジャンプ」2001年36・37合併号から2016年38号まで連載。第50回「小学館漫画賞」少年向け部門受賞。2004年10月のテレビアニメ化をはじめ、ゲーム化、実写映画化などメディアミックス多数。

正式名称
BLEACH
ふりがな
ぶりーち
作者
ジャンル
バトル
レーベル
ジャンプコミックス(集英社)
巻数
全74巻完結
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世界観

本作では人間の住む現世を死神が守護する世界観が描かれている。死神は異世界である尸魂界(ソウル・ソサエティ)の存在であり、護廷十三隊と呼ばれる組織に所属している。彼らの役目は整(プラス)と呼ばれる通常の霊を魂送と呼ばれる手段で尸魂界へと送り、他者を襲いその魂を喰らう悪霊である(ホロウ)を昇華・滅却することでその被害を未然に防ぐことである。これらの霊的存在は普通の人間には認識することが出来ないため、一般にその存在は知られていない。また死神の他に、霊子を操りと戦う滅却師(クインシー)や物質の中に存在する魂を使役する完現術者(フルブリンガー)など人間でありながら異能の力を持つ者も登場する。

連載初期の「死神代行篇」(単行本1巻~8巻)における舞台は現代の日本、東京の郊外に存在する架空の町・空座町。以降のエピソードでは死神の暮らす尸魂界や虚が生息する虚園(ウェコムンド)などもその舞台となった。

作品構成

朽木ルキアによって死神の力を与えられ、(ホロウ)を退治する死神代行となった高校生・黒崎一護の活躍を描く。バトルを中心とした王道ストーリーの少年漫画。連載初期は現世の空座町での日常に現れるとの戦いが数話~十数話完結の形式で描かれるが、「尸魂界(ソウル・ソサエティ)編」以降は護廷十三隊破面(アランカル)といった敵対勢力との戦いを描く長編ストーリーが展開され、バトル漫画として色合いが増していく。

あらすじ

死神代行篇

ある日、ユウレイの見える高校生・黒崎一護の前に死神の少女・朽木ルキアが現れる。彼女は死神の住む尸魂界(ソウル・ソサエティ)より派遣され、その目的は空座町に現れた悪霊・(ホロウ)を退治することであった。ルキアの言葉を信じない一護であったが、直後家にが襲来し家族が襲われてしまう。一護は家族を守るため立ち向かうが敵うはずもなく、自らを庇ったルキアが瀕死のダメージを受けてしまう。最後の手段としてルキアから死神の力を託された一護は死神となりを倒すことに成功。しかしルキアの死神の力を全て奪ってしまったため、ルキアが死神の力を取り戻すまで一護は死神代行として退治を手伝うことになる。

こうして一護は空座町で起こる様々な出来事に巻き込まれていく。そんな日々を送る一護はある日死神を憎む滅却師(クインシー)・石田雨竜を倒した数を競う勝負を挑まれる。彼によって誘い出されたが街の人々に襲い掛かる中、一護の友人である茶渡泰虎井上織姫はそれぞれ自らの能力に目覚める。また自らの秘めた霊力を解放した一護は現れた巨大な・大虚(メノスグランテ)の撃退に成功する。しかし、この情報が尸魂界へ伝わると察知したルキアは追っ手の火の粉が降りかからぬよう何も言わず一護の元を去る。そして夜道を逃げる彼女の前に二人の死神が現れる。

現世での一護の活躍を描くエピソード。家族をテーマに扱った話が多い。

尸魂界篇

“人間への死神能力の譲渡”は重罪であり、阿散井恋次朽木白哉によってルキアは尸魂界へと連れ去られてしまった。ルキアを救出するため尸魂界へと向かった一護達はそこで立ちはだかる護廷十三隊死神達と戦うことになる。時を同じくして尸魂界では五番隊隊長・藍染惣右介が何者かに暗殺される事件が起きる。震撼する瀞霊廷で様々な思惑が交差する。

一護達と護廷十三隊の戦いが中心となる高い人気を誇るエピソード。護廷十三隊が一方的な悪としてでは無く、各々の死神達が理念を持って行動する姿が描かれる。一護が初めて卍解を行う162話はオールカラーで掲載された。

