概要・あらすじ
貧乏青年の葉月亮平は、花屋の店長をしている島尾六花に一目惚れし店のバイトとなる。しかし六花は3年前に死去した夫の島尾篤への想いをまだ残していた。さらに葉月亮平は、店舗2階の自宅にとりついたままになっていた六花の夫である篤の幽霊と遭遇。未亡人と彼女に恋する男、そして幽霊になっても妻に執着する夫。
三者の揺れ動く心情を描いていく三角関係恋愛ストーリー。
登場人物・キャラクター
葉月 亮介 (はづき りょうすけ)
ぶっきらぼうに見えるが健気で一途な貧乏青年。花屋「フラワーショップSHIMAO」の店長島尾六花に一目惚れして以降、店に通いつめるようになり、常連になったころバイト募集の貼り紙を見て応募。応募時の履歴書によると、1987年4月2日生まれの22歳。「フラワーショップSHIMAO」の店員として働くことになる。 六花の誕生日の前日に告白し、交際を申し込む。六花と遊園地でデートするも、亡くなった夫の島尾篤への想いを残したままの彼女との仲が進展しないことで捨て鉢となり、酒を飲んだ勢いで篤に自らの肉体を貸すことを承諾する。それ以降、篤に体を奪われた葉月亮介は、絵本の中の世界に閉じ込められてしまう。
島尾 六花 (しまお ろっか)
30歳。3年前に夫の島尾篤を亡くし未亡人となって以降は、生前時の夫と始めた町の花屋「フラワーショップSHIMAO」を店長として切り盛りしている。記念日などを覚えるのが苦手なこともあり、覚えやすいようにするため篤との入籍は自らの誕生日に行った。夫との出会いは専門学校時代。見事な作品を作る同級生であった篤に興味を惹かれ恋に落ちる。 これが彼女の初恋だった。未亡人となってからは仕事に打ち込んでいたが、アルバイトの青年、葉月亮介に告白され、しだいに彼に惹かれていくようになる。
島尾 篤 (しまお あつし)
島尾六花の夫だが、3年前に死去。子供のころから病弱だったことが原因で人生を達観しているようなところがあったが、病床で泣き崩れながら彼を呼び止めようとする島尾六花の姿を見て、この世に留まることを決める。死後は幽霊として「フラワーショップSHIMAO」の2階にある島尾夫婦の自宅に出没している。 彼の存在を認識できるのは葉月亮介のみで、生きている人間には触れることができない。亮介が六花に好意を抱いていることを知ってからは、1階の店舗スペースにも頻繁に現れるようになり、亮介が六花にモーションをかけるのを妨害しようとする。六花に強い未練を抱いており、彼女と今一度触れ合うため、亮介に肉体を貸してほしいと申し出る。 酒に酔って申し出を承諾した亮介の肉体にとりついたが、すでに六花が亮介に惹かれつつあることを思い知る。
島尾 ミホ (しまお みほ)
島尾篤の実姉で、島尾六花の義理の姉にあたる。「フラワーショップSHIMAO」の人手が足りないときに店舗を手伝う。弟の島尾篤が亡くなってから、残された島尾六花を何かと気にかけている。