概要・あらすじ
ある夜、放火による火事が発生。我が子を助け出そうと、今にも火の中に飛び込みそうなタケシのママは、消防隊に抑え込まれていた。燃え盛る炎に人知れず興奮する学生に、消防隊はタケシのママを託すが、学生は不気味な笑みを浮かべ、タケシのママからわざと手を放す。その瞬間、突如現れた地獄くんが、猛スピードでタケシのママを突き飛ばし、逃げ遅れた子供を助けに火の中へと飛び込んで行く。
登場人物・キャラクター
地獄くん (じごくくん)
神出鬼没の不思議な少年。悪行を働く人間を懲らしめている。ドクロのボタンが付いた洋服を着ており、胸ポケットには万年筆型の生物「万年とっつあん」を忍ばせている。善人を助け、悪人には容赦なく制裁を加える。
万年とっつあん (まんねんとっつあん)
万年筆型の奇妙な生物。地獄くんの胸ポケットに入っている。しわがれた声でしゃべり、色々なものに形を変えて、地獄くんの手助けをする相棒的存在。火事から子供を助ける際には、カイコのマユのような形状になり、業火から守った。
学生 (がくせい)
火事を見るのが大好きな男子学生。実は放火魔で、火事のサイレンや半鐘に合わせ、派手なメガネをかけてゴーゴーを踊る。放火記録を書いた手帳を落としたことをきっかけに、死根に脅され、暴力団「阿久魔土建株式会社」に雇われることになる。
タケシのママ
火事で逃げ遅れた「タケシ」の母親。和服を着た美しい女性。タケシを助けようと半狂乱になり、火の中に飛び込んでいくが、地獄くんに助けられる。タケシを救った後、地獄くんがすぐさま姿を消してしまったため、神様に救われたのだと思い、感謝している。
阿久魔 (あくま)
「阿久魔土建株式会社」の社長。早苗の父親である初老の男性。放火魔である学生に、指定したビルに放火するアルバイトを持ちかける悪人。可愛がっている娘の早苗の前では、善人のふりをしている。
死根 (しね)
「阿久魔土建株式会社」の社員。悪知恵の働く中年男性。阿久魔の片腕で、放火魔の学生の手帳を拾って後をつけ、阿久魔のもとに連れてきた。黒いスーツ姿で、いかにも悪人顔をしており、早苗に毛嫌いされている。
早苗 (さなえ)
阿久魔の娘。正義感が強い女の子で、学校では学級委員を務めている。通夫たちが原因で草むらに火が燃え移った際には、その火を消そうと尽力する。そこで火を消させまいとした学生ともみ合いになり、頭にビンを投げつけられてしまう。
通夫 (みちお)
早苗の友達。男友達の中ではリーダー的存在の少年。ロケット花火で遊んでいたところ、誤って草むらに火を着けてしまう。しかし、最後まで自分で火を消そうとする、勇気ある少年。のちに学生に火あぶりにされそうになったところを、地獄くんに助けられる。
水蛇 (すいじゃ)
地獄の沼に住む地獄怪獣。地獄くんにより呼び出された。大きくなった草むらの炎を、蛇の姿になってぐるりと包み込み、ものすごい水圧で一瞬で消してしまう。ちなみに、呼び出す際には「ジャバラ、ジャバラ」という地獄語を用いる。
集団・組織
阿久魔土建株式会社 (あくまどけんかぶしきがいしゃ)
阿久魔が社長を務める土建会社。その実態は暴力団。阿久魔と社員の死根は、放火が趣味の学生を脅し、警察に突き出さない代わりに、指定したビルを燃やす、というアルバイトを了承させる。阿久魔の娘である早苗は、会社が暴力団ということを知らない。