シークレットテーマとして「死神代行篇」と「尸魂界篇」の二つを合わせて「ルキア篇」と位置付けられている。

破面篇

尸魂界から現世に戻り、死神代行として退治に勤しむ一護。そんな彼の前に元死神の集団・仮面の軍勢(ヴァイザード)が現れる。時同じくして藍染によって生み出されたの成体・破面(アランカル)が現世への襲撃を繰り返す。戦いの中で自らの内に潜む虚に苦しむ一護は仮面の軍勢の元を訪れ、そこでの修行を通じて内なるを抑え込み虚化を会得する。再び現世に破面が出現し刃を交える一護達だが、その交戦の裏で織姫はウルキオラによって藍染の元へと連れ去られてしまう。一護達は攫われた織姫を救出するため虚園へと突入する。その後、藍染はその配下を連れて空座町に侵攻、迎え討つ護廷十三隊との全面対決が始まる。

「尸魂界篇」では敵対していた護廷十三隊が味方となり、藍染率いる破面やその精鋭である十刃(エスパーダ)達との戦いを繰り広げる。また「破面篇」の途中で挿入される「過去篇」ではかつて護廷十三隊に所属していた仮面の軍勢浦原喜助の身に起きた事件の顛末が明かされる。

本エピソードはシークレットテーマとして「織姫篇」と位置付けられている。

死神代行消失篇

死神の力と霊力を失って17カ月が過ぎ、平凡な日常生活を送る一護の前に謎の男・銀城空吾が現れる。彼の目的は一護に死神の力を取り戻させることであり、自身の無力さに苦しむ一護は彼の所属する組織“XCUTION(エクスキューション)”の元で完現術(フルブリング)会得の修行を始める。周囲で起こる異変から家族や友人を護るため鍛錬を重ねる一護であったが、完現術を完成させた彼を待ち受けていたのは耐え難い現実であった。

「死神代行篇」以来の現世を舞台にしたエピソード。斬った相手の過去の記憶を操作する完現術『ブック・オブ・ジエンド』の能力を持つ月島秀九郎が登場する。

本エピソードはシークレットテーマとして「茶渡篇」と位置付けられている。

千年血戦篇

突然瀞霊廷に現れた謎の集団・見えざる帝国(ヴァンデルライヒ)は尸魂界に対して宣戦布告を行う。彼らは滅却師による組織であり、また既に虚園を制圧し一部の破面を配下としていた。現世に現れたネルにその事実を聞かされた一護は虚園へと向かう。やがて見えざる帝国は尸魂界への侵攻を始め、その戦闘部隊・星十字騎士団(シュテルンリッター)は迎え撃つ護廷十三隊を圧倒的な力の差で蹂躙する。卍解を奪う彼らの能力の前に為す術も無く倒されていく死神達、そして見えない帝国の長・ユーハバッハとの交戦の末に山本元柳斎総隊長は命を落とす。駆け付けた一護はユーハバッハと対峙、劣勢を強いられるもユーハバッハの活動限界時間が訪れ見えざる帝国は一時撤退をする。

休戦の最中、現れた王族特務零番隊。折れた斬魄刀を作り直す過程で現世へ送られた一護は一心から自らの出生について語られる。自らの過去と向き合い、斬月の正体を知った一護は真の斬魄刀を手にする。そして瀞霊廷は突如黒い影に包まれ姿を変え、再び見えざる帝国の侵攻が始まった。

本作の最終章にあたるエピソードであり、作者の久保帯人は「これまでのBLEACHの物語は全てこの最終章の為にありました」とも述べている。またこれまでの物語に登場したキャラクターが多数登場し、本作において解明されていなかった謎や伏線が明かされるエピソードでもある。

『BLEACH』のネーミング

尸魂界における固有名詞には日本語、破面関連はスペイン語、滅却師関連ではドイツ語(あるいはそれに類似した表現)が用いられている。

単行本の装丁

単行本の表紙は一貫して白を背景に登場人物の一人が単体で描かれるデザインになっている。48巻まで(「破面篇」まで)はタイトルロゴがトリコロールの配色であったが、それ以降の巻ではロゴの文字が単色の白抜きとなり配色は毎巻変わるようになった。表紙のキャラクターも「死神代行消失篇」(49巻~54巻)では影を強調したデザインに、「千年血戦編」(55巻~)からは特定の一色(タイトルロゴの色と同じ)を強調するデザインとなる。また単行本の中表紙にはキャラクターの内面を反映したと思われる詩が書かれている。

