天才料理少年 味の助

天才料理少年 味の助

「百舌」と呼ばれた伝説の料理人を祖父に持つ少年が、人並み外れた料理のセンスを武器に、さまざまな困難に立ち向かいながらも成長していく料理漫画。「週刊少年マガジン」2003年47号から2004年38号にかけて連載された。

正式名称
天才料理少年 味の助
ふりがな
てんさいりょうりしょうねん あじのすけ
作者
ジャンル
料理人
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概要・あらすじ

小さな頃から勉強やスポーツをはじめ、何をやらせてもパッとしないが、料理のセンスだけは抜群の徳川味の助。そんな彼は百の味覚を持ち「百舌」と呼ばれた料理人を祖父に持っていた。ある日、味の助の母が切り盛りする料理店に、料理界の番人と恐れられる料理評論家の神宮寺徹が来たことにより、彼の運命は大きく変わっていく。

登場人物・キャラクター

徳川 味の助 (とくがわ あじのすけ)

14歳の中学2年生。「百舌」と呼ばれた伝説の料理人、徳川優作を祖父に持つ。「百舌」の遺伝子は徳川味の助に受け継がれており、食した料理の材料や隠し味を瞬時に当てることができる。また「料理の声を聴く」ことができ、その声を聴くことで得たインスピレーションから、大人から子供までをも魅了する料理を作る。人から頼まれたり困っている人を見ると、見過ごすことができない情に厚い性格だが、それが行き過ぎて泳げないのに荒波が立つ海に飛び込むなど、無茶をしてしまうこともある。

沢渡 萌乃香 (さわたり ほのか)

徳川味の助の同級生で幼なじみ。味の助と共にいることが多いからか味覚のセンスに優れ、料理の材料や調理方法を当てることもできる。味の助がピンチに陥ると駆けつけて、調理の手伝いをしたり、アイデアのきっかけになる行動を起こす。味の助に対しては特別な想いがあるようで、他の女子生徒が味の助に興味を持つことに嫉妬している。かつて幼い頃、何をやってもビリで失敗ばかりする自分に悲観的になっていた味の助を、おにぎりで助けたことがある。

味の助の母 (あじのすけのはは)

徳川味の助の母親で、洋食屋「mama」を経営している。彼女自身は料理が苦手なため、味の助が代わりに調理を担当している。味の助のクラスメイトである斉藤和良の両親が経営する精肉店の窮地には、自分のお店を休みにしてまで協力するなど、とてつもなく人がいい。

徳川 優作 (とくがわ ゆうさく)

徳川味の助の祖父で、「百舌」呼ばれていた伝説の料理人。味の助が物心つく前に交通事故で命を落としている。食べる人を感動させるほどの料理の腕を持ち、神宮寺徹に「百舌を越える料理には一度も出会えなかった」と言わしめるほど。大帝国ホテルの総料理長候補であったが、一対一でお客さんの顔を見ながらお客さんのために料理を作っていたいという思いで、洋食店「mama」を開店した。

斉藤 和良 (さいとう かずよし)

徳川味の助の同級生ではあるが、1年留年しており歳は味の助のひとつ上。中学に入って非行に走り、今では暴走族のリーダーに上り詰めている。学校では伝説の武闘派などと恐れられているが、経営に苦しむ親を救いたいと考える親思いな一面も持つ。また人情にも厚く、味の助が京極と料理対決する時には暴走族のメンバーを引き連れて応援に駆けつけた。

平山 かおり (ひらやま かおり)

徳川味の助と同じ学校に通う天才水泳少女で、水泳の実力は全国大会でも優勝候補と目されているほど。沢渡萌乃香とは小さい頃からの友人。かつて人見知りで友達がなかなかできなかった萌乃香に話しかけ、友達作りを手伝ったという過去があり、萌乃香に恩人と感謝されている。スランプに陥ったことで、好きなスパゲッティを食べることすらできないほどの拒食症に陥ってしまう。

京極 一 (きょうごく はじめ)

徳川味の助と同い年の少年で、TVにも取り上げられる人気料理人。3歳の頃から料理の英才教育を受けており、理論と技術に大きな自信を持っている。実力も確かで、中学生でありながら高級レストランで働いているほど。味の助の祖父である徳川優作と対をなすほどの料理人であった京極健吾の孫で、味の助に対して対抗心を持っている。 味の助の評判を知り、彼に料理対決を申し込む。

上村 まどか (うえむら まどか)

神宮寺徹の娘で、アイドル女優として活躍中の少女。徳川味の助と京極一の料理対決の際には、神宮寺の指名により審査員として彼らの料理を評価することとなった。京極のことは以前から知っていて、彼の勝利を確信している。彼女が選んだ料理対決のテーマは「おいしい音」。おいしいものを食べると体が火照って体が熱くなる体質で、味の助が作った蕎麦を食べた時は上着を脱いでいた。

天堂 猛司 (てんどう たけし)

日本のフレンチ料理界では若手ナンバーワンと言われる実力派で、ホテルグランシアス内フランス料理店の総料理長を務める。感情に乏しく喜怒哀楽を表に出さない性質で、口数も少ない。神宮寺徹の紹介で働くことになった徳川味の助に対して、「キミみたいな2世料理人が大キライだ」と言い放ち、彼にさまざまな試練を課す。味の助が目の前で見ても判らないほど、素早くミリ単位で食材に隠し包丁を入れるその包丁技で、「千手の天堂」と評されている。

百田 栗太郎 (ももた くりたろう)

12歳で上京してきてから2年間、天堂猛司の店で働く料理人見習いの少年。同い年の徳川味の助が感心するほどの包丁さばきや鮮やかな手つきで、素早く料理を作ることができる。天堂の指名で、「どんぶり」をテーマに味の助と料理対決をし、以後は味の助の才能を認めて指導係として彼を教育する。感情に乏しい天堂の表情を読み取ることができるという特殊能力を持つ。

熊田 (くまだ)

天堂猛司が総料理長を務めるフレンチ店の副料理長。店員からは「鬼軍曹」と恐れられ、調理室を覗きに来た徳川味の助を殴り飛ばしたこともある。肉料理が得意で、その分野においては天堂を凌ぐといわれるほど。彼の作る特製のスペアリブ「熊田スペシャル」は、誰にも見られないよう個室で作るため、調理方法は誰も知らない。そのスペアリブは、フォークですくい上げただけで肉と骨が綺麗に剥がれるほど柔らかく、病弱の子供でも食べることができる繊細な料理である。

神宮寺 徹 (じんぐうじ とおる)

「料理界の番人」と呼ばれる料理評論家。徳川優作とは古くからの友人であり唯一のライバルで、その孫である徳川味の助を高く買っている。ただおいしいだけの料理ではない、料理から感じる「あたたか味」を大事にし評価の対象としている。有名なだけの行列店などを嫌っており、雑誌で辛辣な記事を掲載しては客が途絶えるまでの状況に陥れる。 味の助には師匠がいないのが問題だと、日本のフレンチ料理界では若手ナンバーワンと言われる天堂猛司を紹介した。

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