げんしけん

大学入学を機に、オタクが集うサークル現視研に入会した笹原完士は、そこでオタク文化にどっぷり浸かった先輩陣をはじめとする、個性的な会員たちと出会う。やがて上級生へと進級した笹原は、同人イベント・コミック・フェスティバルへのサークル参加や、後輩の荻上千佳との恋などを通して成長していく。笹原たちの卒業後、新部長の荻上をはじめとした次世代の物語は、続編漫画『げんしけん 二代目』として描かれている。

概要・あらすじ

椎応大学に入学した主人公笹原完士は、自分のようなオタクの同志が集まるサークルへの入会を希望していたが、同時に濃いオタクたちの巣窟へ足を踏み入れる決心をつけかねていた。そんな折、「アニメ研究会」などのストレートな名称ではなく現代視覚文化研究会、通称「現視研」という、一風変わった名称に興味を持った笹原は、とりあえず見学だけでもと現視研の扉を叩く。

会員たちによる通過儀礼的な手痛い「ワナ」にハメられもしたが、現視研独特のゆるい気風に居心地の良さを感じた笹原は正式入会を決意。個性的で濃いオタクの先輩や友人たちと交流を深めていく。

登場人物・キャラクター

笹原 完士

大学に進学して親元を離れたのを機に、「欲望のままに生きる」ことを決意してサークル・現視研に入会。先輩たちとの秋葉原巡りや、同人誌即売会・コミック・フェスティバルへの参加などを通して、オタクの道を邁進していく。そして、2年次年明けに先輩から指名されて現視研の会長に就任。 その際、今後のサークルの目標として「コミフェスへのサークル参加」を目標に掲げ、自分は同人誌の制作に携わる。この時の経験が、漫画編集者を志すきっかけとなった。それまでは穏やかな性格で押しが弱かったが、同人誌制作を通して自分の意見を貫く意志の強さと自主性が芽生えた。また包容力もあり、後輩会員の荻上千佳が抱えたトラウマ解消に一役買いながら、彼女と親交を深めていき、紆余曲折を経て恋人関係になった。

波戸 賢二郎

『げんしけん 二代目』からの登場人物で、本作における主人公的存在。荻上千佳が現視研の会長に就任してから入会したメンバー。男性でありながらボーイズ・ラブが大好きで、「女性に引かれることなく腐女子トークをしたい」という理由で女装をする男の娘である。もともと線が細いうえに女顔、メイクの腕も抜群で特訓によって女声も出せるようになっているため、誰が見ても清楚でおしとやかな美少女にしか見えない。 また、かなり過激なボーイズ・ラブイラストしか描けないが、非常に高い画力の持ち主。だが女装を解くと極端に画力が落ちてしまう。自分が男の娘であることを知っても気さくに接してくれる斑目晴信に、好意を抱くようになっていく。

高坂 真琴

笹原完士と同学年で、彼にとって大学で初めてできた友人。現視研のゆるい気風が気に入って入会した。少々天然だが、爽やかな笑顔が印象的な美男子で、誰に対しても明るく朗らかに接する。しかし、見た目とは裏腹に中身は笹原をはるかに上回るハイレベルなオタク。ゲーム全般に対する造詣が深く、特に対戦格闘ゲームの腕前は全国大会で上位を狙えるほどのレベル。 またエロゲーもこよなく愛しており、笹原や恋人の春日部咲の目の前で堂々とプレイする。幼なじみである春日部から熱烈なアプローチを受けて恋人になった。

春日部 咲

笹原完士と同学年の女子大生。少々口が悪く短気だが、サバサバした姉御肌で度胸もあり、いざという時には頼れる存在。大学入学当初、高校以降疎遠になっていた幼なじみの高坂真琴と偶然再会。爽やかなイケメンに成長していた彼に惹かれて猛アピールを開始し、彼に付きそう形で現視研に出入りするようになる。 彼女自身はオタク文化にまったく興味がなかったが、紆余曲折を経て正式に入会。また、猛アピールが功を奏して高坂と晴れて恋人関係に。ハードすぎるオタク趣味に辟易とさせられつつも、彼に夢中なため別れることもできず、茨の道を歩む。オタクに対して悪意混じりの偏見を持っていたが、現視研に在籍してオタク文化に接するうちに、ある程度の理解を示すようになった。