作者の久保帯人は単行本27巻の表紙袖にて“「単行本のカバージャケットは捨てる派なんだけど、BLEACHのは捨てられないんだよなぁ」そんな風に言われるようなジャケットを作りたい”と述べており、装丁に関してのこだわりを持っていることが窺える。

スピンオフ

カラブリ

「Vジャンプ」誌上で2005年1月号から2007年9月号まで連載されていた『BLEACH』のスピンオフ。内容は護廷十三隊死神達を中心とした本編では描かれなかった日常コメディとなっている。当初は編集の依頼通り一ページに一コマの絵で連載されていたが、次第にコマ数が増えていき、やがて2ページ漫画となった。漫画は全てカラーで掲載されており、画風も本編のタッチと異なり下書き風である。

2007年にはそれまでに連載された分を全て収録した単行本『BLEACH OFFICIAL BOOTLEG カラブリ+』が発売された。漫画は全てカラーで収録。また単行本後半の部分は『BLEACH』本編に登場した雑誌・月刊瀞霊廷通信の特別増刊号の体裁を取ったキャラクターブックのような内容になっている。

また「ジャンプスーパーアニメツアー08」では本作の内容をアニメ化し公開されている。

メディアミックス

TVアニメ

2004年~2012年の間、テレビ東京系にて放送。制作はスタジオぴえろ。原作の「死神代行消失篇」までがアニメ化された。アニメの内容が原作に追いつくことを回避するため、ストーリーの合間にはバウントとの戦いを描いた「バウント篇」」や斬魄刀が実体化し死神と対峙する「斬魄刀異聞篇」などのアニメオリジナルの長編エピソードが挿入された。

またアニメ放送時の2005年~2010年の間、主人公・黒崎一護の声優である森田成一と本作のキャラクターを担当する声優が月替わりでパーソナリティを務めるラジオ番組『BLEACH “B” STATION』がラジオ大阪製作で放送されていた。

劇場アニメ

2006年に『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』が公開。2007年には作中のキャラクター・日番谷冬獅郎に焦点を当てた『劇場版BLEACH The DiamondDust Rebellion もう一つの氷輪丸』、2008年には一護とルキアの関係そして護廷十三隊との対立を描いた『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ』、そして2010年には連載10周年を記念し『劇場版BLEACH 地獄篇』が公開された。

小説

BLEACH』の小説として原作の初期のエピソードを小説化した『BLEACH letters from the other side』、白哉とルキアに焦点を当てた『BLEACH THE HONEY DISH RHAPSODY』、劇場版四作品のノベライズが存在する。また2012年には本編の空白期間を埋めるミッシングリンクプロジェクトの第一弾として『バッカーノ!』や『デュラララ!!』で知られる小説家・成田良悟による『BLEACH Spirits Are Forever With You Ⅰ』『BLEACH Spirits Are Forever With You Ⅱ』、第二弾として『BLEACH The Death Save The Strawberry』が刊行された。

ゲーム

PlayStation Portable、PlayStation 2、PlayStation 3、ゲームボーイアドバンス、ニンテンドーゲームキューブ、ニンテンドーDS、Wiiなど様々なハードからゲームが発売されている。ジャンルは多くが対戦型格闘ゲームであり、中でもPSPで販売された3D対戦格闘ゲーム『BLEACH 〜ヒート・ザ・ソウル〜』シリーズは第7作目まで発売されている。近年ではスマートフォン用アプリとしてGREE、DeNAとさくらそふと等からゲームが配信されている。

ミュージカル

BLEACH』を原作としたミュージカル『ROCK MUSICAL BLEACH』が2005年から上演されている。

キャラクターブック

公式キャラクターブックとして、「尸魂界篇」までの内容をまとめ読み切り版『BLEACH』などを収録した『BLEACH OFFICIAL CHARACTER BOOK SOULs].』、破面の襲来から「過去篇」までの内容をまとめた『~2 MASKED.』、「破面篇」全てをまとめた『~ 3 UNMASKED.』の三冊が刊行されている。またTVアニメ設定資料集などを掲載した『BLEACH OFFICIAL ANIMATION BOOK VIBEs.』が『~SOULs.』と同時刊行されており、2冊の連動企画が行われた。装丁は全て『BLEACH』の単行本と同じようなデザインになっている。

