概要・あらすじ
両親の海外出張によって、3年間叔母矢島蔦子の家で暮らすことになった高校三年生の袂。受験を控えて行く先に不安を抱える袂は、聡明な叔母と矢島家の西洋館で暮らせることを楽しみにしていた。しかし矢島家の実態は、袂の想像していたような美しいものではなかった。
登場人物・キャラクター
袂 (たもと)
高校三年生の女子。両親の海外出張により、叔母である矢島蔦子の家に居候することになった。国文学科志望で、将来の夢は教師。豆腐屋の同級生二平に淡い想いを寄せている。
矢島 蔦子 (やじま つたこ)
袂の母親の妹で、叔母にあたる。完璧主義の、行き過ぎた教育ママ。ノイローゼ気味な兆候があり、袂が家に居候するようになって以来、悪化していく。
矢島 力 (やじま ちから)
袂のいとこにあたる男子。名門A大に通う大学1年生。中学生まではガキ大将だったが、高校に入ってからは態度が変わり、急に天才となった。家庭内では落ち着いた優等生的な態度で過ごしているが、夜は地下クラブで幻覚剤を常用し、遊んでいる。実は養子。
矢島 ますみ (やじま ますみ)
袂のいとこにあたる男子。小学2年生。大人びた子供で、束縛の強い母親矢島蔦子を安心させるために、塾におとなしく通っている。実は養子。
矢島 秋彦 (やじま あきひこ)
袂の叔父。矢島蔦子の夫。家庭では紳士然とした態度で良き父親として振舞っているが、浮気をしていた。浮気相手から妻蔦子も誰かを想っていると言われた。
二平 (にへい)
袂の同級生。高校三年生男子。家業の豆腐屋を継ぐため、受験勉強はしていない。袂は彼が本当は受験をしたいのではないかと考えている。