天は赤い河のほとり

天は赤い河のほとり

呪いの魔力で、現代から紀元前14世紀のヒッタイト帝国へ連れ去られた女子中学生・鈴木夕梨。彼女はユーリの名で第3皇子・カイル・ムルシリの側室となり、王族間の陰謀や周辺国との戦争に巻き込まれていく。ユーリはやがて数々の試練を乗り越えてカイルと結ばれ、ヒッタイトの皇妃となる。古代アナトリアの史実を土台にした、篠原千絵の代表作である歴史ロマンス漫画。第46回小学館漫画賞少女部門受賞作。

概要

女子中学生・鈴木夕梨はある日、水たまりから現れた謎の手に捕まって姿を消す。夕梨がやってきたのは紀元前14世紀のヒッタイト帝国。ナキア皇妃が呪いの生け贄とするため、夕梨を魔力で引き寄せたのだった。夕梨は第3皇子カイル・ムルシリと出会い、その側室・ユーリとしてかくまわれる。

やがて互いに運命の愛を感じ、強く惹かれ合うようになるユーリとカイル。カイルは神官らの魔力でユーリが家族の下に帰れるよう手を尽くすが、これは2人にとって永遠の別れを意味していた。いっぽうナキア皇妃は我が子を帝位につけるため陰謀を重ね、2人の大切な人たちを次々と謀殺。また周辺国との紛争も絶えず、2人は常に命を狙われることに。

だがユーリは勇気と機転でカイルを支え、人々は彼女を戦いの女神・イシュタルの化身として崇めるようになった。そうしたなかユーリは苦悩の末、現代へ帰る最後のチャンスを捨ててカイルと添い遂げる道を選ぶ。やがて王の死を経てカイルが皇帝に即位した後、エジプトとの戦争が勃発。

敵将のウセル・ラムセスユーリへの愛を宣言してカイル打倒に執念を燃やすが、母国の敗北で潔く身を引く。同時にナキア皇太后は、エジプトと内通していた証拠を掴まれて失脚。ユーリとカイルは帝国の行く末を見届けるようにと、ナキア皇太后に終身刑を言い渡した。こうしてユーリはカイルことムルシリ2世と結ばれて皇妃となり、ヒッタイトは帝国史上最大の繁栄を迎える。

登場人物・キャラクター

主人公

現代の日本に暮らしていた中学3年生、15歳。毬絵という姉と、詠美という妹がいる。歴史は苦手だが、体育は得意。高校受験を終えて初キスを交わしたボーイフレンドの氷室聡とデート中、ヒッタイト帝国のナキア皇妃... 関連ページ:鈴木 夕梨

ヒッタイト帝国の第3皇子。第2皇妃ヒンティの息子。首都ハットゥサきってのプレイボーイと噂されるクールな美男子だが、ユーリが現れるまで全ての縁談を断わっていた。神官の位を持ち、水を操るナキア皇妃に対して... 関連ページ:カイル・ムルシリ

ヒッタイト帝国の皇妃。後に皇太后を経て廃位される。元・バビロニアの王女。15歳の時に衰退した母国への援助と交換でヒッタイト帝国に輿入れし、シュッピルリウマ1世の側室となった。ヒッタイトに来てすぐ出会っ... 関連ページ:ナキア

北方の滅んだ王族の出身だが、15歳の時に宦官としてヒッタイト帝国の神殿に売られた。長じてナキア皇妃の忠実な右腕となり、数々の謀略・暗殺を繰り広げる。ルサファに左目を射抜かれ、隻眼となった。ナキア皇妃が... 関連ページ:ウルヒ・シャルマ

ヒッタイト帝国の第4皇子。第2皇妃ヒンティの侍女の息子。商業都市カネシュの知事を務める。カイル・ムルシリと兄弟のように過ごし、固い友情と信頼で結ばれている。バラ色の水でナキア皇妃に操られ、ユーリを誘拐... 関連ページ:ザナンザ・ハットゥシリ

ヒッタイト帝国の皇太子で、タドゥケパ皇妃の息子。病弱で帝位継承に不適格と言われてきた。だがシュッピルリウマ1世の病没により即位、アルヌワンダ2世となる。正妃と5人の側室がいるが、子供はいない。異母弟の... 関連ページ:サリ・アルヌワンダ

ヒッタイト帝国の第2皇子。生母の身分が低いため、帝位に就く資格を持たない。城塞都市ハレブの知事に任命される。強国の姫を正妃に娶るようカイル・ムルシリに進言した。 関連ページ:ロイス・テリピヌ

ヒッタイト帝国の第5皇子。エジプトとの戦いで退却するカイル・ムルシリ軍のしんがりを買って出るが、ウセル・ラムセスの剣に倒れて絶命。 関連ページ:マリ・ピアシュシュリ

ヒッタイト帝国の第6皇子で、ナキア皇妃の息子。ユーリより少し年下の、天文学に夢中で利発な少年。性格はおとなしい。ナキア皇妃は我が子ジュダ・ハスパスルピを帝位に就けるためにあらゆる陰謀を巡らせるが、本人... 関連ページ:ジュダ・ハスパスルピ

アルザワ王国第1王女。ユーリより年下の幼い少女。ヒッタイト帝国がアルザワを攻略して講和を結んだ際、指揮を務めたユーリを男だと勘違いしたアルザワの女王が、ユーリに側室として差し出す。後にユーリを慕ってヒ... 関連ページ:アレキサンドラ

カイル・ムルシリに仕えるヒッタイト3隊長の1人。弓兵隊長で、ヒッタイト帝国一の射手と呼ばれる。ユーリに密かな思いを抱いていた。ユーリの命を狙ったウルヒ・シャルマの左目を射抜く。海上で遭難してエジプトに... 関連ページ:ルサファ