また単行本55巻発売の際には、これまでの登場キャラクターやストーリーの解説をまとめたガイド本『BLEACH THE REBOOTED SOULS』が先着購入特典として配布された。

登場人物・キャラクター

黒崎 一護 (くろさき いちご)

オレンジ色の髪の毛にブラウンの瞳を持った、風変わりな高校一年生の男子。目つきが悪く粗暴なためよく不良に間違われるが、その中身は非常に心優しい思いやりを持った青年である。幼い頃に母親を亡くしており、現在は父と妹2人の4人暮らし。死神の少女朽木ルキアから死神の力をもらい受け、代わりに死神の仕事を任されるようになる。 元々超A級霊媒体質者で、霊を見るだけでなく触ることや喋ることもでき、また取り憑かれやすいことから、本人も苦労していた。死神となってからはその潜在能力を存分に発揮し、斬魄刀の斬月とともに本職の死神たちを凌ぐほどの力を身につけていく。後に、死神と滅却師のハーフであることが判明し、滅却師としての潜在能力も有する、非常に珍しい死神であることが分かる。

朽木 ルキア (くちき るきあ)

真っ直ぐで艷やかな短い黒髪をした死神の少女。在中任務のため現世を見回っていたが、その途中で黒崎一護と遭遇。一護のあまりに大きい霊圧に感覚を遮断され、虚の位置を掴むことができず、痛手を負った。一護に死神の力を譲ってからは霊力をすべて失ってしまったため、犧骸という容れ物に入り人間として過ごしている。 基本は真面目な性格だが、人使いが荒く、また美術のセンスが皆無である。カワイイものに弱いという女の子らしい一面もある。虚との戦闘の時は、死神の頃に用いていた道具を使い、一護の戦いをサポートする役目に徹している。犧骸やその他の便利グッズは、浦原商店という謎の駄菓子屋から仕入れているらしい。 死神の力を人間に譲るという禁忌を犯したとして、尸魂界に連行されてしまう。

井上 織姫 (いのうえ おりひめ)

胡桃色の長い髪の毛を持ち、ヘアピン付けている高校一年生の美少女。黒崎一護とは同じクラスで、現在は一護に片想いをしている。天真爛漫な明るい性格で成績優秀だが、妄想癖があり、ちょっとしたきっかけから思わぬ方向へと発想を巡らせていく。三年前に兄を亡くしてからは一人暮らしをしている。一護の霊圧に感化され、ヘアピンを媒介にした盾舜六花という霊能力の使い手となる。 朽木ルキアの救出のために、一護らとともに尸魂界へと向かう。盾舜六花は事象の変化を拒絶する強力な霊能力で、その特異さから藍染惣右介にも目を付けられていた。防御や治療といったサポート方面を得意とし、攻撃方法は一種類しかない。

茶渡 泰虎 (さど やすとら)

縮れた髪の毛をした褐色で大柄の男性で、まるで大人のように見えるがが、れっきとした高校一年生。黒崎一護とは中学時代からの付き合いで喧嘩仲間。口数は少ないが、小さな子供や動物にも気をかける心の優しい大男である。常人とは思えないほど体が頑丈で、虚に攻撃を食らっても血を流す程度である。祖父の「人を守るために強くなる」という教えを心に刻んでおり、自分のためだけに暴力を振るうことは決してない。 一護の霊圧に感化され、祖父にもらったペンダントを媒介とした「巨人の右腕(ブラソ・デレチャ・デ・ヒガンテ)」という能力を手に入れる。発動すると、右腕がまるで虚のように巨大化し、そこから放たれる一撃によって、目の前数十メートルを一直線に吹き飛ばすことが出来る。

石田 雨竜 (いしだ うりゅう)

直毛で青みがかった髪を持つ、眼鏡をかけた青年。黒崎一護と同じ高校一年生で、成績は常に学年トップという秀才ぶりである。数少ない滅却師の生き残りで、滅却師を滅ぼした死神達を忌み嫌っている。死神となった一護とはいがみ合いの絶えない仲だが、何かと協力することが多く、今では腐れ縁の関係となっている。 滅却師としての才能は一流で、七番隊隊長である涅マユリの卍解を一撃で破壊するほどの実力を持っている。父の石田竜弦は滅却師にはならず医師となったため、滅却師の手ほどきは祖父から受けた。滅却師は必要な存在であるという祖父の教えを大事にしており、滅却師であることを誇りに思っている。

