MARS RED

MARS RED

音楽朗読劇「SUPER SOUND THEATRE MARS RED」のコミカライズ作品。大正時代の近代化が進む帝都、東京を舞台に、吸血鬼となってしまった日本男児、栗栖秀太郎たちのヴァンパイア狩りの姿を描く、アクションファンタジー。「コミックガーデン」2019年12月号から掲載の作品。2021年4月TVアニメ化。

正式名称
MARS RED
ふりがな
まーず れっど
原作者
藤沢 文翁
漫画
ジャンル
ダークファンタジー
関連商品
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あらすじ

白瀬葵

大正ロマン真っただ中にある日本の帝都、東京では、人が喉を喰い破られる怪死事件が連続で発生していた。新米女性記者の白瀬葵は、事件の取材に訪れた先で赤い目をした人ならざる者たちに襲われる。そこに彼女を助けに現れたのは、四人の男たちだった。魔物を討伐した彼らは、自分たちも化け者だと言い残して去っていく。翌朝保護された葵は、昨夜この場所で映画の撮影があったことを聞かされる。しかし葵は、昨夜助けに現れた一人の声が、戦死したと聞かされていた葵の大切な人である栗栖秀太郎の声に間違いないと確信していた。

栗栖秀太郎

シベリアで危険物を護衛する特別任務に就いていた帝国陸軍上等兵の栗栖秀太郎と憲兵少佐の山上徳一は、輸送していたヴァンパイアに嚙まれてしまう。ヴァンパイア化してしまった二人は、故郷には戦死したと報告され、そのまま陸軍第十六憲兵駐屯所、通称「零機関」所属の金剛鉄兵(ヴァンパイア)として、夜な夜なヴァンパイア狩りの任務に就くこととなる。零機関とは陸軍内部にヴァンパイアを中心に創設された部隊で、隊長である前田義信大佐のもと、科学技術部門主任でマッドサイエンティストのタケウチ憲兵兵長、ヴァンパイア狩りに悦びを感じているスワ伍長といったメンバーがいた。零機関は前田大佐の指揮のもと、金剛鉄兵としての能力を活かして諜報、特殊任務に従事する秘密組織であった。彼らの任務は、東京都内に潜伏して無差別に人を襲うヴァンパイアを拘束または処理すること。秀太郎は、自分の帰りを待つ白瀬葵に生きていることを告げられぬまま危険な任務をこなしていく。一方、葵は帝国劇場の舞台に立つ少年、デフロットと出会い、なかよくなっていた。しかし、デフロットは異国からやって来たSクラスのヴァンパイアだった。

関連作品

音楽朗読劇

本作『MARS RED』は、音楽朗読劇「SUPER SOUND THEATRE MARS RED」を原作としている。原作・脚本・演出は藤沢文翁、音楽監督は土屋雄作、舞台監督は黒田大輔が務めている。キャストは、栗栖秀太郎を古川雄大、山上徳一を諏訪部順一、タケウチを石田彰、スワを鈴村健一、前田義信を高橋広樹、デフロットを沢城みゆき、白瀬葵を朝倉あきが演じている。

TVアニメ

2021年4月から、本作『MARS RED』の原作である音楽朗読劇「SUPER SOUND THEATRE MARS RED」のTVアニメ版『MARS RED』が、読売テレビ、TOKYO MX、中京テレビ、BSフジ、CSファミリー劇場ほかで放映された。アニメーション制作はSIGNAL.MDが担当し、監督は羽多野浩平が務めている。キャストは、栗栖秀太郎を畠中祐、前田義信を諏訪部順一、タケウチを石田彰、スワを鈴村健一、山上徳一を山寺宏一、白瀬葵を折笠富美子、デフロットを沢城みゆきが演じている。

登場人物・キャラクター

栗栖 秀太郎 (くるす しゅうたろう)

日本帝国陸軍に所属する上等兵の男性。シベリアでの特殊任務中、暴走したSクラスのヴァンパイアに嚙まれ、自らもヴァンパイア化した。以降は陸軍第十六憲兵駐屯所、通称「零機関」所属の金剛鉄兵(ヴァンパイア)として、人間に危害を及ぼすヴァンパイア狩りの任務に就く。幼なじみの白瀬葵のことを大切に思っており、彼女の前にはいっさい姿を現すことはないが、たとえ血をすすってでも葵のことを守ることを誓っている。日本で唯一のAクラスのヴァンパイアで、国内最強とされる。戦闘時はガスマスクのようなものをかぶり、顔を隠している。

前田 義信 (まえだ のぶよし)