斑目 晴信

現視研の二代目会長で、眼鏡をかけた痩せ型のオタク。同人誌即売会・コミック・フェスティバルでお目当ての本を入手することに情熱を傾ける。イベント中に不注意で転倒して腕を骨折した際も、気絶するまで痛みに耐えながら買い出しを続けるという執念を見せた。口調や態度にトゲがあるため誤解を招きやすいが、基本的には温厚で面倒見が良い。 また、トラブルや逆境に弱いヘタレ体質で、荻上千佳をはじめとする女性オタクたちからは総受けだと見なされていた。オタクとは対極に位置する春日部咲に密かに片思いし続けており、周囲もそれを認識していたが、春日部が卒業するまで自分から想いを口にすることはなかった。 続編の『げんしけん 二代目』に物語が移ってからは、複数の女性(内ひとりは男性だが)から想いを寄せられるモテ期が到来した。

田中 総市郎

現視研の二代目会長・斑目晴信らと同学年で、笹原完士の先輩。温厚そうな印象の小太り体型で、後ろで束ねた長髪と線のような細目が特徴。コスプレの衣装制作や写真撮影、プラモデル製作が趣味だったが、コスプレイヤーの後輩大野加奈子の入会以降はさらに衣装制作に没頭。 彼女のために何着もコスプレ衣装を自作するようになる。お互いに共通の趣味を持つため大野と仲が良く、自然と恋人関係になっていった。卒業後は服飾専門学校に進んでおり、将来はオーダーメイドでコスプレ衣装を作る店を開きたいと考えている。

久我山 光紀

現視研の二代目会長・斑目晴信らと同学年で、笹原完士の先輩。温厚で控えめな性格で、丸顔に団子鼻、太った大柄な身体が特徴。どもりがちで声が通りにくいのがコンプレックスとなっており、そのためか万事において消極的。イラストが趣味で、部室でよくイラストを黙々と落書きしているが、絵のレベルはそこそこ評価できる程度にはうまい。 笹原の発案で現視研メンバーで同人誌を作ることになった際、初めての漫画制作に挑んだ。大学卒業は医療機器メーカーに就職し、慣れない営業職に四苦八苦することに。

会長

現視研初代会長であり、本名や実年齢、学年などは謎に包まれている。乏しい表情からは何を考えているのか読めず、存在感が極めて薄い。「人間行動学に関するデータの収集」のため、大学構内の各所に盗撮・盗聴用の機器を仕掛けている。そこで得た様々な「秘密」を握っているため、会員たちにとっては畏怖の対象。

大野 加奈子

笹原完士と同学年の帰国子女。腰にまで届く長い黒髪と春日部咲以上の長身、そして豊満な肉体の持ち主。後期入学生のため、笹原たちより後に現視研に入会した。三度の飯よりもコスプレが好きで、自分の体型を活かした巨乳キャラに扮することが多い。自分自身で衣装を着るのも好きだが、かわいい女の子を見るとコスプレさせたがる。 笹原の跡を継いで四代目会長に就任した際は、現視研をコスプレサークル化しようと目論むも、他の会員から却下されてあえなく断念。コスプレという共通の趣味を持つ先輩・田中総市郎とは特に仲が良いが、田中が奥手なため関係がなかなか進展せず、1年以上の友達付き合いを経てようやく交際をスタートさせた。 ボーイズ・ラブをこよなく愛する腐女子だが、ハゲやオヤジ好きと、その趣味は非常に偏っている。

朽木 学

笹原完士の1学年下の後輩。痩せ型でヒョロッとした長身と、「3」の形をした口が特徴。個性的な面子揃いの現視研でも最大の問題児で、空気を読まない痛々しい発言と奇怪な動き、新入生勧誘期に引き起こした問題行動で、ほぼすべての女子会員から煙たがられている。本人もそのことを自覚しながらも、臆することなく人の輪の中に入っていくほど、メンタル面は強い。

