概要・あらすじ
青森県の恐山にある地獄門で、若い登山者が、エンマ大王が書いた神符を、面白半分ではがしてしまったことから、地獄怪獣が世界中に逃げ出してしまった。エンマ大王は、理不尽な事故で死んでしまった勇気のある少年を生き返らせ、111匹の地獄怪獣を退治する地獄の使者に任命する。エンマ大王から特殊な能力を授かって地獄太郎となった少年は、地獄怪獣トゲハライッポンの猛毒で凶暴化した神屋五四郎のもとへ、猛スピードで向かうのだった。
登場人物・キャラクター
地獄 太郎 (じごくたろう)
暴走ダンプにはねられて死亡した少年。正しい心と勇気の持ち主。もう一度お母さんに会いたいとの想いが強い。エンマ大王の計らいで、地獄怪獣111匹を退治すれば、生き返らせてもらえることになっている。地獄怪獣退治のために、エンマ大王から遠くを見渡せる小型千里眼、地獄火、地獄服を授かり、地獄の使者として現れた。 地獄怪獣の毒に侵された人間に、「ギョロ目」呼ばわりされることが多い。
エンマ大王 (えんまだいおう)
地獄の王。情が深く、理不尽な事故で死んだ勇気ある少年の地獄太郎を生き返らせようと、地獄門から逃げ出した地獄怪獣を退治する地獄の使者に任命する。太郎に遠くを見渡せる小型千里眼と地獄火、地獄服を授ける。
登山者 (とざんしゃ)
不良っぽい若い男性。青森県の下北半島にある恐山に、友人と登山に来ていた。不心得者で、雨宿りのため入った洞穴で、エンマ大王が書いた地獄門の神符を見つけ、面白半分ではがしてしまう。
神屋 五四郎 (かみや ごしろう)
夜間中学に通う少年。善良で真面目だが気が弱い。魔田率いる不良グループからカツアゲされていたが、地獄怪獣トゲハライッポンの毒に刺されて狂暴化し、魔田たちを子分にしてしまう。
トゲハライッポン
地獄怪獣の1匹。別名「マンボオドリ」。巨大な一つ目を持つ一本足の怪獣で、「どっく どっく」と鳴く。ハリネズミのように体を丸めて、猛毒のあるトゲで攻撃する。刺された人間は狂暴化し、悪の化身に変わってしまう。必殺技は、全身トゲ針になって高速回転する「マンボ踊り」。
魔田 (まだ)
神屋五四郎をいじめてカツアゲしていた主犯格の少年。五四郎に地獄怪獣トゲハライッポンの毒がまわり、狂暴で強くなったため、五四郎の子分になった。子分にチビ、ボテやんがいる。
チビ
魔田の子分の少年。ともに神屋五四郎をいじめてカツアゲしていた。お調子者だが、地獄太郎が危機に陥った時、太郎が生き返るよう処置を施してアシストするなど、勇気ある行動に出る。
ポテやん
魔田の子分の少年。ともに神屋五四郎をいじめてカツアゲしていた。太っており、魔田に従順。地獄怪獣トゲハライッポンの毒がまわり、凶暴化した人間にいち早く気づくなど、鋭いところがある。
警官 (けいかん)
目が虚ろで異様な雰囲気をまとった警官。神屋五四郎と魔田たちが地獄太郎に助けられ、地獄怪獣トゲハライッポンから逃げる途中に出会った。不気味な笑みを浮かべながら、拳銃を発砲してきた。
部呂 (べろ)
地獄怪獣の1匹。口から舌状の物体を飛ばし、触れたものを何でも透明化してしまう。ユーモラスな外見で、昼間は妖気を出さないため、地獄太郎は怪獣映画のサンドイッチマンだと思い込んでいた。日本中のものをすべて透明にしようと目論んでいる。
山川 (やまかわ)
男子中学生。少し前まで、成績ナンバーワンの模範的な生徒会長だった。現在は地獄怪獣二鬼美の毒がまわり、校長を殴るなど喧嘩っ早く、乱暴な性格に変わっている。山下たち不良グループとのケンカの最中に、地獄太郎と出会う。
山川 ヨシ子 (やまかわ よしこ)
山川の妹。山川と同じ中学校に通う。髪型はツインテール。学校内で問題を起こした山川にひっぱたかれても、最後まで兄を見捨てず、変わってしまった山川を心配する、優しい性格の持ち主。
山下 (やました)
山川と同じ中学校に通う不良グループの番長。ケンカ騒ぎが大好き。最近荒れている山川を、不良グループの仲間にならないかと誘う。断られてケンカになったところを地獄太郎に乱入され、太郎を先にやっつけようと襲い掛かる。
校長 (こうちょう)
山川が通う中学校の校長を務める初老の男性。山川の変わりようを注意したところ顔面を殴られるが、それでも山川を心配して、山下ら不良グループとのケンカを止めに入る、生徒想いな性格。地獄太郎のおかげで、以前の様子に戻った山川を見て、心底安心する。
室矢先生 (むろやせんせい)
山川が通う中学校の中年男性教師。山川に殴られた校長を見て、「教師に対する生徒の態度か」と、気丈にも山川を止めに入るが、押し倒されてしまう。生徒の変化にいち早く気づく、教育熱心な教師。
二鬼美 (にきび)
地獄怪獣の1匹。ぐちゃぐちゃした醜い身体をしている。自身の細胞の一部を人間に移して毒で侵し、毒がまわった人間は、ニキビができて狂暴化する。地獄太郎により人間から抜かれた毒は、ぐにゃぐにゃした顔の形をしている。
ゲンさん
ダンプカーの運転手の男性。20年間無事故無違反。「何でも無理はいけない」というのが信条の、気のいい男性。地獄怪獣霧鬼の毒ガスを吸って凶暴化し、街燈をへし折りながら運転していたところに、地獄太郎が現れる。
ケン
ダンプカーの運転手の男性。ハンドルを握ってまだ半年の若い男性。ゲンさんの助手的な役割を務め、ゲンを尊敬している。地獄怪獣霧鬼の毒ガスを吸って凶暴化し、注意しにきた警官を、積極的に殴りに行く。
霧鬼 (むき)
空に浮かぶ地獄怪獣。足の多いヒトデのような形をしている。毒ガスで東京中の運転手を、おかしくしようと企んでいる。地獄太郎と戦う時は、大きな手の平状の物体となる。
その他キーワード
地獄火 (じごくび)
エンマ大王から授けられた能力。地獄太郎が地獄怪獣退治のために使用する。指先から5色の炎が出て行先を示したり、毛を抜いて地獄火にかざすと、地獄怪獣の毒を体内から抜く針になったりする。指先から青白い炎を噴射しながら飛ぶこともできる。
地獄怪獣 (じごくかいじゅう)
地獄に住む怪獣。通常は、地獄に堕ちた亡者たちを追いかけまわしている。不心得な登山者が、青森県の下北半島にある恐山の神符をはがしたことから、世界中に111匹の地獄怪獣が飛び出してしまう。毒を持っており、その毒に侵された人間は、異様に暴力的になったりと、変調をきたす。
地獄服 (じごくふく)
地獄太郎がエンマ大王から授けられた特殊な服。地獄怪獣退治のために着用する。ピンチの時に太郎を守る役目をする。服のボタンを押すと、膨れ上がって相手の絞め技を解いたり、ヌラヌラすべって相手からすり抜けたりすることが可能。
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