日本帝国陸軍に所属する大佐の男性。陸軍第十六憲兵駐屯所、通称「零機関」の隊長として指揮を執る。戦地で助けてくれた中島宗之助に恩義を感じており、「陸軍金剛鉄兵計画」を成就することに命をかけている。ヴァンパイアではないが、凄腕の剣の達人である。

タケウチ

日本帝国陸軍第十六憲兵駐屯所、通称「零機関」の科学技術部門主任を務める男性。自らもDクラスのヴァンパイアでありながら、ヴァンパイアの研究を続けている。左目に眼帯風のゴーグルを着け、いつも白衣を着用している。研究のためなら隊員を銃で撃つこともいとわない、マッドサイエンティストの危険人物。ギミックの開発も得意で、血液成分を飴玉にしたものや、携帯式の紫外線発射装置、紫外線を遮断するクリームなどさまざまなものを開発している。

スワ

日本帝国陸軍第十六憲兵駐屯所、通称「零機関」に所属するCクラスのヴァンパイアの男性隊員。階級は伍長。白髪でクールな印象の美少年で、ヴァンパイアを狩ることに悦びを感じている。自称、年齢300歳。野生のヴァンパイアとして生きていた時間が長かったため、人間の血の匂いを嗅ぐと理性を失って暴走してしまうことがある。それを防ぐため、ふだんは防臭マスクを着用している。

山上 徳一 (やまがみ とくいち)

日本帝国陸軍に所属する少佐の男性。栗栖秀太郎と同じくシベリアでの特殊任務中、暴走したヴァンパイアに嚙まれ、自らもヴァンパイア化した。しかし、秀太郎と違ってランク外のヴァンパイアに嚙まれて感染したため、山上徳一自身もランク外のヴァンパイアとなっている。以降は秀太郎と共に陸軍第十六憲兵駐屯所、通称「零機関」に所属してヴァンパイア狩りの任務にあたる。零機関を指揮する前田義信とは同期でもある。「富子」という名の妻がいるが、秀太郎の発案した夢枕に立つという作戦で別れを告げた。

白瀬 葵 (しらせ あおい)

日都新聞社で働く新米の女性記者。兄の千太郎は戦死している。幼なじみである栗栖秀太郎がシベリアでの任務中に戦死したとの報せを受けるが、遺体が見つかっていないことから生きていると信じて行方を捜している。

デフロット

東京の帝国劇場に住み込んでおり、役者として舞台に立つ白人の美少年。その正体は異国からやって来たSクラスのヴァンパイアで、子供の姿をしている。自らのファンとして知り合った白瀬葵に暗示をかけ、「零機関」のヴァンパイア情報を集めていた。人間を敵対視しており、帝都になにかを仕掛けようとしているようだが目的は不明。

天満屋 慎之介 (てんまんや しんのすけ)

天満屋の主人を務める男性。「零機関」にヴァンパイアの情報を提供したり、人々に仕事を紹介したりしている。見た目は子供のような華奢な体型で、モノクルを付けている。代々、国内のヴァンパイアと付き合いがあり、彼らが生活できるように仕事を斡旋している。

中島 宗之助 (なかじま そうのすけ)

日本帝国陸軍中将の男性。戦地で死にかけていた前田義信を救った命の恩人であり、陸軍第十六憲兵駐屯所、通称「零機関」の設立者でもある。日本の若者を死なせないためにも「陸軍金剛鉄兵計画」を進めているが、内閣は軍備縮小に舵を取っているため、零機関解散の淵に立たされている。

あけさと

吉原の遊女。年齢は15歳。ヴァンパイア捜索任務で潜入して来たスワの相手を務めた心優しい少女。ヴァンパイアの犠牲となって命を落とす。

その他キーワード

ヴァンパイア

太陽光と強い臭気が弱点で、血液しか摂取できない吸血鬼。ヴァンパイアに嚙まれると、ヴァンパイア・ウイルスに感染し、9割9分が中毒死するが、死なずにヴァンパイア化することもある。栗栖秀太郎と山上徳一は任務中に嚙まれて、ヴァンパイア化してしまう。痛覚が鈍化し、常人をはるかに超える身体能力を身につけているが、弱点も多く持つ。日本帝国陸軍中将の中島宗之助は、それらの弱点を大正時代の近代テクノロジーで補う「陸軍金剛鉄兵計画」を進めている。ヴァンパイアにはその強さに応じてS、A、B、C、Dのクラスがあり、Sクラスのヴァンパイアに嚙まれた秀太郎は国内唯一のAクラスのヴァンパイアとなっている。スワはCクラス、タケウチはDクラスで、山上はランク外。自分より低ランクのヴァンパイアは察知することができないため、ヴァンパイア捜索の際は最低ランクの山上が、ヴァンパイア発見装置として駆り出されることがある。

クレジット

原作

藤沢 文翁

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