エジプト人で、ウセル・ラムセスの妹。気さくでオープンな性格の持ち主である。エジプトでラムセスに拉致されたユーリに関心を持った。ユーリに同行していたルサファに恋心を抱き、再会するためにカイル・ムルシリと... 関連ページ:ハトホル・ネフェルト

カイル・ムルシリの異母姉で、第3神殿の神官長。生来目が不自由だが、強い魔力を持つとされる。婚礼の儀のため沐浴するユーリを、水を操るナキアから守ろうと奮闘した。 関連ページ:ネピス・イルラ

エジプトの貴族出身の軍人で、後のラムセス1世。オッドアイで右目が金色、左目がセピア色をしている。ユーリと砂漠で偶然出会って以来、自分のものにしようとしばしばつきまとうように。海上で遭難してエジプトに流... 関連ページ:ウセル・ラムセス

ヒッタイト帝国の王宮書記官。カイル・ムルシリの乳兄弟であり、長じてその右腕として参謀役を務める。知略に長けており、策士のウルヒ・シャルマを出し抜いて捕まえ、アルヌワンダ2世暗殺について自白させた。 関連ページ:イル・バーニ

ヒッタイト帝国の皇帝で、カイル・ムルシリら皇子たちの父親。勇将であり、ヒッタイトをオリエントの一等国にのし上げた。ザナンザ・ハットゥシリの死後、七日熱と呼ばれる伝染性の熱病を患って死亡する。同時代の実... 関連ページ:シュッピルリウマ1世

カイル・ムルシリの召使いだった少年。ユーリの妹・詠美に面影が似ている。古代アナトリアへ来たばかりのユーリと親しくなるが、ナキア皇妃の手下・ズワに殺された。宗教都市アリンナ出身。ハディ、リュイ、シャラと... 関連ページ:ティト

エジプトの王太后。かつて弱小国だったミタンニ王国の王女タトゥーキアとして生まれる。弟マッティワザとは近親相姦の関係にあった。ミタンニの王が大量の黄金と引き換えに、エジプトのアメンホテプ3世の側室として... 関連ページ:ネフェルティティ

エジプト人。ツタンカーメン王の若い妃。王との間に子がおらず、ネフェルティティ王太后の指示でヒッタイト帝国の皇子との結婚が決まる。だが相手に選ばれたザナンザ・ハットゥシリがナキア皇妃の手下に殺され、後に... 関連ページ:アンケセナーメ

ユーリの異名・イシュタルをかたり、カタパの街で贅沢と横暴を尽くしていた娘。ウルヒ・シャルマが身分の低いウルスラを利用し、カイル・ムルシリとユーリの評判を落とすため裏で操っていた。後に改心してユーリに仕... 関連ページ:ウルスラ

カイル・ムルシリに仕えるヒッタイト3隊長の1人で、戦車隊長を務める。女官になったウルスラと愛し合っていた。ウルスラから形見に託された髪を編んで頭飾りとし、常に身につけている。 関連ページ:カッシュ

ミタンニ王国の王太子で、冷酷無比な性格をしており、血の黒太子の異名がある。ユーリを無理やり自分のものにしようとするが、叛乱が起こってバビロニアへ逃亡した。後にカイル・ムルシリの恩赦により帰国を許され、... 関連ページ:マッティワザ

マッティワザの側室。バビロニアからミタンニ王国に嫁いだ。ナキア皇妃の妹。マッティワザとの間に第1王女、第2王子をもうける。ウルヒ・シャルマと通じており、ミタンニに囚われたユーリを苦しめようとする。ミタ... 関連ページ:ナディア

エジプト南部の州都エレファンティンにいた労働者のエジプト人青年。役人に逆らって処刑されるところをユーリに救い出された後、首都テーベでの労働者の叛乱を指導する。だがユーリがヒッタイト側の人間だと知り、自... 関連ページ:タハルカ

カイル・ムルシリに仕える青年。王宮や戦場でカイルやユーリにつき添い、その手足となって奔走する。カッシュ、ルサファらと親友同士。ティトの姉リュイと愛し合い、子供ができる。後世に伝わる文献・キックリ文書を... 関連ページ:キックリ

王家の娘を妻とするエジプトの将軍。老王アイの他界にともない、エジプト王の座に就いた。オロンテス河畔でヒッタイト帝国と戦った際、戦局を有利に運んだウセル・ラムセス将軍から指揮権を取り上げて手柄を横取りし... 関連ページ:ホレムヘブ

宗教都市アリンナに住むハッティ族の族長で、ティトの父親。ユーリが戦いを司る暁の明星=イシュタルの化身だと確信し、オリエントの覇権を左右するハッティ族秘伝の製鉄法を委ねると告げた。 関連ページ:タロス

宗教都市アリンナに住んでいたハッティ族の娘。弟ティトのほか、双子の妹リュイとシャラがいる。ナキア皇妃の悪だくみでユーリがティトを殺したと思い込んでいた。誤解が解けた後、ユーリに仕える女官となり、後には... 関連ページ:ハディ

『天は赤い河のほとり』に登場する馬。ユーリの愛馬で、宗教都市アリンナの民がシュッピルリウマ1世に献上するため育てていた。だが気性が荒くて手に負えず、カシュガ族との戦闘で見事に乗りこなしたユーリに贈られ... 関連ページ:アスラン

北方の蛮族カシュガの長の1人で、ナキア皇妃が殺し屋として使っていた。殺した人間の皮をはいでコレクションしている。ティトを殺害し、ユーリの命も狙った。だがユーリはハッティ族の宝剣=鉄製の剣でズワの剣を砕... 関連ページ:ズワ

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