黒崎 一心 (くろさき いっしん)

短髪でガタイのいい体に髭を生やした中年の男性。黒崎一護の父。クロサキ医院を経営している。亡くした妻のことを今でも忘れられず、妻の遺影をでかでかと壁に貼り付けている。また、基本的に女性に甘く、2人の娘を溺愛している。実は過去に護廷十三隊の十番隊隊長を勤めていたことがあるほどの実力派の死神であったが、その力を失っている。 尸魂界で一護が起こしたある出来事がきっかけで、死神の力を取り戻す。

浦原 喜助 (うらはらきすけ)

ベージュ色の髪の毛に縞模様の帽子を被った、羽織姿の男性。浦原商店という、表向きは駄菓子屋だが、実際は霊媒グッズを売る怪しい雑貨店を営んでいる。霊力を失った朽木ルキアに犧骸を与えたり、一護の修行を指導したりと、何かと助けてくれることの多い人物だが、本心を計り知ることのできない謎の多い人物である。 以前は尸魂界にいたこともあったが、現在はとある理由から追放されている。

四楓院 夜一 (しほういんよるいち)

人の言葉を話す黒猫。朽木ルキアの救出に向かう黒崎一護達を尸魂界へと案内するために随伴する。その正体は、尸魂界の四大貴族の一、四楓院家の当主で、隠密機動を得意とする二番隊隊長を勤めていた死神だった。猫の姿はカモフラージュで、変身を解くと褐色の肌に黒い長髪を持った美女になる。 尸魂界に入ってからは一護に斬魄刀の第二変化形態である卍解を習得させるために特訓を行う。

朽木 白哉 (くちきびゃくや)

長いの黒髪を背中に垂らしている男性の死神。朽木ルキアの義兄。「死神の力を人間に譲る」という禁忌を起こしたルキアを尸魂界へ連行するために、阿散井恋次と共に現世に現れた。千本桜という斬魄刀の使い手で、刀身を桜の花びらのような無数の細かい破片に変化させ自由に動かすことができる。 非常に素早く機動力の高い戦闘を行う。死神の伝統と掟を強く重んじる、護廷十三隊六番隊隊長。

更木 剣八 (ざらきけんぱち)

トゲトゲしい髪の毛に、古傷だらけの身体を持った、強面の男性。護廷十三隊十一番隊隊長。斬魄刀の名を知ることもなく、その圧倒的な霊圧と戦闘能力だけで隊長の地位まで上り詰めた鬼才。殺気の塊のような人物で、戦闘を好み、強者との戦いに顔をほころばせる。右眼の眼帯は、あまりに大きな霊圧を抑えるために付けられている。 尸魂界へ侵入した黒崎一護と会戦するが、斬魄刀と力を合わせて戦った一護に敗れる。

阿散井 恋次 (あばらいれんじ)

護廷十三隊六番隊副隊長。斬魄刀の名前は蛇尾丸。刀身が節で分離していて鞭のようにしなる、伸縮自在の斬魄刀。「死神の力を人間に譲る」という禁忌を起こした朽木ルキアを尸魂界へ連行するために、朽木白哉とともに現世へ現れた。ルキアとは幼馴染で、真央霊術院でともに死神を目指した。 ルキアと対等に付き合うため白哉を越えようと努力しているが、なかなか実力を超えることができないでいる。

藍染 惣右介 (あいぜん そうすけ)

茶色の髪の毛に四角い淵の眼鏡を掛けた、柔和な顔つきの男性。護廷十三隊六番隊隊長。黒崎一護たちが尸魂界で戦闘を繰り広げる中、何者かによって殺されてしまう。斬魄刀の名前は鏡花水月で水を自在に操る能力の斬魄刀だと思われていたが、その後、人の五感を支配することのできる錯覚系の斬魄刀であることが判明した。

死神 (しにがみ)

『BLEACH』に登場する、魂の裁定者。黒い装束を身にまとい、斬魄刀と呼ばれる刀を所持している。現世に留まる善霊整(プラス)を尸魂界へ送ったり、人の魂を喰らう悪霊虚(ホロウ)を退治するなど、現世と霊界の魂のバランスを整えている。元来死神は尸魂界で生まれたものしかなることができないが、例外的に死神の力を人間に注ぎ込むことで、人間を死神にすることもできる。

(ほろう)