荻上 千佳

笹原完士の2学年下の後輩。細身の小柄と、頭の上で髪をまとめて立てた「筆あたま」が特徴で、感情が高ぶると東北弁が出てしまう。新入生勧誘期には漫画研究会に所属していたが、藪崎久美子をはじめとする女子会員たちと対立し、校舎の2階から飛び降りて負傷するというトラブルを起こす。それがきっかけで漫研を退会し、漫研会長の高柳の紹介で現視研に移籍した。 当初は攻撃的な性格で、オタクが嫌いだと公言していたが、後に彼女自身もボーイズ・ラブ好きのオタクであることが発覚してカミングアウト。事あるごとに刺々しい発言をするが、そんな自分を受け入れてくれた現視研の面々に、少しずつ心を開き、やがて攻撃的な性格もなりを潜めていく。 中学時代に両想いの男子生徒がいたが、彼を題材にした自作のボーイズ・ラブ系イラストが本人の手に渡ったことがきっかけで破局。周囲の心ない中傷と罪悪感に耐えられずに校舎から飛び降りて負傷するという事件を起こした。この一件は長きにわたってトラウマとなっていたが、自分の醜い一面も含めて受け入れてくれた笹原と交際を開始する。 後に四代目会長の大野加奈子の跡を継いで、五代目会長に就任。『げんしけん 二代目』では後輩たちをまとめる立場として奮闘した。

藪崎 久美子

荻上千佳と同学年の漫画研究会会員で、同サークル内でもっとも絵がうまい実力者。太めの体型と三つ編みが特徴で、威勢の良い関西弁で話す。入会間もなく荻上と対立する騒ぎを起こしたが、彼女の漫画の実力は認めており、後に友達になりたいとひそかに願うように。しかし素直になれない性格のため、顔を合わせると悪態をつくというツンデレな一面を見せる。

麻田 直子

藪崎久美子の1学年下の漫画研究会会員。キャラ立ちを狙って語尾に「ニャ」をつけて話す。藪崎と行動を共にしており、たびたび自爆発言をする彼女にサラリとキツいツッコミをいれる。

加藤

藪崎久美子の1学年上の漫画研究会会員。普段は長いストレートの黒髪で顔を隠しているが、ここぞという時に覗かせる素顔はソバカスがあるもののかなりの美形。ぶっきらぼうだが面倒見が良く、複雑な人間関係を抱える漫研内でのバランサーとなっている。実はコスプレが趣味で、同好の士である大野加奈子とは仲が良い。

原口

笹原完士の2学年上の先輩で、現視研の幽霊会員。太めで恰幅が良く、つねに余裕のある笑顔を絶やさない。口調は穏やかだが発言内容は嫌味にまみれており、現視研会員だけでなく漫画研究会の面々からも嫌われている。大手同人サークルの人気作家をはじめとする幅広い人脈があり、編集者として同人誌の制作に参加。 自分勝手なやり口で売り上げのピンハネをするなど、腹黒さあふれる立ち回りをしている。

スザンナ・ホプキンス

大野加奈子の米国ホームステイ時からの友人で、年齢不詳の小柄な金髪美少女。オタク仲間のアンジェラと共に米国から大野の元へ遊びにやってきた。その際、現視研のメンバーと面識を持つが、特に荻上千佳の絵を気に入って大ファンになり、懐くようになる。 基本的に無口かつ無表情で、喋ったとしても片言の日本語でアニメや漫画のセリフを口にするだけなので、何を考えているのか推し量るのが難しい。口にするネタがマニアックかつ古い作品からの引用もあり、幼げな容姿に反してコアなオタクであることが窺える。後に椎応大学に留学し、正式に現視研のメンバーとなった。 『げんしけん 二代目』では斑目晴信への恋に目覚めたが、自分の想いをもてあましており、彼が側に来ると挙動不審な姿を見せるようになる。

アンジェラ・バートン

大野加奈子の米国ホームステイ時からの友人で、スタイル抜群の奔放で開放的な金髪美人。大野と同じくボーイズ・ラブ好きの腐女子でコスプレイヤーでもある。笹原完士が4年生の夏に、同人誌即売会・コミック・フェスティバルに参加するためスザンナ・ホプキンスと共に来日した。 その際に斑目晴信のことを気に入り、以降来日するたびに積極的なアプローチを繰り返すように。

矢島 美怜

荻上千佳が現視研の会長に就任してから入会したメンバー。太めの体型でセミショートのボサボサヘアにノーメイク、さらに飾り気のないシャツとジーンズという、女性らしさに欠けた腐女子。サバサバした男勝りな口調の常識人で、たびたびハメを外した発言をする同期の吉武莉華にかなり厳しめのツッコミを入れる。 以前から趣味でイラストを描いているが、実力はいまひとつ。男の娘である波戸賢二郎の女装には内心反対している一方、繊細な彼にひそかに想いを寄せている。

