概要・あらすじ
対戦相手を死に至らしめた空手家雷音竜は、彼の異常な力を封じる仮面を師の道教に被せられ、地下室に篭り妹・悦子の世話を受けて生き長らえていた。だが神の啓示を受けた道教が弟子と共に現れ、竜の命を狙う。竜は辛くも道教を撃退するが、神は救世主イエス・キリストを復活させ竜を抹殺させようとする。
登場人物・キャラクター
雷音 竜 (らいおん りゅう)
羅城門空手の達人で、いかなる敵でも0.2秒で殺すことができると自称する。だが5年前の空手大会で異常な衝動が目覚め、対戦相手を殺害してしまう。このため彼は、異常な力を封じるための仮面を師の道教に被せられ、地下室で妹の世話を受けながら生きていた。その体には超常的なエネルギーが秘められており、その力を危険視する神によって次々と刺客に襲われることになる。
道教 (どうきょう)
雷音竜の師だったが、竜の力を仮面で封じると同時に破門した。神の啓示を受けて二階堂邦子と共に竜を殺そうとするが、失敗。イエス・キリスト復活の後は、念力で竜の力を封じ、キリストを援護する。
雷音 悦子 (らいおん えつこ)
雷音竜の妹で小学生。よく当たる予知夢を見る。両親の死後、おじさんとおばさんに屋敷を乗っ取られ、毎日こき使われている。食事も不十分で、地下室で暮らす竜には給食を持ち帰り与えていた。道教と二階堂邦子の来襲に対しては、亡き父が残した装置で竜を守ろうとするが惨殺される。
おばさん
雷音竜と悦子の両親が死亡した後、屋敷を乗っ取った夫婦の片割れ。幼い実子がいる。竜との血縁関係は不明。悦子に悪態をつきながらこき使っていた。屋敷に道教と二階堂邦子が押し入った際に警察を呼ぼうとしたが、以後の消息は不明。
おじさん
雷音竜と悦子の両親が死亡した後、屋敷を乗っ取った夫婦の片割れ。幼い実子がいる。竜との血縁関係は不明。おばさんに比べて悦子には無関心だが、一生こき使うつもりでいる。
二階堂 邦子 (にかいどう くにこ)
雷音竜が5年前の空手大会で殺害した対戦相手・加山の、婚約者。当時は大ヒット曲「パタパタ パパ」を歌う人気歌手だった。竜に復讐すべく道教の下で羅城門空手を修業し、道教と共に竜を殺すべく現れる。悦子を殺害し、竜を追い詰めるが、背骨をねじり折られて死亡する。
加山 (かやま)
全日本空手大会で雷音竜と対戦した男。優勝候補と目され、段位は五段。寸止めルールでありながら腹と頭に打撃を与えた竜に反則勝ちした。平静を装っていたが、試合後に頭が破裂し腹が裂けて死亡する。
イエス・キリスト
神の啓示を受けた道教が、日本各地の仏像を念で呼び寄せ、その中に封じられていた肉体の欠片を集めて復活させた。雷音竜を悪の化身と呼び、必ず殺すと宣言する。その正体はかつて神々によって仏像に封じられた大悪魔が、人間たちの悪い想念で復活した存在であった。
宮本 武蔵 (みやもと むさし)
復活したイエス・キリストにより、雷門竜抹殺のため蘇った。道教曰く「この世でいちばん強い男」の一人。ブルース・リーと共に竜を追い詰めるが、竜の力を抑える道教に異変が起こり、その隙に敗れる。歴史上の実在の人物、宮本武蔵がモデルと思われる。
ブルース・リー
復活したイエス・キリストにより、雷門竜抹殺のため蘇った。道教曰く「この世でいちばん強い男」の一人。宮本武蔵と共に竜を追い詰めるが、竜の力を抑える道教に異変が起こり、その隙に敗れる。実在の映画スター、ブルース・リーがモデルと思われる。
橘
恐山に住む霊媒の女性で、体から出したエクトプラズマを使い雷音竜と悦子を再会させる。指導霊のお告げに従い、竜にイエス・キリストと道教を殺すよう告げた。
弥勒菩薩
橘の指導霊で、必要な時のみ現れる。正体は不明だが、その姿から雷音竜は弥勒菩薩ではないかと推察した。竜に、前世を思い出すこと、戦って道教を殺すことを命じた。
羅城門空手 (らじょうもんからて)
雷音竜が道教の下で修業した空手。全日本空手大会では解説者に「きいたことありませんなあ」と言われており、一般の知名度は低いと思われる。
山田 (やまだ)
予言者として世間に知られた壮年の男性で、テレビ出演の際、大地震よりも恐ろしい悪として「おそろしい仮面をかぶった怪物」の出現を予言する。その予言と同時に胸から心臓が飛び出た後、「光り輝く人」が仮面の怪物を滅ぼすと告げてから息絶える。