『BLEACH』に登場する悪霊の総称。人間の魂を喰らう。ほぼほぼ人間の姿をしている善霊整(プラス)とは違い、体の大きさやかたちがまるでバケモノのように歪で仰々しい。胸に大きな黒い穴が空いており、仮面を付けている。実は虚の元は全て人間で、仮面の下には現世で生きていた時の顔が隠れている。共食いを続け強力な力を手に入れた虚は、大虚(メノスグランデ)と呼ばれ、普通の虚とは一線を画す。

滅却師 (くいんしー)

『BLEACH』に登場する人々。死神とは異なる方法で霊魂を処理する者たち。弓矢に似た武器を使い、空気中の霊子を集めてて攻撃する。死神とは違って生身の体を持った人間であり、現世で生活をしている。死神が魂魄を尸魂界に送るのに対し、滅却師は魂魄そのものを消滅させてしまうため、魂魄の処理の仕方が根本的に異なる。 200年ほど前、死神との戦争により滅んだとされていた。

日番谷 冬獅郎 (ひつがや とうしろう)

銀髪の男の子で身長も140cmに満たないながらも、史上最年少で隊長の座を獲得した天才死神。十番隊隊長。氷雪系で最強の斬魄刀、氷輪丸の使い手で、周囲の水、天候を巧みに操りながら攻撃を繰り出す。五番隊副隊長雛森桃とは、流魂街時代からの幼馴染で、危険な状況に陥ることの多い雛森の身を案じている。 状況を冷静に判断するクールさと、仲間や部下に対する熱い感情を持ち合わせた性格で、周りからの信頼も厚い。

涅 マユリ (くろつち まゆり)

顔面を黒く塗りつぶし、いかにも怪しげなアクセサリーを顔に付けている死神の男性。十二番隊隊長及び技術開発局局長。隊長を務める傍ら、マッドサイエンティストとしての側面を持ち合わせており、人体実験なども平気で行う。また強敵と戦闘を行うときは、勝利に終止することなく、新しい実験のサンプルとして回収することを第一の目的としている。 性格には難があるものの、研究者としての才は一流で、さまざまな薬や道具を作り出し、尸魂界に貢献している。斬魂刀の名前は疋殺地蔵(あしそぎじぞう)。

平子 真子 (ひらこ しんじ)

金髪におかっぱ頭の男子高校生で、黒崎一護のクラスに転入してきた。関西弁を話す。その正体は仮面の軍勢のリーダーで、元死神。虚化の制御ができない一護を特訓し、仲間に引き入れようと画策する。斬魂刀の名前は逆撫。刀から発せられる特殊な匂いを嗅いだ者の神経を100%支配することができ、上下左右前後、さらには斬撃の方向さえも逆転させることができる。 猿柿ひよ里とは死神時代からもどつき漫才のようなやり取りをしていた。

市丸 ギン (いちまる ぎん)

狐のような面持ちの銀髪の青年。三番隊隊長。飄々としており、表情を中々変えることがないため、なかなか本心を読むことができない。十番隊副隊長の松本乱菊とは流魂街時代からの幼馴染で、乱菊のことを大切に思っている。藍染惣右介の腹心であり、藍染の謀反の際は、東仙要と共に尸魂界を離れ、破面達と行動を共にするようになった。 神鎗という伸縮自在の斬魂刀を用いて戦闘を行う。その戦闘センスはずば抜けており、入隊当初に当時の三席を瞬殺するほどであった。

東仙 要 (とうせん かなめ)

ドレッドヘアの褐色の肌をした男性。盲目の死神。九番隊隊長。瀞霊廷通信編集長も兼任しており、部下からの信頼も厚い人格者だった。平和主義者で、自らの正義を貫こうとした結果、藍染惣右介の部下になる決心をする。藍染の腹心であり、藍染の謀反の際は、市丸ギンと共に尸魂界を離れ、破面達と行動を共にするようになった。 清虫(すずむし)という斬魂刀を使う。卍解では視覚、聴覚、嗅覚と霊圧感知能力の四つを封じる黒色の空間を出現させ、その中で一方的に相手を攻撃することができる。

十刃 (えすぱーだ)