吉武 莉華

荻上千佳が現視研の会長に就任してから入会したメンバー。小柄な童顔で長い黒髪をポニーテールでまとめている。明るく活発でいつもテンションが高く、たびたびハメを外した発言をしては同期の矢島美怜から厳しいツッコミを受けている。他の女子会員同様に腐女子で、特に戦国武将をこよなく愛する歴女。 現視研のムードメーカー的存在で、彼女がいる場所は常に賑やかだが、物事に対する見方や考え方は意外にも冷静かつシビア。

笹原 恵子

『げんしけん』および『げんしけん 二代目』の登場人物で、笹原完士の妹。現役女子高生で茶髪に化粧の派手なギャルだが、顔立ちは兄にそっくり。兄との待ち合わせで出会った高坂真琴に一目惚れ。春日部咲という恋人が側にいるのに果敢なアタックを開始するも、うまくあしらわれてしまう。また、自分にとっては恋敵であるはずの春日部を気に入り、「ねーさん」と慕うようになった。 それまではオタクを蔑視していたが、高坂や現視研メンバーと知り合ったのがきっかけである程度の理解を示すように。高校卒業後は兄と同じ大学に進学しようとするも、勉強不足のため不合格。専門学校に通いながらも、たびたび現視研に出入りする。以前は「ワタナベ」と呼んで小馬鹿にしていた斑目晴信に、少しずつ好意を抱いていく。

集団・組織

現代視覚文化研究会

『げんしけん』の舞台となる椎応大学の文化系サークル。漫画やアニメ、ライトノベル、ゲーム、同人誌など、様々なオタク文化全般を研究する。だが、その実態は会員が好き勝手に漫画やアニメを見たり、ゲームで遊んだりしているだけで、単なるオタクたちのたまり場と化している。

アニメ

げんしけん

椎応大学に入学した笹原は、アニメやゲームなど、オールラウンドにオタク文化を研究すると称した「現代視覚文化研究会」に入会する。サークル内の独自の歓迎、現視研を煙たがる他のサークルとの関係、会の中での恋愛... 関連ページ:げんしけん

げんしけん2

現視研に入り、自分の求めていた世界を知った笹原の活動は続いていた。新入部員が入ってきたが、オタクを嫌いだと言い放つこじらせた腐女子の荻上、空気の読めない朽木など、トラブルメーカーだらけ。 彼らを巻き込... 関連ページ:げんしけん2

書誌情報

げんしけん 全21巻 講談社〈アフタヌーンKC〉 完結

第1巻

(2002年12月18日発行、 978-4063211443)

第2巻

(2003年6月23日発行、 978-4063211511)

第3巻

(2003年12月20日発行、 978-4063211559)

第4巻

(2004年6月23日発行、 978-4063211627)

第5巻

(2004年11月22日発行、 978-4063211641)

第6巻

(2005年6月23日発行、 978-4063211702)

第7巻

(2005年12月22日発行、 978-4063211740)

第8巻

(2006年8月23日発行、 978-4063211795)

第9巻

(2006年12月22日発行、 978-4063211832)

第10巻

(2011年5月23日発行、 978-4063107524)

第11巻

(2011年12月22日発行、 978-4063107937)

第12巻

(2012年6月22日発行、 978-4063878264)

第13巻

(2012年12月21日発行、 978-4063878561)

第14巻

(2013年6月21日発行、 978-4063878950)

第15巻

(2013年12月20日発行、 978-4063879452)

第16巻

(2014年6月23日発行、 978-4063879773)

第17巻

(2014年12月22日発行、 978-4063880212)

第18巻

(2015年6月23日発行、 978-4063880618)

第19巻

(2015年12月22日発行、 978-4063881042)

第20巻

(2016年6月23日発行、 978-4063881431)

第21巻

(2016年11月22日発行、 978-4063882094)

新装版 げんしけん 既刊4巻 講談社〈KCデラックス アフタヌーン〉 連載中

第1巻

(2017年5月23日発行、 978-4063932195)

第2巻

(2017年6月23日発行、 978-4063932201)

第3巻

(2017年7月21日発行、 978-4063932324)

第5巻

(2017年9月22日発行、 978-4063932676)

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