概要・あらすじ
魔物たちがはびこり、人間たちの脅威となっている世界。ある女性剣士が、最恐の吸血鬼カーディナルを倒すため、その居城に押し入った。しかし、カーディナルには、魔法が宿った宝剣も役に立たない。女性剣士はあっさり倒され、両性具有であるカーディナルに犯されてしまう。そして女性剣士は、子を産んで死んだ。赤ん坊の血を飲んだカーディナルは、その極上の旨さに驚いた。とてつもなく低い確率で生まれるという伝説の「赤い至宝」に違いない。そう考えたカーディナルは、良質な血を生む肉袋として、赤ん坊を飼うことにする。ダンテと名付けられた赤ん坊は、カーディナルの肉袋として搾取され続け、ときにはひどい虐待を受けながら育つ。少年となったダンテは、カーディナルを殺して自由を手に入れようとするが、不死身の体を持つ吸血鬼にはまったく刃が立たない。そんなある日、ダンテはカーディナルの口元に、すぐに治らない傷があることに気づいた。ダンテの血を吸ったときにできたものらしい。吸血鬼は傷を受けても瞬時に治ってしまうから不死身なのだ。不思議に思ったダンテは、自分の血をじっくりと研究する。どうやらダンテの血は、自分の意志で硬質化と液体化ができるようだった。そして、吸血鬼に即座の再生を許さない傷をつけることができるのだ。それ以来ダンテは、自分の血をほんの少しずつ貯めながら、血液を武器に変えて操作する鍛錬を続けた。それから10数年が経ち、青年になったダンテは、カーディナルを殺すタイミングを図っていた。そんなとき、サウスベルという街のマリーという少女が、生贄(いけにえ)として、カーディナルの居城にやってくる。銀の刃で抵抗するマリーだったが、そんなものはカーディナルに効かなかった。そのとき、ダンテの血の武器がカーディナルの体を貫いた。そして闘いの末、ダンテの10数年分の血が、ついにカーディナルを滅ぼした。こうして自由を手に入れたダンテは、すべての吸血鬼を倒すため、旅に出ることを決意する。
登場人物・キャラクター
ダンテ
半吸血鬼の青年。黒いツンツンヘアーが特徴で、最恐の吸血鬼カーディナルが、名もなき剣士に産ませた子供。とてつもなく低い確率で生まれる「赤い至宝」と呼ばれる極上の血の持ち主だったため、カーディナルの肉袋として飼われる。ある日、自分の血を自由に硬質化でき、吸血鬼に傷をつけることができることを知ったダンテは、カーディナルを殺す計画を立てる。青年になったダンテは、貯め続けた血液を武器に変え、カーディナルを殺害。吸血鬼を倒せる唯一の存在として、吸血鬼狩りの旅に出る。身体能力が高く、吸血鬼の血を引くため、多少の傷はかんたんに治せる。サウスベルという街の武器屋で、巨人族が使うような超巨大な剣と斧(おの)を調達する。
カーディナル
最恐の吸血鬼と呼ばれる吸血鬼。見た目はロングヘアの女性だが、男性の生殖機能も持つ。残酷無比な性格で、自分を倒しに来た無名の女性剣士を犯し、子供を産ませる。その子がとてつもなく低い確率で生まれる「赤い至宝」と呼ばれる極上の血の持ち主だったため、ダンテと名付けて肉袋として飼う。ダンテの血を吸い続け、虐待を繰り返していたが、青年に成長したダンテにより滅ぼされる。
マリー
サウスベルという街の領主の娘。生贄として吸血鬼、カーディナルに捧げられるが、カーディナルがダンテに滅ぼされたため、生きながらえる。おとなしく見えるが正義感は強く、吸血鬼を殺す力を持つダンテに同行し、共に吸血鬼と戦う。
クレジット
- 原作
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あまうい 白一