『BLEACH』に登場する人々。破面の中でも特に強い力を持った大虚達の名称。それぞれ1~10(実際には0~9)の数字が割り当てられており、数字が小さいほど戦闘能力が強いことを示している。十刃の概念は藍染惣右介の謀反以前より存在していたが、藍染が虚圏に来てからは、崩玉の力による破面の生産が行われ、移り変わりが激しくなった。 藍染が虚圏を制してからは、実質的に藍染の部下として動いており、藍染の目論見を阻止しようとする死神たちの前に立ちはだかった。

ウルキオラ・シファー

蒼白の顔に翡翠色の目をした中性的な男性の破面。十刃の第4番。十刃の中で唯一変身を二回行う事ができ、最終的な変化後は圧倒的な戦闘能力を誇る。その姿は他の十刃はおろか、藍染惣右介にも見せたことがないため、第4番の地位以上の実力を持っていると推測できる。理解しがたい井上織姫の行動や言動を観察していくうちに、人間の心に興味を持つようになる。

グリムジョー・ジャガージャック

水色の髪の毛と凶暴で野生的な鋭い目を持った男性の破面。十刃の第6番。中級大虚でありながら圧倒的な力を持っており、他の中級大虚からも羨望の眼差しを受けていた。強さのみを追い求める豹王、戦いを渇望している。自分の体に傷を付けた黒崎一護に憎悪の念を抱いており、万全の状態での再戦を望んでいる。

ユーハバッハ

荘厳な面持ちをした中年風の男性。滅却師の祖であり、全ての滅却師には彼の血が流れている。一護の心象風景に出てくる斬月と言う名の男性は、実はユーハバッハの若かりしころの姿そのものであった。滅却師を滅ぼした死神への復讐を果たすために、滅却師集団、見えざる帝国を率いて尸魂界の壊滅を目論んでいる。

山本 元柳斎 重國 (やまもと げんりゅうさい しげくに)

非常に長い白ひげを蓄えた荘厳な面持ちの老年の男性の死神。護廷十三隊の創始者であり、総隊長。自ら戦闘に出ることは少ないが、圧倒的な霊圧と、斬魂刃流刃若火から繰り出される猛火を用いて、他の死神を寄せ付けない規格外の強さを見せる。老齢となった今でもその力は衰えを知らない。

集団・組織

仮面の軍勢 (ゔぁいざーど)

『BLEACH』に登場する集団。虚化のスキルを持った謎の戦闘集団で、虚化を抑えきれていない黒崎一護を仲間に引き入れようと接近してくる。全員斬魄刀を所持しており、戦闘能力は一流である。リーダーの平子真子は一護の虚化を安定させるために、成功すれば人間のまま、失敗すれば虚に成り果てるというイチかバチかの修行を行う。

護廷十三隊 (ごていじゅうさんたい)

『BLEACH』に登場する集団。十三個の隊からなる、瀞霊廷を守る死神の実動部隊。4番隊は医療が得意、11番隊は戦闘専門部隊など、各部隊ごとに特色がある。総隊長は、護廷十三隊創始者でもある山本元柳斎重國。隊の中でも隊長・副隊長の強さは飛び抜けており、卍解を習得しているものがほとんどである。

場所

空座町 (からくらちょう)

『BLEACH』に登場する地名。黒崎一護達の住む街で物語の主要舞台。霊力の強い人間が集まりやすい不思議な街。朽木ルキアの在中任務先でもあり、ルキアが捜索任務をしている最中に一護とルキアは出会うこととなる。

尸魂界 (そうる・そさえてぃ)

『BLEACH』に登場する世界。魂のたどり着く場所。霊界。中央には貴族たちや死神たちが暮らす精霊廷があり、その周りを大量の貧困民が暮らす流魂街が取り囲んでいる。現世から尸魂界への移動を許されているのは死神のみのため、死神以外の者が尸魂界に行くには穿界門(せんかいもん)という非常に危険な通路を通る必要がある。

瀞霊廷 (せいれいてい)

『BLEACH』に登場する地名。護廷十三隊が守る、尸魂界の中心地。死神や貴族の居住区、その他重要機関などがあり、尸魂界の中枢を担っている。四方を厚い壁に囲まれている上に、霊子によるバリアが張られているため、生身の身体で侵入することはできない。

虚圏 (うぇこむんど)

『BLEACAR2H』に登場する世界。現世と尸魂界の狭間に存在している空間で、虚の巣。一面に白い砂が広がっており、まるで砂漠のような景色だが、空は常に闇に包まれている。藍染惣右介は、尸魂界を離れたあと、この虚圏の中にある虚夜宮(ラスノーチェス)という城を拠点としていた。

その他キーワード

斬魄刀 (ざんぱくとう)

『BLEACH』に登場する刀。死神が所持しており、戦闘の際に使う主要な武器となる。普段は日本刀の形をしてるが、始解を行うと各々固有の形へと変化する。それと同時に、特殊な能力も発現する。刀の大きさは使用者の霊圧に従って変化するが、熟練者は自らの霊圧を抑えることによって、刀の大小を調整することができる。刀の名前は使用者決めるのではなく、もともと潜在的に秘められているので、使用者は斬魄刀との会話をもって刀の名前を知り、始解を行うことができるようになる。

斬月 (ざんげつ)

『BLEACH』に登場する刀。黒崎一護が所持している斬魄刀。一護の心象世界では彫りの深い中年男性の姿をしており、一護は「斬月のオッサン」と呼んでいる。月牙天衝という遠距離攻撃を用いることが出来るが、それ以外にこれといった特殊能力は持っておらず、全身の霊圧をスピードとパワーに集中させたシンプルだが強力な斬魄刀である。

始解 (しかい)

『BLEACH』に登場する用語。死神たちが所持する斬魄刀の第一開放形態。斬魄刀の名前を知ることによって使用することができるようになる。黒崎一護の始解は非常に珍しい常時開放型の斬魄刀で、開放時の消費エネルギーが少ない。

卍解 (ばんかい)

『BLEACH』に登場する用語。死神たちが所持する斬魄刀の第二開放形態。卍解を行うには高度な鍛錬が必要で、その習得には才能のあるものでも10年はかかると言われており、扱えるものは非常に少ない。しかし、始解時の5倍から10倍ほどの力を得ることができるため、実質的な隊長就任条件になっている。

月牙天衝 (げつがてんしょう)

『BLEACH』に登場する技。黒崎一護が斬魄刀「斬月」を用いて行う遠距離攻撃。三日月型の黒い斬撃月牙を飛ばすことによって相手に攻撃を加える。霊圧の大きさによって月牙の大きさも変わる。

霊圧 (れいあつ)

『BLEACH』に登場する用語。その人の霊力が発する圧力や緊張感を表す語。その人の霊力の強さを測るための指標となりうるもので、あまりに霊圧が強い場合、感じるだけで気を失ってしまう場合もある。霊圧を感知することによって、離れた場所にいる仲間の生存確認や、戦況をううかがい知ることができる。

鬼道 (きどう)

『BLEACH』に登場する技。霊力を用いて様々な遠距離攻撃を行う。破道と縛道の2種があり、それぞれの技に番号が振られている。特に90番代の鬼道を使いこなせるのは、相当な鍛錬を積んだ一部の人間のみである。発動の際には、詠唱文を詠唱する必要があるが、低レベルの詠唱に関しては詠唱破棄といって詠唱を省略することができる。

虚化 (ほろうか)

『BLEACH』に登場する用語。虚のような姿となることで戦闘能力を格段にアップさせることができるが、持続時間は人によってまちまちである。当初、黒崎一護はこの虚化を制御することができずに苦しんでいたが、仮面の軍勢との修行の結果、コントロールする術を学んだ。

破面 (あらんかる)

『BLEACH』に登場する用語。仮面を剥いだ虚達。虚の超人的な身体能力を引き継ぎつつ、虚の時に失っていた理性を取り戻した、非常に強力な戦闘能力を持つ。姿かたちも人間に近く、剥いだ仮面の一部を顔に残している。斬魄刀を所持しており開放もできるが、その斬魄刀は「元々あった自分の能力を刀の形に収めたもの」「一度開放したら元に戻すことはできない」という性質を持ち、死神のそれとは似て非なる物である。

アニメ

BLEACH

普通の高校生である主人公の黒崎一護は、幽霊が見える体質。あるとき死神の朽木ルキアと出会ったことで死神の力を譲渡され、死神代行として空座町にいる虚(ホロウ)退治をすることになる。 やがて死神の世界である... 関連ページ:BLEACH

書誌情報

BLEACH 全74巻 集英社〈ジャンプコミックス〉

第1巻

(2002-01-05発行、 978-4088732138)

第74巻

(2016-11-04発行、 978-4088807744)

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